2019年04月03日

飴色甘露


お天気は快晴ですが今日も風が冷たい…
桜はこの寒さで長持ちしそうですね

さて、アルザスの復習は一旦置いといて、新しいワインを紹介します

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シャトー・クリマン2010

この白ワイン、ご存知でしょうか?
てんちょ、大好きな銘柄です
(実はイケムよりも好きだわ)

ラベルにBARSACの文字が読めるかと思います

このワインはボルドー、ソーテル地区の1級格付け貴腐ワインです
極甘口です。

この地区はソーテルヌ、バルサックという二つのAOCがありますが、この二つのAOCは貴腐ぶどうから作られる甘口の白ワインに「だけ」与えられた名称です
辛口ではもちろんダメ、遅摘みの甘口でもダメなんです。

従いまして、天候により貴腐が付かなかった年には生産ができないという貴重なワインなんです

これが貴腐です、ここからもっと干しブドウ状になっていきます ↓

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HPより、以下同様

貴腐ってカビです、初めてこのブドウでワイン作った人ってよっぽど切羽詰まっていたんだろうなぁ
だって、カビてるブドウを口に入れる気になれませんよね

しかし、このカビの作用で水分が抜け、糖度の高い素晴らしいブドウが得られる、という発見はノーベル賞ものですな
この状態をPourriture Noble プリチュールノーブルと言います。
(英語だとNoblerotノーブルロット)

通常、貴腐菌がぶどうにつくと病気になってブドウはダメになちゃいます
貴腐ぶどうとして収穫できる畑は条件に恵まれた僅かな場所だけなのです。

乾燥しすぎるとカビが発生しないし、湿度が高すぎるとカビが蔓延して良くない病気に発展してしまいます。
うーん、難しい。

ソーテルヌではガロンヌ川の支流が流れ、暖かい秋に夜に霧を発生させることがちょうどよい湿度を保つことに大変な貢献をしています
「奇跡の錬金術」って言われるのも納得。


法規制の話に戻って、
バルサックのワインはソーテルヌと名乗ることも許されています。
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズみたいですね

逆はダメです、ソーテルヌがバルサックと名乗ってはいけません💦

これは、この地の貴腐ワインが作られるソーテルヌ村が特に名高く、周りもまとめてソーテルヌと名乗っていた慣習に由来しています
昔々は隣村だからって、誰もそんな細かいことは気にしなかったんです。
ムルソーの赤がヴォルネイ・サントノと名乗っていたのと同じ。

しかし、これは良心的な「あの辺」という意識のなせる業で、決して隣の名声に乗っかって安酒を高く売ろうという悪意が牽引した事態ではありません
(まぁ、そういう人もいたでしょうけど
その証に格付けでは近隣のバルサック村をはじめ、ファルグ、ボンム、プレニャック村を含めてAOCソーテルヌと規定されています。

ソーテルヌの頂点はその立地も同様に丘の頂点にあるシャトー・ディケムなんですが、今日のクリマンも素晴らしい香りと味で決して負けていないと思います

甘いワインは沢山飲めないし、甘口ワインが売れない世界市場にあって、昨今ではソーテルヌの各シャトーでは辛口白ワインを生産するようになってきていますが、クリマンの貴腐は1杯飲んでも、それからまた「もう1杯飲もうかな」と思わせてくれますよ
それぐらい高貴な香りと味わいです

いや、本当にオススメです

シャトーは500年以上の歴史を持ち、所有者がほとんど変わっていないというボルドーの格付けシャトーでは珍しい存在です
現在はボルドーの地主一族、リュルトン家が所有していますが、彼らも含めて歴代の所有者が貴腐ワインを非常に大事に、シャトーの持つ畑と共に今まで温存してきたというのは賞賛に値する行為ですね。

大抵のシャトーが、長い歴史の中では低迷しちゃう時期があるもんですが、クリマンに至ってはほとんど悪口を聞いたことがない
その分、華々しく表舞台でもてはやされていたのでもなく、いぶし銀な本当の愛好家向けワインだったのだろうと思われます。
ほめ過ぎ??

HPにも自信をもって、
クリマンはエレガンスさで有名ですが、優れた卓越性でも知られています。
もし最良でないヴィンテージでも、造られたワインはまるで魔法のようです。


シャトー・クリマンの哲学:金銀細工師のように確かな仕事

と書かれています(日本語あります)

2010年は多くのボルドーがよいヴィンテージとなったのと同様に、クリマンでもフレッシュで若々しいワインができました
いきなり濃い甘口ではなく、何年か熟成させた方がより複雑で酸や糖分が融合した重厚なワインに変化すると思われます。
最初からアンバー色な年もありますが、2010年は黄金色の入口くらいです。
9年目、もういいかなぁ

そして、セパージュはセミヨン100%です

平均収量は1ha当たり1300リットル、流石貴腐、超すっくないー
(ポイヤックの格付け良心的シャトーでも5000とか6000は取っています)

という大変貴重なワインなんですが、甘口が流行らないせいか、そこまでのお値段はしません
イケムが突出して高いだけで、あとは諭吉さん二人もいれば何とかなる。

うーん、早く飲んでみたい〜
あなたもどうですか







posted by cave MITSUKURA at 15:08| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする