2019年08月14日

詩人たちよ、色を語れ


皆様、連休中でしょうか?

休みなしのカーヴミツクラです

今年は前後にバラけているせいか、今日でもメールの来る輸入元がありますね
仕事してるのね。

台風の影響は名古屋自体は最小限で済みそうです。
風が強いので看板とか気を付けないといけませんが💦


ソムリエ・エキスパートの受験生の皆様、合格した方のお知らせがボチボチ届いています
これから受験する方も頑張ってください



この前、使わない積年の資料を処分しようとしてて、99年のシニアソムリエの試験問題が出てきました

てんちょがシニア受けたよりもずっと前の物ですが、受験に当たって先輩が過去問を集めて送ってくれました
なので2000年以降もある、ありがたや〜
その節は大変お世話になりました。

今とは全然問題の内容が違いますね〜
大体流通してるワインも情報量も全然違うので当たり前ですが

例えばこんな問題、分かりますか?


問:次の色の表現の中からVins Rosesに使用されない物を選べ

1.Pelure d'oignon
2.Gris
3.Oeil de perdrix
4.Grenat fonce
5.Clairet


シニアでなくてもワイン名や料理名、地名、その他用語は原語表記が基本です
フランスワインはフランス語で、イタリア料理はイタリア語で書いてあります。
横文字苦手な方には大変ですが、慣れですよ。

さて、Vins Roses=ロゼワインです

ロゼワインの色合いを表す言葉ですね

ロゼという名称自体が「バラ(色)」から来てますけど、バラにも赤も白も黄色もあるのにっていう意見には私も賛成。
まぁそこはスルーしてください。

そして、ロゼと言っても薄いピンク色から濃い赤に近い色まで色んなロゼがありますので、用語もそれなりにある訳です。

しかし、大抵のネットの説明は卑怯だ
どんな色か、はっきり書いてなさすぎる上に、どこぞからのコピーみたいなのばっかり

これには、○○というロゼワインは○○色です、と言い切れない事があるからなのでしょう
大まかな傾向はありますけど。
更に熟成によって外観(色)は変化するので、一概に○○は○○色だ、という訳に行かない事情もあり

では、解説してみます。

Pelure d'oignonは、そのまま「玉ねぎの皮」です。

玉ねぎの皮は茶色だ、アンバーだ、トパーズだ、という主張にも頷けますが、ワイン用語ではロゼの色なのよ
あの色の通り、オレンジ色を連想させるような色合いですね。
青味の少ない明るい色です。



Gris「灰色」です。

灰色のどこがロゼなんだ、という批判はごもっともですが、実はロゼって灰色になるんですよ

そもそもはvin grisというワインがありまして、黒ブドウで作る白ワインをそう呼びました。
いや、グリという用語があったから、あのワインをヴァン・ぐりと呼んだのか。

これは一般的なロゼワインよりももっと色の薄いワインで半甘口が多かったです。
しかし今では生産が激減して、ブルゴーニュから北東部くらいでしか作っていません、ニューワールドにもあるにはある。

てんちょ、マダガスカルのお土産にヴァン・グリいただきました、ほんのり甘口で美味しかったです
マダガスカルはフランス領だったので、ワインもフランス流です。
正に「灰色」といった外観で、赤い色素がほとんどなかった。

白ワインの手法なので色が薄いのは当たり前ですが、一方で熟成で退色したロゼにもグリという表現は使えます
昔の古いシャンパーニュはグリっぽいのが多かったです、今はそんなに見かけませんね
(因みに退色しても香りと味には悪影響ないんです)

ブドウ品種にもピノ・グリなどある様に、黒でも白でもないデラウェアみたいな半紫色の品種がグリです
フランスのブドウ品種事典には白ブドウにはB、黒ブドウにはN、グリブドウにはG、と表記されます。
ゲヴェルツトラミネールはグリ、です。



も良く使う言葉です、Oeil de perdrixヤマウズラの目、という意味です。

ウズラ大好き
いや、今回は肉じゃなくて「目」の色です

こんなの、ハトや雷鳥でもえーやんか、と言いたいところですが、野鳥の目の色なんて全く意識した事ないんです
ニワトリの目の色も知らない…
そして、ネットでヤマウズラ調べても目の色なんて全然分からないです

えーい、そういう事らしい

今ではシャンパーニュで使われる事がほとんどでしょう。
昔ながらのピノノワールのロゼらしい、淡い色あいに言います。

ただ、近頃のシャンパーニュのロゼも綺麗な色の物が多いので、どれが典型的なウズラの目か、ビミョーに思います💧
ラベル表記もありますが、うーん、そおかなぁといいたくなるような鮮やかな物もあるので。



の単語が分かる方はいますか?

Grenatはガーネット、fonceは濃い、暗いという意味です。

所謂決まった用語ではなく、「濃い赤色」というフランス語ですので、普段使わなくて当たり前かも

ガーネットはルビーと同じく宝石の色で、どちらも若い赤ワインの外観に使われる用語です。

ルビーからガーネットへ変化していく、と言われますが。ルビーの方がどうしても鮮やかな赤で色が濃いと思うので納得いきません(あくまで主観

WSETの解説では、赤ワインが熟成につれて退色し、紫色→褐色に変化する様を、ルビー→ガーネット→トーニーと表現しますが、これが的を得ていると思います

まぁ、日本の偉いさんがおっしゃるように、若い赤で淡いとルビー、濃いとガーネットという事にした方が受験生には良さそうです。

決めた人達、宝石全然知らないんじゃないの。
あるいは、てんちょがロクなガーネットを持っていないか。でへ。



Clairetクレレ、カタカナでもたまに登場します。

この単語はボルドーのロゼに使います
レジョナルのAOCにボルドー・クレレという呼称があり、ボルドー・ロゼとは別に定義されているんです。
滅多に見ないけど。

これは歴史的にイギリス向けの輸出が盛んだった中世の頃の呼び名で、品質の良いボルドーの赤ワインをフレンチ・クラレットと呼んだ事に由来しています。
当時は淡い色の「赤ワイン」だったのです
(英語だとクラレット、フランス語だとクレレ、同じ単語です)
なので、アンティークのガラスのピッチャー(ワインデキャンタ兼水差し)もクラレットと呼ばれています。

チーズのラクレットと混同しませんように、しないって

ほとんど名称だけになりかけてた、このボルドー・クレレですが、最近のロゼブームで復活の兆しがありそうです
ボルドーのロゼを見かけたら、「clairet」の表記じゃないか見てみてください


という事で、正解は4

簡単でしたか?さほど難しくはないね。


店頭にあるボトルで、これが玉ねぎ、こっちがグリ、って例を示せると良かったのですが、
今あるロゼはみーんな綺麗なピンク色ばっかりです

色が綺麗なのはいい事なんですけどね、多少の差があってもオレンジ… 灰色… うーん、違う。

ボルドーのロゼも色の濃いいいのがありますが(ドメーヌ・ド・シュヴァリエのロゼ)、クレレじゃない
これ ↓
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美味しいです、辛口。

という事で、字ばっかりですみません












posted by cave MITSUKURA at 18:57| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする