2019年05月20日

お訪ねしたい


最近、物凄くが強くて不思議なんですけど、名古屋のビルの谷間だけでしょうか
昨日なんて日傘が差せないくらいで…

今日の夜からまとまった雨になる様ですが、これで宇連ダムの貯水量が上がるといいですね
でも、あんまり降りすぎないで。


今日は初めてお会いするフランス人紳士が二人お訪ねくださいました

一人は輸入会社のアントワーヌさん、エペルネのご出身だそうです。
ランス出身の社長さんと一緒に、日本に紹介されていないレコルタンのシャンパーニュを広めようと3年前に事業を始めたそうです

もうお一人は、シャンパーニュのレコルタン、グランクリュのシュウイイから、ローラン・オストムさん
M・オストムの代表です。
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真摯で優しい方でした

てんちょ、オストムのシャンパーニュは初めて飲みました
こんなラベル ↓

オストム.jpg
オストムさんSNSより

写真撮るの忘れたので
ミュズレの写真はあります ↓

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集めてるって言ったらくれました

オストムは、ローランさんで現在4代目、代々シュウイイの家族経営のシャンパーニュメーカーです

19世紀の最後、フィロキセラ禍が治まった頃にご先祖が畑を購入してシャンパーニュ作りを始めたそうですが、その頃はフィロキセラの被害が大きくてブドウ作りを辞める人も多くいたので、畑の値段がとても安かったそうです。
ある意味ラッキーですよね

今ではローランさんの15歳の息子さん(5代目)も仕事を手伝っているそうです。

何歳から仕事しているのですか?という問いに、家がシャンパーニュメーカーなので本当に小さな頃からお父さんと一緒に蔵や畑ででお手伝いするのが普通だったと。
学校帰ってお手伝いしながら仕事を覚えたのですね。
家内工業的利点かも

ところで、特級シュウイイってどこか分かりますか?

その前にちょっと復習。何度も書いてますけど。

シャンパーニュの村は全部で320認定されています。
その内の特級は僅かに17、1級は42ですが、この認定は村まるごとに与えられた格付けです
(もちろん畑の面積などは登録されていますので村内というだけで勝手に開墾したりはできませんが)

同じ特級=グランクリュでも、1ha未満の極小の区画にも一つの格付けが与えられているブルゴーニュとは大違いです

従って、特級アイというのはアイ村にあるブドウ畑が全て特級という事なのです
ブジーもアンボネイもそうです、幻のピュイジューも同じく。

なんて大雑把なんでしょう
だって、良い斜面もあれば、水はけの良くない日当たりワロシな区画もありますよね。
不公平だ。

これは昔のブドウ買い付けの制度に由来しています

いいブドウは高くなるのは当然ですが、シャンパーニュメーカーは慣習的に良いブドウが採れる地区を知っていて、その生産者と優先的に取引しようとします。
そりゃそうだ。

いいブドウを競って高く買うと予算を圧迫してしまうので、それ以外のブドウを買い叩かなくてはなりません
引くてあまたとは言えない栽培家はいつも大手メゾンの買い付け価格に不満を持っていました。(特にオーヴ)

正当な取引と安定した収入を保証することは、結果的にシャンパーニュ自体の品質の向上にも重要なことですので、紆余曲折、すったもんだ、焼き討ち&暴動を経て(マジです)、1908年、1911年に村に対する格付けが初めて成立しました。
それまではシャンパーニュ以外のブドウは混ざるわ、買い手の言い値で取引が決まるわ、で、栽培家には辛い時代だったのです。
打倒資本家、とかなりますわ

さて、格付けですが、各村を3段階に分け、上から特級、1級、何もなし=村となりました。

この時、3段階の中もさらに細かく規定され、

特級は100
1級は99から90
村名は89から80


と点数の様なものがつけられ、これがブドウの買取価格を決定するシステムとなったのです

つまり、特級のブドウが1キロ1万円だとしたら、99の1級村の葡萄は9900円、85の村の葡萄は8500円と自動的に決まっていく仕組みです。
便利と言えば便利ですが、意欲がそがれるよね…
(ただし、85以下はなかったはず)

今ではこの制度は廃止されていますので、場所に関わらず各人努力次第でいいブドウを高く売ることも十分可能です

しかも、今は原料枯渇の状況なので売り手市場です。
シャンパーニュは世界中で売れまくってますが、作る量は自ずと限られていますし。

栽培家の諸君、今こそ積年の恨みを晴らす時だうしし

規定はその後何度か改正されていますが、この「村単位」の格付けは維持されたまま現在に至っております

そして、この100(点?)制の格付けですが、村単位と言ってもちょっと例外がありました
例えば、先程アイのブドウは全て特級と書きましたが、これはシャルドネ、ピノノワールどちらもOKなのですが、シュウイイとトゥール・シュル・マルヌの2村に限っては、シュウイイはシャルドネ(白ブドウ)のみ、トゥール・シュル・マルヌはピノノワール(または黒ブドウ)のみがグランクリュ認定でした
一方のブドウは1級扱いだったんです。

この「差別」規定も数年前に改正され、全てのシュウイイ、トゥール・シュル・マルヌのブドウがグランクリュと名乗れるようになりました

そして、蛇足ですが。
シャンパーニュの認定品種は、シャルドネ、ピノノワール、ピノムニエの3種類だと覚えますよね??
そう書いてある本や資料はかなり多い。
しかし、レグルマンテの記載は「ピノ及びその亜種」となっており、非常に微小ではありますが上記3種以外のブドウも栽培されています。
ピノブラン、アルバンヌ、プティメリエ、フロマントーなど。ピノグリもあり。


話をオストムに戻して、シュウイイの場所はこちらです ↓

オストム.png

もう少し縮尺を大きくすると ↓

オストム1.png
シャンパーニュ通は二つの地図の地名が大体分かるはず

シュウイイって、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、マルヌ川の南にあり、ほかのグランクリュとはちょっと離れてるんですよね。
近所には、ニコラ・フィアット、バザール・コカール、ピエール・ルグラなど日本でも人気の生産者の名前が見られます。

近代的で清潔な醸造所 ↓

オストム2.jpg

これが自分家にあるのかぁ〜

シュウイイのシャルドネ自社畑 ↓

オストム3.jpg

「シュウイイのシャルドネはコート・デ・ブランのシャルドネと比べて特に酸味が際立っている」
「その酸とミネラルを大事に生かしたシャンパーニュを作りたい」
と、ローランさんのお話。

試飲させてもらった、スタンダードのシャンパーニュ「レゼルヴ・グランクリュ・ブランドブラン」は瓶熟4年以上、ヴィンテージ2008でなんと10年熟成、出荷したてでした

シャルドネらしい、レモンやメレンゲの様な香りと長い瓶熟の証拠の香ばしい香りがしました。
柔らかい口当たりで、綺麗な辛口、繊細です。

舌の上に酸が全く残らない、後味まで非常に美味しいシャンパーニュです
これ、好きだわ〜

それなのに、びっくり

オストムでは全てのシャンパーニュでMLFを行っていません

普通MLFを行った方が優しい味になりますが、既に柔らかく綺麗な酸で、全然厳しさやシャープさがない。
つるつる飲めるすごーい

ピエール・ルグラも非常に美味しくて好きですが、オストムもいいですね
シュウイイのシャルドネはレベルが高い。
素敵なお土産までいただきました

明後日、入荷してきますので何かの機会に皆様にも飲んでもらいたいです














posted by cave MITSUKURA at 19:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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