2019年10月25日

王のワインを語れ


もうじき、2019年最初の新酒が入荷して来ます
(ミツクラは南半球の新酒を買っていませんので)

最初の新酒は、イタリアのノヴェッロです
ミツクラでは毎年人気のファルネーゼを扱います、それだけですが。
10月30日解禁です。

しかも、日付変わった0時01分という奇怪な解禁期限(本当です)

ノヴェッロの予約は29日の解禁前日まで
ヌーボーはじめノヴェッロ以外の全ての新酒の予約は10月31日とさせていただきます

どうぞご予約下さい〜



昨日のセミナーの報告をします
今日は長いかも

てんちょ、バローロ好きですが、そこまでじっくり飲み続けてる訳じゃなくて、
ルチアーノ・サンドローネもそんなに飲んだ事なかったのです

サンドローネ・ファミリーはこんな皆様 ↓

サンドローネ.jpg
HPより、以下同様

写真上の左側が創業者でご当主のルチアーノさん(青いエプロンの方)、来年75歳だそうです
その右がお嬢さんのバーバラさん
一番左端の男性がルチアーノさんの21歳年下の弟、ルカさん。
下のお二人がバーバラさんのお子さんのアレシアさんとステファノさん。

来日は2度目?名古屋は初めてのバーバラさん、素敵な方だった
セミナーが始まる前に、座ってる出席者の所へ来て一人一人に挨拶してくれました。
こんな方は初めてです

ちょっとだけお話しできました
嬉しい。


お父さんのルチアーノさんは孫の二人の名前を繋げて、蔵のフラッグシップであるカンヌビ・ボスキスを2013年からアレステと改名しました
しかし、変えたのは名前だけ。
他のブドウ栽培やワイン作りは一切変更していません。

こちら ↓

01-Barolo-Aleste-2017_2.jpg

この、世界中で賞賛を浴びるカンヌビ・ボスキスの畑の話の前に、ちょっとバローロを簡単に復習してみましょう

まずは歴史的背景から。

バローロは何百年も前から、この世のワインラバーにその名を轟かせるイタリア屈指の高級ワインです

「ワインの王であり、王のワインである」と言われた程。
これはバローロの長い歴史の中でも、19世紀の半ばにランゲ地方がサヴォイア王家の所領になり、カルロ・アルベルト国王にその地のワインが気に入られたことに由来しています。
当時、既にバローロという地名は素晴らしいワインと同義だったのです。

王様のお墨付きもあって、この時期には特にバローロの名声は高まり、品質が一層向上したようです
ただし、この当時、バローロは甘口の赤ワインでした、辛口のバローロが当たり前になるのはもう少し後。意外ですが。

後のイタリアワインの法整備でも1926年にバルバレスコと共に真っ先に保護(規制)されています。

しかし、二度の大戦で疲弊したイタリア経済はワイン産業にも同様に暗雲をもたらし、どの作り手も経営不振、資金不足に陥り、また世界のワイン市場も冷え込んでとても高級ワインが売れるような状況ではなくなってしまいました
多くの企業が倒産、身売りでバローロの品質は低下、60年代後半にはかつての名声が「幻の伝説」の様になっていました。

そこで立ち上がったのが、ルチアーノ・サンドローネをはじめとする「バローロ・ボーイズ」の面々

エリオ・アルターレ
ドメニコ・クレリコ
パオロ・スカヴィーノ
ロベルト・ヴォエルツィオ
あと誰かしら

低迷したバローロの人気を回復すべく、新しいモダンなバローロ作りに挑戦します

特にルチアーノ・サンドローネが取り入れた、特定の区画のブドウをブレンドすることなく単体で瓶詰めする「クリュ」の考えは、これ以降多くの生産者が追随することになります
それまでのバローロは区画の全てのブドウを醸造し、ブレンドするのが当たり前だったのです。

ボーイズとは言え、もちろん少年ではなかった彼ら、父親世代との見解の相違は絶対にあったでしょうね
結果的に彼らの勝利、今のバローロがあると言う訳です。

で、規制としてのバローロですが、
バローロ村を中心とした11の村で181のクリュ(MGA)が認められています

めっちゃ多い… 因みにそれぞれのクリュには格付けはありません。

かつてはクリュは申請式で増加の一方だったのですが、2014年に現在の181に落ち着いています。
これ以上増やさない、って事

バローロ村周辺の中心部には、バローロをはじめ、
ラ・モーラ
カスティリオーネ・ファレット
セッラルンガ・ダルバ
モンフォンルテ・ダルバ

という5つの村があります。

バローロ村は、タナロ川の南側に位置するランゲ地区でも南部にあり、石灰粘土質土壌の畑が多く主に赤ワインを生み出します。
反対に川の北側にあるロエーロ地区は砂質で、白のアルネイスの栽培が盛んです。

先に少し触れました、ルチアーノ・サンドローネさんが初めて名前を付けて発売した、バローロ カンヌビ・ボスキスですが、
これは、カンヌビという畑の中にボスキスという区画がある、という事になっています(今は)

しかしながら、どうやら、カンヌビ・ボスキスの畑はずーっと以前から素晴らしいワインができると評判だったために、ボスキス以外の周りの畑もカンヌビの名前にあやかろうと勝手にカンヌビの名前をくっつけちゃったりしていたようですsrc="//blog.seesaa.jp/images_g/2/256.gif" width="20" height="20">
もちろん今はできませんけど、商標や権利なんて誰も気に留めてなかった大昔にはよくある事です。
真似っこ、パクリですな

バローロは赤ワインだけ、ブドウはネッビオーロ100%でなければいけません

晩熟のネッビオーロは(名前の由来がネッビア=霧、霧が出る時期まで収穫しないから)、タンニンが強くアルコール度数も高くなりがちなのに、色素の抽出には時間がかかる厄介なブドウです
じっくり醸すと色は濃くなりますが、渋々のシカシカした大変飲みづらいワインになってしまいます。
きれいな外観を持たせながらエレガントに作るのが難しいのです。


さて、前置きが長くなりましたが、ルチアーノ・サンドローネに話を戻して。

ルチアーノさんは元々、ブドウ栽培家に生まれた訳ではなく、家業の大工・木工業を継がず、農業学校を13歳で卒業したのちに、地元のワイン会社のボルゴーニョで働き始めました
その後、大手のマルケージ・バローロで醸造長となりますが、会社勤めをしながら、1978年に先の大評判の区画であるカンヌビ・ボスキスを購入するチャンスに恵まれました

0.5haを取得した彼はさっそく翌年、ガレージで自分のワインを作りますが、このワインが品評会でアメリカのバイヤーの目に留まります
ここから彼の成功が始まります。

サンドローネのワイン、ご覧になって思いませんでしょうか?
ラベルがすごくシンプルですよね

これは1985年に、当初のよくある字が多いラベルを辞めて、敢えてシンプルにした結果です
アメリカをはじめ、イタリア語を理解できない外国の人にも分かりやすいようにしたんですね。
今でもこのラベルです。

ルチアーノ・サンドローネではブドウは黒ブドウを3種類だけ、5つの赤ワインだけを生産しています
(実はちょうど6つ目の赤ワインが発売になるところですが)

ドルチェット・ダルバ
バルベーラ・ダルバ

ネッビオーロ・ダルバ ヴァルマッジョーレ(畑名入り)
バローロ レ・ヴィーニェ (伝統的なブレンドのバローロ)
バローロ アレステ (カンヌビ・ボスキスの単独クリュ)


さー試飲だ。
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いつも真っ先に収穫するドルチェットとその後に収穫すると言うバルベーラ、どちらも最初は一見地味な香りの様ですが、すぐに開いてフローラルでフルーティなアロマが押し寄せてきます
柔らかい酸味で透明感がありますね。
バルベーラの方が多少青さがあるでしょうか。

ヴァルマッジョーレの畑名入りのネッビオーロはとても個性的です
この区画はロエーロ地区にあり、非常に急斜面の曲がりくねった畑になっています。

こんなすごいとこ ↓

サンドローネTerra-2-New.jpg
サンドローネでは66ha中の3haを所有しています

斜面が色んな向きになっているので収穫は6回に分けて行うそうです。

砂質のネッビオーロ、透明なルビーレッドですが酸もアルコール度数も強い
発売したての17年はすぐに飲むにはちと辛い。
試飲では、同じ区画の13年がありましたが、やはりこちらの方がバランスが良くて後味が格段に素晴らしいですね

バーバラさん曰く、
ネッビオーロ・ダルバというワインをバローロの若木で作るセカンドや格落ちワインの様に思っている人が多いですが、サンドローネではまったく別のワインとして作っていますので誤解してほしくない、と。

そして、ネッビオーロのワインは、ドルチェットやバルベーラとは違い、誰にでも簡単に親しめる訳ではなく、飲み手が準備して歩み寄っていくようなワインである、とも話していました
なるほど。
確かに、わーって飲んでしまうと、どうだったか全く分からなさそうです。

繊細で秘密が多いと言うか、じっくりしっとり、ほどく様なワインなんですよねぇ
飲み手の力量が問われるところだ


伝統的なブレンドのバローロ、レ・ヴィーニェは4つの区画のブレンドです。
スミレではないけれど、フローラルなアロマがはっきり分かりますね
それほどフルーティではなかった、アルコール度数も高いけれどシルキー。
酸味は意外と優しくて多少スパイス感もあり。
こちらも15年より09年が断然良い(当たり前か)

レ・ヴィーニョが繊細で女性的なのに対して、最後のアレステは男性的でがっしりしています
長熟可能で、ミントの様なアロマもある清涼感を感じさせる香りです。
カイメイ前の年でもまだ若くて食事が一緒に欲しいですね。


ライブラリー・コレクションとしてカーヴで熟成したワインも販売してるとの事

サンドローネSibiPaucis-1-EN.jpg
とても魅力的ですが、お値段もやっぱりね。

アロマの広がりはとても素敵です
やっぱり食事がないといけませんね。

皆様もチャンスがあったら、ルチアーノ・サンドローネのワインお試しください
店頭にも次回買いたいところ、お手頃なのを。












posted by cave MITSUKURA at 18:22| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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