2020年06月21日

マルベックの本当の実力


曇り空でやや過ごしやすい名古屋です。
ブラジルや南部アメリカでコロナ感染者が増加してるようで、国際的な交流は当分先になりそうですね
日本でも一気に観光地や街中に人が増えてちょっと心配。




今日はちょっと特別なワインを紹介します

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カテナ サパータ マルベック アルヘンティーノ カテナ 2017

アルゼンチンの赤ワイン、マルベック100%です
メンドーサ産です。

すごいラベルでしょ。
詳しくは後半。

アルゼンチン最大のワイン産地であるメンドーサはアンデス山脈を挟んで、ちょうどチリのサンチアゴの反対側にあります。
なので気候的にも土壌的にもチリと共通点があり、豊富な日照と冷涼な気候のおかげでヴィンテージの差が少なく、毎年健全なブドウが豊富に収穫できる利点があります

デイリーワインとしてチリと同じようにアルゼンチンワインを飲む人は沢山いると思います

カテナはアルゼンチン最大のワイナリーです
3代目のご当主であるニコラス氏は、英国ワイン専門誌のデカンターで09年に「マン・オブ・ザ・イヤー」に選出されていますし、他にも世界で最も価値の高いワイナリーに選ばれるなど世界中で賞賛されている注目のドメーヌなんです

ニコラスさんはナパの高級ワインの影響を受けて、1980年代にチリワインと同じように低価格で親しみやすいワインがアルゼンチンのワインだと思われていた市場の意識を変えるべく、単一畑のワインや凝縮された高品質ワインの生産を始めました。
それが今でも高評価の結果に繋がっている訳です
現在は4代目のお嬢さんもワイナリーに参加して、特にマルベックのDNAや土壌の研究にも力を入れています。

ミツクラにも2018年9月にカテナ(&ラポストール)セミナーを開催しました
もう一昨年かぁ、二つのワイナリーを2時間程度で試飲・解説ってのはもったいないですね
とても良い機会でしたが、もっとお話が聞きたかった。

繰り返しますが、カテナはアルゼンチン最大にして最高のワイナリーです
安いだけのワインじゃない、アルゼンチンワインの意識を変えたい努力が非常に明確です。

ドメーヌはメンドーサにありますが、自社畑はその周辺に標高900メートルから1500メートルにもなる「高山」に点在しています

でもねぇ、この大会社、デイリーワインから単一区画の高級品まで沢山のラインナップがあるんですけど、
はっきり言って紛らわしい名前が多くて分かりづらい
もうちょっと簡潔にカテゴライズするべきだと思う

ハズキルーペみたいに「名前がややこして分からないっ」と叫びたくなる
きーっ

と言う事で、今日のワインを紹介する前にカテナのラインナップをおさらいしましょう。
ワインのカテゴリーは6つのヒエラルキーに分類されています
(なんかこれも怪しいんだけど)

お値打ちな方から、

アラモス・シリーズ

ミツクラの店頭にもあります、1000円台でも十分美味しい高品質です。
これは本当に文句なしのおすすめです
赤白泡ロゼと品種ごとに揃っています。

カテナ・シリーズ

あのさー、これがイカンと思うんだよ。
カテナっていう会社がカテナっていうワインを作る事は全然悪くないんですけど、数あるシリーズの中で限定して自社名が入ってるのって言うのが面倒の元ではなかろうか
そして品種ごとに何種類もあるから余計面倒。
カテナのカテナ、です。

カテナ・アルタ・シリーズ

これもだよ、アルタ(=高地の意味です)の名前の通り一部の区画のブドウのみを使用
こちらにも品種ごとにいくつかあります。

カテナ・サパータ・シングルヴィンヤード

ここからは特に高級品です。
これ以降は基本的に区画名が入りますが、ブレンドのキュヴェ名の場合もあり、これもややこしい
お値段も急に諭吉さんです。

カテナ・サパータ・アドリアンナ区画別ワイン

ホワイントボーンズなど、アドリアンナ地区の単一区画名が入っています。
メンドーサ市の南15キロくらいにあるカテナのドメーヌからさらに南へ行ったトゥプンガトという、標高1500メートルもある一帯がアドリアンナの畑がある扇状地です。

畑は細分化されてそれぞれに適した品種が研究され、植えられています ↓

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セミナーでいただきました。

標高が1500メートルもあるので昼間の日差しは殺人光線です
日照量は完璧、ブドウは種を守るために果皮を厚くするので一層凝縮した濃いワインが作れます

しかし高地なので気温が低く(特に夜)、ブルゴーニュと年間気温とほぼ同じという特異な気候なんです。
そして、雨が少なく乾燥してるので病害の心配が少ないと言う利点もあります。
(余談ですが、夏は元々雨が少ないものの、ここ何年も冬の雪が減っているので今後は地下水にも影響があるかもしれない、とのお話
気候変動は世界どこでも同じなのでした)

特別な自社畑は、このアドリアンナ地区以外にも、あと二つ、アンヘリカ地区ニカシア地区というところがある。

カテナ・サパータ・フラッグシップワイン

これも特別な区画の最高品質ワインです。
ニコラス・カテナ・サパータ
カテナ・アルヘンティーノ

…になってますけど、HPと違う
HPはもっとめちゃくちゃ種類があって、一層訳が分からない

どーなってんだぁぁぁぁ(切実に怒っておる)

もらった資料が間違ってる、それ以降に変更されたやもしれませんけど
4,5,6はもっと整理して販売するべきじゃなかろうか
ワインは細分化しすぎてるのも販売を難しくしてる原因の一つだと思う

すんごい濃いオーパスみたいなの1つあれば十分かもしれません、最初は。
まぁ、それは置いとくとして


やっと本題
今日のワインはカテナの拘りが詰まった高級ワインですよ〜

マルベック100%
アンヘリカ地区とニカシア地区のブドウを混ぜています。

ドメーヌの歴史にも重要な役割を果たしているマルベックの研究の集大成と言われるワインです

ちょっと脱線しますが、今やアルゼンチンの固有品種ともいうべきマルベックが何故ここまで定着したのでしょうか

ご存知の通り、マルベックは元々ボルドー周辺のブドウです。
中世以降、フランス・イギリスの宮廷ではマルベックで作られたワインが濃厚で香り高く、非常に人気でした。
当時はカベルネソーヴィニョンはまだ普及していなかったようです。

手軽に栽培出来ていいワインが作れる品種と言う事で、マルベックはとても持て囃されます
大航海時代を経て多くのヨーロッパ移民はブドウの樹も南米へ輸出することになりますが、その中にマルベックも入っていて特にアルゼンチンで成功していきます。

マルベックは雨や湿度に弱いので、標高の高いメンドーサ付近の乾燥した気候によく合ったようです
さらに、スペイン系の移民の食事であるアサード(炭焼き)にマルベックのまろやかさが好まれたのではないか、という理由もあるそうです

1850年代の前半には既に栽培の記録が多く残されているそうで、こうなってくるとフィロキセラがいないメンドーサではフランスよりも樹齢の古い「本来の」マルベックが根付いて残っていることになります
この本家を凌ぐ、下克上的な地位向上がアルゼンチンワインにはとても重要です
フィロキセラ以降にはアルゼンチンのマルベックをフランスに再輸入する試みもあったそうですし。

以上、アルゼンチンとマルベックの関係でした


今日のワインはラベルが怖いですよね
それには理由があります
2015年ヴィンテージから、この印象的なラベルに変更されています。
(ワイン名はARGENTINO=アルジェンティーノ、ですがスペイン語読みなんですね)

この派手で豪華なラベルには4人の女性が描かれていますが、これがマルベックの歴史を表しているのです

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エレオノール・アキテーヌ〜
移民の時代〜
フィロキセラ〜
アルゼンチンにおけるマルベックの再発見〜

頂いた原画もあります ↓

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こちらもセミナーでいただきました。

フィロキセラが怖い、死神だわ

凝縮感は完璧です
2割だけ全房発酵、フレンチオーク熟成18ヶ月
アルコール度数も14.5%もあります
さらに酸度も高くて(HP3.5)、しっかりした骨格にぎゅうぎゅうに詰まってます

店頭には今はありませんので取り寄せになりますが、こういう素晴らしいマルベックも体験してみて下さい〜
取り寄せ可能です。









posted by cave MITSUKURA at 18:57| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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