お盆ですね

てんちょの実家は7月の新盆なので、この時期には何もありません。
心置きなく仕事ができる訳で

山口の2歳の男の子、無事に見つかって良かったですね

子供って突然いなくなりますもんね…
実はてんちょ、一度だけ
迷子になったことがあります

保育園の年少に入ったばかりの頃(3歳)、駅前にある4階建てのスーパーとデパートの中間みたいな商業施設に祖父と二人で行きました。
地方にあるユニーみたいな所です。
全然巨大なモールなどではありません💦
祖父の後について行ってるつもりだったのに、ふと見ると祖父がいない…
周りを見てもいない…
あれー??って焦るよりも不思議で、
一人できょとん&ぽつん。
そしたら前のエスカレーターから近所の〇ちゃんとお母さんが上って来て、私を発見。
「おじいちゃんと来たけどいない」と話すと、おばさんがちょっと探そうか、と〇ちゃんと私を連れて上に行ったり売り場を少し歩いてくれました。
すぐに祖父がカウンターの店員さんに「孫がいない」と相談してる所に遭遇して解決〜

でした。
(が、家に帰って話すと祖母と母にこっぴどく叱られた祖父。ちょっとかわいそうだったなぁ

)
自分から突飛な行動をしたつもりはないんですけど、ほんの一瞬でもお互いに見失うんだなーと。
さて、前回の
マキャヴェッリに続いて
メリーニと
キャンティの話です

メリーニは1705年に創業した超老舗のキャンティメーカーです

もちろんキャンティ以外のワインも生産しています。
元はフィレンツェ近郊にあったのですが、1970年にシエナ近郊へと移転しています。
ちょうど、キャンティクラシコの南西の境の辺りです。
ここ ↓

その際に
丘を真横に掘り進んだセラー兼カーヴを建設、こうした手法は当時ではかなり革新的で周りがさぞや驚いた事でしょう

温度と湿度が一定の自然のセラーで、醸造においても斜面を使うことで重力を有効活用できる利点が多いのです。

↑ これが一番上でブドウはここで破砕されて下へ(重力で)運ばれて行きます
また、クリュごとに醸造、生産する
単一畑の概念をキャンティで最初に実践したのもこのメリーニなんです

今では、バローロのみならず、畑の名前を入れたイタリワインは数多くありますが、キャンティではここが初めて採用したんです。
そんなメリーニ、今では170haの自社畑と買いブドウで、年間700万本物ワインを販売する巨大企業で、
GIVの他のブランドの醸造生産、発送拠点になるなど、大事な一翼を担っています

今のメリーニ社は経営者が変わり創業者の一族は残っていませんが、発展は続いています。
メリーニでは所有畑もそうなんですが、よく話題になる事柄が二つあります
一つは、40代半ば以上の方は、キャンティと言われれば真っ先に
「あのボトル」を連想するはずです

下半分が菰(こも)に包まれた丸いボトル、
フィアスコですね。

このボトルを最初に開発したのがメリーニ社です、輸送の衝撃に耐えるように作られましたが、現在ではこれを編める職人がいなくなってしまい、ほとんど消滅しちゃいましたが…

二つ目は、メリーニでは
ゴヴェルノ製法を使ったキャンティも生産している事です


ミツクラの店頭でもとても人気があります

ゴヴェルノ製法とは早く飲むための工夫でもあるのですが、ワインを醸すときに別に収穫して陰干ししておいたブドウを漬け込む手法の事です
アマローネに使われる方法です。
これをすることにより、酸が穏やかになり飲みやすくなります。
これは昔、白ブドウを混ぜていた頃の若い酸味を和らげる目的でも行われていました

現在でも法的には(クラシコを除いて)白ブドウのブレンドは可能ですが、メリーニでは黒ブドウだけを使用しています

9月末頃に収穫したブドウをプラスチックの平らな籠に並べて、風を当てて乾燥させます。
かごがいっぱい ↓

風が乏しい時には扇風機も使い、12月くらいまでおいで干し葡萄にすることでブドウ内の糖度を高めるのが目的です。
それを漬け込むので、ワインにはコクが加味され酸味も和らぐという訳です。
でも場所も必要だし手間もかかるので、簡単にできる事ではない

実際に飲んでみると非常にまろやかです

(メリーニのゴヴェルノにはメルローなどがブレンドさていますが)
価格もとてもお手頃なので、ワインだけを楽しむにも食事のお供にするにもとても便利で美味しい。
マジ、おすすめ
では、メリーニの話からは逸れますが、
キャンティというワインについて簡単におさらいしてみましょう

ワイン通でなくても「キャンティ」の名前は聞いたことがあるであろう程、有名なキャンティ、
イタリアワインで一番知名度が高いでしょう

余談ですが、昔々のテレビドラマでは、バゲットとキャンティを持ってホームパーティーに行くっていう、バブル真っただ中の定番シーンがあったもんですわ

この場合はワインはシャブリでも可。
もちろん、クラシコやプルミエクリュなど小難しい単語は一切登場しない。
キャンティはトスカーナ地方最大の銘柄で、キャンティ・クラシコと共に1984年に
DOCGに認定されています。
キャンティの中に中心部のクラシコの地域が包含される関係で、キャンティは5県にまたがる広大な産地です。
ですから、ワインにも品質の差があり、玉石混交なのは否めない現状です

ブドウ品種は
サンジョベーゼが主体(100%でも可)、補助品種がいくつか。
クラシコ地区だけでも7300haものブドウ畑があります、うーん広すぎで全然ぴんと来ませんな…
認定されている村は9つ
サンカシャーノ・ヴァル・ディ・ペーサ
タヴァルネッレ・ヴァル・ディ・ペーサ
グレーヴェ・イン・キャンティ
ラッダ・イン・キャンティ
ガイオーレ・イン・キャンティ
ポッジボンジ← メリーニ社はこの近くにあります
バルベリーノ・ヴァル・デルザ
カステリーナ・イン・キャンティ
カステルノーヴォ・ベラルデンガ一つでも知ってる方、ものすごい詳しいですね

一般の方は知らんでもよろし。
この中にまた細かく区画があるという訳です

勉強したい方(イタリアンのソムリエくらいか)、
マズナゲッティ社の地図が大変有効です ↓

ここはイタリアの主要ワイン産地の詳細な地図を出版しています。
めちゃ細かいですが、使えます

(ただし、一般の方には専門的過ぎるかも)
トスカーナ地方は
オリーヴと糸杉のなだらかな丘が続く温暖な地域ですが、こんな感じ ↓


地理的にはモンティ・デル・キャンティと呼ばれる小さな山脈があり、これが南北にキャンティ・クラシコの東端を縦断しています。
高い所で900mほどの標高になるこの山の西側の麓、400〜600mにブドウ畑が広がっています。

それぞれ、
北のフィレンツェ側(フィオレンティーナ)
南のシエナ側(セネーゼ)と分けるのが最も単純な区分です。
しかし、超細かいね、詳細過ぎて、てんちょついていけません…

誰がどこを持っているか、大事なんですけど。
メリーニ社の持つ畑で最も良いとされる区画が
セルヴァネッラです

ラッダ(村)にある区画で、メリーニが最初に単一畑ワインとして生産した大事な畑なんです。
キャンティクラシコのど真ん中です。
ワインはこちら ↓

9月12日はもちろんこれの試飲もありますからね
当日は、トスカーナ唯一の白のDOCGであるヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノを入れて5種類、4種はキャンティでじっくり試飲してみてください
セミナーご参加、お待ちしております。