今くらいの陽気が一番良く眠れますね

沢山の生産者が今、日本を訪問しています

マニャン、ボワイヨ、ニコラ・ジョリー、クレイデンヴァイスその他大勢…
名古屋に来てくれる人は少ないので中々会えません

残念極まりない

小規模ドメーヌやビオの生産者も多いけど、蔵を離れて醸造は大丈夫なんでしょうかね??
さて、今日は月例の試飲会です

ありがたい事に満席になっております。
いつもよりちょっといいワイン達をお楽しみください

明日報告します。
今日は、試飲会とは無関係の、ちょっと面白いワインを紹介します

またイタリアワインなのです、最近サンドローネ以降、イタリアに縁が続いています。
フラッテリ・ポンテ ロエーロ・アルネイス2014

ワインの名前を聞いてどこのワインが分かる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか

そんなにマニアックなワインではないですが。
このラベルに「あっ」って思う方いますか、イタリアファンならご存知かな

これは、イタリア、ピエモンテ州の白ワインです

アルネイス100%の辛口。
先日サンドローネのバローロで言及しました、ピエモンテ州の南部で、タナロ川を挟んでランゲの北にある地区がロエーロです。
ロエーロは砂質の土壌が多く白ワインに向いていますが、アルネイスはこの地区特有のブドウです

戦後、栽培する人が激減しまして一時は絶滅寸前だったのですが、地元の生産者が栽培を復活させ、その良さが見直されています

現在では結構色んな生産者のワインを見る事が出来るようになりました。
フラッテリ・ポンテもこの地域のブドウ農家で現在3代目です、戦後に現当主レナートさんの祖父がバルベーラの畑を取得したのが始まりです。
ドメーヌはサン・ダミアーノ・ダスティにあります。
ここ ↓

アスティの近郊なのです
トリュフで有名なアルバ、スローフード協会の本部があるブラ、この二つの街を結ぶように流れるのがタナロ川です。
バローロの名前もありますね。
ネッビオーロと言うブドウの名前は、秋のこの辺りに霧が多い事に由来するというのは有名な話です。
てんちょが行った10月下旬も午前中は霧でなーにんも見えませんでした

お昼になるにつれて晴れますけど。
こんな醸造所 ↓

HPより
畑に囲まれた眺めの良さそうな場所ですね

今日のアルネイスは、ビオで作られたブドウをステンレスタンクで醸造、澱と一緒に3ヶ月熟成して瓶詰めします。
樽なしのスッキリタイプ。
アルネイスは軽やかでフルーティなスタイルで飲むのが一般的です。
その為、出荷も消費も早いのですが、今日のワインはラッキーなことに本社のセラーで2,3年忘れられていたという「珍品」です

なので14年。
奇跡だ

早く飲むアルネイスよりも香りが豊かですね、甘い砂糖菓子の様な香りが花のアロマに混ざっています

通常よりも寝かしたからでしょう

色はそんなに濃くないです。
そしてバランスがとてもいいです、行き過ぎた熟成感は全くありません

さて、肝心のラベルの話を

裏ですが
この可愛いラベルを描いたのは故ロマノ・レヴィ氏です。
ロマノ・レヴィと言えば、伝説のグラッパ生産者で、一つ一つのラベルを手描きしていたという芸術家でもあります

父親の蒸留所を継承したレヴィ氏ですが、直火で作るグラッパ、原料のブドウの皮などを庭に埋めて保存するなど現在では誰も行わない伝統的なグラッパ作りをしていた希少な作り手です。
名づけもちょっと独特で沢山の「作品」があります。
工房兼自宅には電話がなく、欲しい人は直接蔵まで出向かなければならなかったという…
しかも非常に少ない蒸留だったので売ってもらえない事も多かったそうで。
彼は2008年に鬼籍に入っていますが、今もグラッパ作りは続けられています。
ただし今のラベルは印刷になり、一部手描きの分部が付け加えられています。
てんちょ、こちらのグラッパは飲んだ事がありませんが、それはそれはいいみたい、ですね

こんなレヴィさんですが、フラッテリ・ポンテの3代目のレナートさんにご縁があり、フラッテリ・ポンテのラベルデザインを引き受けたそうです

元々は赤のバルベーラ・ダスティのラベルが最初で、その後に今日のロエーロ・アルネイスのラベルを書いてもらったようです。
お亡くなりになる前年、2007年の作品です。
レヴィ・ラベルはこの二つだけ

てんちょ、とあるオステリアでこれを勧めていただいたのですが…
これ見た時に「レヴィがスティルワイン作ってる」って驚いてしまった


違う…(イタリアワイン良く知らないとこうなるんだよなぁ、反省)
そんな熟成したアルネイス、あと1本だけ店頭で売っています

お値段は大したことないので、興味のある方はお出かけください。