今日って
真珠湾攻撃の日だったのですね
終戦から74年しか経ってないのに年々意識が遠くなっていく。
てんちょの家も祖父やその弟たちが戦争に従軍してましたけど、生きて帰ったのは2人だけ。
会ったことのない若い大叔父のセーラーや白の詰襟姿の写真は仏壇に飾ってあったけど(一族みんな海軍だったので)、祖父から戦争の話は具体的に聞いた事がない…
お墓参りに行く時に、何故墓地じゃないお寺の敷地にある12,3のお墓を訪ねて、その内の3つだけにお参りするのか、大きくなるまで理由がピンときませんでした。
(戦死した大叔父たちはまとめて英霊として祀られているので家のお墓に入っていない、見た目は全部一緒のお墓でも身内の墓にしか参らないって事です)
多治見では県病院に焼夷弾が落とされた以外では空襲はなかったそうで、灯火管制を嫌った曽祖父が食卓の明かりを覆う黒い幕を自ら取っ払っていたらしい…
さて、ワインの話。
火曜日に入荷してくる新しいワインの紹介をします

アロム・ド・パヴィ2013
このワインは初めて扱います、従いまして飲んだ事ありません

パヴィの名前の通り、こちらは
シャトー・パヴィのセカンドワインです。
ラベルに緑色が使ってある蔵はボルドーではとても珍しいですよね

ファーストがこちら ↓
パヴィってセカンドあったんですね…
2005年がファーストヴィンテージだそうで、まだ最近ですね

シャトー・パヴィはボルドー、
サンテミリオンの
コート地区にあります

世界遺産になった町の中心の修道院から南へ少し、丘を下ったところにあります。
オーゾンヌと同じ南向きの斜面です。
(もう一つの地区がシュヴァルブランのあるグラーヴ地区、ポムロル側です)

HPより、日当たりの良い斜面
てんちょ、2001年に行ったんです、シャトーの前まで

この話はため息が30回くらい出ますので聞きたい方は個人的にお尋ねください

シャトーの文句は1ミリもありません。
右岸でも特に古い記録があるパヴィ、その名声は知られていたはずですが、左岸のメドックに比べると小さな産地であったサンテミリオンはそれほど注目されずに20世紀を迎えています

メドックから遅れること100年、
1955年に決められた格付けではシャトー・パヴィは第一特別級=プルミエ・グランクリュ・クラッセとなったのですが、最初の格付けは最高級の中の
Bクラス、オーゾンヌとシュヴァルブランだけがAクラスとなりました

ここでおさらい。
サンテミリオンの格付けは4つ

上から、
サンテミリオン・プルミエ・グランクリュ・クラッセ
サンテミリオン・グランクリュ・クラッセ
サンテミリオン・グランクリュ
サンテミリオンとなってます。
中の二つを混同してる方が非常に多い

もう10回は同じ事を書いておるのに

「サンテミリオン・グランクリュ」は名前こそグランクリュですが、収量の制限を守れ結構簡単に認可されるので(申請性)、そんなにありがたくないなんですよね

サンテミリオンでは
クラッセとつかなければあんまし意味がないのです

グランクリュだーって浮かれてる方を見ると、ジュヴレイの村名を特級シャンベルタンと混同してる方同様、策略にはまってるなーと思わずにいられません

で、
その後、
「10年に一度見直しを行う」という規定のもとに格付けに再編がされるたびに、大揉め

いや、ほんとに揉めまくり。
これはメドックのクリュ・ブルジョワも同じだなぁ

そりゃそうだよ、下がった蔵は新しい格付けを受け入れる訳がないし、上がった蔵に賄賂疑惑があったり。
下がった蔵が裁判に訴えて「過去の格付けを有効とし、新たな格付けは破棄」とすれば、今度は昇進した蔵から反対に訴えが起こされて、いつまでたっても格付けは決まらないままー

結局、
「上がった蔵はそのまま昇格、下がった蔵も元の格付を維持する」ことで落着

こうしないと全員が納得しないよねぇ…
そう、その格付けですが
シャトー・パヴィは2012年、ついにアンジェリュスと共にAクラスに昇格したんです


双璧だったオーゾンヌとシュヴァルブランに新しく二つのシャトーが加わったんです

でもねー、元の二つのAってば、6桁が当たり前くらいの
高額だったんです

こんなの気軽に飲める訳ないだろー

っていう値段で。
そこを行くと、パヴィやアンジェリュスはまだ頑張れば買ってもいいお値段だったんですよ。
そ、それが…
Aになった途端にびっくら値上がりで、うっそでしょーっていう価格になってしまった

何故だぁぁぁ
まぁ、てんちょ、濃いワインがそんなに好きじゃないからいいけど(負け惜しみ)


昇格に尽力したのは新しいオーナーです

シャトー・パヴィは1998年の右岸当たり年に、
ジェラール・ペルス氏に売却されていますが、ボルドーの他のシャトー(モンブスケなど)を所有するペルス氏は元はパリ郊外のスーパーマーケットのオーナーだったんです。
「スーパーマーケットの経営者がシャトーを買うなんて」という批判もあった当時、てんちょも何以下の記事で読んだ事があります

(そんなこと言ったら、マルゴーを買ったメンツェロプロスもギリシャ系で同じくスーパーマーケット経営だったから、ものすごく批判&邪魔されたみたいですけど。
そんなに守りたいなら、しっかり良いワイン作っとけばいいのに〇ネ〇テも。まぁ批判は売り手がしてる訳じゃないけど)
この新しいオーナーのペルス氏が様々な設備投資をはじめ改革を行った結果、昇格となったのです

2013年には新しいシェが誕生、すごくかっこいいです ↓

作付け面積は37ha、メルロー60%、カベルネフラン30%、カベルネソーヴィニヨン10%
今日のセカンドのアロムには樹齢の若い葡萄を使用、十分な凝縮感があるフルボディです。
価格が魅力的

諭吉さん一人でおつりが来る。
飲んだ事ない方が多そうなので、持ち寄り会にも良いと思いますよ〜

これは私も飲んでみたいな
入荷は10日火曜日です
posted by cave MITSUKURA at 20:25|
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日記
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