2020年01月09日

軍神マーキュリーの加護


昨日は暖かかったですねー、今日も風も日差しも強い、今年は変な冬です


店頭で「5000円くらいのムルソー(白)ありますか」というお客様に、
1万円以下の物がほとんどない事をお伝えすると驚かれたりするのですが…

大手のネゴスですらもそうなんです

ここ数年のブルゴーニュは本当に値上がりしてますので、ちょっと前の感覚だと驚くのも無理はないです
あと割り当てで、そもそも注文できないとか


高騰するブルゴーニュですが人気は衰えませんので、誰もが少しでもコスパの良い産地を探しています
20年以上前だとあんまり花形と言えなかったモレサンドニニュイサンジョルジュは、とっくの昔に新しい人気アペラシオンになってますし、
マルサネだって全然安くない…

サントーバンなんてマルク・コランみたいな素晴らしい生産者がいるのにも関わらず最近まで全くの無名だったというのに、ここんところネゴスでも結構な値段がしています

で、本題です
こんなに高くなったからには、もう買うべきはコート・ドール(黄金の丘=ニュイとボーヌを合わせてこう言います)よりもシャロネーズですよね

そういうお客様も結構いるのでは


コート・シャロネーズ
はコート・ド・ボーヌのすぐ南につながる地区です。

ブルゴーニュ6つの地区で北から5番目。
( シャブリ ←ここだけ離れ小島
コート・ド・ニュイ ←ここにシャンベルタンやロマネコンティがあります
コート・ド・ボーヌ ←ここには「跪いて飲むべし」モンラッシェがある
コート・シャロネーズ ←今日はここ
マコネ― ←白の産地、広い。マコンが有名
ボジョレー ←ガメイの赤の地区、ヌーボー作ってるとこ)

起伏はありますが畑は斜面つながりというよりは、丘の向こうへも広がっている点でコート・ド・ボーヌとは異なっています。

シャロネーズのアペラシオンは5つ
北から、
ブーズロン(アリゴテ100%の辛口白だけ)
リュリー
メルキュレ
ジブリー
モンタニー
(ここも白だけ、ただしシャルドネ100%)

中の3つは赤と白が認められています、ロゼはなし。
いずれも白はシャルドネ、赤はピノノワールでなくてはなりません
リュリーは白の方が生産が多く(したがって白で有名)、後の二つは赤の方が主流です。

何故、この5つのAOCになったのかちょっと疑問があるっちゃあるんですけど、今日はそれが言いたいのではないので割愛。

紹介したいワインはこちら
美味しいメルキュレです ↓

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フェヴレイ メルキュレ・ルージュ2017

大手の有名メゾン、フェヴレイですがここはメルキュレ沢山作っててレベル高いのです
フェヴレイは1825年創業、ニュイサンジョルジュにある老舗のネゴシアンで現在7代目。

メルキュレはこんなところ ↓

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wikiより
リュリーもこんな感じです ↓

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フェヴレイは、ネゴシアン(買ったブドウでワインを作る業態)ですが、ここ20年のブルゴーニュでは大手のネゴシアンはドメーヌ(自分の畑のブドウでワインを作る業態)にも劣らないほどの自社畑保有比率が高いのです

ワイン全体が値上がりする中で、有名な畑になればなるほど簡単にブドウを売ってくれる農家が減り、安定した生産の為に畑に投資する大手は多いのです。
高いお金を出してブドウを買うなら、将来を見越して帰る時に畑を買っておこう、という訳です。
その方が自社の方針が栽培にも反映できますから、一層利点が多い

ご当主はまだ40代前半の7代目、エルワンさん
たまーに日本にもいらしてますけど名古屋には中々、一昨年来てたかも。
彼は、赤が主流だったラインナップを白にも広げ、早くから飲めるような優しいスタイルへと変換させました。

この変化はワインを飲むとすぐに感じられるほど顕著です
「ふくよか」という表現はピッタリな感じ、柔らかく滋味にあふれてまろやかですね。

今日のメルキュレも正にそんな飲み口ですよ
ただの村名ですが、十分に美味しい。

フェヴレイはメルキュレにも沢山畑を持っていて、
1級クロ・デュ・ロワ
1級クロ・ミグラン(モノポール)
レ・モーヴァレンヌ
ラ・フランボワジエール(モノポール)
クロ・ロン
クロ・ロシェット

などがあり、

モノポール=単独所有の区画は特に素晴らしいワインです
機会があれば是非飲んでみてください(現在、輸入元で売り切れで在庫なし)

今日のワインも既に売り切れになってて、びっくり
もう売り切れた…

小難しい事を考えないで日常使いに非常に嬉しいメルキュレです
買いやすい値段だ。

他のアペラシオンと比べると、優しいヴォルネイみたいな透明感のある作りですよー
ポマールと言うにはちょっと軽やかですし、ニュイのワインと言うには酸が丸いでしょうかね

レジョナル(広域ワイン=唯のブルゴーニュ、とかボルドーなどです)と変わらない価格なので気軽に挑戦できますよ
是非飲んでみて欲しいです〜


因みにマルスは農耕の神でもあります、村の名前とマルスとの関連は不明。
知ってる方おせーて






posted by cave MITSUKURA at 18:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする