風邪をひいてしまいました…

話題のアレじゃない、と思うけど。
熱はありませんが声が出ない。
「酒焼け」とも言うかもしれません

一番の治療は黙っている事ですね

ワインの紹介します

ロペス・デ・アロ クリアンサ2016

リオハの文字があるように、スペインの赤ワインです

テンプラニーリョ、ガルナッチャ、グラシアーノのブレンド。
てんちょ、個人的にスペインワインが大好きです

ただ、スペインワインの環境やスタイルはここ20年くらいでかなり変化がありますね

DO増えすぎだわ
スペインワインで最も重要な産地と言えば、まずはリオハです

1991年にスペインで真っ先にDOcaに認定されています。
圧倒的に赤ワインの産地ですが、法的には白もロゼもエスプモーソ(スパークリング)も認められています。
スペインの泡(エスプモーソ)には代表的なカヴァがありますが、DOカヴァとはまた別にリオハ独自のスパークリングの認証が認めれているという、ややこしい状況

カヴァが玉石混交で一緒くたにされたくない、という生産者もいますしね。
リオハはスペインの北東部にあり、マドリッドからもバルセロナからも遠い、田舎町です。
ここ ↓

wikiより
中心都市のログローニョをエブロ川が流れ、サラゴサを通り遠く地中海に注いでいます。
リオハというワイン産地は3つの州にまたがっており、カンタブリア山脈側のリオハ・アラベサ、リオハ・アルタと下流域の平地であるリオハ・バハの3つに分かれています。
そしてアラベサは何故か二つに分かれてるんですよねー、間にアルタ地区が入り込んでます。
そう言えば、今ではバハという名称は廃止され(バハ=低地と言意味がいけなかったのかな)、リオハ・オリエンタルと呼ばれています。
因みにアルタは高地の意味、アラベサはアラバ県のという意味です。
リオハの語源は、エブロ川の支流にオハ川という川があり、リオ・オハ(スペイン語で川をリオという、リオデジャネイロのリオと同じ)が短くなってリオハというようになったと言われています

今日のワインはリオハ・アルタのサンビセンテ・デ・ラ・ソンシエラにあるボデガ・クラシカが生産しています

ワイン名はアラベサの北の町、アロから来てるんでしょうけど

ブドウ畑はスペイン北部の典型的な株仕立てです ↓

HPより
素敵な眺め、土が意外と赤くない(石灰質の土壌の様です)
収穫は10月の3週目というから遅いですね、北から寒い海風が入るので気温が比較的低いせいでしょう

過度な寒さを北の山が防ぎ、河が水脈を保つ理想的な環境だそうです

今はヨーロッパの産地では温暖化が一番の悩みですから、涼しいという利点は非常に大事。
手摘み収穫の後、発酵、熟成はフレンチオーク樽とアメリカンオーク樽を半分ずつ使用しています

スペインワインの独特な香りはこのアメリカンオーク樽からくるものが特徴的ですね。
今日のワイン名に付いているクリアンサは熟成を表す用語です。
クリアンサは収穫から2年以上経ないと販売できません、その内の1年を樽熟成させることが義務付けられています

(白やロゼは半年)
リオハはこの熟成の規定は他の産地よりも厳しく設定され、品質の保証になっていることが非常に重要です

クリアンサの上はレゼルバ、さらにその上がグランレゼルバです。
その昔、イタリアのDOCGが乱立し始めた頃、イタリアワインの品質の保証は伝統以外に何かあるのか、という疑問がマーケットにあったと思うんですが、その時スペインワインにはこの熟成の規定があるがゆえに名称がどう格付けされようが、飲み頃の予想と期待が裏切られることがなかったというアドバンテージがあったのをよく覚えてます

イタリアワインが猫も杓子もDOCGになってた時に、「それってホントにすごいの??」ってなりませんでしたか??
今でもそうかも

その点、スペインなら「やっぱりグランレゼルバはいいねー」ってなった訳ですよ

赤土の土壌やアメリカンオーク樽の影響でドライで洗練度に欠けるなどと言われたスペインワインですが、最近はモダンな国際市場を意識した濃いワインが増えていますね〜
てんちょ、あんまりそういう甘いフルボディのワインが好きじゃないので、ちょっと複雑な気持ち

今日のロペス・デ・アロはちょうど良いミディアムボディです

欠点のないまろやかスタイルですね。
ドライさは正直ありませんー
典型的なスペイン料理にはちょっと甘いかもしれませんが、日本の市場ではこういう方が受けるでしょうね

中部・北部のスペイン料理は塩辛くてソースがないので、少しシャープな方が赤でも相性がいいと思いますが。
酸味が顕著な赤ワインって本当に減った

酸っぱい赤って嫌われる味なんでしょうけど、こうまでみんながみんな、まろやか濃いスタイルになびくと、なんだかなぁ…
とは言え、今日のワインは美味しいです

しかもとってもお値打ちなんです。
スペインワインも挑戦する価値が大いにありますので、是非お試しください。