2020年02月17日

鷹巣村のワイン再び


風邪は良くなったてんちょです
少し声が変ですが体調はすこぶる良し。

新型コロナウィルス、収束してるようには見えませんね…
これ以上広がると名古屋と言えども、イベントやワイン会やってる場合じゃなくなるかも


そんなこと言ってますが、ワインイベントの備忘録的にワイン紹介させてください
(備忘録って忘備録でも正しいのですね、大人になるまで知りませんでした💦)

ワインはこちらの7本 ↓
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ベルテ・ボンデ
左から、
コート・デュ・ジュラ  レ・グランヴォー2015
コート・デュ・ジュラ  サヴァニエ2016
コート・ド・ジュラ トリオ2016
シャトー・シャロン2011
シャトー・シャロン2010
シャトー・シャロン2008
シャトー・シャロン1999


去年の3月にヴァン・ジョーヌの飲み比べをしたくて、どーせやるならシャトー・シャロンで飲み比べようという事になりました
あれからもう1年経つんですね、早い。

あの時はシャトー・シャロンばっかりでしたが、今回は一つの生産者、ベルテ・ボンデにスポットを当てたいと思います

その前にジュラワインをおさらい。

ジュラ地方はブルゴーニュの西にあるスイス国境に接した地域で、ジュラ山脈と同じ名前の由来です。

この地域は同時に、歴史的にブルゴーニュ公領であった時代に神聖ローマ皇帝から臣従免除を受けた自由都市であったブザンソンに因んで、
フランシュ・コンテ(自由伯領)と今でも呼ばれています。
現在ではブルゴーニュと合併して、行政区としてはブルゴーニュ・フランシュ・コンテとなっています。

ワイン産地はブザンソンよりももっと南のアルボワを北端とした南北80キロくらいの地域に広がっています

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フランスワイン事典より、前にも掲載しましたねこの地図

ジュラ全体をカバーするのが、コート・ド・ジュラというAOCで赤白ロゼ、ヴァンジョーヌ、ヴァンドパイユ全ての生産が可能です

同様に全てが認められているのがアルボワAOCですが、こちらの名称は北部アルボワ周辺に限られていますが、ジュラ地方ではコート・ド・ジュラを凌いでジュラ地方最大の生産量があります

赤白ロゼはいいとして(クレマンやヴァン・ド・ナチュレルもありますけど)、この地方に特有なのが、
ヴァン・ジョーヌヴァン・ド・パイユです

ヴァン・ジョーヌは黄色ワインと言われ(ジョーヌはフランス語で黄色の意味)、樽熟成の間に減ったワインを継ぎ足す事無く熟成させ、人為的に酸化させたワインの事です。
サヴァニャンというこの地方の固有品種を用いて、クラヴランという620ミリの特有の瓶に入れる事が義務付けられています

普通のワインは750ミリなんでちょっと少ない(でも値段はずっと高いの
黄色ワインと言っても白ワインの一種で、酸化熟成する事で濃い黄色になるのでそう呼ばれているのです。
シェリーのフィノに近いですが、アルコールを足していない分、まろやかで深みがありますよー

ヴァン・ジョーヌとはワインの種類の名称で合って、ヴァン・ジョーヌというAOC(産地)はありませんので、混同しませんように

そして、このヴァン・ジョーヌだけを生産するAOCがシャトー・シャロンです
シャトー・シャロンを名乗る場合には全てがヴァン・ジョーヌです、ですから品種はサヴァニャンであの短い瓶に入っていると決まっています。
非常に分かり易い。
シャトー・シャロンの地区で赤やシャルドネの白を作る場合には、名称はコート・デュ・ジュラとなり、先に掲出した3つの750ミリのワインがそれに当たります。
(どーも、コート・・ジュラと言ってしまうんだよなぁ

もう一つの特別なワイン、ヴァン・ド・パイユですが、こちらはパイユ=藁、の名前が表すように、収穫したブドウを藁の上に広げて乾燥させ糖度を高めて作った甘口ワインの事です
サヴァニャンやシャルドネといった白ブドウの他にも、土着のプルサールやトルソーという黒ブドウを使う事もできます。

この陰干(わら干し、すのこに広げたり天井からつるしてもOK)の行程をパスリヤージュと言い、イタリアだとパッシートと呼ばれ、ジュラ以外でも生産方法としてはありますが、コート・ド・ジュラやアルボワのAOCを名乗る場合にはハーフ瓶に詰めなければならないなど細かい規定があります
ヴァン・ド・パイユもヴァン・ジョーヌと同様にワインの種類であり、それ自体がAOCではありません。

AOCはあくまで産地です
作る場所を指すのがAOCですからねー(しつこい?)

それでは、生産者であるベルテ・ボンデさんの紹介です
この蔵は農業博士であるご夫妻が営んでいる新しい蔵で、1984年にシャトー・シャロンに移住し1985年に最初のヴィンテージを生産し始めました。
畑をそのまま買ったんですね。
2011年からはビオロジックに転換、2013年に認証を取得しています。

畑仕事が大変そうな斜面 ↓

ベルテ・ボンデchateau-chalon-fx1.jpg
HPより、以下同様

醸造所は中世のシャトー・シャロン修道院に付属した雇用人(ステュワード)の住まいであったとされる大変古い建物で、家系を表す紋章がいくつも飾られているそうです

ベルテ・ボンデmaison-berthet-bondet-fx1.jpg


では、個別のワインを見てみましょう

最初のグランヴォーは区画の名称で、こちらはシャルドネ100%
2015年に取得したばかりの畑でこれがファーストヴィンテージです。
ステンレスタンク発酵熟成で樽を使用していないためにフレッシュさが魅力らしい

二つ目のサヴァニエも区画名で単一の区画から取れるブドウのみを使用しています。
こちらはサヴァニャン100%
これもステンレスタンク発酵熟成、熟成は12ヶ月、樽香の無いスッキリタイプですね。

3つ目のトリオは赤ワインです。
名前の通り3つのブドウを使用しています、ピノノワール40%、プルサール40%、トルソー20%
てんちょ、正直ピノノワール以外のブドウの個性がイマイチ分かりません
飲んだ事あるんですが、「これはこうだ」とは言えなくて…
これも樽熟成なし、瑞々しいフルーティさに溢れているそうです

4つ目以降のシャトー・シャロンですが、ヴィンテージの情報がありません
しかし最低でも6年、酸化熟成していますのでそこまでブドウの作柄の差が分からないかもしれません。
飲んで確認だ

よく「クルミやアーモンドの香り」と言われますが、確かに香ばしさは感じますね
ローストナッツとミカンみたいなオレンジ色のフルーツが混ざってます。
エグさや渋さはほとんど感じません、意外とするする飲めるのですよ〜

シャトー・シャロンを縦飲みするのもきっとこれが最初で最後になりそうな…
じっくり味わいたいと思います








posted by cave MITSUKURA at 17:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする