2020年03月01日

地味でいいのさ


もう3月ですね

今日は曇り空ですがコートが要らないくらいの気温でした
初夏の服装でも良かったくらい、ただし花粉もそれなりですが。


今年のソムリエ・エキスパートの試験を受ける方はそろそろ勉強の始め時ですね
もう始めてる方もいると思いますが。
毎年、細かく難易度が上がっていますので本当にしっかり覚えないといけないですね、大変
てんちょ、今受けて合格するかしら。

ワインの勉強は多面的に取り組めば早くて確実ですよ
3つかな。

1つ目は、地理や歴史の勉強。
これはワインに限らず、主要な産業や歴史的背景を知り、地形を学ぶ事は基本です

2つ目は、制度や名称の勉強。産地呼称を覚えたり、これが資格試験では中心になるでしょうけど、電話帳の丸暗記みたいなのはすぐに忘れちゃいますし記憶にも限界がある。なので1の背景と共に肉付けしていくのが有効です
それが出来れば、ナントのミュスカデとナポリのファランギーナを混同したりはしませんよね

3つ目は、テイスティングや醸造に関する勉強。少なからず化学も必要かも。
実際に飲んでみなくちゃ分からないワイン、どうやってテイスティングすればいいのか、何故酸味の強いワインと弱いワインがあるのか、など明確に整理して取り組む必要があります。

さらに畑に土壌や熟成の勉強、料理との相性などもありますけど、
字面だけを追う勉強は是非やめましょう
時間がもったいないので。
後々役立つ勉強にした方がいい

やり始めの頃は必ず混乱すると思いますよ、
てんちょも「メドックとサンジュリアンはどっちが大きいんだっけ?」なんて、今では信じられないような事を思ってました

頑張ってください〜



今月はちんまり、大人しくしてる月間になりそうなんで新入荷ワインはそれほどありません。
なので、勝手に自分が好きなワインを紹介します

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ヴュー・シャトー・セルタン2007

てんちょ、このワインが大好きです
とは言え、もう何年も飲んでないなぁ…

このワインは、名前は広く知られていますが、良く飲んでいるという方は滅多にいないでしょう
店頭の07が残ってるくらいだし。

このワインは、フランス、ボルドー右岸のポムロル産です
サンテミリオンの隣、下流側にある地区です。
ポムロルを名乗れるのはサンテミリオンと同様に赤ワインだけです。

シャトーはここ ↓

セルタン.png

左岸のメドックとは異なり、粘土質の土壌が多くメルローに向く産地です
乾いて暖かい砂利質を好むカベルネソーヴィニョンに対して、メルローは湿って冷たい粘土質の方が良く育つようです
でも、収穫はメルローの方が先なんです、なんか不思議。

今日のワインはちょっと変わってると思いませんか?

キャップシールがピンク色
シャトーの前に「ヴュー」って付いてる


数多くの有名ボルドーワインの中で「シャトーなんちゃら」じゃないのって、こことドメーヌ・ド・シュヴァリエくらいです

まず、キャップシールは暗い地下セラーで他のワインを見分けがつきやすいように、という生産者の意図らしいのですが、本当だろうか。
でもこの色が好き

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ヴューは古いっていう意味ですが、ボルドー右岸でもかなり古くからあるのでそう呼ばれているようです。


そしてこのワインは、ル・パンを生産するティエンポン一族が持っています
同じ会社じゃないけど。
最近、シャトー・ル・パン見かけませんね、恐ろしい値段だし

いや、こっちの方がずっと歴史が古いし、元はセルタンありき、です

掲出の2007年は実はそこまでのグレートvintageではありません
70% Merlot, 25% Cabernet Franc and 5% Cabernet Sauvignon

温暖化が2003年の殺人的猛暑で懸念され始めていた当時、夏の終わりに短期間とは言え続いたのせいで力強いというよりは繊細で冷涼なスタイルのワインになった07年、収量も少し減り大人しいヴィンテージという評価の様です

いやぁ、今の真っ黒フルボディのワインを思ったら全然それでいいんだってばー
平和だ。

これ、飲んでみたいなぁ

因みにこちらのシャトーはペトリュスの隣にあります
ペトリュスのシェの前から隣を眺めるとラベルと同じシャトーが望めます。
ダッシュで30秒くらい。

ポムロルは比較的なだらかな地区ですが、ペトリュスが多分一番の丘の上にあるようで、隣のヴュー・シャトーセルタンは少しだけですが下に下がって見えるのです。
水はけの良さはペトリュスが一等賞でしょうね。

飲む機会があったら是非お試し下さい







posted by cave MITSUKURA at 20:24| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする