2020年04月26日

白でなくてもいけます


今日、かと思ってましたが晴れですね
GWの始まりですけど、元々てんちょは毎年仕事してますので出かけるつもりも予定もありません。
あと10日で収まるとはとても思えませんが、収まってくれ〜


家飲みしてて、たまにはいいワイン飲もうかなぁと思っても、一人で飲んでもしゃーないしなぁ、と諦め。
しばらくして、また同じことを逡巡するという
…く、くだらない



今日は、久しぶりに仕入れてみた高級ロゼを紹介します

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シャトー・ド・ラ・スジョール グランヴァン・ロゼ2017

このロゼ、覚えてる方も多いかも。
昨年のラングドック&ルーションセミナーでも出しました
ラングドックの大生産者、ジェラール・ベルトランが作ってます

店頭でも抵抗なく、ロゼを購入してくれるお客様が増えました
嬉しいです。


プロヴァンスをはじめ、南仏ではロゼの生産が盛んですので沢山のロゼがありますが、このスジョールはかなりレベルが高いですよ
まぁ、お値段もそれなりにしますけど。

そもそも、何故南仏ではロゼが多く作られているのか、セミナーの参加者の皆様はちゃんと説明できるでしょうか
うしし

プロヴァンスやラングドックは地中海性気候で、年間を通して気温が高く乾燥した気候に恵まれています
陸と海からの二つの風の影響で病害が少なく、健全で完熟したブドウが得られるのですが、ここ何十年も温暖化の影響で気温の上昇雨の減少は一層著しくなっています

そんな暑い地域では、白ブドウは収穫に適した時期が非常に短く、1日収穫が遅かっただけで香気成分が失われてしまったり、酸度が大きく落ちたりすることが良くあるそうです
そのため、白を生産する場合には大変な注意を払って、ブドウの成熟度合いを見極める必要があります。

さらに広い区画では全ての葡萄が同じようには熟さない場合があり、収穫を何度かに分けなくてはなりませんが、ここでも白ブドウでは一層厄介です
大体が赤ワインをメインに作る生産者が多いので、少数の白ブドウだけに注力する訳にもいかず、質の高い白ワインを作るのは至難の業なのです。

そこで、黒ブドウを使って白ワインの代用にしようと作られたのがロゼなんです

黒ブドウなら収穫の時期がある程度融通可能で、酸味と果実味のバランスが取れた果汁が得られます
ゆっくり絞るブラッシュでも、果皮を短時間漬け込むセニエでも、どちらでも香りの豊かな辛口の美味しいロゼができるんです

いっそのこと、シャンパーニュみたいに黒ブドウから白ワインを作ればいいんですが、それは法律が認めていないのでダメなんです

10年ちょっと前にも、フランスでロゼブームが起こった時に、
「赤ワインと白ワインを混ぜてロゼにしてもいいじゃないか」という運動が興ったんですが、結局有力生産者の反対によってとん挫。
「シャンパーニュがOKなら南仏でもいいはずだ」という言い分は通らず。
シャンパーニュだけは例外の栄枯贔屓だわ。

まぁ、混ぜるロゼの登場で質の低下を恐れたんでしょう、それは正しいと思う
そうしてメジャーになったロゼ、現在フランスでは白よりもロゼの消費が圧倒的に伸びています

で、今日のスジョールですが、こちらは赤も白もあるのですが、高級ワインという位置づけで間違いないですね
ベルトランが所有する数多くのワイナリーの中でも上位に位置します。

AOCはマルペール
Malepère 、どこでしょう?? 知ってますか

ミディ運河の南に位置するこの産地はリムーの北にあり、ラングドックでは最西端のAOCになります。
約500haの畑に100以上の生産者がいる広い産地なのですが、名前にはほとんど馴染みがないですよね

このAOCは、昔、VDQSコート・ド・ラ・マルペールと言いましたが、VDQSの廃止に伴いAOCへと昇格しました。
この名前を名乗らず、ラングドックとして販売する生産者も多くいますので、そのせいでしょう。

ここです ↓

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赤い印のすぐ北がカルカソンヌです

ラングドックワイン委員会の地図が良いですよ ↓

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赤い丸がマルペールAC

こんなのんびりした美しいところです ↓

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ラングドックワイン委員会より

この城はカルカソンヌかな。
マルペール自体にはランドマークは皆無ですね、ド田舎万歳


今日のロゼはカベルネフランとメルローから作られています
収穫後、別々にマセラシオンされた果汁は別に発酵を経て、フレンチオークで半年余り熟成を経て出荷されます。
ブラッシュの様に色の淡い外観ですが、漬け込んでるようです。

このワイン、樽の感じはほとんどないのですが、アロマがとても豊かです
甘い桃やリンゴの様な香りと、フローラルな香りが混ざってとてもいい感じです
香りが美しいのと同様に味もいいのです、綺麗な酸味が生き生きした辛口に仕上がっていて、青さや未熟さは全くありません。
食事のお供にも無理なく使えます

日本人にはソーヴィニヨンブランみたいな酸よりも、こういう暖かい酸味の方が合う食事が多いのではないだろうかと思います
もちろんワインだけ飲んでも美味しいですよ。

南仏のお手頃ロゼと比較すると、結構立派なお値段ですが
一葉さんと後ちょっと。

しかし、飲めば分かる
この美味しさが。

買ってちょー










posted by cave MITSUKURA at 15:55| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする