2020年05月31日

自根とは


穏やかな雨ですね
明日から6月です、車はかなり増えてますので人出も徐々に戻っていくでしょう。

業界の試飲会やセミナーも当分は開催されませんので、中々新しいワインを試す機会もありませんが、
出来る限りご紹介していきたいと思います


前回紹介しました、デコイのスパークリングは非常に色の濃い、まるで淡いロゼみたいな外観でした
ピノノワールは半分くらいなのに、オレンジ掛かった色合い
香りはそこまでこってりしてないのですが、流石の瓶内二次醗酵。良い香りでした
美味しかったです


店頭のセールはまだ継続中です

ボランジェのコトー・シャンプノワ、ラ・コート・オーザンファンはすぐに売れちゃいましたね〜

これ ↓

ボランジェ 559d490d43d16.jpg
HPより、以下同様

売っていたのは2013年、木箱入りでかっこいいし
普段はコトー・シャンプノワを買いに来るお客様なんてまずいませんけどね

コート・オーザンファンは単一畑のピノノワール100%で作られた赤ワインです。

このピノノワールはロゼにも使われます。
こんな急斜面だ ↓

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アイにこんな場所あるんですね、北側でしょうね。
steapというより写真が…んー、斜め?

コトー・シャンプノワはシャンパーニュ地方で作られる非発泡性のワインです。
要するに普通のワイン、って事です。
シャンパーニュには泡しかないと思ってる方も多いかもしれませんが、れっきとしたAOCで二つのスティルワインが規定されています

コトー・シャンプノワ

赤白ロゼあり、シャンパーニュ全体で生産可能
優れたものはやはりモンターニュ・ド・ランスのピノノワールに多い

ロゼ・デ・リセイ

リセイというオーヴ県の村を中心にした一体で作られるロゼワイン、ピノノワール100%でなければならない
こっちはロゼだけ。
残念ながらてんちょは今の所、素晴らしいと思うロゼ・デ・リセイには出会っておりませんが、ロゼブームの昨今なので今後に期待したい



さて、ボランジェ繋がりで、しばらくぶりに入荷した高級品を紹介します
こちらは発泡してます、シャンパーニュです。
飲んだ事ある方、少ないだろうなぁ…

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ボランジェ ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ2009

ラベルが何度か変更されますね、昔のフレンチトリコロールの大きなラベルが良かったなー

店頭にあるんですけど、木箱入りでさらに包装されていますので写真にとれない
なのでHPから拝借。
木箱にもお金がかかってます。

全てのシャンパーニュが値上がりしていますが、これも格段に高くなりましたねー
完全割り当てで定価165000円
5年くらい前でも10万円はしてましたが、それよりも高くなってて

このシャンパーニュが何故これほど高額なのかといいますと、極めて生産が少ないからなのです
そして毎年あるとは限らず、これからも生産が続くかも分からない、という貴重な存在なんです。
年産2000本くらいかなー

ヴィエイユ・ヴィーニュの名前の通り、ピノノワールの古木から取れたブドウを使用したブラン・ド・ノワールです
ヴィンテージ表記がありますが、このシャンパーニュは必ずヴィンテージ入りで作られ、他のグランダネRDとは決して一緒にされることなく生産されています。

それには訳があります

このシャンパーニュのブドウはたった二つのクロから取れるブドウだけを使用してるからなのです
しかもその二つの区画は、自根のブドウ樹で接ぎ木をしておらず、フィロキセラがいない畑なのです。

Ungrafted、これって造語?
何故フィロキセラがいないのかは不明、謎のまま
不思議ですね〜

二つと書きましたが、実は昔は三つだったんです
てんちょがボランジェを訪問した2006年当時、このヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズはアイにある二つの区画とブジーにある区画の合計3つの畑から取れたピノノワールを使用していました。
当然すべて接ぎ木なし。しかも全てグランクリュの畑。

しかし、ブジーの畑はその後フィロキセラが侵入して接ぎ木が必要となり、ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズにはもはや使えなくなったのです
フィロキセラがシャンパーニュ地方で確認され始めたのが19世紀の終わり、第一次世界大戦中にはは戦争でもフィロキセラでも踏んだり蹴ったりの悲惨な状況に陥ったシャンパーニュ地方ですが、それ以降もちゃんと?フィロキセラって土の中に広まって居続けたんですね
そりゃそうです。

当時、今頃になってなんで? と思った物ですが仕方ないですね…
人の出入りもあるでしょうから、どこかから入って来ちゃうんでしょうね、それまでいなかったのが奇跡だわ。

と言う事で、
現在ではアイにあるクロ・サンジャッククロ・ショー・ド・テールの区画を大事に管理しているボランジェです

てんちょ、ショー・ド・テールの畑は見せてもらいました
シェの真ん前にあって広々してました、ブドウは半分も植えてなくて斜面の下の方は車が停めてあったのには驚いた。
これらの区画は道路からは見えないように高い塀で囲まれていて扉には鍵が掛けてありました。
「クロ」だし、囲われているのは当然。

今、シャンパーニュ地方では公式にプレ・フィロキセラの区画がいくつあるのか知りませんが(多分あっても極僅か)、
貴重な自根のピノノワールを味わうチャンスが続きますように祈っております

しかし高いけど…

ボランジェ以外にもプレ・フィロキセラの自根の畑を持ってる人いたけど、どうなっているんでしょう??
確か、ミッシェル・マイヤールが自根のシャルドネのコトー・シャンプノワ作ってたような…

流石にてんちょも09年は飲んでおりませんが、
97、99、00と続けて飲んだ事があります

はっきり言って、接ぎ木していないかどうかの違いは全然分かりません

よくあるブラン・ド・ノワールに比べるとかなり繊細でした。
RDとも違いますねー
瓶熟が非常に長いのに酸味が十分にあって、まだ全然熟成していなかったです。

あと、この繊細さは、プロヴィナージュによる植樹のせいかもしれません

ヴィエイユ・ヴィーニュ=樹齢の高い樹から取れたブドウを使用している、と謳っていますけど、二つのクロの樹はプロヴィナージュと言って、枝を土中に埋めて根を生やし、その後に枝を切り離して苗とする方法で増やされています。
自根ですからこうするのが一番早くて確実なのです。
取り木、っていう方法です。
ブドウ樹って簡単に根が生えるんですよ、うちの庭で根付くだけなら簡単。
(その後ん栽培は簡単じゃない)

が、結果として十分なヴィエイユ・ヴィーニュになっていないんじゃないだろうかなぁ…なんて感じるんですけど

ボランジェで聞いてみたんですけど(喧嘩売ってるような質問ですよね、命知らずでした)、
「そんなことない」だそうで。
(ちゃんと丁寧に聞きましたけどね)

なーんか釈然としないまま、現在に至る

あなたも飲んで確かめてみてちょ
















posted by cave MITSUKURA at 19:24| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月27日

鴨ラベルの泡


5月も終わりですね〜
何故か「安倍のマスク」がお店にも届きました無駄やん



コロナで落ち込んでる飲食業界をサポートしようと、色々なインポーターや生産者から特価のオファーが来ています
価格の面でも嬉しいですし、通常ない物が入って来たりしてます。

そんなイレギュラーワインの中から素敵な泡が入荷したので紹介します

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デコイ ブリュット・キュヴェNV

カリフォルニアのスパークリングワインです

デコイは安定の美味しさで人気です
ダックホーンのグループの中の一つのブランドですが、メルローの評価を確かなものにした功労者です。

昔のカリフォルニアではメルローはブレンド用の品種だと思われていて、単体でワインにすることがなかったんです。
今となっては意外ですが
そんなメルローを単独で採用して大成功したのがダックホーンです。

今ではカレラも傘下に収める大企業になってます

デコイはその弟的なブランドで、ダックホーンよりもリーズナブルな品揃えで普段飲みにもとてもいいですよ

今回、そのデコイからスパークリングが新入荷して来ました
スティルワインと同じ、デコイ(狩猟の囮)のラベルです。

セパージュはシャンパーニュと同じ、ピノノワール49%、シャルドネ47%、ピノムニエ4%
一次発酵は樽で、瓶内二次醗酵の本格派です
あ、でも瓶熟の期間は書いてないな…

ダックホーンが作っていて不味いはずがない
お値段はちょっとしますけどね

新しい泡を試してみたい方は是非どうぞ








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2020年05月24日

セールやってます


今日は暑い

セール初日からお越しいただいたお客様、ありがとうございます

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なんせ2ヶ月以上ぶりに合う方が多くて(そりゃそうだ)、お懐かしゅうございます

「在庫処分」ってあまり良い響きではありませんね
なんて名前のセールにするか悩んだんですけど…

緊急事態宣言解除祝 ← 長い
コロナ収束祈願 ← ワイン屋のセールにはちょっと
甦れ日常 ← 重い

特に急いで「処分」しなければならない物は全くないのですが。

セールは多分6月いっぱいやってますので、何回も覗いてくださいね〜
早速、5大シャトーも追加してみました


来週はもう6月ですね
早い。



posted by cave MITSUKURA at 18:38| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月23日

明日からセールやります


そろそろ気温が上がって来ましたね
ワインの持ち歩きには気をつけないといけない季節です。

緊急事態宣言も解除されて以前の生活が少しずつ戻って来たように思います
まだ油断はできませんが、ちょっと浮かれた気持ちで、

在庫処分セールやります

明日の5月24日日曜から6月の後半くらいまでの予定です
今ならセール特価に加えてキャッシュレス決済のポイント還元もありますので、一層お得です

ブルゴーニュが中心ですがそれ以外もあります。

是非ご利用ください〜


追加:明日が25だと勘違いしてました
セールは明日、24日日曜からです




posted by cave MITSUKURA at 13:53| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月21日

懐かしいワイン


街中の人出も結構増えてるように見えます
第2波には用心しつつ、外出もしたい。


先月から必要なワインしか買っていませんので、新しいワインの紹介がほとんどできませんが、
今日は久しぶりに見たワインを買ってみましたので紹介します

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シャトー・ド・ヴィラール・フォンテーヌ

ブルゴーニュ・オー・コート・ド・ニュイ・ブラン1999


今時珍しい99年

この生産者、20年振りくらいに見ました。
こちらのワインは、ブルゴーニュでもオート・コートと言って、ジュヴレイやヴォーヌロマネの斜面の西側、丘を越えた場所にある畑から作られています。
向こう側ってやつ。

生産者名のヴィラール・フォンテーヌという村にシャトーがあり、醸造所の周り、ごく近くにブドウ畑があります。

ここ ↓

ヴィラールフォンテーヌ.png
航空写真だと一層分かりやすいかも

オーナーのベルナール・ユドロ氏が1970年に起こした蔵です。
(ユドロ姓のドメーヌは他にもいくつかあります、この土地のお名前ですので)
彼は残念ながら19年に鬼籍に入りましたが、蔵は若き後継者のピークールさんに受け継がれています。

ユドロ氏はこんな方 ↓

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HPより、以下同様

貫禄あるなぁ〜

ユドロ氏はこのヴィラール・フォンテーヌ村の生まれで、学校を卒業後に兵役を経て高校の数学教師を務めていましたが、
69年に兄と共に故郷の村へ帰り、荒廃したブドウ畑の再建を始めます

同時に大学へも通い、科学と栽培の博士号を取得。
農薬を多用する「近代的な」農業が主流だったブルゴーニュで、農薬に頼らない伝統的な手法でブドウ樹を栽培、ワインを醸造する事に努めた人です。

80年代までは除草剤を撒いたり、病気の予防に農薬を使うのがごく普通のやり方で、オーガニックなんて言葉はまるで知られていなかった時代に、彼は農薬の使用をできるだけ減らした栽培を志した奇特な存在です。
ニコラジョリーやダイスがが変人扱いされた時代です。

ブドウ樹の畝を3メートル以上離して、背を高くすることで風通しが良くなり、カビや細菌の病気を減らすことに成功しました。
オート・コートという広域アペラシオンしか名乗れないにも関わらず、収穫をずっと減らし、3500キロ/haというグランクリュ並みの低収量を守りました。

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間空いてますね

彼は、ブルゴーニュの隆起土壌ではニュイのグランクリュの丘を挟んだ反対側、つまりヴィラール・フォンテーヌでも同じ土壌が露出しているはずだと考え、ロマネコンティをはじめとする銘醸畑の反対にある自分の畑でも同様にポテンシャルの高いワインができるはずという理念のもとにワイン作りをしていました

山のあっち側とこっち側は同じ、っていう考え

その一方でディジョン大学で20年以上も電子工学を教え続けたという、多才天才なすごい


今日のシャトー・ヴィラール・フォンテーヌ以外にもドメーヌ・モンマンという素晴らしいワインがあったのですが、確か今は作ってないはず。HPには名前の記載はあるけど。

そしてこんな素晴らしい蔵があまり知られていないのは、ベルナール・ユドロ氏の時代にはメーリングリストの顧客にのみ販売を行っていて、輸出や大手の業者への卸がほとんどなかったからなんです
今では少しの輸出やネット販売が始められて、こうして店頭にやって来たという訳ですが。

そして、この蔵では十分に熟成したワインを出荷したいという考えで、今でも貴重な90年代や2000年代の前半のワインが買えます
シャトー・ド・ヴィラール・フォンテーヌではブルゴーニュ・オー・コート・ド・ニュイだけを販売しています。

てんちょが買ったのは99年の白、シャルドネ100%です(赤も輸入されています)
新樽3分の1を用いて18ヶ月熟成。
ルアールってどこの区画の事か分かりませんが

99年ですが液面や外観には全く問題ありません
そして一葉さんでおつりが来ます、良心的な価格で嬉しい

輸入元には僅かしか残っていません、飲んでみたい方はお早目に〜










posted by cave MITSUKURA at 18:53| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月17日

牡蠣でも鮎でも


街のお店も少しずつ開いてますね、セントラルパークが通行可能になって嬉しいです
とは言え、出かけるのもどのくらい用心したらいいんでしょう、迷うところ。


今日はフランスワインの大定番を紹介します

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シャトー・ド・ラ・ラゴティエール 
ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ・シュール・リー ヴィエイユ・ヴィーニュ2017


ワインの名前が長すぎます

皆様、ミュスカデはよくご存知だと思います

フランスの北部の大都市、ナントの周辺に広がる大きな白ワインの産地で、ロワール川の河口付近で最も下流にあるAOCです。
ミュスカデという品種で作られる同名の辛口白ワインで、微発泡してる物が多いでしょう

冷やして飲むのがオススメ、キリっとした清涼感溢れる爽やかワインですね

ミュスカデというワインには、厳密には4つの名称が法律で規定されています

1、ミュスカデ
これが一番ベーシックなミュスカデです。後の3つの産地全てを包括していますが、この名称での生産はさほど多くありません。

2、ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ
これが今日のミュスカデで、市場で最も見る事の多い名称です。ナントの東に位置する地区で作られています。

3、ミュスカデ・コトー・ド・ラ・ロワール
あまり見ませんが、2のさらに東にある地区で北のアンスニという町を含んでいます。
AOCに昇格したコトー・ダンスニを作る地域でもあります。

4、ミュスカデ・コート・ド・グランリュ
これもあんまり見かけませんね、1994年認定の新しいAOCですが、ナント市の南にあるグランリュという名前の湖がある周辺です。

まぁ、2だけ知ってれば十分です

因みに上記の4つのAOCには全て、SUR LIE=シュル・リーの表記を付ける事が出来ます。
これは、アルコール発酵で生じたを取り除くことなく、翌年の3月1日まではワインと共に残して置く製法で、爽快な味わいのワインに深みとコクを持たせることを目的に行われます。

ミュスカデというブドウは、別名ムロン・ド・ブルゴーニュと呼ばれ、17世紀の前半にブルゴーニュ地方から修道僧によって持ち込まれました。
この地区のブドウが度々霜害にあって全滅してしまうので、寒さに強い品種を取り入れることにしたのが始まりです。
実際、ミュスカデは霜が降りる中で生き残った唯一の品種だったようです

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HPより、以下同様

ムロンとはメロンの事で、ブドウの葉が大きくて丸いのでそう呼ばれているようです

豊富な酸味があり、クエン酸が僅かに含まれるように非常にさっぱりとした辛口のワインになるミュスカデは、
魚貝との相性が抜群に良く、牡蠣には必ずミュスカデを合わせるべきだというのが、フランスの美食の基本です

ですから、ナントでもパリでも、牡蠣を出すレストランやビストロでは必ずミュスカデを用意しています
単価の低いミュスカデですが、どんな高級店でも優れたミュスカデを持たずして生牡蠣を楽しむ事はないのです。

因みに、「牡蠣にシャブリ」って言うのは後付けの流行でしょうね。
ミュスカデに代わるさっぱり辛口の代名詞としてシャブリなんでしょうが、シャブリは内陸の産地ですし、相性ならアントルドメールのソーヴィニヨンブランの方が良さそうです

ミュスカデを安物だと馬鹿にしてる人は残念な人ですよー



さて、今日の生産者、ラゴティエールは素晴らしい作り手です
シャトーの起源は14世紀にも遡ることができるとても古いブドウ園ですが、1979年に現在のオーナーであるクイヨー3兄弟に買収されました。

なのでラベルにもラゴティエールの名前の上に、フレール・クイヨ―の名前も入ってます

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クイヨー兄弟はラゴティエールの他にも2つのシャトーを所有し、全部で4つのブランドを持っています。

ラゴティエールのシャトーはここ ↓

ラゴティエール.png

てんちょが訪問したレキュも近くです。

ラゴティエールPaysage-2-2.jpg

ミュスカデって意外と起伏があるんですよね、もっとダラーっと広い場所かと思っていたんですが、ボルドーの方がずっとだだっ広いかも
どうかな

冬は流石に寒そう ↓

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霜害に強い品種が重要になります

今日のミュスカデはヴィエイユ・ヴィーニュの表記通り、樹齢50年から60年の古木のブドウを使用しています
シスト土壌の畑で収穫をギリギリまで待って行い、完熟したブドウを得ています。
栽培は環境に配慮したテラ・ヴィティスという団体の方針に従っています。

こんな土壌 ↓

ラゴティエールTerroir-Sol-2.jpg

大量生産のイメージがあるミュスカデですが、ラゴティエールではha当たりの収穫は僅かに4500キロと非常に少ないです
低温で発酵後、地下のタンクで澱と共に10ヶ月熟成させています。

シーフードに合うのはもちろん、アジアンフードにもおすすめだそうです。
もちろんシェーブルチーズにも相性ばっちりです
この前、お客様のお店で出してもらった滋賀県の稚鮎の天ぷらにも合いそうだなぁ

ワイン評価本で常に最高の評価を得ているラゴティエール、ワインにはシリアルナンバーまで入っています
珍しいですね〜

でも、プルミエクリュってどういう意味かな???
なんだろう…


これからの季節にはとても美味しいラゴティエールのミュスカデ、昼から飲むにも良いかもです
絶対に冷やしてくださいね。

ミュスカデを飲む機会って意外と少ないと思います、もう一度いいミュスカデをちゃんと確認してみてくださいね









posted by cave MITSUKURA at 18:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月16日

社員募集と営業時間変更のお知らせ


カーヴミツクラでは社員を募集しています

ワインショップで働いてみたい方、お知り合いで転職を考えてる方がいらっしゃいましたら、応募・ご紹介お願い致します。
沢山の種類のワインに触れることができる仕事です
高級ワインも多いですし、業界の試飲会やセミナーなど勉強する機会も豊富にあります。

とりあえず、アルバイトまたはパートでも構いません


それから、ニュースページにも記載いたしました通り、
営業時間を12時〜20時に変更いたします
年中無休のまま、毎日やってます。
(お正月の3が日は休みますので)

貸し出しスペースは当分の間、休止に致します。

どうぞよろしくお願いいたします。











posted by cave MITSUKURA at 16:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月13日

南半球最高の泡になり得るか


日差しが強い

愛知県でも緊急事態宣言が早めに解除になりそうですが、まだ心配です…
いきなり全部を元に戻すのは流石にマズイですよね
飲食店さんは早く営業再開したいだろうし、個人の行動も迷うところ

総理の「スピード感を持って」って、言ってる本人、意味わかってるんですかね
聞くたびに、こっちはため息なんですけど
森友から手を引くのは見事なスピード感だったのに。




今日は新しいワインを紹介します
一年中人気の泡だよ〜
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ノーティラス キュベ・マルボロ ブリュットNV

マルボロの記載でお判りになると思いますが、ニュージーランドのスパークリングです
瓶内二次醗酵の本格的な泡ですよ

ノーティラス自体はずいぶん前ですが紹介した事ありました。
スティルの赤白だったかな。
アンモナイトのアイコンが目印です ↓

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こちらはソーヴィニヨンブラン

1985年にソーヴィニヨンブランを初リリースしたこの蔵は、現在まで変わる事なく家族経営を続けている数少ないワイナリーです。
ニュージーランド最大のワイン産地であるマルボロには非常に沢山のワイナリーがありますが、創業から家族経営を変えていないのはノーティラスともう1件だけだそうです
そうなんですね〜
どこも買収されたり法人化されたりしてるんですね。

そうは言っても、HPによれば、ノーティラスの醸造家や栽培責任者は後から入って来たメンバーばっかりで、創業者の影がない
どーしたのかな??
でもここって、オージーのどこかが出資してたんじゃなかったっけ。


ニュージーランドと言えばソーヴィニヨンブランが最も有名ですが、それもこれもクラウディベイがマルボロのソーヴィニヨンブランを販売したのが始まりです

ワイン作りが主要産業になる前には、ドイツ系の品種や酒精強化ワインの生産がされていたんですが、今では嘘のよう。
クラウディベイの初リリースも85年なんですが、この大成功のおかげで今のニュージーランドワインのスタイルが築かれたようなものです。
正しくはマールボロ、と、マ以降を伸ばして発音するみたいですね。

2万4000haのもの広大な産地であるマルボロには3つのサブリージョンがありますが、マオリ族の呼び名なのか覚えづらい…

ワイラウバレー
サザンバレー
アワテレバレー


国土全体で、地名が英語と原住民の呼び名で混ざってます
意味を知らないと(知っても)馴染みのない発音かも。

ノーティラスはワイラウバレーにあります、ワイラウ川がクラウディ湾に流れる流域です ↓

ノーティラス.png

近所にもヴィラ・マリアやホワイトヘヴンなど沢山のワイナリーがありますね

で、今日のスパークリングですが、こちらはピノノワール70%、シャルドネ30%の理想的なセパージュです
89年から作ってます
さらに、瓶内二次醗酵に3年以上も費やしているという念の入れよう

ラベル上部に、Late Disgorged after Three Yaers=3年十分待ってからデゴルジュマンしてます、の表記がある通りです

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ドサージュは年によって変わりますが、5〜15g

こんなにちゃんとしたスパークリング、流石にお値段もまーまーするんですが
3年熟成もしてたら仕方ないよー

ですが今回、輸入元から特価で特別に入荷して来ました

家飲み楽勝の値段ですよ
(野口君は二人以上必要ですけどね)

こりゃーいいでしょう
てんちょもまだ飲んでいませんが、不味い訳がない。

泡好きな方に是非試してもらいたいです〜















posted by cave MITSUKURA at 14:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月11日

白いピノ


愛知県も独自で自粛緩和に向けた指針作りが始まってるようですが…
まだ油断できませんよね

あー、早く飲みに行きたい
自粛開けたら高級ワイン会やりまくろう←本気です



今日は私が家飲みしたいワインを紹介します

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ヴァインバック ピノ・ブラン2017

ヴァインバックは何度も紹介しますね、
フランス・アルザスの老舗ドメーヌです


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この斜面がシュロスベルク

特級シュロスベルグの真正面にドメーヌがあります、17世紀にカプチン修道会の開墾した畑を継承しています。
ラベルの上部、肩の部分に収穫籠を背負う修道士の絵が描かれています。

4つのグランクリュを所有する大ドメーヌです

シュロスベルグ
マンブール
フルシュテンタム


と、ここまでは有名なのでいいとして。
4つ目のMarckrain マルクレンってどこだ??

マンブールの東に続く斜面でした
聞いた事ないですね、輸入がないのかな…

上記の4つのグランクリュは全部まとまった場所にあり、アルザス・グランクリュでも中心部と言えます。
因みに、ヴァインバック(ドイツ語だとヴァインバッハ)とは、「ワインの小川」という意味です。

しかし、今日のワインは特定の畑を名乗らない「品種のワイン」と呼ばれる一番ベーシックなラインナップの一つです
区画はシェの周りの代表畑、クロ・デ・カプタン(カプチンのフランス語読みがカプタン)ですが。

アルザスは元来、混植の畑でブドウ栽培を行っていたのですが(なのでダイスは今でも混植に拘っています)、近代化に伴い品種ごとに区画を分けるようになりました。
それに従い、品種ごとのワインの生産もされるようになりました。
今では、「リースリング」「ゲヴェルツトラミネール」と聞いても何も違和感がありませんが、本来のアルザスのスタイルではないのです。
意外でしょ

さて、今日のワインはピノブランです
アルザス・グランクリュに認定される4品種ではないものの、ピノブランもアルザスでは広く栽培されています。

ピノなんちゃら、ってブドウ、色々ありますよね?

紀元前、カエサルのガリア平定に代表されるように、ローマの征服によってブドウ栽培がもたらされて以降、優れた畑は当時から既に評価されていたようですが、もちろん中世以前の事なので品種は特定されることなく、植えられた樹から収穫するだけでした。
当時はガリア一帯でワイン用の品種を「ピノ」と呼んでいたようで、
白いから「ブラン」
黒いので「ノワール」
中間の淡い赤色は「グリ」と外観で呼び分けていただけだそうで、その呼び名が現在でも使われている訳です。

さらに、リースリングやゲヴェルツはともかく、なぜピノの中で「ピノグリ」だけがグランクリュに認定されているのか不思議に思いませんか??
グリだけ、って。
(グリの方が果皮が薄くて貴腐が付きやすいですね、初めのアロマもグリは豊かですのでそのせいでしょう)
ミュスカもイマイチ正体不明なんだよね、今となっては
甘口が非常に重要だった時代故、でしょうけど。

それはさておき、ピノブランですが、アルザスでは品種としてはピノ・オーセロワ同じとされています
オーセロワであってもピノブランと表記してもいい事になっています。

なので、今日のワインは正確にはオーセロワ70%、ピノブラン30%です

辛口の軽いタイプですが、温度が高いとピノグリに似た甘いアロマが目立ちます
オーセロワの方がアロマのボリュームが出るので、オーセロワ由来でしょう。

香りに比べて味わいはややシンプルですので、これからの季節にはよく冷やして冷たい前菜に合わせるのが良さそうです。
酸味のあるマリネ、フルーツのサラダ、アスピックなどによく合います。

ヴァインバックのワインは名門ゆえに結構高いのですが、このピノブランはお手頃価格で試しやすいですよ
17年は収穫が少なくてすぐに18年に変わりそうですが、17がある内に是非飲んでみてください。

今なら、クレイデンヴァイスのピノブラン2017もあります ↓

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毎年違うアーティストラベル

暑い時期のランチにピッタリ、アルザスならタルトフランベに合わせたりするでしょうか
美味しいベーコンと発酵キャベツとか、良いですよね

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あー、お腹空いてきた。
はよ帰ろう〜















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2020年05月10日

ディジョンの白ワイン


自粛も飽きてきましたけど、今くらいが肝心なんでしょうねぇ

ボーカステルでは早くもグルナッシュの開花が始まったそうです
まだ5月10日なんですけど

名古屋は4月下旬から一瞬暑い日がありましたが、ここのところはそこまで気温は上がらず。
朝晩が涼しいのはいいですね、よく眠れる



目新しいワインがあるような、そうでもないような…
1本紹介します

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ティエリー・モルテ ブルゴーニュ・ブラン2012

はい、ブルゴーニュです。
有名ですね上品なラベルだわ。
今日のはシャルドネ100%の辛口、一応レジョナルです。

モルテはティエリー以外にも、
ドニ
アルノー

と、知られたドメーヌがありますが、苗字が同じことから分かる通り、血縁です。

3つともジュヴレイ・シャンベルタンにあります

元はシャルル・モルテが持っていた畑を90年代の前半にドニとティエリーの兄弟で相続してそれぞれのドメーヌとなったのですが、
ドニは残念ながら既に鬼籍となり、息子のアルノーさんが自分のドメーヌを経営する傍らでお父さんのドメーヌも継いでいるのです。
3つの内、二つは甥が、一つは叔父がやってるという訳です。

ドニ(アルノー)もティエリーも相続した畑はほぼ均等なのでラインナップも似ていますが、一番人気はやはりドニです
ルソーに似てるラベルですが、値段もすごい
それでもすぐに売り切れるのでまず買えません。
てんちょにはちょっと強すぎですけど…

アルノーさんには一度だけお目にかかった事がありますが、とても親切でちょっと面白い方でした
アルノーブランドの方も非常にクリアで美しいワインです。


モルテで興味深いのが、ディジョン市の近郊のという村に畑を持っている事です
「デ」って??

赤も白もありますが、今日のシャルドネはその「デ」の畑から取れるんですよ
ラベルにも、
キュヴェ・レ・テロワール・ド・デとありますね ↓

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カタカナで書くと一文字ですが、DAIX、これで「デ」と読みます。
フランス語は文字数が多いのに、発声が少ない

ディジョン市の北西にある町で、市街地と畑が混ざるような、住宅街のギリギリ端っこですね。
ここ ↓

ティエリー・モルテ.png

遥か昔はディジョン市の周りもブドウ畑だったのですが、だんだん宅地が広がり、畑は減少する一方です。
何故、こんなところに畑を持っているのかな??

ジュヴレイは力強く野性味あふれる、しっかりした赤が多いし、そういうワインが求められているでしょう
ダモワやデュガみたいな。

その中でもティエリーは上品、綺麗系で、てんちょは好きです
ふっくらしてるのがいいですね、決して弱くないし。
筋の通った透明感がいいですね、黒くない。

そんなティエリーの白、やはりふくよかです
樹齢は40年超えを含む20年平均、収量は5000/haくらい、天然酵母だけを使用、熟成にも新樽は多く使わない。

今日のワインの魅力はやはりヴィンテージです

2012年を今買える作り手は中々ありません
熟成による厚みやコクが増していますね、大きなグラスで冷やし過ぎないように飲むのがおすすめです。
翌日でも美味しく飲めます。

これ、赤も12年の在庫あるようですので、買ってみよかな

値段も昔のままなので一層嬉しい
まだ店頭に普通にありますので、ちょっとしっとりしたシャルドネが飲みたい方は是非買ってみてください〜












posted by cave MITSUKURA at 15:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月05日

芸術とワイン


政府の緊急事態宣言の延長の伴い、カーヴミツクラも短縮営業を続けます。
毎日12時〜19時、休みなしです

どうぞよろしくお願いいたします。


今年の夏は猛暑になるようですね
やだなぁ…

冬が暖かく、暑くなるのが早いのはフランスも同じです
今年は平均より開花が2,3週間も早まる予想なので、そのままなら、またもや8月収穫になりそう。
早い〜
どこももう花芽がしっかり膨らんでいます


ワインの紹介します〜
少し前に入荷してきた限定品です

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オルネライア カリスマ 2015

かなり個性的なラベル。

オルネライアはとても有名ですね、高級品です
オルネライアという会社がオルネライアというワインを作ってます(もちろん、それ以外もありますよ)

3月にオルネライアの最高額ワインのマセットを紹介しました際にも書きましたが、↓
http://cave-mitsukura.seesaa.net/article/473990791.html
もう一度書きますね。

オルネライアやサシカイヤ、アンティノリの関係が分かる方はどのくらいいらっしゃるでしょう?
親戚だよね、くらいは知ってる方が多いでしょうね。

ブルゴーニュもですけど、どことどこが兄弟で従兄で、ってもうキーッって感じ
ややこしいかも

えー、

元々はフィレンツェに名門アンティノリ侯爵家がありまして、ここがソライアティニャネロを今日作っているアンティノ社です
こちらはキャンティ地区にありまして、トスカーナ州でも海からは少し離れた内陸にあります。
(北のフィレンツェと南のシエナを結ぶ線を中心とした広い産地がキャンティです)

それに対して、オルネライアがあるのは海沿いのボルゲリという地区です。
(アンティノリも現在ボルゲリでワインを作っています)

アンティノリ社はアンティノリ侯爵家26代目(だったかな)のピエロ氏が起こした蔵ですが、オルネライアはその弟のロドヴィーゴ氏が作りました
創業は81年。
マセットの時にも書きましたように、ボルゲリの土地は婚姻によって継承された母方の土地です。
当時、「不味い」イタリアワインなんかに見向きもしてなかった侯爵家の皆様が独自に高品質のイタリアワインを作ろうと始めたのです。

なので、
ワインはイタリア、トスカーナ産ですがブドウはボルドー品種なんです
カベルネソーヴィニヨン53% 、メルロ 23%、カベルネフラン17%、プティヴェルド7%

フルボディですが流石の高貴さ
もうオルネライアの品質にとやかく言う事はありませんが、

今日のワインは珍しいアーティストラベルの限定品です

コラボしたのは南アフリカのウィリアム・ケントリッジさん
(知りません
こんな方 ↓

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HPより、いかにも前衛芸術家

2015年で10回目となるアーティストとのコラボラベルです

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同上

ラベルのテーマは「収穫期のワイン造りの作業」で、描かれているのは「作業中の人間と機械との密接さ」を表現したものとのことです
む、難しいね…

限定ワインなので、15年に思い入れのある方には是非お勧めです















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2020年05月02日

赤の台頭を願う


今日も暑い〜
世間の皆様は普通なら今日から5連休なんでしょうが、普通に仕事していない方も多いでしょうから、何だかなぁ…

カーヴミツクラは12時〜19時の短縮営業ですが、毎日やっております



今日は店頭の定番ですが、新ヴィンテージが来たので紹介します

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ポール・ブランク ピノノワール F 2012

何回か紹介してると思います。
フランス、アルザスの赤ワインです

ちょっと背が高いのでセラーで大変かな

ポール・ブランクはアルザスワイン産地の中心地であるコルマールからすぐのカイゼルベルクにあります。
今日は地図無し、自分で見てちょ。

ポール・ブランク265.jpg
いい眺め、HPより

オーストリア移民の先祖がブドウ畑を取得したのが1610年という、とても長い歴史がある家族経営のドメーヌです。

ポール・ブランク108.jpg
HPより

5つの特級畑を含む、86エーカー=約35haの畑を所有しています。
家族経営としては大きいですね

持っている5つのグランクリュは、

フルシュテンタム
シュロスベルグ
マンブール
ゾンマーベルグ
ヴィネック・シュロスベルグ

です。

どれも超有名な別格のグランクリュばかりです

最後のヴィネック・シュロスベルグが一番聞きなれないですね。
ここは、カイゼルベルグのすぐ南に位置するカッサンタールという村にあります。
中世から残るカッサンタール城があり、それ故にシュロスベルク(=城の町)の名前が付けられたのでしょう

アルザスには廃墟になってはいますが、古い城がたくさん残されています。

シノン城といい勝負、もっとマイナーな城ばっかりですけど
てんちょ、去年行った時でもお城を見ようとは思わなかったです…
そこがロワールとの大きな違いですね。

ブドウ畑に囲まれた古城は、アルザスでもこのカッサンタールだけだそうです

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出水商事 メイエ・フォネの紹介より

さて、今日のワインは上記の5つのグランクリュのどれかですが、ワイン好きなら当然お判りでしょう

紹介のピノノワールは特級フルシュテンタムの区画から取られたものです

でも、グランクリュとかフルシュテンタムとか書いてありません
それは、書けないからなんです

何でかと言いますと、アルザスのグランクリュは白ブドウ4種類のみに認められたAOCであり、赤のグランクリュは無いんです
従いまして、ラベルに記載も禁止。
ブルゴーニュではあんなに高額で人気ありまくりのピノノワールなのに、アルザスでは2級扱い

それで、ポール・ブランクでは区画の頭文字だけを取ってFと表記してるんです

何故、アルザスには赤の特級が無いかと言うと、元々アルザスはヴォージュ山脈のおかげで比較的温暖で乾燥した土地とは言え、そこはやはり谷間で北部の産地なので、日照条件が乏しくて黒ブドウが完熟するのは難しい環境だったのです
特に果皮の色が付きにくかったんですね、そういう黒ブドウを使うととても色の薄ーい赤ワインになっちゃうんです
当然ながら完熟度が低いと美味しくない
色を付けようと無理して果皮を漬け込むと、渋いだけの味になってしまうし…

因みに今でもアルザスの生産者は、ピノノワールのタンニンを過剰に抽出しないようにロータリーファーメンテーターを使うなど工夫をしています

昔のブドウ栽培家はそうした環境では、より高品質のワインを求めて白ブドウに力を入れて、ヴァンダンジュ・タルディヴセレクション・グランノーブルを作って来たのです

しかし、時は流れて、今では冷涼で完熟しないなんて、ないないない
アルザスも温暖化の影響バリバリです
初夏から暑いし、ピノノワールもしっかり色づいて完熟します。
去年の6月もコルマールで倒れそうな暑さだった。

今後は、グランクリュにピノノワールを含めようという動きもあるかもしれません
特にブルゴーニュがあれだけ高騰しちゃうと、繊細なスタイルで高貴なピノノワールでありながら安価なワインを求めて、アルザスやサンセールが注目されていますし

元に戻って、今日のピノノワールはいつからだったか、20年くらい前から生産されていたはずです。
当初から非常に評価が高く、アルザスのピノノワールっていいよね〜と思った覚えがあります。
その後もポール・ブランクはこの「F]の生産を続け、(価格は高くなりましたが)一層素晴らしいワインになってます

標高400メートル、斜度が25〜38度もある急斜面に植えられたピノノワールは、天然酵母のみで発酵を行い、発酵後はすぐに澱と分けられ樽へと移され熟成されます。
(タンニンの過剰抽出を避けるため)
樽に12ヶ月程度入れられた後に瓶詰めされますが、現行の新ヴィンテージが2012年って事はかなり長く蔵で寝かせているという事です。

普通のワインなら17年が発売になってるくらいですので

このピノノワール、てんちょは昔から大好きです
ブルゴーニュが好きな方なら違和感なくなじめますよ。

意外と地味な香り、派手さはありませんが複雑で細やかな印象です。
味わいはふくよかさに優しい酸味が加わった感じで、甘さは目立ちません。
和食にも行ける繊細な作りですが、09年みたいな年はちょっと濃かったですね。
なので12年や14年みたいな、大人しいヴィンテージの方が良さが分かりやすいかも

このワインを4ヴィンテージくらいストックしてて、いつかヴァーティカルテイスティングしたいと思っています
ヴァーチャルじゃないからね。
それなのに、07年とか09年とか飲んじゃったんだよなぁ
仕方なし。

まだ入荷したばかりなので今後も定番であります。

一葉さんとちょっとですね、是非皆様に飲んでもらいたいです















posted by cave MITSUKURA at 18:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月01日

今日も素敵なロゼ


5月になって急にですね暑い

緊急事態宣言は間違いなく延長されるであろう事から、カーヴミツクラの営業時間も引き続き短縮営業を続ける予定です
5月いっぱいと言わず、25日くらいから段々平常に戻すとかならないかなぁ

人が少ないから出かけてもいいじゃん、って言ってる人がいますけど、
それはあなた以外の人達が自粛して出かけないでいてくれるからなんですよー

ところで、
「空いてる」って、なんて読みますか?
「あいてる」「すいてる」、どっちも読めますもんね
「すいてる時にスーパーへ」ってLINEで書いても「あいてる時でも混んでない?」って返事がなったりして
(まぁ、この場合、スーパーは「開いてる」ですけどね)
日本語はむずい。
「ここではきものを脱いでください」 さて、脱ぐのは着物か履物か。


くだらない話は置いといて、ワインの紹介をします〜

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マス・デ・ブレサド コスティエール・ド・ニーム ロゼ トラディション2018

また南仏のロゼでーす
17年が随分前に売切れてましたが、ようやく新ヴィンテージの2018が入荷して来ました

こちらの生産者、素晴らしいのですよ
赤も白もロゼも作ってます。

今のご当主はこんな方 ↓

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輸入元HPより

シリル・マレスさん。
ここ、是非行ってみたいんですよね〜


コスティエール・ド・ニームはラングドックのAOCですが、畑があるのは南部ローヌで土壌も全く同じなのです
表土も「ガレ」と呼ばれる丸い石がゴロゴロしてて、フヌデュパプと見間違えそうなほど。
足をくじいちゃいそう、当然機械は使えません。

この一族は13世紀にボルドーから移住してきたのですが、現在のラングドックの畑でもボルドーから持ってきたカベルネを育てています。
ヴィーニュ・モンペールと言って「お父さんのブドウ」ってキュヴェです
先祖の伝統を継承してるんです。

2年ちょい前にこちらの生産者のセミナーに行って参りました ↓
http://cave-mitsukura.seesaa.net/article/456729571.html

写真が小さいやんか、なんで

輸入元のレポートもあります、こちらの方が非常に親切 ↓
https://www.inaba-wine.co.jp/blog/?id=1522217192-822966&ca=1

是非、上記のリンクは読んでみてください

シリルさん、蔵を継いだ当初は「ロゼなんてくだらない」と思っていたそうです。
フランスでも今の様にロゼがメジャーじゃなかった時代、ロゼをわざわざ作るなんて面倒な事だし、その分白や赤に注力した方が余程いいだろうと考えていた、らしい。

その後、「ロゼの魅力に気付いた、自分は愚かだった」と話してましたけど、正直で謙虚な方です


今日のロゼは、グルナッシュ50%、シラー30%、サンソ―20%のブレンドです。
全てのブドウは別々にセニエされますが、シラーが最も短く、2,3時間で液体を引き抜きます
やっぱり果皮がしっかりしてる分、タンニンが容易く抽出されちゃいますので長く浸漬するのは厳禁です
渋くて苦いロゼになってします。

余談ですけど、いつも大変美味しい生産者のロゼのスパークリングが、今回のロットに限ってやたら苦くて…
赤ワイン由来のタンニンが強いせいでしょう。
シラーではないけど。

そして、輸入元にも記載がありませんが、確かこのロゼ、最初は赤ワインを作る途中で引き抜いた果汁をロゼとして瓶詰めしていたはずです
元々は濃い赤ワインを作る手法で、その副産物としてロゼがあったんです。

一つのワインを作る過程で2種類のワインができる、錬金術〜
(もちろん液体は増えませんので、合わせてできる量は同じなのですが。分かります?)

ずっと暑い夏が保証されてて、ブドウが必ず完熟するので、それ以上に液体を濃くするとめちゃくちゃ強い赤ワインになっちゃうからやってないのでしょうかね
これ以上濃厚な赤はいらん
真夏にフルボディの赤ワインは飲めないなぁ、てんちょ。

夏のバカンスに欠かせないというロゼ、もちろん辛口でお料理にも合わせやすいです

香りがとても豊かです、華やかな香りがいいですよ〜
香りの割には味はしっかり辛口で、いい酸味が残っていますのでスッキリと飲めます

このロゼ、野口君二人で余裕なのに、てんちょは一番好きな南仏ロゼだわ。
輸入が400本しかないそうですので、興味ある方はお早めにどうぞ













posted by cave MITSUKURA at 18:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする