2020年08月13日

ボジョレー2020年経過報告


もう暑さを語るのが常になって来た2020年8月


秋の涼しさがちっとも思い出せませんが、ボジョレー地区から2020年の状況が報告されています
記録的な猛暑で死者が続出した2003年に匹敵する成長の速さで、今年はそれに次ぐ早い収穫となりそうです


以下は、ルー・デュモンの仲田さんからの7月12日付けのレポートです。
(輸入元のヌーヴェルセレクション提供)

昨年から今年にかけての冬はいわゆる暖冬で、零度を下回ることはほとんどありませんでした。
以降今日まで、安定して気温が上昇してきました。
また、1月から5月まで乾燥した気候が続いたため、カビなども発生せず、
非常に健全な状態で、例年より3週間ほど早い5月上旬に開花を迎えました。

6月も晴天続きで、乾燥による水不足が心配されはじめましたが、
必要な時に必要な量、まさしく恵みの雨が降りました。
病害もなく、雹も降らず、完璧な6月となりました。

高台区画ゆえの開花時の昼夜の温度差によって、今年もクリュール(花ぶるい)が多く発生し、
大部分のぶどうがミルランダージュ(非常に凝縮した小粒のぶどう)になりました。

私は2005年からヌーヴォーを造りはじめたのですが、
7月上旬の現時点までで言えば、今年はダントツで過去最良の年です。
1ヶ月半後の収穫までこのまま理想的に推移すれば、
私の過去15ヴィンテージの中で最高品質のワインになるのはもちろん、
ボージョレ全体でも、過去100年間で最良のヴィンテージになると思います。

画像は、樹齢80〜90年の高樹齢区画を7月初頭に撮影したものです。↓

ルーデュモン2.jpg

開花日から計算した収穫開始予定日は8月20日頃ですが、
私は10日ほど遅らせて、8月31日または9月1日の収穫開始を予定しています。
「ガメイは、完熟が命」ですので。

2020年7月12日
メゾン・ルー・デュモン
仲田晃司

樹齢の高い樹ですね
流石ビオ、草がぼーぼー

昨年の暖冬は日本も同じでした
今年は雹や病害もなく、良いブドウが収穫できそう、との事。
早い収穫は醸造に時間を割けるのでいいですね

でも、暑さを考えるとアルコールのしっかりした強いワインになりそうな気がする…


ボジョレーワイン委員会・日本事務局からも報告が来ています
以下、抜粋

7 月 27 日(月)に収集を始めた成熟ネットワーク*による最新の収穫データによると、ブドウの成熟は想定通りに進んでいます。
サンプル採取した 75%の区画でこの月曜日に、平均して 76%のブドウが成熟していた。
この 7 月フランス各地はどこも比較的暑く、乾燥していた。
この著しい乾燥にも関わらず、ブドウの衛生状態はほとんど病気もなく至って順調でした。

今日まで、酸のポテンシャルは良好で全体の酸味は平均して高く平均的なpH も備わっており、
収穫に適した豊富な糖度とフェノール熟成度が十分に期待できます。

当地の最新情報では、収穫量は平均的だと予想されている。
幸運にも、春はブドウの開花と結実に理想的な天候でした。今日になって乾燥により、ブドウの房の重さが減り始めています。
成熟ネットワーク*の枠組みで実現される次の調査で、よりはっきりとした傾向がわかることでしょう。
ともかく、早熟のエリアでは 8 月 20〜25 日ごろに収穫が始まる可能性があります。
あらゆる事態が起こりえますが、今後の気象状況と乾燥に対するブドウの状態次第で決まってきます。

この段階において 2020 年ヴィンテージは、1992 年に成熟ネットワークが設立されて以来、2003 年以降 2 番目に生育が早いヴィンテージであるとランク付けできます。

以上。

早い収穫病害の少ない健全な状態はボジョレー全体に共通しているようです
ヌーボーに限らず、クリュボジョレーでも優れたヴィンテージとなりそうで期待できますね

上記のボジョレーワイン委員会のレポートに「成熟ネットワーク」という言葉が出てきますが、これは1992年に始まったブドウの生育状況を報告・共有するための仕組みです。
200以上の生産者が自分の区画ごとのサンプルを2度採取し、糖度やその他のデータをローヌ県農業会議所に送り集積、参加者がこのデータを利用してヴィンテージの把握や収穫時期の決定に役立てる、という訳です。
全てのサンプルデータは善意で提供され、今年で29回目となりました。

ちょっと話が逸れますが、
上記のデータの集積が「ローヌ県」農業会議所に集められる、とありますが、ここにブルゴーニュにありながら、ボジョレーの特異な面が表れています

つまり、シャブリからボジョレーまでのブルゴーニュですが、所属する行政区が異なる為にボジョレーはコートドールを始めとする北部とは違うネットワークに属しているんです

これには、現在の県になる由来=歴史という点にも理由があります。
単に栽培するブドウが違うと言うだけの事ではありません。

「ブルゴーニュ」と、ワインのカテゴリーでは一緒くたにされる地域ですが、行政区では、

シャブリとオーセロワなど周辺 ← ヨンヌ県
コート・ド・ニュイ      ← コート・ドール県
コート・ド・ボーヌ      ← コート・ドール県
シャロネーズ         ← ソーヌ・エ・ロワール県
マコン            ← ソーヌ・エ・ロワール県
ボジョレー          ← ローヌ県


となっておりまして、4つの県に分かれています。

さらに、上記の上3つの県はブルゴーニュ圏として一体の大きな行政区に属しているんですが(現在は東のジュラ周辺の圏と統合されブルゴーニュ・フランシュコンテ圏となっています)、
ローヌ県はローヌ・アルプ圏と言う南部の圏に所属しているんです

多分、ピンと来ない方が多いでしょうから、ウィキペディアでも見て下さい ↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%9C%B0%E6%96%B9%E8%A1%8C%E6%94%BF%E5%8C%BA%E7%94%BB#ヨーロッパの領土:県

フランス革命からこっち、何度も統廃合があった行政区分ですが、ってややこしいかな
圏って地方、って事です。

で、この県(圏)の違いがもたらす最大の問題は、税金の納め処や、助成金の出所、更には議員の選出まで、金と政治の問題に密接にかかわってるという事です

中央政府からは「ブルゴーニュ」全体にお金が下りる訳じゃない、ブルゴーニュ圏のお金はローヌ・アルプ圏には使えない、など政治絡みの問題が非常に多い
元々属する領主も違っていたし、北のブルゴーニュと南のブルゴーニュ(ボジョレー)はお互いによそ者なんです

なので、ブルゴーニュワイン委員会にはボジョレーは載っていません

そう言う訳で、なんか仲間外れな印象のボジョレーなんですが、そう言う事ではなくて、
ボジョレーはボジョレーでローヌ県で頑張ってます

ヌーボーの予約もそろそろ締め切り、例年通りでいっかなー










posted by cave MITSUKURA at 14:58| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする