2020年11月03日

跨げる塀です


今日はアメリカ大統領選挙なんですねー
どっちも嫌っていう有権者が結構多そうですが、どうなるでしょう…
どっちになっても良くならないような気が

フランスのロックダウンも4週間は長いですが、クリスマスまでには何とか抑制したいでしょうし…

今年いっぱいではとても収束しそうにないコロナ、来年の2月3月くらいでワクチンのめどが立つんでしょうか



今日は個人的に好きな白ワインを紹介します

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アンリ・ダルナ
ブルゴーニュ・シャルドネ ラ・ジュマリー2015
ムルソー 1erクロ・リシュモン2018 モノポール


この生産者は飲んだ事ある方は好きだと言ってくれるでしょうが、メジャーという程の知名度はないかもしれません
知られてない方が手に入るから、個人的にはいいけれど

2016年にミツクラのお店に来てくれた事があります

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短い時間でしたがとても印象的でした。
それから後に飲んだ彼のワインは非常に良かったです
(当日は試飲なかったので)

1850年代に遡ることが出来るこのドメーヌはアンリさんで5代目
ムルソーにあります

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HPより

ネゴシアンも兼ねる蔵は、奥様と二人で先祖の残した畑も大事に管理しています
アンリ・ダルナにはクロ・リシュモンという単独所有畑がありますが、この認定が1996年というごく最近の認定で、これは大変珍しい事です
北側にある1級レ・クラの一部で僅か0.74haしかありません。

ここです ↓

アンリ・ダルナ.png
ブルゴーニュワイン委員会より

モンテリーとの境です。

このクロ・リシュモン、でも「クロ」の名前の通り、ちゃんと囲まれているんです
膝くらいの高さの「畔」ですが、クロである証拠だそうで。
これが認定時の重要なポイントでした、数百年前にかつて持っていた人がここだけは他と違うと分かって囲ったんだろうというお話でした。

クロ=塀、垣根ですが、これは囲まれた特別な区画を意味しています

中世の修道士は良いブドウが出来る区画を他と区別し、守るために区画を囲ったのですがこれがクロです。

クロドベーズ
クロデムーシュ
など、有名なクロは沢山あります。

現在、新たにクロを作る事は禁じられています。
(みんなが勝手に囲いだしたら厄介だもんね)

塀って聞くと背の高さくらいあるイメージですが、土手というか畔っぽいのがほとんどです
 
こんなです ↓

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ラトリシェールシャンベルタンの区画 17年の訪問時

余談ですが、グーグルのストリートビューでも、かなりはっきり畑とクロが見られますよ
ジャック・プリウールのクロもある。



で、アンリ・ダルナのムルソー

ムルソーは実はミネラリーなワインなんだ

と、実際にワインを作り始めるまでは自分でも真逆の事を思っていたそうですが、本来の個性を失わせないように過剰な樽の使用はしていません。

確かにアメリカで人気のかつてのドメーヌってコッテコテでしたもんね。
ナパでもどこでもえーやん、っていう「噛める」スタイル
あれはあれで簡単じゃないでしょうが、今はそういうの減りましたね、滅多にないと思います。
食事との相性の良さもワインの酸や塩のおかげです

蔵を継承したのは2000年です。
栽培は色々試して、今は無農薬になっています。

完璧主義と言われるアンリさんは何でも自分でやってみる方の様です。
自分の哲学は、良識と忍耐
自然相手の仕事は待つことが非常に重要、忍耐の報酬は美味しいワインが食卓に出るとき、だそうです

くーっ、待つの一番苦手

しかし、そこはやっぱり新樽控えめの醸造、待って飲むべきワインです


今回はレジョナルの2015も入荷しました

多くのブルゴーニュで大当たりとなって15年、ダルナもとても評価が高いです。
こっちはお手頃なので気軽に試せますよ。
3人のお嬢さんの名前を取って、キュベ・ジュマリ―と名付けたそうです

こっちならもう飲めます

バターやクリームとも良い相性です、冬の食卓にいいですよ〜












posted by cave MITSUKURA at 18:10| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする