2021年04月04日

糸杉とオリーブの丘



聖火リレーは明日の夜に名古屋市内を走るようですね
誰が走るのかまるで知りませんが…



店頭には新しいワイン王国が届きました

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ちょっと今号は薄い…
広告が減ったんでしょうか
てんちょの写真、取り直さないと10年も昔のままだ。


今号の特集は「ガンベロ・ロッソ トレ・ビッキエーリ」です
イタリアですね。

ガンベロ・ロッソとは「赤エビ」という意味で、イタリアのワイン・グルメ関係の出版社が出す、イタリアワインのガイドブックです

毎年出され、最高のワインにはグラスマークが3つ付けらる事から、これをトレ・ビッキエーリ(=3グラス)と言い、最高評価を得た証とされています。
フランスで言うミシュランの3つ星、ギ・ド・アシェットやクラスマン、メイユール・ド・ヴァンの評価と同じです

編集長が選んだワインを紹介しつつ、ガンベロ・ロッソの誕生や極意まで分かりやすく解説してあります
ワイン王国はカラーだし、読みやすいのでいいですよ。
初心者でも楽しめる平易な内容でもあります



と言う事で、トレ・ビッキエーリではありませんが、新しいイタリアワインを紹介します

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フリーニ ロッソ・ディ・モンタルチーノ ジネストレート2015


私には懐かしいワインです。
25年くらい前に初めて読んだ時には美味しくて感動しましたね
その後、輸入元が何度か変わりましたがまた取り扱えて嬉しいです。

フリーニはイタリアでもかなり古い名門の家系で、元はベネチアの旧家の貴族です。

14世紀のイギリス王、プランタジネット朝のエドワード3世に雇われて100年戦争に従軍しています。
その後もイタリアの所領は誰かに任せてイギリスで生活していたようです。
18世紀になってフリーニの子孫はイタリアに帰国し、トスカーナのマレンマに神聖ローマ皇帝のレオポルド2世から広大な所領を賜ります。

マレンマはトスカーナですが、今日のワインの産地であるモンタルチーノとは異なる離れた南部の海沿いの土地です

トスカーナ州にはキャンティを筆頭に有名なワインが沢山あります
サシカイヤルーチェなど、それだけで名前の通った高級ワインも多く、ワイナリーもめちゃくちゃ沢山あるので法規制上の産地と一緒に整理して覚えている方は少数派ではないかな

イタリアワイン事典から地図を拝借してみます ↓
http://www.italy-wine-jiten.com/toscana/toscana_1.html

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マレンマはモンタルチーノから南、そして海側へ60キロほどの場所です
ここです ↓

マレンマ.png

海沿いのマレンマは湿地が多くブドウ栽培には不向きな土地でしたが、干拓によりブドウ畑が開墾され現在ではワイナリーも増えています。
近くにはDOCGのスカンサーノがありますが、知っていますかね??
(モンテクッコも今やDOCGなのね、知らなかったわ


このマレンマに所領を得たフリーニ家ですが、その後移住し、1905年にモンタルチーノでワイナリーを始めたのが今日のワインの起源です

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HPより、以下同様

こじんまりしたワイナリーですが、長いアプローチと重厚な設えの邸宅です。

モンタルチーノと言えば偉大なDOCGブルネッロ・ディ・モンタルチーノがありますが、ブルネッロとはサンジョベーゼの事でモンタルチーノではそう呼ばれています。

同じシエナ県にありながら、キャンティとは全く違うフルボディの堅固なこの赤ワインは、生産の歴史は浅いのですが食通たちに持て囃され高級ワインとして広く知られるようになりました

功労者は同じく御貴族のビオンディ・サンティ。
ローマ空港の免税店にもドバーンと陳列されています

フリーニもかなり古くからこの土地でワインを作っていますので、土地の方には認められた名門であります
ただ、所有畑は10haしかありませんので、写真の通り、意外に小規模なんです。

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乾燥した中部イタリア―って感じ

フリーニももちろん作っているDOCGのブルネッロはやはり高額なので、いつも気軽に飲める訳ではありませんね。
そこで今日のロッソ・ディ・モンタルチーノがオススメです

ブルネッロの弟分とも言うべきロッソ・ディ・モンタルチーノはDOC認定で、5年後の販売が義務付けられているブルネッロに比べ(つまりブルネッロは最低4年熟成、更にその内の2年は樽熟成、4ヶ月は瓶熟が必要とかなり面倒)、ロッソ・ディ・モンタルチーノは同じサンジョベーゼで作られていますが翌年の9月1日から販売が可能です。

1984年DOC取得で、サンジョベーゼ100%の赤と決められています。
ボルドータイプの瓶に入れなければならないという決まりもあって、面白いですね


ブルネッロに比べて早くから楽しめ、柔らかくフルーティさが魅力のミディアムボディであることが多いです

が、フリーニは結構フルボディです。
アルコール度数も14%なので、ゆっくり飲んだ方が良いかも。
フレンチオークで熟成させていますので上品な樽の風味が感じられます。

温暖化で増々強いワインになっているイタリア、今後はどうするんでしょう…

と言う事で、
食事と一緒ならブルネッロよりもロッソ・ディ・モンタルチーノの方が合わせやすいと思います
パルミジャーノや、カルパチョ(お肉が本物です)、ラグーのパスタや羊など広くイタリアンに合わせられ、外れないでしょう
香りもいいのでアペニン山脈のキノコでもいいと思います。

HPには「無限のマリアージュが可能」って書いてありますね

王道のイタリア赤ワイン、こういうワインは必ず何かと一緒に楽しむことを意識してください

ワインだけで飲んではダメではないんですけど、食事に合わせるのが本来の姿であり、ワインだけ飲むよりも何倍も楽しみや魅了が増します
気軽なピザや簡単なパスタでもいいし、チーズとパン、オリーブオイルでいいんです。

今日はイタリアンな気分の時には是非お供にどうぞ〜









posted by cave MITSUKURA at 14:58| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする