2021年07月17日

ピンクのくねくね


今日も眩しいくらいの晴れ
オリンピックが遠い場所の出来事に思える名古屋です。


フランスでは7月になっても雨天が続いてブドウの生育も遅く、一部ベト病などに悩まされているようです
まだここから挽回の余地はありますが、春の霜害で既に収穫が少ないのは決定してる地域も多く、2021は難しいヴィンテージになりそう

ベルギーやドイツの洪水のニュースにも驚きました、かなり広範囲に渡って被害があったようです。
ドイツ、モーゼルのヨゼフ・ロイシャー(ピースポートの作り手です)のSNSにブドウ畑の下まで水が来てる様子が載ってました

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「7月に洪水は初めての経験」だそうで。
(ブドウ畑自体は斜面なので流石に水没はないですが、地域によっては蔵や家屋の被害は大きそうです)
異常気象は世界共通…

もうこれ以上ブドウ畑に水はいらないって、みんな言ってます。
水がなければないで困るし、難しいなぁ




今日はローヌの赤ワインを紹介しようかと思っていましたが、暑いのでもちっと涼しげなのを紹介します

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マルチェロ プロセッコ・ロゼ2020

プロセッコの名前は知られてる方だと思います
スペインのカヴァ、イタリアのプロセッコ、はお値打ち&お手軽スパークリングワインの代表です。

プロセッコはイタリア、ヴェネト州のスパークリングワインの名称ですが、最新のワイン法ではちょっとややこしいかも

ヴェネト州には国際的観光都市のヴェネチアがありますので、その名はよく知られている所ですが、それ以外となると詳しい方はごく一部なのでは。

ヴェネト州のワイン産地は2つ知ってればいいと思います。

一つはアマローネソアベが作られるヴェローナ周辺
もう一つが、今日のプロセッコの産地であるコネリアーノ周辺

こんな位置関係です ↓

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二つの地域は離れています

で、今日のプロセッコなんですが、ややこしいと言うのはですね、

現在、法的には3つのプロセッコがあります
(本当は細かい正式名称が何通りかありますが、今日はそこは割愛)

DOCGが2つ ↓
コッリ・アゾラーニ・プロセッコ(アゾーロ・プロセッコ)
コネリアーノ・プロセッコ、ヴァルドッピアデーネ・プロセッコ(または両方の地名)


さらにもっと広範囲に及ぶDOCプロセッコがあります。
DOCプロセッコはヴェネト州とフリウーリ・ヴェネチア・ジューリア州の二つの州に跨る広大な範囲をカバーする名称なんです。

アゾーロ、ヴァルドッピアデーネ、もコネリアーノと同じく地名なんですが(産地呼称なので当然と言えばそうなんです)、
ワイン名が長い
そして、言いづらい。

ばるどっびあでえね、は日本人には簡単じゃないよなぁ

今の様な3つのプロセッコが出来たのは2009年
もう12年も前なんですね〜

そもそも、プロセッコとは北イタリア周辺の土着ブドウの名前で、それから作られたワインもプロセッコと呼ばれていました。
権利とか商標とか意識されるずーっと前からの慣習的呼び名です。

ただ、プロセッコはブドウ品種の名前なので、例えばオーストラリアでもこのブドウを用いてスパークリングワインを作り、それをプロセッコという名前で販売する事も可能で、実際にありました。
シャルドネっていうワインを売っても別にいいですよね、それと同じ根拠です。

そこでイタリア政府はヴェネト州の固有のワインを守るために、プロセッコというワインを地名と結びつけた上でDOCGに昇格させ、ブドウの名前もグレーラと変更しました

多分、オーストラリアの政府ともプロセッコはイタリア固有の名称として保護する方向で決着してるんだと思います
なのでカリフォルニアシャブリが無くなった様に、オーストラリアプロセッコも消えゆく運命なのです。

名称の保護って大事な事ですが、アジアの消費者には難しくて結局、正式名称が広まらないまま、な気がします
多分ヨーロッパ人でも同じ。


そういう変遷を経た現在のプロセッコなのですが、これまでは白のみ、だったのです。
それが、2021年1月からロゼの販売も認められるようになって、今年からプロセッコ・ロゼが新たに誕生したのです

で、今日のワイン、という訳です
(いつも前提が長い、でも前提を説明しないと理解が遠のくかな、と)


マルチェロはヴェネト州の名門一族で、別荘だった現在のワイナリーに19世紀にブドウが植えられ、ワイン作りをスタートさせました。
現在はトスカーナのマッツェイと親戚関係で、マッツェイがワイン生産・販売の技術提供・支援をしています

前に白を紹介しました ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/448056854.html

実はわたくし、プロセッコは滅多に飲まないんですが、マルチェロは美味しいですよ

シャルマー方式ですが、ブドウの香りも綺麗ですし、口当たりも優しくて上品です

今日のロゼは、グレーラ85%ピノネロ15%

グレーラで作った白ワインとピノネロの赤ワインをブレンド、タンクで90日かけて2次発酵させています

シャルマー方式の具体的な作り方って見た事ないのですが、ちゃんと見てみたい。
特に瓶詰めの行程ってどうやるんだろう…

瓶内二次醗酵に比べて、ブドウのアロマやフルーティさが残るので軽やかなアスティやプロセッコには向いた製法です

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白と同じくねくねラベル。
ピンク色だと可愛いですね

実はこのロゼ、まだ飲んでいませんが
色も分からない

マルチェロなので美味しいだろうと期待しています
価格も気軽に飲める、野口君2人でおつり来ます

店頭にも並んでいませんが、
1本でも取り寄せできますので、欲しい方言ってくださいね〜












posted by cave MITSUKURA at 18:21| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする