2021年08月29日

近くて遠い「海外」


今日も強烈な日差しです

そうは言ってもほんの少し、秋めいてきたような気もします
影が長くなってきたし、朝晩は多少は涼しいかなぁ…


お店の前で朝から道路工事してて車が停められません
片側通行になっています。
日曜なのにずーっとやってます

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お疲れ様です。

ご来店を断念した方がいたら申し訳ありません




今日は紹介したいワインがあったんですが、もっと詳細を詰めてからにしようと思い直して、
こちらを紹介します
(紹介しますが、これも飲んでおりません

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キャメルファーム レガミ プライベートリザーヴ

飲んだ事ある方いらっしゃいますか?
北海道、余市の赤ワインです

ここです ↓

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余市には沢山のワイナリーができていますね
キャメルファームのすぐご近所にもドメーヌ・タカヒコ藤沢ヴィンヤードがあります。

てんちょ、余市どころか北海道に行った事がありませんで、その内行ってみたいと思っています。

創業は2014年、もとはタイからコーヒーを輸入するのが主業だったところ(なので会社はカルディです)、イタリアワインの有名エノロゴであるリカルド・コタレッラ氏と出会い、余市でのブドウ栽培&ワイン生産をスタートさせ今日に至ります。

詳しくはHP見た方が早いかと ↓
https://camelfarm.co.jp/

リカルド・コタレッラ氏はワイン業界では大変有名な存在です
てんちょ20年くらい前のセミナーに出席した事があります、資料探してみよかな。

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HPより、流石にお年を召されました

彼はウンブリア州オルヴィエート出身、沢山のワイナリーで働き、次々と評判のワインを作った「魔術師」です。
ガンベロ・ロッソ(イタリアワイン評価本)の常連。

弟さんもアンティノリで醸造家として働き、今は二人でウンブリアにワイナリーを持っています。
二人のワイナリーであるファレスコではリーズナブルでもとてもいい品質のワインを作っていて、どれを飲んでも美味しい
知ってる方も多いのでは

最初は山梨県で始めたワイン作りですが、より良い土地を探していた所、1980年代からブドウ栽培を行っていた余市の名人、藤本さんと言う方の畑で栽培、醸造を始める事になったそうです。
伝統品種と国際品種の両方を栽培、何種類もワインを作っています。

今日のレガミ・プライベートリザーヴは、
レジェント63%
レンベルガー25%
ツヴァイゲルト9%
ピノノワール3%

のブレンドです

でもね、HPにはブラウフレンキッシュが入ってる事になっています
年によって違うんでしょうね、新しいのはブラウフレンキッシュ入りかな。

ツヴァイゲルトはオーストリアの品種です、ツヴァイゲルト博士と言う方が作った(サンローランとブラウフレンキッシュとの交配)したのでその名前が付いています。
日本では北海道で広く栽培されていますので、他のワイナリーのワインでも見る事が多いと思います

ブラウフレンキッシュもオーストリアでの主要な黒ブドウの一つです。
ラベルに拠れば今日のワインには入っていませんが。
東ヨーロッパでは他でも栽培されていますし、ドイツでも見かける事が多いです。ツヴァイゲルトの親ですね。

ピノノワールは説明不要でしょう。

で、聞き慣れないのがレジェント

何でしょう、そのブドウは??
レゲント、と表記される事もあるようですね、同じです。

REGENT、伝説=LEGENDじゃありませんのでご注意。
って見れば分かるって
ブドウの方は最初がRで最後がT、ね

レジェントはドイツの品種、前にこのブログでフランスに新しく登録された品種でヴィドックアルタバンを紹介しましたが、その交配に使われてるのがレジェントです。
このワイン、覚えていますか? ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/477813256.html
(でも、レジェントの説明には全くなっていませんので、ごめんなすって)

ベト病対策で交配された品種で(ヴィドック、アルタバンの交配も同じ目的)、1967年にドイツのファルツで作られました。
ディアナ(これまたシルヴァーナとミュラー・トゥルガウの交配)とシャンブルサン(フランスの黒ブドウ、寒さに強い)の交配。

うーん、登場するブドウに馴染みが全然ありませんね
交配の交配でまた交配、ご先祖を辿るとみんな親戚、っていうのに似ています
レゲントはタンニンも優しめのミディアムボディのワインになるようです。

しかし、ツヴァイゲルトはタンニンしっかりのフルボディになる事が多く、ブラウフレンキッシュもしっかりつくる事は可能。
ボトルの表記もフルボディになっています

生産量もまだ少ないです。
なので値段もまーまーしますね、一葉さんだとちと足りない。

そしてヴィンテージ表記がありません

北海道の冷涼さを感じられるでしょうか?
黎明期のワインとしても経験しておきたい。
ぜっひ、飲んでみたいですね

























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2021年08月27日

淡いロゼ、夏のロゼ


残暑が厳しい名古屋です、全国同様ですね

9月12日でめでたく宣言解除になるとは思えないんですが
秋以降のイベントも厳しいかもしれません


8月も終わりですが、ちっとはいいニュースがないもんでしょうか

では、お値打ちで美味しいワインを紹介します

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ラ・クロワザード レゼルヴ ピノ・ロゼ2020

フランス、ラングドックのロゼワイン、辛口です
ピノノワール100%です。

ラ・クロワザードについては以前、カリニャンを紹介しました ↓

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ブログはこちら
産地などはここから確認してください ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/archives/20200405-1.html

今日のロゼは法的には、IGPペイ・ドックです。

カルカソンヌ、いつか行きたい

他にもカベルネ、シラー、ソーヴィニョンブラン等沢山ありますが、
ミツクラの店頭には現在、今日のロゼ(750ミリ)とカリニャン(赤、750ミリ)とカベルネ・シラーのハーフ(赤、375ミリ)が置いてあります。

その協同組合のワインに、新たにロゼが加わりました
それが今日のワインです。
新発売。

やっぱりフランスはロゼの需要って多いのでしょう
南仏では無理して白を作らず、ほとんどがロゼに置き換わっているようですが、まだこの傾向は続きそうです
輸出も確実に伸びているようですし、日本でも辛口ロゼの認知度はあがっていますよね

色々な賞を受賞しているクロワザードですが、今日のロゼは、
ジルベール&ガイヤール インターナショナル・チャレンジ2021で金賞を受賞しています
(世界中に数多あるコンクール、中にはイマイチ信頼に欠ける名ばかりのコンクールもありますのでご注意)
ジルベール&ガイヤール、
あんまり聞いた事ないかもしれませんが、このコンクールはフランスのワイン雑誌ジルベール&ガイヤールが主催する品評会です。
名前の通り、ジルベールさんとガイヤールさんが始めた活動です。

日本語のHPありますね ↓
https://jp.gilbertgaillard.com/

でもね、クロワザードの情報は検索しても出て来ませんね
コンクールの結果は試飲情報には反映させないんでしょうか
ま、いっか


今日のロゼの魅力はコストパフォーマンスの良さです
野口君一人とチャリン1枚でこれなら文句あるまい

ピノノワール100%のロゼで軽い口当たりですが、中々いい味です
香りもふくよかさを感じさせるサクランボの様な甘さと、優しいバラ、まさにピンク色の花って感じです。
軽い飲み口同様に、香りも派手ではありませんがいい感じ。

醸造の詳しい情報がありませんが、多分ブラッシュでしょう。
いいブドウを使ってますね、欠点がないのが嬉しい

酸は優しめですが、やはりはっきりした辛口です。
よく冷やして飲んだ方がいいですね

白やロゼは産地や品種によって、持っている「酸味が好きがどうか」でも、かなり好みが分かれるところだと思います

安いけどイマイチ、っていう辛口白&ロゼワインは大抵、この酸味がよろしくない場合が多い
2杯目に行こうと思わせてくれない、飲み込みづらさがあるんですよねぇ
未完熟のせいか、何でしょうね???

赤だと果実味やタンニンで酸が多少は隠れるので、あまり酸味が嫌、って顕著にならないと思いますが、
ワインの洗練度を決めるのに酸は非常に重要な要素です

その点、クロワザードのロゼは税込1050円なのに、酸味も綺麗で美味しいです
すっごくおすすめ

暑い季節に冷やして飲みたいです
もっと気温が下がればコクのある赤がいいでしょうけど、今の季節にはこれが最高に美味しい。

気軽に試せるお値段なので是非飲んでみてください〜







posted by cave MITSUKURA at 16:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月24日

長兄のピノノワール


名古屋はようやく長雨を脱した感がありますが、かなり蒸し暑いです


てんちょ、ようやく今週1回目のワクチン接取に臨みます
様子見、と思ってましたが、やはり商売柄、人に会いますしね。

会社の職域接取で便利な場所を簡単に予約できたんで良かったですが… 区役所なんて全く空きがない
まだ1回目ですが2回目には副反応に対して不安しかありません
どちらも連休にしてますが、どうなんでしょうねぇ。




今日は初めて買ってみたブルゴーニュを紹介ます

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フィリップ・コラン マランジュ1erラ・フュシェール2012

ピノノワール100%の赤ワインです
2012なんで結構いい飲み頃になってるはず(まだ飲んでいません)

フィリップ・コランは有名なので知ってる方も多いでしょう

シャサーニュ・モンラッシェのドメーヌで、父親のミッシェル・コラン・ドレジェの畑を継承しています。
生産者僅か3人の1級畑・ドモワゼルの生産者でもあります
弟のブルーノさんも、自分のドメーヌ、ブルーノ・コランを立ち上げています。

ドモワゼルの畑はピュリニーにありますが、最近塀を作って見栄えよく改装されています

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弟のブルーノコランさんSNSより

父親のミッシェル・コランさんは2003年に引退した事になってますが、その後もちょろちょろ自分の名前でワインを作ってて、うちの店頭にも4,5年前までミッシェル・コラン・ドレジェのワインが入荷していました
緑のアクセント入ったカッコいいラベルだったんですけど、一瞬で売れましたね、流石にもうありません
(ドレジェは祖父の名字)

その長男のフィリップ・コランさん、一回それこそドモワゼルの畑で会いましたが、穏やかで優しい印象です
ミッシェル・グロさんみたい。
優しいお兄ちゃん、って感じ。
今では南アフリカにも進出してワインを作っています
トピアリーっていうワイン、日本には輸入がない。

お父さんの引退を受けて自分のドメーヌを作ったのが2004年、現在シャサーニュ・モンラッシェを中心に11.5haの畑を所有。
白を14種類、赤を6種類生産、あと他にネゴスのワインがあります。
注目のワインは当然、特級シュヴァリエ・モンラッシェや1級ドモワゼルの白ワインなんですが…

今日のは赤ワイン、しかもマランジュです

皆様、マランジュってどこにあるかご存知でしょうか?

AOC認定は1989年、結構前なんですけど、知名度は高くないと思うのです
AOCとして独立する前は、コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュとして販売されていました。

マランジュはコート・ド・ボーヌの南端の村で、サントネイの更に南西に続く地区です。
Cheilly-lès-Maranges シャイイ・デ・マランジュ, Dezize-lès-Maranges ドジェース・デ・マランジュ, Sampigny-lès-Maranges サンピニー・レ・マランジュの3つのコミューンに跨っています。
6つも1級畑があるんです(知らなかったなぁ…)

いい地図がないので場所は自分でお調べください

シャサーニュ・モンラッシェの南がサントネイですが、サントネイから続く畑は西へ向かって伸びているので、南に行くともうブーズロンやリュリーがあって、シャロネーズの方が近いし、大きな道路もシャロネーズへと続いています
しかも、マランジュってコート・ドール県じゃなくて、ソーヌ・エ・ロワール県(シャロネーズも同じ)に属しています。
はじっこのアペラシオンっていう、マイナー感が否めない場所かも…

マランジュのワインは9割以上が赤ワインです

シャサーニュ・モンラッシェから連続した斜面ではありませんが、同じ土壌の様です。
今日の1級畑、フュシェールはドジェース・デ・マランジュに属する丘の中腹の斜面にあり、南を向いた1級畑の中心部に当たります

赤いフルーツの香りにスパイスのアクセントがあって早くから楽しめるそうです
樽熟成していて、その香りも複雑さに一役買っています。
長熟ワインと言うよりは、早めに飲むワインでしょう

しかし、2012年でもう9年熟成です
飲み頃としては申し分なしだと思う

マイナーアペラシオン(すんません)だけあって、とってもお手頃価格です。
一葉さんでおつり来ますので。

数本だけですが、興味ある方、是非お試しください〜


2021のブルゴーニュはここ10年で一番収穫が少ないそうで…
今年が記念の年の方は早めにワインを確保する事をお勧めします。
(有名ワインは2年から3年後に発売になります)











posted by cave MITSUKURA at 17:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月20日

初見だよ、クレマン


外食禁酒、来月半ばまで延長ですってぇぇぇぇぇ
嘘でしょー

ぜーんぜん、ブログ書いていませんでした
今月はこんな感じでいきます…

健康や日常には全く問題ありません、すっごく元気なわたくし
暇ですけど。



今日は知らなかった、限定ワインが入荷して来ましたので紹介します

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フランソワ・ラマルシュ クレマン・ド・ブルゴーニュNV

ラマルシュってクレマン作ってたんですねー
初めて見ました。

フランソワ・ラマルシュは現在、ニコル・ラマルシュと名前を変えています。
先代が不慮の事故で急逝した後、お嬢さんが蔵を継ぎました。

ヴォーヌロマネのグランクリュのモノポール、ラ・グランリュの生産者です

今回はラ・グランリュ来なかった
他社で来るかも、期待しています。

このクレマンはピノノワール100%、瓶熟期間は記載なし。
ロゼも作ってたみたいですが、HPにも詳細がない

まぁ、ラマルシュのピノノワールならきっと美味しいでしょう
価格はシャンパーニュよりはお手頃です、クレマンにしては少し高めかな。

入荷数本しかありません
どうぞお早めに〜














posted by cave MITSUKURA at 15:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月14日

このボトルはありかなしか


カーヴミツクラはお盆休みありません
毎日12時〜20時で営業しております

雨ですが、ぜっひ、ご来店ください〜


お盆の時期だというのに、梅雨に戻ったみたいな天気ですね
流石に降りすぎ、「百年の孤独」並だ。
雨が続くと、お店も暇になるし、気が滅入るなぁ…

コロナも全く収まりませんし、8月末で何とかなると思えない



今日はこのワインを紹介します

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ヴァルデマー・ブラウン ノルトハイマー・フェラーゲン リースリング Qbaトロッケン2019

ボトルの形をご覧になって分かるかと思いますが、ドイツ、フランケンの白ワインです
リースリングです、ドイツの代表品種であるリースリングですがフランケンではマイナーなんです

ドイツワインの中でもこのボトル形状で独特の産地となっているフランケンですが、どこにあるか分かりますか??

この水色の地域です ↓

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ドイツワイン事典より

フランケン地方は、マイン川に沿った産地でバイエルン州の北西に位置しています。
バイエルンって言うとビールのイメージですが、ワインも作ってます。

マイン川はマインツでライン川と合流し、著名な産地を左右に見ながらやがてオランダへ流れ、北海に注いでいます。

南には赤ワインで注目されているヴュルテンブルグバーデンというワイン産地があります

ドイツワインは、モーゼルやラインヘッセン、ラインガウが有名なので、フランケンやビュルテンブルグ、バーデンなどの産地の中を詳しく知ってる方は日本では少数かもしれません
しかし、気候変動で暑さが大問題になっている最近では、より北にあるドイツワインの価値は更に見直されています

食文化が日本とは大きく違うので、ドイツの食卓をそのまま日本で取り入れるって言うのは難しいかもしれませんが、いいワインが沢山あるのでドイツの中でも、フランケンは経験してもらいたい産地です


そう言っておきながら細かい産地の内容は私もイマイチ分かっておりませんので、
ドイツ及びフランケンのワイン法を簡単に復習してみます

…うーん、基本的な事を説明するだけでも結構長くなりそう
なるべく手短に書きます。

フランケンはドイツワイン法に規定された13の指定栽培地域(BA)の一つです。

このBAに定められた産地内だけで、クオリテ―ツヴァイン(今日のQbaがそれです)とプレディカーツヴァイン(シュペトレーゼやアウスレーゼなどの選別された高級品)を生産する事が出来ます。

Qbaは、Quäitatswein bestimmter Aubaugebieteの略で、クー・ベー・アーと読まれます。
ワイン法が改正されて現在では、単にQuäitatswein=クオリテーツヴァインと表示するだけになっています。

ベシュティムテ・アンバウゲビーテ、いかにもドイツ語の響きですよね
しかも、ドイツ語はスペルが長い。

クオリテーツヴァインの上になるのがプレディカーツヴァインで、こちらも一語の簡略された名称になりました(これでも)
プレディカーツヴァインは収穫時の糖度によってカビネットからトロッケンベーレンアウスレーゼまで6つの等級に分類されています。

この2つの高級分類ワインでドイツ全体のワイン生産の95%以上を占めています。
(これ以外には、栽培地域に関係のないテーブルワインや、BAより緩い規制の広域産地のワインがありますが今日は言及しません)

今、ターフェルヴァインって言わないんですねぇ、簡単でいいのに

様々な法改正があって、未だに確定せず混乱してるっぽいドイツワインです

すんませんー
とても簡単には説明しきれません、こんなじゃ分かんないですよねー


で、

フランケンがあるバイエルン州はドイツ南東に位置する大きな州(下記地図の赤い部分)で、州都はミュンヘンです(同じく黄色い☆)
(フランスではバイエルンの事をバヴィエールって言います、ババロワの語源、因みにフランケンは「フランク人」を差すドイツ語)

バイエルン州Locator_map_Bavaria_in_Germany.svg.png

ワイン産地のBAフランケンは、州の北西の州境に沿ってあり、マイン川に沿って上流・中流・下流の3つのサブリージョン(ベライヒ)に分かれています
東(上流)から、
マインフィアエック
マインドライエック
シュタイガーヴァルト
、です。

中心となる都市のビュルツブルグは中流にあります。

生産の80%以上が白ワインで、ミュラー・トゥルガウシルバーナーでその半数を占めています。
リースリングがトップじゃないのがフランケンの特徴です

著名な村は、
イプホーフェンカステルテュンガースハイムなどで、酸の綺麗な辛口の白ワインが美味しいです
それぞれに畑があり、村名+畑名でワイン名とするのはドイツ全体で同じ。

しかし、ドイツワインがあまり普及しないのは、その言語の頑なさというか難解さもあるだろうなぁ…

テュンガースハイマー・シャルラッハベルグ、ってとっても美味しんですが、名前が長い
これに品種と等級が加わって、更に長くなりますし。

反対を言えば、必要な事に全て言及されているので品種や産地で悩むことがないのは利点だ、とも考えられます




ようやく今日のワインの話。

生産者のヴァルデマー・ブラウンは1985年設立のまだ新しい蔵です
ラングドックに旅行した時にワイナリーの農夫の生活を見て、自分もそういう暮らしがしたいと決意、ドイツに戻ってワイナリーで修業をする傍らで準備を進め、2haの畑からブドウ栽培を始めたそうです。

こんな方 ↓

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輸入元HPより、以下同様

右がヴァルデマーさん
左は息子さんのパトリックさん、今は彼が蔵の指揮を執っています。

背景はマイン川を挟んで右の集落がエッシェンドルフ(北)、左がノルトハイム。

蔵はワイン名と同じ、ノルトハイムにあります ↓

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赤いピンがワイナリー

マインツから直線で120キロくらい、バイエルン州と言ってもラインヘッセンやファルツと変わりません。

それにしてもマイン川ってめちゃくちゃ蛇行していますね
くねくねです。
こうした河川を日本であまり見かけないのは、水源から海までが近いのでこんなにあちこちくねくねしてる土地がないでしょうし、平らな所は治水されてる歴史もあるでしょうね。

川の南側にあるノルトハイマー村で、フェーゲラインの畑は西向き、ながらかな丘で朝日から夕陽まで日照に恵まれています
(対岸のエッシェンドルフの畑は南向きですが急斜面です)

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フランケンでは珍しく垣根仕立てでブドウを育てているそうで(しかもケーンから延びるシュートは全て剪定してしまう)、小さな房の凝縮したブドウを得ることが出来ます。

畑は貝殻の化石を含む石灰の層になった岩が重なり、シャブリの様な鉱物感のある綺麗な酸を生み出しています
一番大事な品種はやっぱりシルバーナーだそう。

今日のリースリングもシルバーナーと同じ斜面で栽培され、ステンレスタンクのみで醸造・熟成されています
シルバーナーに比べると優しい酸味ですが、透明感のある綺麗な辛口です
最近、アルザスのリースリングがどうも気に入りませんで、ドイツやオーストリアの方がいいなと思う物が多い。

これも好きです
フルーティです、昔のように白桃バリバリとは行きませんが、石油香だらけ、でもありません。
よく冷やした方がオススメ、樽を使っていないし、バトナ―ジュもしないので冷たい方がワインの良さが引き立ちます

価格もお手頃、デイリーに使えます


外見も目を引きますよね
ボトルが伝統的でありながら、モダンです
角ばってます。

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このボトル、ボックス・ボイテルって言うの御存知の方も多いと思います。
意味は「山羊の○○」
(知らない方は調べてみてください

でかっ
しかも1個?

…失礼しました


冷蔵庫やセラーで嵩張るんですよね、このボトルって
ポルトガルのマテウスとか。

このボトルを一番最初に採用したのがビュルガーシュピタール、こちら ↓

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これはシルバーナー、酸のキレがある辛口で今の季節にピッタリです
店頭にありますよ。

フランケンワイン、涼しくなる前に是非飲んでみてください〜


それにしてもドイツワイン法は一回、VDPも含めて明瞭に説明したいところではあります










posted by cave MITSUKURA at 15:28| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月08日

盛夏のメルロー


名古屋は台風10号、9号共に大きな影響はなさそうです、今日も最高最悪に暑い
明日の雨の後は多少でも気温が下がるかな。

オリンピックで祝日が移動になってて、明日も世間はお休みなんですね
曜日の感覚が狂う。



今日のワインを紹介します
飲んでませんので、情報だけ、ですが

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ベデル・セラーズ メルロー ノース・フォーク・オブ・ロングアイランド2018

アメリカの赤ワインですが…

ロングアイランドの名前の通り、ニューヨーク州のワインです
アメリカ東海岸です

我々日本人には太平洋を渡っていく西海岸の方が身近だと思います。
アメリカワインは圧倒的にカリフォルニアがリードしていますので、まずは西海岸、と言うのは当然。

アメリカ全体では世界第4位の生産量があり(統計年に拠りますが、イタリア、フランス、スペインに次ぐ)、その9割がカリフォルニア州で生産されています
次がワシントン州(首都じゃなくてシアトルの方ね)で、第3位の生産量があるのがニューヨーク州なんです。

ちょっと意外な気もします
違います?

他にも、アメリカってアラスカやハワイも含めて全ての州にワイナリーがあるって知っていましたか??
ネバダの砂漠みたいな場所でもブドウ作ってるんですよね
ブドウは品種が多様なんで、その土地や気候に応じた物が栽培できるからなんでしょう。


で、今日のワインはニューヨーク州産です

どーしてもニューヨークって言うと、摩天楼=マジソンスクエアやブロードウェイ、ウォール街のイメージで、ブドウ畑とは全く無縁の大都会にしか思えません

が、当然、マンハッタンでブドウを作ってるんじゃなくて、ワイナリーはロングアイランドにあります。
ここ ↓

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このワイナリーは元々、ロングアイランド在住のベデル夫妻が趣味で自宅の地下でワインを製造していたんですが、1979年に畑を買って本格的にワイン作りを始めたのが起源です
50エーカー(20haちょっと)のジャガイモ畑をブドウに植え替えてスタートしました。

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当時の様子、HPより

現在は企業の資本を導入し、サイステイナブル農業にも取り組んでおり、シラーやカベルネ、シャルドネ、スパークリングなど沢山の種類のワインを生産する一大会社になっています

現在、ベデル・セラーズが所有する区画がロングアイランドのノースフォークで最も樹齢の高い区画だとされています。
ロングアイランドワインの先駆者ですね。


ところで、皆様、カリフォルニアワインの産地(ワイン法)はそれなりにご存知だと思いますが、東海岸の産地=ワイン法についてはどうでしょうか??

ニューヨーク州のブドウ栽培は、歴史的には、大都市近郊にあって生食やジュース用のブドウを供給する産地として発展してきたので、醸造用のブドウ栽培としては後発です。
場所も内陸で、カナダとの国境(オンタリオ湖)近くのフィンガーレイクス周辺で移民が開拓した畑でナイアガラコンコードを栽培し始めたのが19世紀最初の事です。

その後、ヴィニフェラ種の栽培が始まり、小規模ワイナリーを奨励する特例法が出来たりして、ワイナリーの数も増えて現在に至ります

現在、ニューヨーク州では11のAVA(法的産地)が認定されています

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c 2021 WineCountry Mediaより

11もあるんだー
サブリージョンも含めると結構ありますね…

海に面したロングアイランド周辺とフィンガーレイクスだけ知ってれば今は十分かも

ロングアイランドには、大きなAVAとしてAVAロングアイランドがあり、二つに分かれた島の先端がそれぞれ、AVAノースフォーク・オブ・ロングアイランドAVAハンプトンズ(地名としてはサウス・フォークと呼ばれます)というサブリージョンになって、3つのAVAが認定されてます。
今日のワインは、ノースフォーク産です。

ロングアイランドはマンハッタンから近いので週末のワイナリー訪問が人気だそうです

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SNSより

ロングアイランドってこんな場所なんですね〜

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同上、こちらはシラー、2020年8月

このノースフォークではメルローが向いているらしく、最近の評価が高いそうです
樹齢が高いのも一因だと思います。

ベデル・セラーズの2009年メルローはオバマ大統領の就任式で提供された事で一躍有名なり、メルローのブランドして広く認識されることになりました
今でもその作りを踏襲して、進化し続けています
やっぱり、箔が付くといいですね(もちろんそれまでの品質あっての話ですが)

ミディアムボディとの表記です
ほんとか。

お値段は普通なので(野口君3人半)、経験としても飲んでみたいものです
この暑さが少し収まってからかなぁ…

今はとにかく冷えっ冷えの軽い辛口白かスパークリングが飲みたいですもん

真夏でも赤だ、っていう方お待ちしています〜










posted by cave MITSUKURA at 15:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月07日

忘れちゃいけないピノノワール


あぢー
まだ当分はこのままで涼しくはならなさそうですね…

しかも、明日8日からは名古屋の外食もお酒NGですし

あーぁ



今月はブログ更新も週一くらいにしよーかなー

今日はこれ

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リュシアン・クロシェ サンセール・ルージュ ラ・クロワ・デュ・ロワ2015

前にも紹介しましたが、ラベルが変わりました
長らく輸入元で欠品してましたが再入荷です‼️

フランス、ロワール地方の最上流にあるサンセールの赤ワインです

サンセールは対岸のプイイ・フュメと並び、ソーヴィニョンブランで作る辛口の白が人気の産地です。
プイイ・フュメは白だけのAOCですが、ACサンセールは白赤ロゼと認められています。
とは言え、圧倒的に白が多いので、赤やロゼは少数派ですが。

サンセールの赤(とロゼ)はピノノワール100%でなければなりません
IGPの赤だとガメイやカベルネフランも使えますが、AOCサンセールはピノノワールだけ、と決められています。

ブルゴーニュの人気ドメーヌのピノノワールが高騰して品薄になっていますので、ロワールやアルザスのピノノワールに目を向けるのもアリだと思います


今日の生産者、リュシアン・クロシェはサンセールでは南にあるドメーヌです
ビュエという村、サンセールから車で10分くらい。

2018年に訪問したんですが、何だか遠い昔の様な気がします

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ここは、サンセールではかなり有名なドメーヌの一つで、高品質のワインで尊敬を集めています
2代目のリュシアンさんが父親のドメーヌを大きく発展させました。
ブルゴーニュのデュジャックで働いていた事もある方です。

訪問時はちょうど、キュヴェの名称を変更してる時で、
3代目ご当主のジルさんが、
「ラ・クロワ・デュ・ロワ」「レ・カリケール」と新しく表記することにした、と説明してくれました。
よりテロワールを表現する名称にしたい、とおっしゃってました
一緒にラベルデザインも変更。
てんちょは個人的には昔のラベルの方が好きですが。
畑の立ってる十字架のラベルで、台座にヴィンテージが書いてあるんです

白は既に新名称になっています ↓

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これも店頭にあります。
赤はそのまま区画名で継続するんでしょうかね??


ラ・クロワ・デュ・ロワはドメーヌが所有する中で最高の区画の名前で、その名の通り十字架が立っています

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一瞬だけ曇ってました

しかし、今日の赤ワインはこの区画単独ではなく他区画のピノノワールもブレンドされているようです。
(区画内は大半がソーヴィニョンブランなので、ピノノワールが植えられているのはごく一部ですから)

ステンレスタンク発酵で、熟成は樽(70%)とステンレスタンク(30%)を併用、11ヶ月の熟成の後でブレンドしますが、ブレンド後もさらに8カ月の熟成を経てボトリングされます
丁寧な作りです。

樽とステンレスタンクの熟成中ワインを試飲させてもらいましたが、全然違う香りと味で「こんなに違うんだ」と驚きましたねー
ブレンドする事で複雑になるの、納得です。

しかも、
今、2015年が飲めるって大変貴重な事です

結構肉厚な印象ですが、やはり北にあるので繊細な一面も感じさせます
余韻がここちょくて、ずーっといい香りです〜
香りがいいって本当に嬉しい要素です

ブルゴーニュでなくても、これでコック・オー・ヴァン作ったら美味しいでしょう
もう少し涼しくなったら、煮込みと合わせるのも良さそうです

ブランインドでサンセールだと分かるでしょうか??
最近はブルゴーニュも暑いし、難しいだろうなぁ…

ここはロゼも作ってますが、輸入がない
飲んでみたいなぁ
赤がこれだけ美味しい、ロゼにも期待したい。
(現地でお土産ワイン買いましたけど、ロゼあったかな??)

まだ飲んだ事ない方には是非、おすすめします〜















posted by cave MITSUKURA at 16:16| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月02日

地中海から白とロゼ


8月
毎日暑くて、名古屋の蒸し暑さは日本一だと思う

最近、ブログ書いていませんでした
8月はのんびりやります

まぁた、お酒飲むのがNGになりそうじゃないですか




夏は新しいワインにはあまり手を出しませんので、ぼちぼち紹介出来たら、と思います。
今日はこのワインを紹介します

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ドゥーカ・ディ・サラパルータ ❛カラニカ❜ グリッロ2020 & ❛カラニカ❜ ロゼ2020

イタリアらしいラベル、南国なイメージ

この作り手は有名ですね

ドゥーカ・ディ・サラパルータはシチリアの名門貴族(侯爵家)で1824年創業の老舗でもあります
昔ながらのシチリアワインであるコルヴォの一大生産者でもあります

コルヴォは古典的なイタリアワインで、どちらかと言うと質より量、な時代を反映してる銘柄でした。
なので、今でも親しみやすいですが高級品とは言えません。
その分、土地の料理にはとても良く合ってイタリア好きにはお馴染みの銘柄でしょう

ここは今ではかなり大きなワイナリーで、島のあちこちに自社畑を有し、沢山の銘柄を生産しています

ワイナリーの転機は、3代目エンリコ氏がボルドーで醸造を学び、自社のワインのラベルを統一した事です。
それにより市場は格段に広がったそうです
それまでは屋敷を訪れるゲストの為にワインを作っていたようなものだったので、積極的な販売やマーケティングがされてなかったでしょう。

このエンリコ氏の功績に敬意を表して、蔵では最高のワインにドゥーカ・エンリコと言う名前を付けています
シチリアでもおなじみのブドウ、ネロ・ダーヴォラ100%の赤ワインで、ブレンドすることなく100%でネロ・ダーヴォラのワインを作ったのはシチリア初だそうです(1984年)


てんちょ、このドゥーカ・エンリコというワインには微妙な感情を覚える思い出があります

20年くらい前にローマに行ったんですが(個人旅行ですが観光です)、高級店ではないトラットリアみたいなところで、やたらと高いワインを勧められて、メニューにあるこれでいい、って言ってるのに全然引き下がらない
絶対、集られないぞ、って思っていたのに、日本人の弱気な所が出た(てんちょじゃありませんよ)。
「まぁ―いいじゃん」って当時の連れが外面だけ良くて、一番高いワインを頼んでしまった
(サシカイアとかじゃないけどね、確かエンリコがそのお店では最高だった)

いいカッコするならもっと別の場面でして欲しいわ
断れないただのカモ=日本人は押せば払う、と思われてるし、実際そうなった。

ワインは美味しかったんですが、お店とは全然釣り合わないし
商魂たくましすぎるイタリア人にげんなりした思い出が…
それよりも、断れない弱気な連れにがっかりしましたね


あの銘柄は絶対忘れないだろう、と当時思った

と、余談でした。



今日はワインの詳細やワイナリーの歴史よりもシチリアの空気を感じて少しでも涼しくなりたいと思って選びました。
(シチリアも暑いんでしょうが、イメージで)

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イタリア政府観光協会より、以下同様

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地中海、いーなー


カラニカ、とは「条件が厳しい土地」という意味の俗語で、この言葉がシチリアらしい響きを持っていることから名づけられたそうです
他にもシラーやシャルドネ等色々あります。

グリッロはシチリアのの土着ブドウです、ステンレスタンク発酵・熟成のフルーティな辛口

ロゼはネロ・ダーヴォラが主体、同じく樽なしのスッキリした辛口


どちらも香りがいいですよ
とてもお手軽な価格ですが、ワインの作りは繊細です。
大量生産って感じはしません。










posted by cave MITSUKURA at 17:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする