2021年09月27日

アデレードの老舗と言えば


かなり涼しくなりました、今日は快晴の名古屋です

10月1日からは短時間でも飲食店でお酒が飲めそう?な雰囲気ですが…
28日に判断して1日からOK、って、遊びの約束じゃないんだし、もう少し準備などに時間的余裕が必要だと思うんですけど

準備に当たって一番いけないのが、中二日しかないのに
本当にお酒がOKになるのか不透明
なことです
業界としてはOKなら、1週間前くらいから解禁されますよー、って告知されたい&したい、でしょう



昨日、アルゼンチンワインの産地呼称をほとんど知らない自分に情けない気もしましたが、現実的でない細かな呼称制度が先行してる側面はあるかと思います(言い訳
産地呼称って細かくて面倒なもんなんです。
フランスワインだって、ブルゴーニュ一つをとっても住宅地図並みに細かく名付けられていますしね
ここが○○、隣は○○でその上が○○、てな具合です。
その呼称に触れる機会がどれだけあるか、にもよりますね。


そういう点では今日のワインも苦手分野の一つです。
今日のワインはこれです

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ペンフォールズ クヌンガヒル シラーズ2018

スクリューキャップのお手軽ワインです
オーストラリアの赤ワインです。
(今日はカンガルーの方ね、モーツァルトじゃない方)

ペンフォールズはとっても有名です、オーストラリアワインでは最も知名度が高いと言っても過言ではなさそう
そして老舗でもあります。

てんちょが、業界に入った時には既に最高峰のグランジ(昔はグランジ・ハーミテージと言う名前でしたがハーミテージはフランス語だとエルミタージュなので、ローヌワインの権利を侵害するというフランス政府の申し入れを受けて改称したんです)が高級品として確固たる地位を築いていました

当時1万円ちょっとだったグランジ・ハーミテージ、高くてとても買えませんでした。
ワインに1万円でも出すなんてとんでもない、っていう世の中だったのですよ… その後3万円になり、5万円になり…
因みに現在は10万円です

ペンフォールズは、オーストラリア、サウスオーストラリアにあります

ペンフォールズ.png
毎度な縮尺

↑ 赤い印はセラードア(ショップ)なのでアデレード市内にあります、ここが創業地のマギルです。
今では市街地になってますが、きっと当時はのどかな場所だったんでしょう

ところで、サウスオーストラリア州と隣のヴィクトリア州には著名なワイン産地がいくつもあって、場所も近いので混同しませんか?
(そしてオーストラリアの6つの州、お判りでしょうか?)
さらに、
サウスオーストラリアの州都はアデレード
ヴィクトリアの州都はメルボルン
この二つの都市も近いので間違えそう

さて、
ペンフォールズですが、このワイナリーは1844年創業です。

イギリスからの移民であるクリストファー・ローソンは医者で、妻のメアリー・ペンフォールドと共に、サウスオーストラリアのマギルという場所(上掲地図の場所)で解熱剤としての酒精強化ワインを生産してましたが、やがて輸入されたブドウを植えスティルワインの生産を始めたのが起源です

1828年にイギリスはオーストラリア全土を植民地とし、自由移民を加速させたことに加え金鉱など資源の発見もあり、ペンフォールズの創業当時は多くのヨーロッパ移民がオーストラリアに押し寄せた時代でした。
そんな土地での診療所は多くの人に頼りにされていた事と思います。

一方でワイナリーの評判も右肩上がり、70年代には夫のクリストファーは他界してしまいますが、妻のメアリーがワイナリーを全て取り仕切って事業を更に拡大させました
細腕繁盛記ですな。
シャンパーニュでは、ボランジェやクリコ等、未亡人の奮闘で成長した蔵がある事が良く取り上げられます。
他にもプイイヒュイッセのフェレでもそうであったように、海の向こうに遠く離れた南半球でも未亡人の活躍があったんですねー

メアリーの引退後は事業は娘に継承され、1907年にはサウスオーストラリア州で最も大きなワイナリーへと成長します
この頃既に、良いワインは樽をブレンドせずに上級品として番号で出荷するBINクラスが作られています。

その後、1950年代には当時のチーフワインメーカーだったマックス・シューベルト氏がポルトガルやスペイン、フランスを歴訪してワイン作りを勉強して帰国、その時彼はまだ30代でした。

その後、1951年のグランジを発売、最初からそのワインは単独の区画ではなく、複数の畑・区画のブレンドでした
今でも、マルチ・ヴィンヤードマルチ・リージョンはペンフォールズにとって重要なコンセプトになっています

どのワイナリーでも、自社畑の中で最高の区画のブドウはそれだけで特別のワインに仕上げたいものでしょうが、ペンフォールズではそうは考えないのですね
そして、このブレンドするスタイルが長らくオーストラリアワインの基本の作りになっています

それでも、ペンフォールズも今では産地別のワインの生産もしています
なんせ、大会社なのでラインナップもかなり多いんです。

そして、ペンフォールズの畑は州内の各地にあります。
(買いブドウもしてますが、もちろん畑仕事も大事にしています)

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HPより、エデンバレーの畑

創業地のマギル
バロッサバレー
アデレードヒルズ
マクラーレンヴェイル
クナワラ
エデンバレー


全てサウスオーストラリア州で、どこも有名な産地ですが、それぞれ場所は分かりますか??
(位置関係も分かってたらすごいよ)

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ワイン事典より

オーストラリアでは産地呼称はGIとして認定されています、州ごとにリージョン、サブリージョンがありますが、聞きなれない産地も多い
上記のペンフォールズの畑はマギルのみ、GIではありません。

で、
ようやく今日のワイン。

クヌンガヒルは数あるラインナップの中でも入門編と言うべき気軽なワインです

クヌンガヒルとはバロッサバレーの中にある区画の名前ですが、そこ以外にも州内全域からのブドウをアッサンブラージュして作られています。

クヌンガ、って多分アボリジニーの言葉ですよね、なんていう意味なんだろう??


価格は非常にお手頃(2000円以下)ですが、リッチで欠点のないミディアムボディに仕上がっています。
表示はシラーズですが、シラーズ98% サンジョベーゼ2%です。

サンジョベーゼが入ってるとは思わなかった💦

2018年のサウスオーストラリア州では雨が多く成長の遅い年になったようですが、夏の暑さは十分で(やっぱりどこも夏は暑い)完熟には問題なく、良いブドウが採れました

新大陸では多くで灌漑OKなんで、日照り続きで雨不足の方が対応が楽かもしれません。
多雨ではどうしようもありませんので。
雨の過多って、難しいところ

フランスのシラーの様なスパイス感や清涼感は香りにさほど感じません
(山椒や胡椒って爽やかでもありますよね?ああいう香りはない)
ですが、甘さに上向き(アッパー)な花の香りが少し混ざっています。

ワインだけでも楽しめる気軽さがいいですね〜
シラーズってどんなんだっけ、と言う方にもお勧めします
















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2021年09月26日

アコンカグアの麓


気温が低いの名古屋、降り方が激しいとお客様減りますねぇ

もう9月も残り4日。
今年に至っては残り3ヶ月。


10月からは蔓延防止だか何だかになるみたいですね。
飲食店のお客さんが、
「めちゃくちゃ面倒なアイスタの認証を苦労して取ったのに、だからと言って何も緩和されるでなし。
 対策を講じていないお店と何ら変わらないのはおかしい」

って、怒ってます
てんちょもそう思う、せっかく作った制度なら活用すべし。
使わないなら時間と紙と税金が無駄になるだけ、これ以外でもいい加減に役所は紙から卒業するように動かないと

とにかく、外で美味しいご飯とお酒を楽しみたいです…




今日のワインを紹介します
ニューワールドの高級品です。

カテナ サパータ マルベック アルヘンティーノ2017

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店頭にもありますが、紙で包んであるので輸入元の画像をお借りしています

フルボディの高級ワイン濃くて緻密で洗練されています

カテナは世界的に著名なワイナリーです
ご当主のニコラ・カテナ氏はその功績によって、2009年に英国のワイン雑誌デカンターより、優れた醸造家を表彰する「マン・オブ・ザ・イヤー」に選出されています

WORLD'S BEST VINEYARDS(訪れるべき世界のワイナリー)でも今年も7位に入りました
ランキングをご覧になりたい方はこちら ↓
https://www.worldsbestvineyards.com/list/1-50
ピラミッド型のワイナリーが外観からして神秘的です。
(とは言え、気軽に行ける場所ではない…)


ラベルはマルベックをめぐる歴史を表す4人の女性像です ↓

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絵が怖ーい

左から、
1.アリエノール・アキテーヌ
12世紀のフランス人でアキテーヌ公女としてフランス王ルイ7世と離婚後にアンジュー伯アンリ(イギリスではプランタジネット朝のヘンリー2世)と再婚した女性で、この2度目の結婚は100年戦争の発端となりました。
元々最初の夫がいたフランス宮廷でもマルベックのボルドーワインは人気の的でしたが、この2回目の結婚でボルドー(アキテーヌ)のワインがイギリスの宮廷にも広まり、マルベックは海の向こうでも高貴な品種として持て囃されました

2.移民の時代
誰と言う事ではありません。
16世紀から新大陸へ渡った移民がマルベックの栽培を始め、チリやアルゼンチンで広まった時代を表す。
足に矢が刺さってませんか

3.フィロキセラ
元祖フランスでは19世紀半ばからアメリカ伝来の害虫、フィロキセラの甚大な被害によって多くのブドウ畑は荒廃します。
マルベックも同時に栽培が激減、これ以降はカベルネにその地位を奪われてボルドーではもはや再起しません

4.アルゼンチンにおけるマルベックの再発見
フランスでマルベックがマイナー品種に降格してしまっても、南米では古くからの品種がフィロキセラの害を受けることなく栽培され続けてきました。
これぞ、元祖マルベック、と言う事でその価値が見直されています

今日のワインは実は2020年6月に既に紹介しております。
詳しい内容は下記をご覧ください ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/475858724.html


なので、今日はアルゼンチンのワイン産地を復習しましょう
と言っても、知識としての産地はかなり手強いんですが。

アルゼンチンは南米でアンデス山脈を挟んでチリの反対側にある国です。
って、そんな事ご存知ですよね
首都はブエノスアイレス、国土はブラジルに次ぐ南米で2番目の広さ。

アルゼンチン人で最も有名なのはおそらくディエゴ・マラドーナでしょう
次は、メッシか、ゲバラかなぁ… アストル・ピアソラとか。


アルゼンチンのワイン法は、伝統的にはワインの種類(スティル、スパークリング、酒精強化等)に関する規定があっただけでしたが、世界市場の拡大に伴い、1999年にワイン法を改定し、EUの規定に倣って産地を指定しました
その結果、3つのカテゴリーが生まれました。

1.IP Indication de Procedencia
テーブルワインや広域ワイン(レジョナル、スペイン語なんでレヒオナレスって言います)

2.IG Indication Geografica
アルゼンチンワインの産地呼称はこれが基本です、各産地によって品種などが定められていますが規制の内容は緩やかです

3.DOC 何の略か書かなくてもいいかしら、でへ
現在2か所のみの認定、メンドーサの中に二つあるだけ。
2の特別版です。


うーん、余談ですけど。
日本も含めて世界各国で、GIだのIGだの、DOだのDOCだの、同じ事を似た単語で定義していますよね。
似たようなカテゴリーを統一する名称にしてくれんかなー
って、思うのてんちょだけじゃないはず
地球連邦政府の発足を求む

で、この2のIGが思ったより多いのです
アルゼンチンのワイン産地はアンデス山脈に沿って西部に集中していますが、最近では南部のパタゴニアにも産地認定ができています。

アルゼンチンの行政区を知ってる方は非常に少ないでしょうが、こうなっています ↓

アルゼンチン行政区 270px-Regiones_de_Argentina.svg.png
wikiより拝借

上記地図で5つの地方に分かれた行政区の内、ワイン産地の中心は緑色の部分です
ここはクージョと呼ばれる中部地方で、最大産地のメンドーサがあります。
(クージョとは先住民族の言葉で「砂地」を意味しています)
メンドーサは州の名称でもあり広大でその中に細かなIGが22もある。
同じくクージョでは、メンドーサの北に隣接するサン・フアン州も大きな産地で(アルゼンチン第2位)、この中にも19ものIGが認定されています。

多いなぁ…
それに知名度が低すぎて、現時点ではさほど意味がなさそう
てんちょは不勉強なだけかも。

ピンクの部分がノルト(北部)で、カルチャキバレーという産地があります、細かなエリアも定められていますが見た事ありません
タフィ?
ポマン? 知らない…

南部のオレンジの部分がパタゴニアです、が、ここもエリアは一つも知りませんねぇ
ヘネラル・コネサ?
ピチマウィダ? 知ってますか。

いかん、小さな産地は全然分からないわ
復習にすらなりません



アルゼンチンワインって、チリと同じくリーズナブルでハズレがなくて、コストパファーマンスがとてもいい物が多いので是非日常使いにして欲しいです
↑ 産地の勉強は諦めて〆に入った

税金の面でチリに負けてますが、今後に期待(あと政情と経済の安定も)

細かな産地はてんちょもさっぱり分かっておりませんが、いいワインを楽しむことはできます
カテナはその点、どれを飲んでもハズレのない良いワイナリーです。
赤も白も泡も美味しい。

今日のワインは超高級品ですが、もし飲む機会があれば感動出来ますよ〜














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2021年09月22日

白一色の泡


来週末ってもう10月なんですよね

緊急事態宣言は解除されるでしょうか、
我々の業界は是非とも解除してほしい
今年もコロナで何もできなかったけど、来年も同じ予感がする…




今日は新しいシャンパーニュを紹介します
届いたばっかりで飲んでいませんが、見た目のインパクト大です

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アンドレ・クルエ チョーキーNV

まーっしろ
箱もボトルもラベルも全て白一色です

アンドレ・クルエは何度も紹介していますし、人気の生産者なので知名度は高そうです
そのクルエから新しくこのシャンパーニュが発売になりました

シャルドネ100%(2013年収穫のものを使用)のブラン・ド・ブランです
(コート・デ・ブランより収穫2/3 ブージー、アンボネイより収穫1/3)
瓶内2次発酵後、約7年瓶熟
2021年春にデゴルジュマン。6g/Lのドサージュ

シャンパーニュの大地である白亜の石灰岩をイメージした中身とボトル&パッケージです
白亜質=チョーク、の名前を取っています。

2013年はシャルドネが特に良かったヴィンテージで、それを生かすためこの特別のボトルが作られたそうです
これから他社でもブラン・ド・ブランが世に出て来るはず、2013のシャルドネは要チェックです


クルエは特級ブジーの生産者で、現在はNMですが元はSRで実質的にはRMです。
限定生産のドリームヴィンテージを作るためにメニル・シュル・オジェのシャルドネを買うので(友人のシャルドネと自分のピノノワールを交換してるそうです)NM=ネゴシアン・マニュピュランとなっています。

NMとかRMとか、シャンパーニュの生産形態はもうご存知の方ばかりかもしれませんけど、もう一回書いときます

シャンパーニュを生産する者は、その形態に応じて生産者同業委員会=CICVに届け出をする義務があります。
現在その形態は7つあります。

NM ネゴシアン・マニュピュラン
買いブドウをしてシャンパーニュを作る者、大手メゾンはこれです。
少量でもブドウの買い付けがあるとネゴシアンとなりますので小規模ドメーヌでもNMは沢山あります。

RM レコルタン・マニュピュラン
自社畑のブドウを使ってシャンパーニュを作る者、家族経営の小規模ドメーヌがほとんど

CM コーポラティヴ・マニュピュラン
協同組合、ブドウの栽培家が集まって一つのブランドを生産する

RC レコルタン・コーポラトゥール
ブドウの栽培家が集まって設備を共有してシャンパーニュを作るが、CMとは違いそれぞれの銘柄(ブランド)として販売する

SR ソシエテ・ド・レコルタン
複数のRMが一つのブランドを生産する場合に使われる、大抵は一族(同族)会社の場合がほとんど

MA マルキ・ダシュテール
委託を受けて作られたブランド、OEMのシャンパーニュです
中身や醸造に注文を付ける点でNDとは異なる、注文生産がこちら

ND ネゴシアン・デストリビュトゥール
これが一番手っ取り早い、出来上がったシャンパーニュを買って自分のラベルを張った物
金さえあればあなたも自分のシャンパーニュを販売できます

と、この7種のアルファベットに続いて登録番号がラベルには必ず記載されています。

物凄く小さい字なんで見てる人はほとんどいないでしょうけど ↓

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ちっさ〜

これ以外にも、ラベルの規定ってフランスワインは細かくて、
例えばシャンパーニュでは、
シャンパーニュの文字(原産地呼称)は、ブランド名の半分以上で2倍以下の大きさで記載する事、と決められています
他にも、
醸造所または生産社の本拠地の記載に続いてFRANCEの文字を必ず記載する事、とか。
これは、シャンパーニュという産地呼称、固有の名称を守るために必要な事なんですね、フランス以外ではシャンパーニュと名乗る事は許されないっていう姿勢の表明でもある。


で、クルエの話に戻りまして。
ドメーヌはブジーの真ん中、エドモン・バルノーの2件隣です。

こんな村 ↓

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周りもシャンパーニュメーカーが沢山、名前どのくらい分かりますか?

黄色い矢印はクルエの畑と醸造所の場所です、こんな眺め ↓

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輸入元より

あ、逆だ。
教会が映ってますので南から北を見てますね


クルエのご当主はジャン・フランソワ氏、個性的な人です
話は面白いけど厳しくもある。

アンドレは彼の祖父のお名前で、それまでのブドウ栽培を発展させてシャンパーニュ作りを始めた人です。
当時1741年、ここからシャンパーニュメゾンとしてのアンドレ・クルエがスタートしました
これはかなり早い創業です。
(因みに最古のシャンパーニュメゾンは1726年創業のルイナールです)

ジャン・フランソワ氏が作るノンドサージュのシルバーブリュットがスウェーデン王室の御用達になってるのも有名な話。
ピノノワール100%のドライな辛口で非常に深みがあります、デゴルジュマンから半年以上は待って飲むべし。

シャンパーニュってスティルワインとは違って、ブドウの収穫から我々の手元に来るまでにかなり長い時間がかかっていますが知ってましたか?

まず秋に収穫したブドウでスティルワインを作ります(一次発酵)
この時点では、二次醗酵&瓶熟期間を考慮してかなり酸味の強いワインになっています。
酸っぱいくらいじゃないと、ここから長い期間持ちません

出来たワインは来年以降のアッサンブラージュ用にリザーヴワインとして保存されるものと、二次醗酵へ向かうものとに分けられます。

二次醗酵の原酒(アッサンブラージュされたNVや混ぜないヴィンテージシャンパーニュ用があります)は、ショ糖と酵母を添加されて瓶詰めされます。ティラージュと言います。

二次発酵

発酵が終わっても酵母の死骸=澱と共にほっておきます(瓶熟、今日のチョーキーでは7年も放置)

ルミアージュ(動瓶)して、澱を瓶口に集めます(生産社にも依りますが1ヶ月ちょっと、機械だと1週間)

デゴルジュマン、澱を除いて出荷の準備をします

ドサージュ(減った分を足して味の調整)をします

休ませてリキュールをなじませ、ラベルを張って出荷

と、瓶熟が長いと10年くらいは手元に届かないという気の長い話
出荷までの間はこれらの瓶はお金になりませんので、シャンパーニュの生産って資金力も必要なんです。
しかし、長い瓶熟を経た方が味が良くなるのは周知の事実なので、みんなできるだけ長く熟成させようとします

例えば、ブドウの収穫から同じ8年でも、瓶熟1年半の物が出荷されて市場で6年半を経た物と瓶熟に7年をかけて8年目に手元に届いたものとでは格段に味の深みや香りの複雑さが違います

この、
瓶内熟成=マチュラシオンMaturation
と、
出荷後の熟成=ヴィエイスマン(vieicemen?、この単語じゃないかも)
は全然違う物なので混同しませんようにご注意下さい


さて、長年ピノノワールに情熱を注いできたジャン・フランソワ氏が最近はシャルドネにも目を向けているようです
どんな心境の変化があったんでしょうか???

この真っ白シャンパーニュ、箱入りですが諭吉さんで余裕で買えます
ミツクラ、希望小売価格よりもかなりお値打ちになってまっせ
プレゼントにも最適です

レインボーに白も加わった

新しモン好き、シャンパーニュファンの方、おすすめします〜















posted by cave MITSUKURA at 15:25| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月19日

ヌーボー他新酒の予約受付を始めます


世の中は明日まで3連休なんですね…
今週は2日も祝日があって、平日は3日しかない(気が付かなった、無休営業だとそゆ事多い)


お待たせしました
2021年ボジョレー・ヌーヴォー他新酒の予約を始めます

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↑ 去年のアイテム、今年はドミニク・ローランがないです(右から4番目)

今年は減収の影響でマコン・ヌーボーやミュスカデ・ヌーボーの生産を止める生産者が多くてヒヤヒヤしましたが、
毎年人気の、
ルイ・ジャドのマコン・ヌーボー
ツァーヘルのホイリゲ
はちゃんと入荷しますのでご安心ください
(とは言え、まだ収穫してますので、今後の状況次第ではまさかの残念賞も全否定できませんが)

取り扱いアイテムは去年と同じ、価格も同じです
予約価格の方がお値打ちになっていますので、お目当てがある方は是非予約してください
12本しか入荷しない物もありますので、予約で売り切れになる事もあります。

予約のご来店が難しい方はメールでも受付いたします。
予約希望の旨をメールにてお知らせください。
info@cave-mitsukura.com

【ご注意】
10月31日予約締切です
引き渡しは解禁日の11月18日木曜以降です
予約はキャンセル不可です


↑ どうぞご了承ください
イベント欄にも同様にご案内しています。

今年は試飲会、どうしようかまだ思案しています

ご予約、お待ちしております〜











posted by cave MITSUKURA at 13:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月18日

19年もオススメです


名古屋の雨は大したことないですが…
今回の台風14号って、本当に真横に移動してて、こんな台風も珍しいですよね

しかも、福岡県って、これまで台風上陸した事なかったんですか??
「観測史上初上陸」って聞いて、ものすごくびっくりしました
てっきり上陸の常連かと…


フランスでは収穫真っただ中ですが、北部ではでお天気がイマイチ
残念〜

それはそうと、北半球では収穫の時期ですが、当然ながら南半球では萌芽の時期です
来年3月頃の収穫に向けて新しい目が出始めてます

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ウルグアイPISANO SNSより




店頭には人気のブルゴーニュが新ヴィンテージになって入荷して来ました

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ジェラール・ラフェ
ブルゴーニュ・ピノノワール2019
ジュヴレイ・シャンベルタン2019
ジュヴレイ・シャンベルタン2015


2018も好評ですぐに売り切れました
待ちに待った2019が少量のバックヴィンテージと一緒に入荷です。

ジェラール・ラフェはジュヴレイ・シャンベルタンで有名ですが、ドメーヌはモレサンドニにあります
クロ・ド・タールの並び、トプノ・メルムのお隣さんです、つまり村のど真ん中。

こんな眺めです ↓

スクリーンショット (5).png
googlemapより
このまま進むと右手がクロ・ド・ランブレイの畑です。

ジェラールさんはドメーヌの2代目で、蔵はお父さんのジャンさんが50年程前に設立しました。
2002年ん息子のジェラールさんに代替わりして現在に至ります。

お父さんの時代にはシャンベルタン・クロ・ド・ベーズがとても高評価だったんですが、
ジェラールの代では突出した何か、と言うよりは全てのワインがふくよかで洗練されたスタイルで人気があります
ジュヴレイ・シャンベルタンも野性味があって固いダモワやフィリップ・ルクレールとは違って、初めから柔らかで香り高いので、硬さを嫌う方には特にいいのではないでしょうか

12haの畑を所有する中堅ドメーヌなんですが、ネゴシアンに多くのブドウを売却しているために元詰めは一部に過ぎません。
なので、毎年入荷した僅かな分がさっさと売れてしまい、翌年の入荷を首を長くして待つ、と言う事態になっています。

ラフェのラベルは珍しく、カラフルで絵画的です
覚えやすいです

このイメージ通りの飲み口です、暖かく、シャープじゃない、って分かっていただけると思う

畑は、
ジュヴレイ・シャンベルタン
モレサンドニ
シャンボル・ミュジニー
クロ・ド・ヴージョ

で、特級もいくつか持っています

ラフェはこの上記の村名クラスのブドウからもレジョナルのブルゴーニュ・ピノノワールを作るので、かなりレベルが高いです

毎年3000円ちょっとでこれなら十分だ、というリピーターの方が非常に多いです。
まとめ買いしてくれる方もいますよ〜

今の所、入荷仕立てなのでまだ在庫はありますが、多分そんなに長く持たないと思います
2018年に続いて早く飲める2019年、是非飲んでみて欲しいです。

てんちょはクロ・ド・ラ・ロッシュが飲んでみたい












posted by cave MITSUKURA at 16:38| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月15日

クリストファーの遺産


シャンパーニュでは本格的に収穫が始まりました

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art de vivre a la champagne SNSより


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Bollinger SNSより

今年はブドウの完熟をギリギリまで待っている生産者が多く、ここ数年の収穫ではかなり遅めのスタートになりました
これはブルゴーニュ・やロワールでも同じ。

しかも2021年はシャンパーニュでも大規模な霜害で収穫は激減していますので、ヴィンテージの評価も高くなりません
収量と作柄は別の事なんですが、豊作で出来栄えもいい年を満点とすると、どうしてもそこからは減点となっちゃうんです
夏に雨が多かったのもマイナス要素ですし…

しかし、まだワインの良し悪しは分かりませんので、期待もある




今日はこのワインを紹介します

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キャッスルロック カベルネソーヴィニョン コロンビアバレー2018

ミディアム〜フルボディの赤ワインです
カベルネソーヴィニョンのタンニンも多少感じますが、全体的にエレガントな冷涼系です。

さて、コロンビアバレーってどこだ??

でも、その前に、いつも通り寄り道しましてブランドとしてのキャッスルロックについて知ってください

キャッスルロックはカリフォルニアワインのメーカーなんですが、ちょっと特殊な特徴があります

このブランドは安ワインを売ってる訳じゃないのに、
自社畑なし
醸造所なし

の、ないないワイナリーなんです
(いや、ワイナリーって言えない? ワイナリーて名乗ってますけどね)

例えば、とにかく低価格のジャグワインを作ろうという時には、ブドウは質より量が大事ですので安く大量に買えばコストは低く済むし、設備も借りた方が安上がりです。
そうやって作られているワインは実際あるし。
しかし、キャッスルロックはそうじゃない

ワイナリーの設立は1994年リーズナブルで高品質のワインを世に送り出す事を目的に設立されました

そして、その取り組みは成功しています
ここは本当に、安価だけど味がいい

我々のワインは2倍、3倍の価格のワインとも張り合える品質であることを誇りに思う
と、堂々と謳ってますが、その通りだと思います

ブドウは信頼できる専門の契約農家から調達、品質重視でワインメーカーも栽培には助言を与えます
収穫したブドウはナパ、ソノマ、オレゴン州の契約醸造所で瓶詰めまで行われます。

合理的な他力本願
素晴らしいアイデア

と言う事で、キャッスルロックには事務所はあっても見学するような醸造所やセラーはありません。
美味しいワインの為に、究極の削減をした、って事です


さて、本題に戻りまして、
コロンビアバレーってどこでしょう??

コロンビアバレーは、ワシントン州にあるAVA(ワイン産地の指定を受けた地区)です

アメリカ西海岸には南から、カリフォルニア州があって、その北にオレゴン州、更に北にワシントン州があります。
その北はカナダ。

こうです ↓

西海岸.png

読者の皆様には知ってて当然の事かもしれませんが、ワシントン州とワシントンDCの区別がつかない人もいるんです
いや、ほんとに。

海岸沿いには、
ポートランド
シアトル
バンクーバー
(カナダ)
と、人気の都市があるんですが、ワイン産地はもっと内陸にあります

ワシントン州はカリフォルニア州に次いで、全米でワインの生産第2位の主要産地なんです
知ってました?

が、比較的高級な物が多くて庶民的なイメージがあんまりないかもしれません
しかも1位のカリフォルニアがほぼ半分の生産を占めていて、2位でも10%未満なのでイメージないのも仕方ないでしょう。


ワシントン州には16のAWA(指定栽培地区)がありますが、そのほとんどを占めているのがコロンビアバレーです

この広大な産地は、南のオレゴン州から続くブドウ産地で二つの州に跨ったAVAです。
州境に流れる川がコロンビア川なんです。
ここには、内部に独自のAVAが11もあって、ややこしい(メドックの中にポイヤックがあるのと同じ)

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ワシントンワイン協会日本代表事務所より

うーん、細かすぎてよく分からない
ろくに知らないわ、とほほ

しかも、キャッスルロックはブドウ畑や醸造所がないので、どこって言えないから余計イメージ湧きにくい
写真ないし


と、まぁそんなキャッスルロックなんですが、味と香りは非常に良く、お値段以上の満足がありますよ
カベルネらしいインクっぽい青さが少しあるのも北の産地らしいです、味わいはもっと果実味が支配的で甘く感じます。

スクリューキャップのお手軽ワインですが、カリフォルニアとはまた違ったアメリカワインもたまにはいいと思います
ワシントン州って試してみてね〜


コロンビアってアメリカ大陸には北から南まで本当にあちこちにある名前です。
発見者の功績、ですな












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2021年09月14日

新作シャンパーニュ


愛知でも緊急事態宣言が月末まで延長になりました
まぁだ、半月もありまっせ



9月も沢山新入荷という訳ではありませんが、ぼちぼちワインの紹介しよっかな、と。
今日はこれにします

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ローラン・ペリエ ブラン・ド・ブラン ブリュット・ナチュールNV

限定新発売です

ローラン・ペリエは有名なのでご存知の方が多いと思います

シャンパーニュの大手メゾンで、所在地はグランクリュのトゥール・シュル・マルヌ

ランスやエペルネにあるかと思いきや、違うんです。
トゥール・シュル・マルヌはマルヌ川の北側にある村で、エペルネの対岸から上流へ車で15分、めっちゃ近くです。
この村は集落があるものの、大きな町ではなく、のどかな環境です。
シャンパーニュの村は特級認定されていてもそういう所が多いですよ

グランクリュと言えども、トゥール・シュル・マルヌはちょっと特殊な認定なのを知っていますか?
ピノノワール(黒ブドウ)では100%クリュの認定で特級なのですが、シャルドネ(白ブドウ)では90%クリュ、つまり1級になるんです
しかも90%ってギリギリの1級なので意外(1級の認定は99%から90%まで)

トゥール・シュル・マルヌでは、生産の71%がピノノワール、シャルドネが29%です。

同じ様な逆の認定に、対岸のシュウイイがあります。
ここではシャルドネ(白ブドウ)は100%クリュで特級なのですが、ピノノワール(黒ブドウ)では95%クリュで1級です。
ブドウの出来に差があったという事なんでしょう。


ローラン・ペリエの創業は1812年、フランスではナポレオンが皇帝に即位して8年、2度目の結婚で長男を授かりますが、その覇権に暗雲が垂れ込めてきた頃です。

創業者は樽職人の親子でピエロ氏といい、シャンパーニュメーカーとしてではなく、ワイン商としてトゥール・シュル・マルヌに会社を設立したのが起源です。
その後、蔵はセラーマスターのウジェーヌ・ローランに引き継がれますが、彼の妻の名字がペリエといい、それが現在のローラン・ペリエの由来です。

多くのメゾンと同じく、1930年代には世界恐慌のあおりを受けて経営が悪化、ローラン・ペリエは資金援助を申し出たノナンクール一族に引き継がれて現在に至ります

第一世界大戦(ロシア革命)、世界恐慌で現存する古いほとんどのシャンパーニュメゾンは破産寸前になってます。
「よそもうちを買収するお金がなかったから今まで残っただけ」という、とある有名メゾンの言い草は本当なんです

シャンパーニュの景気と言うか販売の歴史は、

黎明期(18世紀後半)
普仏戦争(1870年)
ベルエポックの時代
第一世界大戦(1914年)
株の好調でアメリカ進出
大恐慌(1929年)
第二次世界大戦(1941年)
戦後復興・世界平和
コロナ(今ここ)

と、上下が激しいのです
今後は良くなってくれますように。


ローラン・ペリエが所有する畑は(グループ会社のものを含めて)150ha、うち12のグランクリュを持っています
ですが、やっぱり大手のメゾン(ネゴシアン・マニュピュラン)です
年産1600万本の内、買いブドウは89%にも及びます
まー、そんなもんでしょう。
これを自社畑だけで賄ってたら、シャンパーニュには独立したヴィニョロンがいなくなります

郊外のメゾンらしく広大な敷地に大規模な醸造所が立ち並んでいます
行ってみたいなー
今度シャンパーニュに行けたら絶対寄りたい。

シェは地味かも ↓

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HPより
もちろん設備は最新、地下のカーヴもあります。

生産してるキュヴェは8種類

ULTRA BRUTウルトラブリュットはノンドサージュ、白いカラーの花をイメージしてるそうです
BLANC DE BLANCS BRUT NATUREこれが今日の新発売
CUVÉE ROSÉ独特のボトルが可愛いロゼ
GRAND SIÈCLE大統領だったドゴールが名付けたトップキュヴェ、NVでも素晴らしい
ALEXANDRA ROSÉ 娘の結婚式の為に作られた特別なロゼ
BRUT MILLÉSIMÉ 2008ヴィンテージの現行は当たり年の08年
LA CUVÉEこれが一番のスタンダード
HARMONYハーモニーはドゥミセック、やや甘口です

あと、たまに特別ボトルが出たりしますが、これが全てです

今日のブラン・ド・ブラン ブリュット・ナチュールは日本では8月24日に新発売になったばかりの限定品です
これから輸入も増えるのかもしれませんが、初回は僅かだったみたい。

シャルドネ100%瓶熟は最低72ヶ月、かなり長めです

ローラン・ペリエでは81年に業界の先駆けとしてウルトラブリュットを発売、それから同じノンドサージュのブラン・ド・ブランを追求して今回のブリュット・ナチュールの生産を始めました
酸が穏やかな完熟したブドウを醸造所から近い良質の畑から得ることが出来るように、何年も準備して来たそうです。

瓶熟の長さを考えても、かなり美味しいでしょう

2021年のファインシャンパンマガジンで早速9位に選ばれています
1000以上のシャンパーニュから選考、因みに2位もグランシエクルです。

箱付きの限定品です、ギフトにも最適
シャンパーニュ好きの方は是非飲んでみてください〜










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2021年09月10日

2019人気ドメーヌ来ました


朝晩は随分涼しくなりました
緊急事態宣言が延長だそうですが、あんまり意味なさそうな…



今日は人気ブルゴーニュが極少量ですが入荷してきました

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アラン・ユドロ・ノエラ2019左から

クロ・ド・ヴージョ
ヴォーヌロマネ1erレ・スショ
シャンボル・ミュジニー1erレ・シャルム
シャンボル・ミュジニー
ヴォーヌロマネ
ニュイサンジョルジュ1erレ・ミルジュ
ブルゴーニュ・パストグラン
ブルゴーニュ・ピノノワール
ブルゴーニュ・アリゴテ


上から3つはたったの1本しか来てません

トップのR(分かります?)は既に売り切れました
今回はRSVが来なかった

2019は全然ないじゃん
一番多くても6本。

たったの6本

ひょえー

ピュアで香り高いアラン・ユドロ・ノエラ、濃いワインばっかりがいいワインじゃない、っていう証明のお手本
きっと2019も美味しいでしょう。

とにかくなさすぎ
もう1社来るかもしれませんが。

買いたいと思ってくれる方、早くご来店くださいませ。










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2021年09月07日

マイスターストゥックのワイン


今朝は涼しかったです、今は曇りで雨が降りそうな薄暗さの名古屋
一気に秋の陽気にはならなさそうですが、寝やすい気温になってくれるのは歓迎


ブルゴーニュの新ヴィンテージの割り当てが色々と出てるんですが、どの生産者も去年よりもずっと少ないですねぇ
ぜーんぜんない
届いたら紹介しますけど…



今日、店頭にはドイツの巨匠のワインが来ました

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エゴン・ミュラー
シャルルホーフベルガー カビネット2020
ヴィルティンガー・ブラウネクップ カビネット2020
シャルツホーフ2020 クオリテーツヴァイン


モーゼルリースリングエゴン・ミュラーの上を行く生産者はいないだろうと言われる程の評価と人気です

今回はアウスレーゼの案内がありませんでした
シュペトレーゼは買いませんでした
予算なくて

前のヴィンテージがまだあるんです ↓
https://cavemitsukura.com/?s=%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%BC&post_type=product

アウスレーゼ、恐ろしい値段です
しかも、飲むにはもうちょい待った方がいいし。

クオリテーツヴァインは以前はQbaと略されたクラスです、法改正があって単純にクオリテーツヴァインとだけ名乗るようになりました。
フランスワインで言うところのレジョナルクラスですね
これならまだ買えるお値段です
(でも一葉さん一人では足りません)


ドイツのモーゼル地方は、高貴な白ワインの産地として大昔から人気と定評があります
今でも飲むべきいいワインがいっぱいあります

マインツで西に折れたライン川が更に北上して、途中のコブレンツで合流してくる支流がモーゼル川です。
このモーゼル川に沿って240キロ以上もの流域周辺にブドウ畑が広がっています。
(ワイン産地としてはその支流のザール川、ルーヴァ―川の周辺も含んでいます)

モーゼル地方のベライヒ(地区)は6つに分かれています。
ブルゴーニュが北のシャブリ、コート・ド・ニュイ…と分かれているのと同じです。

ですが、この6つの地区が言える人ってかなり少ないのではないかと思います
因みにてんちょは言えませんだはっ

上流から、
1.Moseltor〈 モーゼルトーア 〉
2.Obermosel〈 オーバーモーゼル 〉
3.Saar〈 ザール 〉
4.Ruwertal〈 ルーヴェルタール 〉
5.Bernkastel〈 ベルンカステル 〉
6.Zell/Mosel〈 ツェル/モーゼル 〉

です。
2と3は逆の場合もあります、並んでるので。

一番有名なのが5のベルンカステルです
モーゼルはここだけ知ってれば十分、と言うのは乱暴ですが、ブルゴーニュファンがヴォーヌロマネのワインばっかりに注目してるのに似ています

モーゼル最大のベライヒで、銘醸畑が沢山あります。

ヴェーレナー・ゾンエンウアー(ヴェーレン村の「日時計」という名の畑)
ユルツィガー・ヴュルツガルテン(ユルツィン村の「薬草園」という名の畑)
など、面白い名前の区画が多くて覚えやすいかも。

他にもヒンメルライヒ(天国)、ゴルトトルプヒェン(金の雫)、ドクトール(医者)等、名前の由来を聞くのが楽しい畑が色々とあるんです
安価で優しい甘口のピースポーターや、黒猫のカッツ(ツェラー・シュバルツカッツ)もここモーゼルのワインですよ


今日のエゴン・ミュラーが作る最高のワインはシャルルホーフベルガーですが、この畑はヴィルティンゲンにあります
上流から3つ目のベライヒ、ザールの中ですよ。

ここ ↓

シャルツホフベルガー1.png

南向きの斜面です、蔵の真ん前 ↓

シャルツホフベルガー.png

グーグルの地図って本当に便利


シャルツホフベルガーはドイツ5大シャトーの一つ、ってよく言われています(シャトーじゃなくて畑だけど)。
村の名前を付けなくて畑名だけでワイン名となる、特別の畑、5つある内の一つです
広い畑には複数の所有者がいますので、エゴン・ミュラー以外のシャルツホフベルガーもあります。

が、やっぱり筆頭生産者はエゴン・ミュラーです
異論のある人はいまい。
クオリテーツヴァインでやや甘口、カビネットは甘口です

本当は5年くらい寝かせてから飲んだ方がいいんだけど、数が少ないので是非お早めに確保してください〜


















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2021年09月06日

見た?見たい?


イタリアや南フランスでは収穫が始まっています
ブルゴーニュの著名生産者では、もう少し完熟を待ってからになります。

この前紹介したロシアのファナゴリアでは、ブドウ畑マラソンが開催されてます。
世界中、同じ事やってますね

収穫万歳



そう言えば、遅れに遅れてようやく007の新作映画が公開になったようです
最新作 NO TIME TO DIE は10月1日日本公開でした、もうご覧になった方、いらっしゃいますか??
6代目ジェームズ・ボンド役のダイニエル・クレイグの最終作です。

本当は2020年の3月(だっけ)に日本公開予定だったのが、コロナの影響で秋に延期なり、さらに2回の延期を経て、ようやく今月公開となりました

ワイン業界では007関係の話題と言えば、やっぱりシャンパーニュのボランジェです

ボランジェ 007 リミテッド・エディション ミレジメ 2011

現在、007の公式シャンパーニュとなっているボランジェですが、最初のタイアップは1979年のムーンレイカーです。
(この頃の007は、ロジャー・ムーアが演じていて、ストーリーも少しおちゃらけてますよね)
それから40周年に当たる2019年に本当は公開されるはずだった新作。

こんなかっこいいパッケージでした ↓

リミテッド・エディション-ミレジメ-2011-952x1024.jpg
アルカンHPより、以下の写真も同じ

750ミリだけはオリジナルボックス付きだったんです。
もちろん既に完売しておりますが

発売当時のブログはこちら ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/470857674.html


が、
ミツクラの店頭にはマグナムボトルがまだ残っています
マグナムには箱がありませんので、ご了承ください。

ボトルの表面には、これまでの映画のタイトルが刻印されていてかっこいいのですよ ↓

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今回で25作目となるので、25の数字の中にタイトルが。
全部言えますか??

お値段は安くない、諭吉さん6人。
でも再販のない限定品です

こちらの限定パッケージもまだあります ↓

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中身はスペシャルキュヴェNVです。

紹介ブログはこちら ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/477951470.html

ボンドファン、いらっしゃいませ



シャンパーニュには何の関係もありませんが…
最近のアクション映画はストーリー展開も早くてすごいシーンが続くものが多いですよね
それって、すごいんでしょうけど、見終わってもう一度見たいかと言うとそれほどでもなかったりして。

てんちょ、機内で見たミッションインポッシブルと007(前作または前前作か)がごっちゃになってしまってて、どっちがどっちかいまだに内容の区別がつきません

諜報員も世相に合わせて変化してるでしょうし、仮想敵国も変わってるしねぇ。
単純に悪の国を倒す、みたいな設定はもう無理ですね。

ダニエル・クレイグのナイヴズ・アウトも見たけど、探偵いらんなぁ、っていうお話だった

最近はいい映画少ないような。











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2021年09月04日

ボジョレー・ヌーヴォー途中報告


雨の名古屋
来週は涼しくなるだろうか。

お酒が外で飲めませんで、退屈極まりないてんちょです


こんな状況ですが、
フランス、ボジョレーからヌーボーに関するレポートが届いております

今年は春の大規模な霜害で重篤な打撃を受けた生産者が多くいる事は既にあちこちでニュースになっていますが、ブルゴーニュの南に位置するボジョレーでも同様に被害があり、各生産者が「こんなことは初めて」という程のダメージになっています

ここ20年の平均値から言えば、萌芽はそこまで早かった訳ではないようですが(3月が暖かく萌芽が促されたのは事実)、4月の最低気温がこの20年では最も低く、この低気温が原因の霜のせいで早い段階から今年の収穫は減少する事が決まってしまっていました

春の寒さが尾を引いて開花は遅め、なので収穫・醸造も自ずと遅くなります

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8月17日のブドウ、まだ色づきの途中です
Vin du BeaujolaisSNSより、以下同様

2020年の様に早く収穫して、ゆっくり落ち着かせる余裕がないのが心配です。
しかも、今年はコロナで一層輸送が厳しい状況です。
メルシャンがコンテナの調達ができなくてフランジアの生産を停止した、と言うニュースには驚きましたが、ボジョレー・ヌーヴォーも同じです
各社、本当に早くから輸送コンテナの確保、日にちの調整に奔走してます。
大変だよなぁ…

開花以降の成長は順調と言いたいところですが、7月の気温が低く、さらに雨が多くて、これもまた打撃(ドイツやベルギーの洪水も驚きましたよね)


以下、ルー・デュモンの仲田さんのレポートより抜粋

「7月の平均降雨量は4mm/日で、雨がちな天候が続きました。
また、平均気温は13〜23℃と7月としては相当低めでした。
8月9日頃からようやく晴天が続きましたが、たまに豪雨があり、今のところ月平均としては7月と同じ4mm/日で推移しております。
この7〜8月の多雨によって、ボージョレ全域でカビ害特にオイディウム(ウドンコ病)がさらに広がりました。」


仲田さんの畑は標高の高い場所にあり、風が通るおかげで毎年病気の心配がないそうです。
今年も同様で、他よりも収穫を2週間ほど遅くして醸造に備えています
 
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穏やかな日差し

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畑には野生のウサギもいます

ボジョレー全体で、生き残ったブドウの生育は順調で病害も心配要らないようですが、ヌーボーに関しては時間のアドバンテージがないのが今年の最大の懸念です
収穫開始は9月15日頃になりそうです。
(暑かった2003年に比べると1ヶ月ほども遅い)

それから、低収量による価格の上昇も悪い要素です
輸入会社が大変ですね、希望通りに値上げできないでしょうし、輸送の手配も大変でコスト上がってるだろうし

カーヴミツクラで買えるボジョレー・ヌーヴォーは毎年と同じ6種類で去年と同じ価格です
(値上げなし、取引先の会社が素晴らしいお陰です)

フィリップ・パカレ
ルロワ
ルー・デュモン
マルセル・ラピエール
ルイジャド
ルイ・テット

あとはジャドのマコン・ヌーボーツァーヘルのホイリゲ白

予約開始は9月20日ごろを予定しています
また、ご案内します〜

今年も定点観測しましょう










posted by cave MITSUKURA at 14:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月01日

タマンってどこだ


9月になりました
2021年ももう3分の2が終わってしまったんですよね、信じられないわ。

今この1秒が積み重なって1日、1週間…10年、となっていくのは当然なんですが、本当にそうなんだろうか、なんて思う事がある




9月最初に紹介するワインはこちらです
珍しいです。

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ファナゴリア サペラヴィ2016&アリゴテ・リースリング2017

ラベルを見てどこのワインか分かりますか??

この二つのワインはロシア産です
ルースキ・ヴィーノ
これもまた、まだ飲んでいませんので味が不明(最近こんなんばっか、ごめんなすって)

興味本位で買ってみました

広大なロシアですが、ワイナリーがあるのはアゾフ海黒海の間 ↓

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も少し広域だとこうです、世界最古のワインが作られたと言われるジョージアも近い ↓

ファナゴリア・広域.png

海まで200メートル

ワイナリーがあるのはタマン半島と呼ばれる地域で、半島の先はウクライナです。
間にあるケルチ海峡は泳いで渡れそうな近さ(てんちょ、泳ぐの超下手なんで無理ですけど)

ウクライナ側のクリミア半島には有名なヤルタがあります、ロシア領内だとソチがリゾートとして有名です
(ヤルタ会談の開かれたヤルタやオリンピックが開催れたソチは、かつては共産党の指導層や高官だけに許された高級避暑地です)

オデッサセバストーポリヤルタ等、ウクライナ側の地名はご存知の方が多いかもしれません
が、ロシア側になると、てんちょもソチくらいしか知らなかったですねぇ
クラスノダールかぁ…
もっと内陸のヴォルゴグラードはそれなりに知ってます(かつてのスターリングラードです、ヒトラーはこちらに行かなければもっと戦況を有利に進めれらたはず)

ファナゴリアとは古代ギリシャの植民地の名前で、紀元前6世紀ごろにこの地で都市国家を形成していた歴史に因んでいます
なんと2300年以上前。

その頃、既にワイン作りが行われていたそうで、現在でもその内のいくつかの醸造所の遺跡は見学可能だそうです
2300年前の醸造設備の遺跡が何か所もあるって、やっぱりブドウ栽培に向いていたんでしょうね
この繁栄は14世紀まで続いたようで、民族大移動のさなかでも征服されなかったようですが、ついに西方からの大ブルガリアによって滅ぼされてしまいます。

その後、ロシア帝国時代にワイン生産が復活し、フランスから現在の国際品種が輸入されて栽培が始まりますが、第一次大戦中にロシア2月革命が勃発してロシア帝国は崩壊、その後2度目の大戦が起こる間には大量農民の飢餓に続いて粛清の時代があり、ワイナリーは見向きもされず放置されました

フランコ時代のスペインと言い、スターリン時代のソビエトと言い、経験してる方はあまり話したくない、と言う方が多いだろうなぁ…

その後、ロシアでもワインの需要は高まり、1970年代80年代にはウクライナジョージアでは大量にバルクワインが生産され、大都市モスクワなどに運ばれていくのですが、品質の追及はされず
更にソ連崩壊で上記の優良産地がロシアではなくなってしまうなど、ロシアワイン産業の発展には困難が続きます
今はそこから再発展への過渡期でしょうか。


ワイナリーのすぐ近くにセンノイという地名があります。
ファナゴリアはこの、1957年設立のセンノフスキーという飲料製造会社を前身として発展したワイナリーです
色んなブランドのワインと、それ以外にも蒸留酒やビターなどを生産している大会社です

まぁ、そりゃ元ロシア国営だもんね
2000年代の初めから海外への輸出も始めています。

昨年の収穫風景 ↓

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SNSより、以下同様
垣根が高いですよね、コルドンでしょうか。

いいブドウです ↓

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設備も近代的、そして大規模 ↓

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今日の2つのワインはラベルデザインが違いますが、それはブランド(クラス)が違うからです

赤はヴィンテージと言うクラスで、サペラヴィと言う品種はジョージアでも栽培されるこの地方の土着品種です。
暗黒色のフルボディ、タマン半島の最良の土地(センノイ産地呼称)で栽培され手摘み収穫。
温度管理の下で樽発酵、1年熟成の後で瓶詰めして更に6ヶ月置いてから出荷されています。

白は、シグナチャーと言うクラスで、アリゴテとリースリングのブレンド。
こちらもタマン半島、クバン産(PGI)ですが、醸造等の情報なし。

ラベルのАвторскоеはアフトルスコエ、著作権・シグナチャーの意味で、виноはヴィーノ、ワインの意味です。

ロシア文字って西洋のアルファベットに慣れてると読み間違えてしまいますね。
ロシア文字のCはエス(S)ですし、Xはハーで(H)の発音です、逆にHはエヌ(N)なんです。
もっとややこしいのが筆記体ですが全然読めない

と、こんな感じで不明瞭な事も多いロシアワインですが、歴史のあるワイナリーですし、味見が楽しみです
店頭にも数本だけありますので、飲んでみたい方は是非。

白はとてもお手頃2000円以下、赤は3000円台なので。
ジョージアワインをイメージすると近くていいと思います


余談ですが、こちらのスパークリングワインはちゃんとペットナット、シャルマー方式、クラシックスタイル(味付けって書いてあるけど)とロシア語でも真っ当な分類になっています
プーチンさんの言い出したシャンパン(スコエ)はどうなっているんだろう???


本当は珍国ワイン会(目玉はボリビア、既に満席です)やるはずだったんですが。
はよ緊急事態宣言終わってください














posted by cave MITSUKURA at 18:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする