2022年02月13日

白の王者はグランクリュばかりでない


今日の夜はまた関東ではになるそうです
名古屋は幸い雨で済みそうですが、今年は寒い

少し日が長くなった一方で、花粉もそろそろですね…



今日は個人的に大好きなワインを紹介します
貴重なマグナム(1.5リットル)です。

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ポンソ モレサンドニ1erクロ・デ・モンリュイザン・ブラン2011 マグナム

フランス、ブルゴーニュの白ワインです
シャルドネではなく、アリゴテ100%
1.5リットルなので通常のボトルの2本分です。

11年のラベルってこんなキラキラだったっけ?
植樹が1911年なので、100周年記念ボトルです‼️


ポンソは優良生産者として知名度高いですね
ブルゴーニュでもモレサンドニって小さな村なのに、著名ドメーヌが多い。

ポンソ
デュジャック
ペロミノ
グロフィエ
マニャン

昔は「ジュヴレイ・シャンベルタンとシャンボル・ミュジニーの2つの人気村に挟まれた小村で見過ごされていた」などと言われていたモレサンドニ。
そんな事を言う人は今や皆無でしょう

…これ、何度も書いていますね。


今日のクロ・デ・モンリュイザンの区画はジュヴレイから続く、村の北側にある1級畑ですが、
モンリュイザンの区画の内、
斜面の上部は村名で、
真ん中が1級、
そして斜面の下部は特級クロ・ド・ラ・ロッシュになっています

1つの区画なのに3ランクに分かれてます

そして、なぜか下の部分だけ、グランクリュなんです
モンリュイザンから南に続く1級の、
Les Genavrières ジュナヴリエール
Les Chaffots シャフォ

も同じように、斜面の下の部分だけはグランクリュなんです。
(シャフォの下部だけはクロ・サン・ドニです)

何のこと?って思う方もいるかもしれませんが、ブルゴーニュの畑にはAOC認定されている名称でも、その中が細かく分かれていて、
Lieu-ditリューディ や
Climatクリマ
と呼ばれる小区画から成っています。
ほとんどの特級も何区画かの小区画が集まっている畑なのです。

なので、クロ・ド・ラ・ロッシュとその周辺もこうなってます ↓

クロ・ド・ラ・ロッシュ.png
ブルゴーニュワイン委員会より

ちょっと見づらいかなぁ


話が逸れますが、いつもこのグランクリュがずーっと続く地図を見てると不思議に思うんです(謎)
どうして、オーコンボットだけポカっと1級になってるんだろう…
(ジュヴレイの話)

ラショーのラトリシェールはもうクロ・ド・ラ・ロッシュやんか、って言うのもありますけど、それよりも周り全部特級なのにどうしてコンボットだけ1級なの???
その昔、所有者が申請しなかったんだろうか…

この話、分かってくれる人いますよね



話をモンリュイザンに戻して。

今日のワインは1級です
ですから、区画の真ん中。
この区画は1872年のドメーヌ創業当時から所有しています
(現在ポンソの生産の83%が赤ワインですが、この区画は中世からずっと白ワインを生産している貴重な畑です)

しかも、その下部の特級クロ・ド・ラ・ロッシュの北の部分は全てポンソの所有なので、モンリュイザンも含めてクロ・ド・ラ・ロッシュと一帯をごっそり持っていることになります
流石、今買ったらいくらするんだろー

中世から白ブドウが植えられていたこの区画では、秋になると周りのピノノワールが赤や茶色に葉が紅葉する中で、ブドウの葉が鮮やかな黄色や黄金色に変化し、それが遠くから見ると光輝いているようで、モンリュイザン(輝く山)と名付けられたそうです

マニャンやデュジャックでは同区画にはシャルドネやピノブランが植えられていますが、ポンソではアリゴテ100%
これもこのワインを特異にしている理由の一つです。

中世の修道士の時代からこの区画にはアリゴテが合うと分かっていたそうで、その時代、コートドールでは斜面の上部にはアリゴテ、下部にはシャルドネと植えられていたそうです。
しかしその後、19世紀のフィロキセラの害でほとんどのアリゴテはシャルドネへ植え替えられてしまいます。

それにも関わらず、ポンソではこの伝統を捨てることなく現在に受け継いでいます
かつて、AOCの規定でモンリュイザンにアリゴテが認められない時代があり、シャルドネやピノブランでも生産がされていましたが、2005年にようやくアリゴテ100%が認められました
(そのピノブランは、アンリ・グージュの突然変異株のピノ・グージュですので、それはそれで貴重)

1935年認定のブルゴーニュ・プルミエクリュでアリゴテ100%はここだけです

更に、ポンソはこの1級畑を特級並みに扱っています
収量は30hlとかなり少なく、古樽を使って発酵しますがその際には亜硫酸は無添加。
そしてMLFはなし。
熟成にも新樽は使用せず、2年かけます。

これだけ見るとかなり酸が尖がったキンキンなワインのように思えますが、辛口であっても深みがある非常にいいワインなんですよー
30年以上は熟成できる、と言われていますが早くからでもそこまで辛くない。
(待てるなら5年は待って飲んだ方がいいでしょう)
作柄が悪い年には生産されない、拘りに拘ったワインです

HPにも「現在、モンリュイザンのワインを生産する作り手はいくつかありますが、クロ・デ・モンリュイザンは単独所有の区画でポンソだけの物です」と誇らしげに書かれています

そーそー、ついついモンリュイザンって言っちゃうんですが、正しくはクロ・デ・モンリュイザンです
反省。


このワインは本当に素晴らしい

初めて飲んだ2007年は、ホワイトチョコか?と思う程のコクだった
圧倒的な旨みでその年NO.1の白ワインでしたねー
もう10年以上前だなぁ…

MLF無しとは思えません。

店頭には2015がまだあります(レギュラーボトルです)↓

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これが普通のポンソのラベル。

今日のマグナムは何故か特価で売られていて(正規品です)、余裕があったらどっさり買いたかったんですが、数本だけ。
豪華な木箱入りで、特別パッケージ

ワイン通の方への贈り物にも最適
これ知らなかったらブルゴーニュ通とは言えませんな

値段はそりゃね、諭吉さん4人とちょっとです
マグナムだし。

はー、自分で飲みたい
何か理由付けて飲むかね













posted by cave MITSUKURA at 17:33| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする