2022年04月30日

イタリアワインセミナー、トスカーナ編


晴れた〜、と思ったらまた明日は雨なんですね
GWも後半は晴天が続くようで、お出かけ日和ですね


イベントページに、マッツェイ イタリアワインセミナーの案内を載せました

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試飲は7種類(予定)

講師は、林茂(はやし しげる)さんです
イタリアワイン界ではとても有名な専門家です、色んなお話が聞けそうで楽しみです

今回はトスカーナのキャンティが中心ですので、キャンティの詳細地図も一人一つ、お土産になっています


グランセレツィオーネ、って知ってますか?

→ キャンティ・クラシコの中で2013年に作られた最高ランクの名称です。
  買いブドウの禁止、熟成30ヶ月以上、官能試験、など厳しい基準を満たした物だけに与えられる名称です

マッツェイ独自の、ヴィコレジオ36も飲んだ事ありますか?

→ 上記のグランセレツィオーネの一つで、マッツェイの所有する標高350mの畑にある36種類のバイオタイプのサンジョヴェーゼから醸造された特別なワインです

更に最高のシエピ、サンジョベーゼとメルローで作られるフルボディ(定価16500円)のモダンワインも試飲できます

名前は知ってるけど、個別の生産者の詳細まで分かってる方は意外と少ないキャンティ・クラシコ。
この機会に是非、マッツェイを知って欲しいです〜







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2022年04月27日

このラベルは好きですか?


連休間近ですが、のんびり平和な我がお店
も少し盛り上がって欲しいような。


今日はこのワインを紹介します

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シャトー・ペデスクロー2019

またラベルデザイン変わりましたね
なぁんか、イメージ違うなぁ…

今日のワインがすぐ分かる方には、おそらくエキスパート合格者が多いのではないでしょうか
何故かと言うと、今日のワインは試験を受ける時に必ず覚える、ボルドー、メドックの格付けシャトーだからです
(最近の受験者はメドックの格付けすら覚えないで試験に臨む人がいるようですね、せっかくだから覚えればいいのに)

フランス、ボルドーの赤ワインです
メドック5級格付け、産地はポイヤックです。

格付けシャトー61を挙げると、大抵忘れられてるのがいくつかあるんですが、ペデスクローはその「忘れられているシャトー」かもしれません
他はなんだろう?
トゥール・カルネ
デミライユ
…意外とランゴア・バルトンとか?

しかし、格付けの級に関わらず、ポイヤックのワインは別格の気品と繊細さがあります
有名シャトーだと恐ろしい値段になっちゃいますが、ペデスクローならたまには飲んでもいいかな、という感じ(かも)
一葉さん以上、諭吉君以下。
どお? 安くはないけど高くもないでしょ?

2019年の1月に2013年を紹介しています ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/463524215.html

カッコいいシャトーなんです
モダンと古典の融合。

2019は、カベルネソーヴィニヨン72% 、メルロ 20%、カベルネフラン6%、プティヴェルド2%
(作付けはカベルネソーヴィニヨン59%、メルロ 36%、プティヴェルド3%、カベルネフラン2%)

このところ、他のシャトーでもそうなんですが、メドックではカベルネ比率が再び高くなってるようです
いいですね

低温浸漬でじっくり抽出した後、新樽60%で18ヶ月樽熟成してますので、結構フルボディかと思います
てんちょも飲んでみよかな(珍しく)

格付けシャトー、たまにはいいですよ〜














posted by cave MITSUKURA at 17:02| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月25日

リッチなかつての謎ブドウ


ワインの木箱、まだ沢山あります〜
需要無くなったのかなぁ

今日はオンラインセミナーで日本ワインの勉強します。
明日はイタリアワインの試飲会に行ってきます。
こういう機会が前の様に戻ってきて嬉しいです

今週からGWですね、何とか防止とか、何とか宣言とかないのは喜ばしい事です
皆様は遠出しますか?
てんちょは近場で飲んでます

規制の無いお休みは嬉しいけど、かといって、また感染者増えても困る。
いい加減感染症の分類見直して普通の病院に掛かれるようにすればいいのに、と思うのは浅はかでしょうか



もう月末なので新しいワインの入荷は無いですが、今日はこのワインを紹介します

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オークリッジ リザーヴ エインシェント・ヴァイン ジンファンデル ロダイ2019

店頭にあった定番のジンファンデルが輸入元で入荷待ちになっているので、その代替として置いていますが、
ここもいい蔵なのです
(ワインの輸入も原油高やコンテナ不足、ウクライナの影響を受けて、じりじり遅れています。
あれもこれもない、という状況ではありませんが欠品が目立つようになってますし、入荷も遅れ気味です)

ジンファンデルの名前でお分かりかと思いますが、今日のワインはカリフォルニア産の赤ワインです

AVAはロダイ、ここまで知ってる方は少ないかな〜

LODI=ロダイ(ロディじゃない)は、サンフランシスコから内陸にすぐの場所にあり、皆さんが良く知っているナパやソノマに比べると東に位置しています
ここです ↓

ロダイ.png

産地の分類としては、ロダイは、ナパやソノマのあるノース・コーストと呼ばれる地域ではなく、インランド・ヴァレーという地域に属しています。

内陸って事なんですが、この地域は昔はセントラルヴァレ―と呼ばれていましたので、その名称で覚えてる方の方が多いのではないでしょうか?
何で名前変えたんでしょうね
(因みにセントラル・コーストという地域もあるので混同されませんように)

カリフォルニアワイン協会の表記も変更されていますね ↓
https://calwines.jp/b2b/wines/origin/
日本語なので参照するには便利です

名称変更もそうですが、アメリカの産地呼称=AVAも増えていますね〜
聞いた事ない産地呼称が多いかなぁ、どこなのか全然ピンと来ない

そんなAVAにあって、ロダイはかなり初期からワイン作りが行われてきた歴史のある産地です
サンフランシスコに近い事もあって都市部にお酒を供給する重要な産地として発展し、禁酒法時代も自家製ワインの生産が認められていた事から(個人消費用にのみですが)醸造が廃れることなく続けられた稀有な地区なのです。

今の様にテロワールなどと言う言葉がなかった時代には、比較的良質のブドウを大量に生産できるこうした産地はワイン産業の発展に大きく寄与し、今ではあまり良く言われませんが所謂ジャグワインと言った日常消費のワインが出回り、アメリカ国産ワインの基礎を築いたと言えます
(ロバート・モンダビが作っている廉価でコスパの良いワインに、ウッドブリッジと言うのがありますが、それはここ、ロダイの街の名前を付けた物です

その為、今でもロダイAVAはカリフォルニア州でも最大の産地の一つで、40500haものブドウ畑を有し、サブリージョンを7つも内包しています。

…でもね、…もうサブリージョンやめてぇ、細かくなって勉強が大変だ

今日のワイナリー、オークリッジはこのロダイの街の端にあるワイナリーで5代も続くブドウ栽培家です
オークリッジでは最も早くブドウ栽培を始めた一族になります

1906年にイタリアのジェノバから移住してきたアンジェロ・マッジオが彼の妻と家族で敷地にブドウを植えたのが始まりです、1930年代には協同組合としてブドウ供給を行っていましたが、2002年にこれを買い取ってオークリッジワイナリーとして再出発したのが今日のワインです
所有するブドウ畑も2500エーカー(約1011.7ha)と広大です、流石アメリカだね
オークリッジ以外にも自社ブランドをいくつも持っています。

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2021年収穫 HPより、以下同様

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今日のワインのエインシェント・ヴァインはそのまま古木の事で、この地域に残る樹齢80年から120年の古木のジンファンデルから採れたブドウを使用しています
いつまで取れるか、もう限界かもしれません。

ところで、ジンファンデルと言うブドウにまつわる話はご存知でしょうか?

このブドウはヨーロッパから輸入されてきたのですが、植える時になって名前を書いたタグが無くなってしまっていて、名称が分からないまま育てられていたんです
そのまま土地に適応して良く育つので栽培も拡大していたんですが、いかんせんルーツが不明
で、ジンファンデルと呼ばれる謎のブドウ、と言う事になっていました

20世紀も後半になってようやく研究が進み、DNA鑑定によってイタリア南部のプリミティーヴォであると分かったんですが、
当時のプーリアのプリミティーヴォと比べてジンファンデルが同じとは到底思えませんでしたね

ワインのスタイルが全く違っていましたし、同じ香りも全くしなかったです。
黒いけどシャープなプリミティーヴォ、甘くて濃いジンファンデル、って、全くの別物です。
これは今でもそうかな、プーリア州のワインは格段に成長して世界市場で戦える品質になっていますが、例えば今日のオークリッジと同じかと言われると全然違うと思います

150年の間に土地に適応して変化したんでしょうね

ジンファンデルってどういう意味なんでしょうか、ジンファンデル擁護団体(略称ZAP)なんてのもありますね、調べてみたい。
更にプリミティーヴォのルーツにも色々とあったんですが、その話はまた今度。

今日のワインはコスパに優れた、カリフォルニアらしいフルボディの赤ワインです

果実味が豊かで甘さと凝縮したタンニンが、濃くまろやかに感じられるいかにもなワインです

焼肉屋さんでタレで食べるにはもってこいでしょう
グラスワインでも使いやすい、角の取れた丸い味わいで飲みごたえもある、全方位的なワインですよ。

所謂、金太郎飴的ワイン(意味、分かってくれますか?どこを切っても同じ、っていう事で)で変化せず、最初から最後まで同じ、いつでも満点の完成形を味わえる、という存在です
これが大好きな方も、嫌な方もいると思いますが、欠点のないワインと言うのはいいですよね
ブドウの出来の良さを感じられる、安心して飲めるワインですよ〜

カリフォルニアワインはちょっと良いとすぐに諭吉君が何人かになってしまいますが、オークリッジは税込4000円以下
素晴らしいコストパフォーマンスです

どっちかと言うと冬向きだと思いますが、夏でも濃いワインが好きな方には是非お勧めです
そして、たまにはジンファンデル飲んでみないとなーって方にも。

試す価値は高いです











posted by cave MITSUKURA at 13:43| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月20日

ジャドセミナー楽しかった


今日は日差しが眩しい

昨日は、ルイ・ジャドのセミナーでした

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参加してくれた皆様が熱心に話を聞いて、ワインと向き合ってくれたのがとても嬉しいです

バレルサンプルを飲む機会は一般の方にはまずないであろう事も皆様、意識してくれていて、貴重な資料と共に今後の役立てば幸いです

来月も違うセミナーを開催する予定ですので、詳細が決まったらご案内します



輸入元から著名ブルゴーニュの2020の入荷案内(先行予約)が来ましたが、
高い少ない

アンリ・ボワイヨムルソー・ペリエールが全部で12本しか入荷しない、って
は?
1ケースで終わり??

ピエール・ダモワブルゴーニュ・ルージュは希望小売価格で9900円もするし
レジョナルが1万円って…
因みに、同時に入荷するダモワ2018年のシャンベルタン・クロ・ド・ベーズは176000円です
どっひゃー

何を買っておけばいいのか…
(ほんと、昨日のジャドが非常に良心的に思えます

何か楽しい事考えよっと(現実逃避)
また次回〜





















posted by cave MITSUKURA at 17:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月18日

オリジナル・ワインでもデイリーOK


今日の名古屋は雨で寒い
最高気温も16度程度しかないそうです

この雨で「あの」広小路通りが綺麗になるといいけど



ところで、先日飲んだポール・ブランク「F 」最新の2015とその他のワインが非常に美味しかったです

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固さもシャープさも一切なし
エレガントで、どれもいい飲み頃だったなぁ

普通の2018のピノノワールでも十分美味しかった(クラシックシリーズと言うスクリューキャップの入門レンジです)
店頭にもありますので、是非買いに来てみてください。
税込3000円以下

やっぱ、縦飲みは楽しいです
まだネタあるのですが、寝かせるべきか迷ってます

大規模なイベントにはできないので、ごめんなさいですが…




昨日は国際マルベックデーでした
(イースターでもあった)
所謂「マルベックの日」なんですが、これはアルゼンチン発祥の記念日2011年から始まった新しい「お祝いの日」です
1853年4月17日に農業試験場の開設を定める法令が議会に提出された日を記念しています。

元々はボルドーや南西フランスの品種であるマルベックですが、今ではアルゼンチンの赤ワインの代表品種として栽培面積はダントツの1位を保っています

という流れで、何かマルベックを紹介すべきなんですが、この「その国特有の品種」と言うのに注目してみたいと思います

固有品種というのに相対するのが国際品種と呼ばれる物でしょうか。
シャルドネやカベルネは世界各国で広く栽培されています、難しいですがピノノワールも人気の品種ですね。
(ですが、シャンパーニュやブルゴーニュでは、シャルドネ、ピノノワールをその土地の品種として扱うのは当然かと思います)

あの国のあの品種と言えば、どのくらい思いつきますか?
フランス以外で考えてみてください

こんな感じでしょうか ↓

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上記はあくまで一例で、絶対ではありません。
「ー」はシャルドネかなぁとは思うものの、敢えて書くほどではないかなと空白にしました。

全部の品種分かりますか?
常連の読者様には簡単だろうか




と言う事で、今日はこの固有品種を紹介します

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ワイルドバーグ ワイルドハウス ピノタージュ2020

南アフリカ共和国の赤ワインです
ピノタージュ100%

コスパが非常に良くてオススメです
ミディアムボディの優しい味、暑くなっても飲める赤です。

ピノタージュと言う品種は、1925年にステレンボッシュ大学のエイブラハム・ペロード博士がサンソ―とピノノワールを交配して作った新しいブドウです
今では南アの代表品種として沢山の赤ワインが作られています。

で、
今日のワインは、ワイルドバーグっていう会社が造ってるブランドの一つがワイルドハウスなんですが、ややこしい?

ワイルドバーグはコスタルリージョンと呼ばれるケープタウン周辺の海岸沿いの地域にあります。

南アのワイン産地は喜望峰やケープタウンのある西ケープ州(ウェスタン・ケープ)に集中していて、その中でも
コスタルリージョン
ブリードリバーバレー
ケープサウスコースト
の3つが大きな産地です。
(あと2つありますが今日は割愛)

州はこうなってます ↓

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SAPPOROBEER WINEORPENERより拝借

このグレーの州にぎゅっとワイン産地が集まってる訳で、その中に今日のワイルドバーグがあるコスタルリージョンも含まれています。
(さらにその中にサブリージョンもあるので整理して覚えないと何が何だか分からなくなりそう)

ワイルドバーグがあるのは、コスタルリージョンの中でもフランシュックと言う地区で、17世紀にフランスから移住してきた新教徒が住み着いた事に由来しています
(フランス人街、という意味)

1994年からワインを作り始めた比較的新しい蔵ですが、自然酵母を使った醸造で家庭的なワイナリーです。

美しい南アの風景がHPで見られます ↓

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いつか行ってみたいですね〜


今日のピノタージュはステンレスタンクと樽を半分ずつ使用した熟成(12ヶ月)で、柔らかなミディアムボディです
優しい果実味が綺麗に流れる欠点のないワインで、デイリーに飲むには非常におすすめです。

店頭価格も税込で1500円以下
素晴らしい

ラベルも好き

お試しください〜













posted by cave MITSUKURA at 14:55| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月17日

ルイジャド セミナー予習


雨が降って来ました、今日の名古屋はちょっと肌寒いです


イベント欄にも案内しました通り、店頭ではワインの木箱の販売をしております

このところ木箱での輸送は減少していて(段ボールの方がエコでコストダウンできるので)、それなりのワインでないと木箱に入って来ません
しかもケースで買う必要があるし。

更に、12本の木箱も減っていて、縦(横?)半分の6本箱が主流です こういうの ↓

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ラフィットやルフレーヴでもそうです(ただ、ルフレーヴの木箱はスライドの蓋つきですので手間がかかっています)
無くなり次第終了です。
店頭に足を運んでいただけたら嬉しいです。



今日は4月19日火曜に開催する、
「ルイジャド 2020バレルサンプル他 テイスティングセミナー」の予習をしたいと思います

当日の試飲ワインです ↓

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参加できない方にも、今後の購入の参考になれば。
オンラインセミナーの講師、山本昭彦さんのお話を元に紹介します。ちと長めです。


19日の試飲ワインは7種類(各2本)ですが、バレルサンプルがハーフの為に今回は定員を10名といたしました
2020年の日本での販売開始は12月です(→大抵注文した事を毎年忘れているてんちょ、先すぎる)

てんちょ、業界向けの試飲会には残念ながら参加できませんでしたが、それより前に開催されたオンラインセミナーは受講できました。
2月のブログはこちら ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/archives/20220209-1.html

あと、当日のサンプルの残りをいくつかお持ちいただけて、ひっそり勉強させていただきました

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ありがたや〜


もう、ブルゴーニュのヴィンテージが云々よりも、まずは値上がり(しかも激しい)の話が筆頭に来るこの頃です
この価格の高騰は、2021年の不作(春の霜害のせい)を受けて一層強まると言われています。

不作だと物がない
ただでさえ収穫が減少気味なのに…
原油高、コンテナ不足、ウクライナ紛争の影響での輸送ルートの回避、全てが輸送費の高騰を招いています。
それがワインにも反映されるという訳です

そして、一度上がった価格はまず下がらない、と言うのが大方の予想。
そーだろーなー
これから、どれだけ豊作が続いても下がることは無い。
世界恐慌の様な大事件があっても、これまで下がらなかったようにやっぱり値下がりはしないでしょう…


そういう暗い話は一旦置いといて、畑とブドウとワインの話をしましょう。

やはりキーワードは気候変動です、2020年の特徴とそれに伴う変化や工夫について3つ書いておきます。

1.収穫時期

2020年は気候変動が言われて久しい中で、かなり早い収穫の年となりました

著名な作り手でも8月の15日前後からボーヌの白が収穫を始めており、25日辺りではヴォーヌロマネでも収穫開始となっています
これは2003年や1855(だったかな?)に並ぶ速さで、どちらも猛暑で知られる年でした。
しかし、2020年はもうその何年も前から「暑さ」がお決まりになっていて、殊更それがニュースになったりはしませんでしたので、業界人以外ではそれを知る人が少ないのは当然かもしれません。

2020年は春も早く訪れました
4月の気温上昇が早く、それに伴い芽吹きも早かったので結果的にはそれが早い収穫に繋がったと言えます。
霜害も起こらず、乾燥した夏がやってきて、そのまま収穫へと向かったような年だったのです

この夏の少雨(と強い日照)のせいで、一部の畑では白ブドウは生育が止まり、黒ブドウは焼けたりしたようですが、概ね健全なブドウばかりで選果の必要がほとんどなかった生産者ばかりになったようです(必要な選果が畑のピッキング時だけで済んだ)

全体では、白は特に成功したヴィンテージとなったようです
完熟によってリンゴ酸がやや少ないブドウでも酒石酸がそれを補い、フレッシュさが保たれたようです。

赤では、ブドウが小粒になりましたが(水分供給が少なかったので)、繊細なタンニンで平均のアルコール度数は13.5度と2019年よりも低く抑えられています。

これには、収穫時期の比較で言及された2003年とは明確な違いがあり、2020年では暑い日もあればそこまでもない日があった事が大きな理由になるようです

都市部で死者が出るほどの猛暑になった2003年は熱波が連日連夜に渡ってやってきて、ブドウも人も一息ついたり、休んだりする暇がありませんでした
毎日、毎晩、ぜーぜー言ってた訳です。
その点、2020年は夜の気温が下がる時もあり、蒸散せず(日中に作った養分を消費せずに済んだ)休めた事が、ブドウの健全さを保ち、なおかつほどほどのタンニンと酸味の温存に繋がりました

日較差は非常に重要です

実際、ブドウのハングタイム(開花から収穫まで)は2003年では85日と大変短いのですが、2020年では一般的な100日となっています。
似た年とも言われながらやはり同じではありません。

2.全房発酵について

最近よく耳にする全房発酵。
上記のような気候変動を受けて、各生産者では如何にワインのエレガンスを保つか試行錯誤を繰り返しています。
これまでの様にワインを作ると、赤は真っ黒で渋々、白でもアルコール度数15度くらいの強ーいフルボディになってしまい、それは理想のブルゴーニュワインとは言えません。

ルイジャドでは2020年に初めて一部のキュヴェで全房発酵を導入しました

サントネイで35%
ボーヌの1級の一部で50%

ですが、試験的に導入してみただけで今度はどうするかまだ分からない、そうです

一部の著名ドメーヌが行っているので、みんな注目してはいますが、ルイジャドではメリットばかりじゃないので全面的に賛成ではない、とう姿勢です。

各生産者の考えは違っても、どこもいいワインを作るために一生懸命なのは同じ。
全房発酵についても、もう少し時間をかけないと答えは出ないでしょう

確かに全房発酵には、
総HPが下がる(フレッシュな印象を保てる)
アルコール度数も抑制できる、
というよく言われるメリットがありますが、
その反面、長いマセラシオンが必要になり、揮発酸が発生しやすい等リスクもあります

2020年だけを持って、全房発酵の是非を論じる事はルイジャドでは出来ないでしょうし、ワインのその後をよく観察する必要があります。

3.評価される区画の変化

これは末端の消費者としては、まだそこまで如実に体感している訳ではありませんが、理屈はごもっともなんです。

ブドウの植えられている斜面が、上部・中部・下部とあった時、最も良いとされる区画上部(または中部上)になるのが定石なのはご存知でしょうか?

ロマネ・コンティやレザムルーズは国道東の平地にはありませんよね。

それは斜面の上の方が水はけがよく、効率よく排水される事で果実に凝縮した旨みが蓄えられるからで、さらにブドウ樹が水分を求めて長く根を伸ばすことによりより複雑な味わいになる為なのです
反対に斜面下部では表土が厚く、地中の水位が高いので、水分過多で薄まったブドウになりやすく、高貴なワインにはならないと言われていました

ですが、最近の気候変動でとにかく暑い、暑すぎるので夏には水不足になる事が頻発してしまい、安定的に水分を得られる斜面下部の方がブドウの出来が良くなってきている、という驚くべき変化がみられるそうです

かつて、区画の水はけを最重要視していた栽培家達は、今では保水能力が一番重要だ、と言っています


そして、最初に「暑さで焼けたブドウがある」と書きましたが、これに関しても区画の評価に変化が出ているようです。

ブドウが焼ける現象は、西向きや南向きの斜面で起こりやすい事で、そのせいで、かつて最高の日照が得られる西向き、南向きの斜面はベストの区画だとされていたのが、今では日差しが強すぎてかえって良くない、という事態になっています

20年前の区画の評価はもう現在では通用しないかもしれません
コートドールが王道ではない時代が来てもおかしくない、というお話です。

土壌云々があった後で、標高が高く涼しい区画が有利、と言われる昨今の事情、分かっていただけますか?
このように条件が変化していて、値段が高くなりすぎた事は、これまであまり注目されていなかったAOCを見直すきっかけにもなるだろうと言われています

以上3点でした。


で、2020年の出来と味ですが。

2020年は先にも書きました通り大変成功したヴィンテージです

今はの評価が高く、2007年や2014年に似ているようです。
酸味が感じられる古典的なスタイルで、飲み頃になるまでには待つ必要がありますが、既にポテンシャルは高い。
21年が50%(うっそでしょ)も値上がりするだろうと言われていますので、19も20も買っておいた方がいいらしいです

はヴォーヌロマネ(ニュイ)のスタイルが全体に共通するようで、洗練された酸味とアルコールがこれまた熟成を待つべき事を物語っています。
安定した構造にエレガントな中身が感じられ、パワフルさと繊細さが共存しているようです。
香りが変化しだす頃にはそれらが調和しあって、素晴らしい余韻になるだろう予感があります
飲み頃には5年じゃまだかなぁ、忍耐求む

何を買おうかなぁ



セミナー参加の皆様はこれを踏まえて当日の試飲に臨んでいただけましたら
参加できない方でも、以上の事柄を覚えていただけたら今後のワインライフに何か役立つかもしれません









posted by cave MITSUKURA at 16:58| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月13日

備蓄しなっせブルゴーニュ


今日も暑いくらいの快晴でギラギラ太陽の名古屋です
こんなに早く暑くなるとワインの持ち運びが心配になります…
台風1号(はやっ)の影響で明日からは雨が降るようで、少し春らしくなるといいんですけど


限定的な地域の話で恐縮ですが、
広小路通りの南側の歩道、伏見の日土地ビルから栄の旧丸善辺りまで、やたら路面がねちゃねちゃしてませんか??
どなたか分かってくれる方いませんかね

靴底がくっついて脱げそうになります
なんであんなに広範囲に、悪質ないたずらとか?
解せません…
雨で流れて欲しいなー



フランスでもアヴァロン(シャブリの南、ヨンヌ県、アーサー王じゃありません)周辺で22度くらいになってるようで、気温低下の危機はほぼ去ったようです
現在、ボーヌで朝の9時、11度です。



今日は人気のブルゴーニュを紹介します
さらっとね。

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ロベール・グロフィエ 
ジュヴレイ・シャンベルタン スヴレ2018

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ロベール・グロフィエは有名だし、人気がありますよね〜
店頭にはレザムルーズ2019もありますけど、恐ろしい価格(ギリ5桁)です

グロフィエはモレサンドニにあるんですが、所有する畑がほとんどシャンボル・ミュジニーなんで、シャンボルにあると思ってる方もいるかもしれません。
クロドタールの畑を通過して村に入るとすぐにグロフィエのドメーヌがあります。
並びにはクロドタール、ランブレイと一流生産者が続きますが、なんせモレサンドニは小さいので一瞬で通過できてしまいます

グロフィエを語る時には「1級レザムルーズの最大所有者」と言う肩書が必須ですね

ドメーヌの始まりは1930年代の前半、ロベール氏の父がレザムルーズやその隣のオー・ドワ(今日のワイン)の区画を購入した事が最初です。
現在4代目です。
レザムルーズには1.07haを所有。

レザムルーズと言うロマンチックな畑は、シャンボル・ミュジニーの南側でヴージョに接するところにあります。
北側には特級ミュジニーが広がり、ヴージョの上部に伸びています。
このなだらかな斜面からはクロ・ド・ヴージョのお城も眺めることが出来、見回す畑のワインを合計すると一体いくらになるんだろうという(お金の話ですんません)垂涎の立地です

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グーグルマップより

正面がクロ・ド・ヴージョのお城、右がミュジニー・グランクリュ、左がレザムルーズ

地図だとこうです ↓

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緑の〇の場所が1級レザムルーズ、隣の水色の〇が1級レ・ゾードワ
濃い紫の特級ミュジニーや薄くなってますがヴージョの区画が分かるでしょうか?
一流の畑に囲まれた、これまた一流のいい場所なんです

グロフィエのワインは、総じて透明度の高い甘酸っぱいラズベリーの様なスタイルです
黒さはあっっても中心が少し暗いくらいで、濃い訳ではない。
こういうブルゴーニュ、アラン・ユドロ・ノエラもそうですが、ピュアって言う言葉がぴったりです
生き生きしていて、酸味も溌溂としています、複雑な香りになるまで辛抱強く待った方がいいんですが

昔は豊作の年だとセニエをして濃縮させていた事もあるそうですが、もうそんな濃さは皆無です。
果実味と酸味がぎっしり、でもエレガントなんです

もう値上がりで買えなくなりそうなんで、まだ買える旧ヴィンテージを買ってみました
この2本はそこまで高くありません。

グロフィエ会をやったのが遠い昔の様な気がします ↓

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2019年5月ですね、3年前かぁ


グロフィエのボトルはブルゴーニュでも高い方の、ネックがまっすぐになってるボトルなんですが、
(しかもエッチング入りで特注)
これって、積めないんですよねぇ
せいぜい2段まで。
ぐらぐらしちゃうんです。

グロフィエ好きな方、買っておいてくださいね
飲み頃はまだ先です〜






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2022年04月11日

未知のモノポール


暑いくらいの名古屋です
半袖で余裕で過ごせますね

先週、今週と何回か、業界向けの試飲会がありまして、久しぶりに色んなワインを試せるのはとても嬉しいです
ただ、今日の会では170種類くらいあって、とても全てをじっくり飲む訳には行きませんので、事前に作戦を立てて効率よくピンポイントで試飲して来ました

もし、時間さえあれば全部をじっくり試飲したいところですが、そんなに集中力が続くかどうかも心配
年齢が上がって、一番思うのがそこですね。
もう何時間も何か一つにずっと向き合うなんてできないかも



今日はこのブルゴーニュを紹介します

アンリ・グージュ クロデ・ポレ・サンジョルジュ.jpg

アンリ・グージュ ニュイサンジョルジュ1erクロデ・ポレ・サンジョルジュ2018 モノポール

この畑がピンと来る方はかなりのブルゴーニュ通ですね
アンリ・グージュの名前を知ってる方もどのくらいいるでしょうか?

このワインはピノノワール100%の赤ワインです
名前の通り、ブルゴーニュ、コート・ド・ニュイの一番南のAOC、ニュイサンジョルジュの1級です。
(村としてはプレモー・プリセがありますけど、ここはニュイサンジョルジュAOCになってます)

ここ、ニュイサンジョルジュにドメーヌを構えるアンリ・グージュは1936年元詰め開始の老舗生産者です

アンリさんは初代当主で、大戦間にあってワインの価格が下落してる状況に鑑み、ドメーヌ自らがワインを作って販売する新しい手法=元詰めを始めました。
現在では当たり前になっているこの行為ですが、戦前はブドウを作る人、ワインを作って売る人は別で、醸造と販売は専ら大手のネゴシアンと呼ばれるワイン商が手掛けていました。
後にINAOのAOC制定でも、アンリ氏はブルゴーニュの代表として貢献しています。
(ヴォルネイのダンジェルヴィーユ氏もそうなんですが、どちらも自分の区画を特級に申請しなかったんですよね、
 どのような考えかは知る由もありませんが、自らを利する事なく地域の為に働いたって事でしょう)

良いワインは良いブドウから、良いブドウは誠実な畑仕事から
という今では、これも当たり前の言葉ですが、アンリ氏は元詰めを始める時に既にそれを自覚し、二人の息子たちとブドウ樹を植え替えるなど積極的にワインの品質向上に取り組んでいきます

当時は沢山作った方がお金になるので(量に応じての支払いだったので)、収穫を減らすとか、設備を導入する費用をかけて少ないワインを自家醸造すると言うのは農家にとっては信じられない事だったと思います
わざわざ、そんな余計な事しなくても、って周りには思われていたでしょう

しかし、やっぱりアンリ氏には先見の明がありました

作ったワインは好調で、すぐに欧米各地へと出荷されるようになりました
そしてアンリ・グージュのワインはニュイサンジョルジュのみならず、ブルゴーニュでも有数のワインとして知名度を上げていきました。
現在は4代目のグレゴリーとアントワーヌの兄弟が持続可能な農業を基本にワイン生産を続けています。

アンリ氏はこんな方です ↓

histoire-henri-gouges-2-scaled.jpg
HPより、当時のレ・サンジョルジュのボトルも

如何にも土地の名士って感じですね



アンリ・グージュを語る時にはもう一つ、必ず言及されるであろう事があります
それは、
ピノ・グージュという突然変異の白ブドウです

アンリ・グージュ氏は畑を見回っていたある時に、ピノノワールの中に他と違った物があるのに気が付きました。
それは白いブドウで、ピノブランのようでしたが、その区画にだけある独自の物でした。
これが1930年の事で、彼はこのブドウをピノ・グージュと自分の名前を付けて栽培し始めました。
それから現在に至るまで、古木のブドウを残しながら、固有の品種としてピノ・グージュはアンリ・グージュで栽培され続けています

そのブドウを使って蔵で作っている白ワインは二つだけ、
ブルゴーニュ・ブランと、
1級のニュイサンジョルジュ・ペリエールです。
どちらもこのピノ・グージュを100%使用していますが、生産量が極めて少ないので最近では見る事も稀になって来ました。
見たら買った方がいいですよ

2018年2月にこの白ワインの紹介してます ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/456940746.html



さて、で、今日のワインのニュイサンジョルジュの畑ですが、
多くの方はヴォーヌロマネやシャンボル・ミュジニーの区画を覚えていても、ニュイサンジョルジュの区画が分かってる方は少数派ではないでしょうか

ニュイサンジョルジュはヴォーヌロマネの南に続いており、中心の集落の北にある谷を境にブドウ畑が二分されています。

こんな風です ↓

ニュイサンジョルジュ地図.png
ブルゴーニュワイン委員会より

細かすぎてこのままじゃ見えませんね
ここを参照してください ↓
https://bourgogne-maps.fr/pdf/denominations/29.pdf

北側がヴォーヌロマネに続く部分で斜面の上部中央が1級です。
(ブードはマルコンソールと地続きですが、それを知って買う人はあまり日本ではいないかな)

南側は半分がプレモー・プリセ村に属してますが、細長く続く畑で、同じく上部斜面に1級畑があります。
(プレモー・プリセ部分はほとんどが1級です)

繋がってない、ってとても珍しいです
しかも1級畑が41もあります


今日のワインの、クロデ・ポレ・サンジョルジュは南側のど真ん中にあります ↓

ニュイサンジョルジュ アンリ・グージュ地図.png
3.6haもある区画

これほどの区画を単独所有するって言うのは流石、ニュイサンジョルジュで早くから元詰めをしてるアンリ・グージュですね

かつてのニュイサンジョルジュは北部のコート・ド・ニュイでは大きな町で、オスピスがあったり行政的には1等地の中心部だったんです。
ここに居を構えるのは名誉な事だったでしょう
(今でもオスピス・ド・ニュイのワインオークションはあります、オスピス・ド・ボーヌほどではないですが大きなお祭りです)

因みに、ニュイサンジョルジュでは村名でも1級でも赤も白も生産が認められていますので、隣(上部)のペリエールの区画では先述のピノ・グージュので1級の白ワインが作られています。
(ペリエールはその名前「石」が意味する通り、昔の石切り場の跡にある畑でシトー派の修道士によって開墾された区画です)

クロ・デ・ポレ・サンジョルジュ(ただのレ・ポレ・サンジョルジュっていう畑が隣にあるのでややこしい)は、長熟で高貴なワインだそうですが、
わたくし、これは飲んだ事がありません
なのでよく分からない(すんません)

かつてのラヴェル博士にも言及された特筆すべきワインですが、どのくらい待てばいいのかなぁ…
アンリ・グージュのワインは、とても良い、っていう人と、難しくてよく分からない、っていう人がいるように思います
てんちょは正直、どっちとも言えなくて、そこまで沢山ちゃんと飲んでないからだろうなー
嫌な印象は全くありませんが。

このワインの含めて、白も何本か寝かせてあるんで、
しかるべき時が来たら一度に飲んでみたいと思います
8本くらいあるんじゃないかな。

今日のモノポールワインはたったの2本しかありません
値段は1万円と少し、高くはないですが、飲み頃については全くアドバイスできませんのであしからず。
待った方がいいでしょうね

緑のラベルが好きです









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2022年04月10日

このロゼじゃなかった


このところ、ブログ書けてませんでした
紹介したいワインが無いのと、まとまった時間がなくて。

もう夏の陽気な名古屋

花粉さえなければいい季節なのになぁ
今年の花粉は去年より辛い

フランスのブドウ畑の戦いは一応落ち着いたようです。
今の所は大打撃ではなさそうですが、それでも被害ゼロではないでしょう
雪や霜の次は、嵐だったそうで…
イタリアでも夏に干ばつ到来予測があるそうで、いいニュースがない

最近頻発してる地震といい、自然には抗えないものの、人為的な要因も無視できませんし



ブルゴーニュとシャンパーニュの品薄&値上がりにはみんなが過敏になってますねー
買えるうちに買っておけ
と言うのは、あながち大げさでもないのです
リリースしたての最初が一番安い、と言うのも本当です。



今日はこのワインを紹介します
ブルゴーニュでもシャンパーニュでもありませんが。

モルドレ3.jpg

モルドレ ラ・ルミーズ・ド・ラ・モルドレ2020

御覧の通り、ロゼワインです。

フランスのコート・デュ・ローヌの辛口です、グルナッシュオンリーと言いたいところですが違った。
グルナッシュ40%、マルスラン30%、メルロー30%
(作付けは、マルスランMarselan 35%、 Merlot 35% 、 Syrah 15%、 Grenache 15%ですので、年によってシラーが入る事もあるようです)

マルスラン、ここでも作ってるんだ(覚えてますか?)
マルセイランと書かれているワインもありますね

モルドレの名前が分かる方はどのくらいいらっしゃるでしょう?
ここでも多分数回は紹介してると思います

ローヌのロゼ、タヴェルの人気生産者です
グルナッシュで作られるフランスきっての正統派辛口ロゼガストロノミック・ロゼと言えばタヴェルを置いて他にありません

なので、今日のロゼもグルナッシュほとんどかと思いきや、違うんですね。
(タヴェルはAOCの規定により、ロゼのみ、グルナッシュを40%以上使用する事が義務付けられています)

白状しちゃいますと、
タヴェルを買ったつもりで注文間違えました

届いたワインが、あれ?なんか違う… と
まぁ、モルドレのお値打ちロゼだし、試す価値はある(と言い訳して自分を慰める)

タヴェルは南仏、アヴィニョンのすぐ北にある小さな村で、南部ローヌ(メリディオナル)で有名なシャトー・・ヌフ・デュ・パプやジゴンダスとは反対の、ローヌ河を挟んだ右岸にあります。

ここです ↓

タヴェル1.png
この縮尺だとボーム・ド・ヴニーズも入らないですねぇ

地理感が湧かない方にはこちら ↓

タヴェル.png
こうなるともう個別のAOCは見えませんが

モルドレはこの小さなタヴェルにドメーヌを構える家族経営の蔵です、まだ2代目の若いドメーヌですがその評判は大変高く、フランス国内でも有名レストランにオンリストされるような人気ワインを作っています
タヴェルだけでなく、リラックでもいいワインを作っていて、無名ワインの人気を作った功労者でもあります。

ラベルに描かれている鳥の絵からも分かるように、モルドレとは2本足ジビエの王者ベカス(やましぎ)のこの地方での呼び名だそうです

全くワインとは無関係の仕事をしていた創業者のフランシス・デュロームさんが奥様の土地でブドウ栽培を始めたのがきっかけですが、息子さんのクリストフさんもドメーヌ設立に伴って、お父さんと一緒に働いていた会社を退職、フランス国内、カリフォルニアなどに行って一からワイン作りを勉強したそうです。
ある日、父親が会社辞めてやった事もない農業を始めるって聞いたら、どーですか?
私なら反対するかなぁ、自分の父親ならなおさら素質なさそうだから。

当時、世界では全く無名だったリラックやタヴェル、小さな集落では除梗機や温度調節の出来るステンレスタンクすらどこにもなかったそうで、その導入第一号がここ、モルドレです
昔ながらの何となくのワインじゃなくて、明確に理想があったんでしょうね

アロマが豊かでクリアなワイン、酸味と果実味のバランスが取れたモダンなワインはすぐに人気になりました
最初はフランス国内よりも、海外(多分イギリス)で受けたそうです

栽培はビオの認証デメテルも取ってます。
こんな綺麗な畑 ↓

モルドレ.jpg
HPより、以下同様

モルドレ1.jpg

で、今日のワインですが、
ワインの格としては、ヴァン・ド・フランス=テーブルワインです、なので何も書いてない

それでも収量は5hl/ha、結構少な目です
完全除梗
軽めのロゼなんですが、アルコール度数は15度もあります

良ーく冷やして飲むのがおすすめです
因みに、ルミーズとは「割引」の事、お値打ちに飲めますよっていう意味ですかね。

えー、この偶然(と敢えて呼ぶ失敗)によりまして、この2000円以下のお手頃ロゼはただ今2本ございます

飲んでみたい方、買ってくれないかな〜











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2022年04月04日

ブドウ畑早春の戦い


今日の名古屋はやや暖かいかな


フランスのブドウ畑ではここ3日が勝負です

昨夜は(日本だと数時間前なんですが)、ブドウ畑恒例のストーブ出動です
シャンパーニュでも、シャブリでもボーヌでも、ロワールでも、ボルドーでも、フランス全土で危険な低温です

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どなたのか忘れましたがSNSより、以下同様

水を撒いて新芽を守る生産者もいます。
新芽を先に凍らせる事で霜害を防ぐそうです、マイナスにならないようにする措置ですね
ストーブはやっぱりCO2排出が良くないという意見もありますので ↓

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こちらはロワール、クーリー・デュティーユです ↓

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何とか無事に乗り切って欲しい
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2022年04月03日

セミナー満席になりました


寒い

昨日、フランスではランスやボーヌでも気温2度や4度で同じく寒い、しかも雪降ってました

がーん、ブドウの芽は大丈夫だろうか…


4月19日火曜のルイ・ジャドセミナーは満席になりました
申し込みいただきました皆様、ありがとうございます。
これ以降はキャンセル待ちになりますが、お店までお問い合わせ下さい

また明日〜
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2022年04月01日

ルイ・ジャドセミナーやります


今日から4月
Poisson d’Avril(フランスのエイプリルフール)ですが、特にユーモアないです


フランスではブドウの萌芽が始まっています ↓

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ニコラ・ロシニョールSNSより

こうなると心配なのが、です

ボルドーのテュヌヴァン氏(シャトー・ヴァランドローのオーナー)は畑に扇風機を準備 ↓

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SNSより
これで風を起こして、空気を混ぜる事で霜が降りないようにするんですって。




イベントページに、ルイジャド テイスティングセミナーの案内を載せました

一般の方はまず飲んだ事がないであろう、バレルサンプルが4つも出ます

バレルサンプルとは、現在樽で熟成中のワインで、瓶詰めして出荷される頃の味やポテンシャルを見込んで予約するために用意された物です。
未発売のワインなので、将来を予想して飲んでみるといいですよ

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↑ ジャド独自の1級ワイン、ボーヌ・プルミエクリュ オマージュ・オー・クリマ2015も出ます
(写真は2018ですが)

バッカスの周りにブレンドされている10のクリマ名が書いてあります。
あなたは何個分かりますか??
2015はもう売り切れていますので、これも貴重です

4月19日火曜日なので、すぐですが、是非皆様のご参加をお待ちしております

お問い合わせもお気軽にどうぞ〜





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