2022年05月30日

グルナッシュの洗練赤ワイン


今日も暑い名古屋は真夏日ですか
夜が涼しいといいんですけど。

先週、金曜日のマッツェイセミナーは試飲ワインがとてもいい経験になりました
 
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(ワインの写真なくてすんません)

やはり一度に飲むと理解が深まります
林さんのお話しも流石でした、現地秘話などあって楽しかったです

赤は、キャンティのラインナップとシエピ(メルローが多いのでキャンティを名乗れませんが同じ産地)を同時に飲んだわけですが、どれもかなり洗練されていて驚きました
しかし、どれもアルコール度数がほぼ15度あるので、酔うし、ちと疲れますが

グランセレツィオーネで、サンジョベーゼの36種類のクローンが入った、ヴィコレジオ36が個人的には好きですね

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外見は透明度が高くて、向こうが透けて見えるくらいなのに、飲み応えと凝縮感はしっかり、ぎっしり。
まだ若いですが、焼肉屋さんで飲むと最高な感じです
羊のアサードもいいね。

また次回、何か開催できますように頑張ります

座ってるだけなので、興味ある方は是非お一人でもご参加、歓迎いたします




今日は、このワインを紹介します
以前にも紹介した事ありますが。

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サンタ・デュック ジゴンダス レ・オート・ギャリーグ2013

この前まで2012でしたが完売で13年に変わりました
輸入元には既に16年まで入荷してるんだったかな。

エッチングの凝ったボトルもいいですね(ラベルが中心からずれておるのが残念ではある

この蔵は個人的にとても好きですし、思い入れがあります
20年以上前に生産者が来日してのセミナーに参加して、とてもいい勉強になりました
誠実に質問に向き合ってくれる方だったなぁ〜

当時の蔵のご当主は、イヴ・グラさんと言う方で
ジゴンダスの名を世界に広めた人物、と言われる程の功績があります
こんな方 ↓

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HPより

ワイナリーの設立は1874年と古いのですが、イヴさんのお父さんの代までは大手ネゴシアンにワインをバルク売りしていたので自社のワイン等モノがありませんでした。
それをイヴさん(5代目です)が蔵を引き継いだ1985年から元詰めに全て変更、自社ワインの誕生となったんです
今は息子さんのヴァンジャマンマンさん(6代目)も蔵の仕事に加わっています。

蔵を継いだイヴさんは、すぐに栽培をオーガニックに切り替えました。
それがブドウの質を上げ、テロワールを表現する上で非常に重要な事だと最初から分かっていたそうです

勤勉な畑仕事を通して出来たブドウを慎重に選別、目を離すことなく醸造されたワインはジゴンダスというアペラシオンを越えて、南部ローヌ全体でも目を見張るような素晴らしいワインになっていました

彼のワインはすぐに評判になり、それによってジゴンダスと言う産地が注目され、見直されたのです。
それまで、シャトー・ヌフ・デュ・パプの影に隠れていた小さな産地くらいにしか思われていなかったジゴンダスですが、
パプにも劣らぬフルボディで凝縮し、洗練されたワインが登場した事で世間の目が一気に変わったのは面白いですね

と、ジゴンダスの知名度向上にめちゃめちゃ功績があるサンタデュックです。

ジゴンダスのワインを語る時に、サンタ・デュックの名前が出て来ない事は絶対にない、と言うくらいこのアペラシオンでは中心、かつ重要な生産者なんです

彼は更に、ジゴンダスの中でもクリュ、という概念を導入し、特定の優れた区画のブドウはブレンドせずに単独のキュヴェとして販売する事も始めました

今ではどのアペラシオンでもクリュの考えが広まっていますが、当時はそういう取り組みをするのは、どこかよその「特別な高級産地だけの事」と思われていたんです。
今では他のドメーヌも増えて色々な区画がワインラベルに記載されるようになりました。
先見の明があるイヴさん、そして真摯な取り組みに脱帽です


ここで、ちょっと話を戻して、
そもそもジゴンダスとはどのような産地かお判りでしょうか??

ジゴンダスはコート・デュ・ローヌ南部にある村(アペラシオン)で、ローヌ川の左岸に位置しています ↓

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毎度のローヌワイン委員会より

モンミライユと言う高い山の麓にあり、北風を山が遮ってくれるお陰で雨が少なく、温暖な気候になっています
素晴らしい眺め ↓

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サンタ・デュックHPより 奥の山がモンミライユ

ジゴンダスという名称は、元は、コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュだったんですが、1971年に単独のアペラシオンとして独立しました。
ジゴンダスの名前で生産できるのは赤とロゼのみ、白ワインはありません

ブドウは、グルナッシュを50%以上使用する事、それ以外にはシラーまたはムールヴェドルをブレンドする事が義務付けられています。
ロゼが認められているものの、現在はほとんどが赤の生産です。

では、今日のワインに再び戻りまして。

レ・オート・ギャリーグという区画は創業以前から所有する重要な畑で、1852年に町議会の共同所有だった畑からこの区画が競売に掛けられたのですが、それをサンタ・デュックが取得して以来、6代に渡って引き継がれています
面積は2.8ha
深層にはモンミライユ山由来の石灰質がありますが、表面は赤土と砂質に砂利の混ざる土壌で、とても水はけがいいそうです。

ワインのセパージュは、グルナッシュ65%、ムールヴェドル35%

残念ながら広域の写真がないですが、これがそうです ↓

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HPより、樹齢の高いムールヴェドル

蔵の周辺はこんな感じ ↓

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このジゴンダス、ものすごく美味しいのですよ
グルナッシュでもシラーに負けないパワフルさがあります。

真っ黒な外観のフルボディで、強ーい味なんですが、香りの複雑さは素晴らしい
味も果実味とタンニンと酸がとてもバランスいい

香りが完璧に変化するまでもう2,3年という感じですが、今でもゆっくり飲めば十分楽しめます

流石のワインなのでお値段は一葉さん一人では足りません(諭吉さんなら余裕)
サンタ・デュックには、このレ・オート・ギャリーグ以外のジゴンダスもあって、それだとかなりお得です
是非一度は飲んでみて欲しい。

これの縦飲みを画策中
早くても年末ですね。










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2022年05月26日

マッツェイ予備知識


今日は曇りで時々雨らしい
梅雨っぽくなって来たかな??

コロナ感染者、本当に減りませんね…
愛知県もずーっと2000人越えてますし、激減しても良さそうなのに



明日はマッツェイセミナーです

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資料もワインも届きました
林さんのお話も楽しみ


簡単にマッツェイの予習をしましょう

トスカーナの名門一族であるマッツェイ家は、12世紀からワイン作りをしていた記録があり、現在のご当主フィリッポ・マッツェイさんで24代目と言う長〜い歴史がある御貴族様です

現在のキャンティのラベルには、1435年にカステッロ・ディ・フォンテルートリというシャトーを婚姻によって取得したことを表す紋章が使われています ↓

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なので、ワイン名もフォンテルートリとなっていますので少しややこしいかもしれません。

フォンテルートリというワイナリーをマッツェイ家が運営してる、と言う事です。

こんなお城、こじんまりした別荘みたい ↓

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HPより、元は要塞だったそう

1435年と言うと、日本では室町時代の真ん中辺りですね、応仁の乱の少し前。
その頃からワイン作りをしてるってすごい(もちろん実際に働くのは小作人や下僕たちです

現在、誰でも知っている「キャンティ」というワインの名前を最初に使い始めたのがこのマッツェイだそうで、公文書に残る記録では1398年に既に表記されていたらしい

更に、アメリカ大統領のトマス・ジェファーソン(3代)が就任前、ヨーロッパで大使を務めていた時に、マッツェイに依頼してアメリカ、ヴァージニア州でブドウを植樹した、と言う記録もあり、これがアメリカ大陸の最初のブドウ畑だと言われています
ジェファーソンの独立宣言「全ての人は平等である」と言う考えは、元はマッツェイの著作に登場する表現でこれに影響を受けて採用されたそうです。

逸話がいちいち、すごい

最近では、1997年に同じトスカーナでも海沿いのマレンマ地区にテヌータ・ディ・ベルグァルドというワイナリーを作っています
2003年にはシチリアへ進出、ジゾラというワイナリーを作り、
その後、ヴェネトでヴィラマルチェロというプロセッコを作るワリナリーを立ち上げ、4つのブランド持つ企業に成長しています。
(ここは元から大企業ですが)

流石の御貴族様で、トスカーナに650haもの土地を持ってるそうです
その内、ブドウ畑は117ha
(三桁の所有畑はすごいです

この広大な畑は5つの地区に分かれており、更にそれを120の区画に区切って管理しています。
お城とは別に最新の醸造所があり、清潔で近代的です ↓

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樽貯蔵庫

マッツェイではキャンティでこれほど長い歴史がある名門だけに、ブドウ栽培でも進んだ取り組みが行われています
当然、資金も潤沢なのですよ

畑では通常の3倍もの密植を行い、収穫を減らす工夫をしています。
サンジョベーゼのクローン改良や、DNAの分析、マッサールセレクションによる優良品種の選抜を経て、現在マッツェイでは36種類ものクローンがあるそうです

フォンテルートリではその36種類をブレンドした「ミックス36」「ヴィコレジオ36」という、非常に面白いワインを生産しています。

ヴィコレジオは明日の試飲にも出ます
キャンティ・クラシコ グラン・セレツィオーネですし期待できます

歴史と資金、情熱とプライドを持ったマッツェイ、作ってるワインもレベルが高い
フォンテルートリでは現在9つのワインを生産しています。

3つのキャンティ・クラシコ・グランセレツィオーネ
2つのキャンティ・クラシコ
4つのトスカーナTGP

これ以外にも、オリーヴオイルやグラッパ、なんと化粧品まで作っています

明日の試飲は集中して飲まないと、混乱するかもしれません
最初の二つのプロセッコと白ワインの後は、
4つ全部キャンティまたは同地域の赤ワインなので。
後から思い出せるように分類して、説明をよく聞いて下さい〜

集中ですよ











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2022年05月25日

生食用もあるんだそうな


今日も暑いです。
本格的な夏はまだこれからですが、名古屋の夏は本当に暑いのです


昨日はルイジャド シャブリ オンラインセミナーに参加しました

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醸造担当のフレデリック・バルニエさんのお話しがとても良かったです

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やはり話題の中心は温暖化です
対策や今後の予測など、色んな生産者が行ってる事をジャドでも工夫しています。

その中で、2000年以降のブルゴーニュ全体のヴィンテージを比較したグラフが再登場しまして、
改めて見て、非常に有用なグラフだと思ったので皆様にもご覧いただきたいです ↓

ブルゴーニュ ヴィンテージチャート.png

分かりますか?
セミナー等で見た事ある方もいらっしゃるかも。

各丸がヴィンテージで、上へ行くほど暑い年(HOT)で、右へ行くほど雨が多い年(WET)、を表しています。
そして各丸の大きさが収穫の大小を表しています。
縦横の黒線が平均で、この直線が交わる場所の丸が最も平均的であることを示しています。

重なってて見づらいかもしれませんが、これを見ると、
2013年は雨が多くて気温が上がらず、収穫も少ない事が分かります。
ダントツでダメですね
てんちょ、イメージとしては2008年が多雨のハズレ年と思ってますが、08年はデータの平均ではそこまでWETじゃないんですね
同じく01は雨が多くて、ドボン気味です。
(てんちょ、ハズレ年をドボンって呼んでます。因みにわたくしの生年は結構なドボンです)

反対に、
2020年は暑い(一番上にあるし2003年よりも暑い)ものの、収穫は多くて(丸が大きい)、パワフルな個性が期待できそうです。
概ね、酸が温存できたので極端な骨太な作りではないようで、そこは安心

2021年は平均に近い古典的な年ですが、思ったより収穫が少なくない(丸が大きめ)のが驚きかもしれません。
これは北から南までブルゴーニュ全体の平均なので、コートドールではやはり収穫は激減しています

と、こんな感じでヴィンテージを比較して、分析できます
まぁ、普通の人には要らないかなぁ…




と、前置きが長くなりましたが、
今日はこのワインを紹介します

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マルク・デシャン プイイ・シュル・ロワール2020

このワイン、知ってそうで意外と知らない、と思うんですがいかがでしょう??

名前の通り、フランス、ロワール地方の辛口白ワインです
が、セパージュが独特なのです

今日のワインは、シャスラ100%です

プイイ・シュル・ロワールというワインは、ロワール川流域に4つに分かれてあるワイン産地の中では最も上流の、サントル・ニヴェルネと言う地区で作られています。
サンセールが有名ですね。

サンセールの対岸にあるプイイ・ヒュメと同じ産地で、
ソーヴィニヨンブランで作るとプイイ・ヒュメ
シャスラで作るとプイイ・シュル・ロワール
と名前が変わります
いずれも辛口の白のみに認められたAOCです。

知ってました?

ここです(地図の一番右の赤い丸) ↓

ロワール.png
ロワールワイン委員会より


このプイイ・ヒュメの産地は、全体で1739haあり、ロワール川の右岸にあります。

プイイ・シュル・ロワール(地名です)
サンタンドラン
トラシ―・シュル・ロワール
ガルシー
メヴ・シュル・ロワール
サン・ローラン
サン・マルタン・シュル・ノアン

の7つの村が含まれる地区がプイイ・ヒュメ(プイイ・シュル・ロワール)となるのです
ここまで知ってる人はまずいないだろうなぁ

パリに近く、多くの需要があったこの地区の白ワインは、鉄道の開通で盛んに消費されましたが、フィロキセラ害で衰退し、今では限定的な産地となっています

この地区で何故シャスラが栽培されているのかには、どこにも言及がないなぁ…

フレッシュで繊細なシャスラ、ブドウ全体の標準木でもあるんですよ
モンペリエの国立ブドウ研究所では、様々な品種が交配・研究されていますが、
「芽吹きの時期」
「開花の時期」
「ヴェレゾンの時期」
などは、全てシャスラと比較して○○日早い(または遅い)という表記がされます

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WIKIより

シャスラと言うブドウは、スイス西部原産で現地ではフォンダンと呼ばれています。
ドイツではグートエーデルと言う名前で呼ばれ、バーデンで広く栽培されています


今日の生産者、マルク・デシャンはプイイ・シュル・ロワールに蔵を構える生産者で、19歳から働いていた蔵の後継者がいなかったことから1991年にドメーヌを引き継ぎ、今に至ります
その後畑を徐々に増やし、10haを所有しています。
HPないなぁ

こんな方 ↓

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輸入元HPより、いい景色

栽培はサステイナブル農法、ワイン評価本のギ・ド・アシェットにも良く載っている優良生産者です

シャスラの白を店頭に置きたくて、これ買ってみました
まだ飲んでいないので香りも味も分かりませんが

ソーヴィニヨンブランの様な青さはない、フローラルなアロマだそうですが。
どーかな??

店頭にあるサヴォワのシャスラが魚向きのスッキリなので、柔らかさや厚みのあるシャスラが欲しかったのです
価格は妥当、2280円税込

因みにこれが店頭のサヴォワのシャスラ ↓

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シャスラは少ない(スイスワインはほとんど輸入がない)ので、色々飲んだ事ある方は少ないでしょう
夏向きだろうか、冷やして飲んでみてください〜

トルコでは生食用のシャスラがあるんだそうな
食べてみたい









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2022年05月23日

バターとクリームでリッチに飲む


暑い〜
いきなり夏になりましたね、これから梅雨もあるのに。


昨日、業界のニュースで知ったんですが、

アルザスについにピノノワールのグランクリュが出来る

そうです
でもね、フルシュテンタムじゃないのです
(まぁ、あそこはグランクリュがひしめく一等地で白の評価が絶対なので)

グランクリュになるのは、
ヘングストHengst
キルヒベルク・ド・バールKirchberg de Barr

の二つ。

ヘングストはコルマールのすぐ隣、南西にあるヴィンツェンハイムにある区画です

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アルザスワイン委員会HPより、以下も同様

区画名は「雄馬」という意味。
泥灰土の土壌で、どっしりしたボリュームのあるワインが出来るそうで、名前のイメージ通り

アルザスワイン委員会のHPでも、
「このテロワールでは数十年前からピノ・ノワール(3.5%)が、力強く、複雑で、しっかりとしたストラクチュアの偉大な赤ワインを生み出しています。」
と言う表記がありますので、ピノノワールの特級認定も納得なのでしょう。
…飲んだ事ありませんが


もう一つのキルヒベルグ・ド・バールは、ストラスブールとコルマールの間の北よりにある集落です。
クレイデンヴァイスのアンドローが近い。
アルザス・グランクリュの中では北半分(バ・ラン県)に位置しています。

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(この360度ヴュー、めちゃくちゃいいですね
アルザスワイン委員会のサイトは日本語なので、アルザスワインを調べるにはまずここだ

キルヒベルグのワインはしっかりした酸が特徴で、それに支えられた堅牢な骨格が長熟を保証し、若いうちは清涼感をもたらします。
熟成向きのグランクリュらしい。
特にピノノワールには言及がありませんが、何か特別な理由があるからグランクリュになれたんでしょう。
(たとえそれが政治的な背景でも)

市場に出るのはまだ先ですが、そう言えば、アルザスの「1級畑」もどうなったんだろう…



と言う事で、アルザスワインを紹介すべきところかもしれませんが、今日はこのワインを紹介します

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フランソワ・ミクルスキ ブルゴーニュ・コートドール・ブラン2019

フランス、ブルゴーニュの白ワインです
シャルドネ100%の辛口

この人気ドメーヌはご存知の方が多いでしょう
蔵の歴史はまだそれほどではありませんが、名門の家系で一族のドメーヌを継承するフランソワ氏。

彼はミクルスキの名前から分かる通り、父方がポーランド出身です。
ドイツかと思ったら違った。

母方の叔父がムルソーのピエール・ボワイヨ氏で、若い内にヴィニョロンになるつもりでボーヌの醸造学校を卒業後、カリフォルニアのカレラで修業しました
84年にムルソーに戻り、叔父の蔵を手伝いますが91年に叔父さんが引退する事になり、ドメーヌを引き継いでフランソワ・ミクルスキと改名したのが始まりです

樹齢の高い、管理された畑を引き継ぐことで優れたワインを生産できた彼は、すぐに優良生産者の仲間入りを果たし、ワインは世界中で人気になります
彗星の様な登場ですね。

現在はムルソーを中心に8haを所有、だからあまり沢山作れず、最近はかなり品薄続きです

こんな方 ↓

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HPより

90年代のラベルが好きだった方もいるのではないでしょうか?
てんちょ、そうです
緑と紫の幻想的なデザインで素敵でしたが、デザイナーとの契約の関係で現在は使えないそうです

その後は今日の様なシンプルなラベルになっています。
これはこれでいいけれど

やはりムルソーの作り手なのでムルソーに定評があるミクルスキですが、今日のシャルドネにもムルソ―や周辺のブドウが贅沢に使用されています

村名区画だけではありませんが、それに近い場所のブドウだけを使っているので自ずと「ミニ・ムルソー」な味になっていて、非常にお買い得です
樽で10ヶ月熟成していますので、香りとコクがはっきり分かります

香りが調和するまでもう少し待つと最高でしょうが、今飲んでも早すぎる感じはしないのが最近のブルゴーニュです

2019年は18年と同様に暑い年で、成長も収穫も早めでした。
開花の時期に気候が荒れたために収穫は少な目、しかし採れたブドウの質は高い、というここ何年かと似た状況になっています。

暑さで熟したブドウですが酒石酸の含有が高く、これが高貴さや爽やかさを保ってくれたおかげで、バランスの取れた良いワインになりました
大きめのグラスでゆっくり飲むのがおすすめです。

クリーム煮やバターをたくさん使ったムニエルやコートレットなどがよく合います
余韻の相乗はそれは素晴らしいでしょう

ほんとは、夏より冬の方が美味しいワインなんですが
冷やし過ぎない方がオススメです。
これが一葉さんでおつりが来る、お買い得です

元々少ない上に、日本向けの出荷の減っているようで増々入手困難になって来ました。
輸入元では上級クラスも全て完売。
貴重なデイリーワインです。

今買って冬まで置いておこう〜






posted by cave MITSUKURA at 18:17| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月22日

夏の白 フランス編


夏の陽気になって来ました
まだ梅雨がありますけど。

フランス、ブルゴーニュでは早くもブドウが開花しています

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MミュニュレSNSより

2000年ちょっとまでは、開花は6月の中旬から下旬が平均でしたので、もはや1ヶ月は早まっています。
ハングタイム(ブドウは開花から収穫までおよそ100日、この期間を言います)を考えると収穫は早いと8月??
このままなら9月収穫は必至です


ところで、日本はコロナ感染者が減りませんねぇ
愛知県もずーっと2000人あたりをウロウロしてます。
一時の一桁が??ってくらい、「数字は作れるもの」なんでしょうか

それでも政府は観光客の受け入れを拡大するようですし、てんちょも早くフランス行きたいなぁ(スペインでもいいな)



今日は暑いです
冷たい白ワインやスパークリングが飲みたいです

冷やして美味しいワインと言えば、
この前、ルイ・ジャドのブーズロンが美味しいというお話をお客様から聞きまして、

そうだブーズロン会やろう
って俄かに思いました

色んなブーズロン集めて飲み比べしよう
アリゴテ万歳

ブーズロンはブルゴーニュの中南部にある地域、コート・シャロネーズの北端にあるアペラシオン(産地)です。
コート・シャロネーズはコート・ド・ボーヌの南に続く地区ですが、サントネイやマランジェが西側に曲がっているので、
シャサーニュ・モンラッシェから真南に行ったらブーズロンというイメージです

こんな感じ ↓

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ブルゴーニュワイン委員会より

赤い矢印がブーズロンの村です。
村のブドウ畑の詳細はこうです ↓

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同上

ブーズロンの名前はアリゴテ100%の辛口の白ワインにしか付けられません
アリゴテのみが名乗るAOCはブルゴーニュ全体でもここだけ
ブルゴーニュ全体の僅か6%程度の生産ですが、今後は増えていきそうです。

元は広域名の「ブルゴーニュ・アリゴテ」に特定の村名を付けて名乗る「ブルゴーニュ・アリゴテ・ブーズロン」だったんですが、
1997年に単独のAOCとして村名に昇格されました

それには、DRCのオーナーのヴィレーヌ氏が持つドメーヌ・ド・ヴィレーヌ(元はA・P・ド・ヴィレーヌ)の功績が大きく影響しています。
今でもブーズロンを代表するワインと言えば、ヴィレーヌ、と言う事に異論がある人はまずいないでしょう
(所在地はリュリーですが)

ミツクラの店頭には現在置いてあるブーズロンはヴィレーヌだけです

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いつ飲んでも美味しい。

てんちょはアリゴテ好きなのでもっと置きたいけど

近年の温暖化で酸が豊富で清涼感がある事から、アリゴテの価値はとても見直されています
多くのドメーヌがレジョナルのアリゴテを作り始めていますし、優秀なドメーヌのアリゴテはやはり美味しいので市場の認知も高まっています。

どうせなら評価の高い生産者がいいけど、ブルゴーニュワイン委員会の一覧では知らない生産者も多い…
レジョナルじゃない、村名ブーズロンがいい。

んー、ちょっと頑張ってみよう
夏―って感じで冷え冷えを飲みたい













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2022年05月21日

パカレ、メオ、ラマルシュどれがいい?


もう仕入する余裕ないんですけど、次々割り当てのレアワインの案内が来るー

…無い袖を振って買うしかない


パカレ2020白も来たけど全然、数がない

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全体の入荷本数を見て「ダメだこりゃ」って思いました
(因みにブルゴーニュ・ルージュ2020は希望本数を大きく下回って既に完売)

パカレラマルシュカミュゼも少ないながら普通に販売してますので買いに来てね
ただねぇ、値上がりしてますので覚悟してください

6月頭にはプリューレ・ロック2019も来ます
数少ないです



何かワインを紹介したいと思っていたのに時間切れでまた明日〜





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2022年05月18日

夏向き島のお酒 


結局大した雨は降らずの名古屋です。
今日は暑い


暗黒時代に突入して久しいブルゴーニュとシャンパーニュですが、やはり今後も状況は一層悪くなりそうです

ニコラ・ラマルシュ
メオ・カミュゼ


の入荷割り当てが来たんですが、
少なすぎる…



今日はこのワインを紹介します

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アッツェイ IGPサルデーニャ サーラガト ヴェルメンティーノ・イゾラ・ド・ヌラーギ2020

名前長い

今日のワインはイタリア、サルデーニャの白ワインです
辛口。

背が低いボトル(容量は同じ750ミリ)に可愛いラベル

サルデーニャ島は、ティレニア海の島でフランス領のコルシカ島の南に位置しています。
面積はシチリア島の方が大きい。

アッツェイは中西部のオリスターノにあります
ここ ↓

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アッツェイはこのブログでも何度か紹介しております、イタリアの巨大ワイングループファンティーニの新しいブランドです

アブルッツォ
トスカーナ
カンパーニア
バジリカータ
プーリア
シチリアとワイナリーを作って、
ついにサルデーニャにも進出です

現在は自社畑ではなく、契約農家からブドウを買っているそうですが、樹齢の高いブドウを面積当たりの価格で契約して高値で買い取る事で、不作であっても同じ収入が保証され、地元の農家の支援にもなるし、自分達も質の高いブドウを得られる(金額を稼ぐために多く作ろうとするのを防げる)と言う利点があります

ブドウは同じ地区の物ばかりでなく、離れた場所の異なる品種を色々買い付ける事で、異なる個性が重なり合った複雑なワインになるそうです

雨が少なく乾燥したサルデーニャの気候の元、砂質の畑ではフィロキセラがおらず、ブドウ樹は自根のままです

容赦ない太陽に晒される昼間の過酷な暑さですが、樹齢の高いブドウ樹は根をよく張っており、暑さにも順応してるそうです。
また、夜には気温が10度くらいに下がる事で昼間の養分を使うことなくブドウに蓄えることが出来ます
日較差が大きいのは利点です。

暑い土地でいいワインを作る=いいブドウを得るには夜の気温低下が必須条件です

今日のワインの長いワイン名の内、サーラガトはこの島独特の名字だそうで、栽培家のお名前でしょうか??
他にも赤ワインの「アル」、そもそものワイナリー名「アッツェイ」も同じく、土着の名前だそうです。

イソラ・デ・ヌラーギとは「石塔の島」とでも言うんでしょうか。
ヌラーギと言うのは、サルデーニャ島で見られる遺跡で、石を高く積み上げた建造物で紀元前2000年程から1500年に渡って作られていたそうです。
こんなの ↓

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WIKIより

地中海にはマルタやアゾレス等、巨石文明の遺跡がありますねー、いつか行ってみたい

HPにまだアッツェイの記載がなくて、畑や風景の紹介できる写真がないのが残念

で、
ヴェルメンティーノと言う、よく聞くブドウですが、これはサルデーニャ島やコルシカ島等、ティレニア海の沿岸で広く栽培されている品種ですが、元はスペイン産です

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ロールrolle(フランス南部)、ピガートpigato(リグーリア)、ファヴォリータfavorita(ピエモンテ)等の別名で呼ばれる地域もあります。
シノニム、聞いた事ありますか?

ヴェルメンティーノは果皮が薄く、繊細で柔らかい口当たりになりますが、アッツェイのヴェルメンティーノの畑は海風を受ける場所にある為に塩の風味が載った、ミネラル分の感じられる複雑な香りがします

黄桃やマンゴーの様な南方系のフルーツのイメージですが、しっかりしたもありそれが清涼感を助けています
酸は重要です。

香りが複雑なのがいいですね、味わいは軽め、よく冷やした方が美味しいです。
樽は無し、ですが、ステンレスタンクでバトナ―ジュ(かき回す事)してますので、コクが出ています。

イタリア料理にはもちろん相性いいでしょう、魚貝には特に、サルデーニャ島の特産ボッタルガにも良さそうです

価格も非常に手頃です
野口君二人でおつりが来ます。

夏らしい、爽やかな辛口ワインですが、深みもあって甘い香りが魅力です
昼から飲んだらさぞ楽しかろー





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2022年05月15日

缶ワイン進化系


昨日も今日も雨は降らず
雨続きかと思っていたので意外。

もう5月も半ばですね
早いなぁ〜



Facebookで紹介しました、
デコイ セルツァー ロゼ&ブラックチェリー

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美味しいです
チェリーの甘い香りがしますけど、味はスッキリした辛口です。

少し前の缶くさいワインとは全然違います
缶ワインもレベルアップしていますね

持ち運びやゴミ捨てが簡単なので、アウトドアやBBQにも最適です

このデコイの缶ワイン、実は4種類あるんです ↓

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店頭にはロゼだけしかありませんが
綺麗なピンク色も好きです。

写真左から、

ロゼ+ブラックチェリー(店頭にあるのはこれ)
シャルドネ+クレメンタイン・オレンジ
シャルドネ+レモン&ジンジャー
ソーヴィニヨンブラン+ライム

セルツァーってあまり聞いた事ないですよね?
てんちょ、初耳です

アメリカ西海岸で流行ってるらしい飲み物で、Hard Seltzer=ハード・セルツァーと言うみたい

サトウキビを発酵させたお酒をベースに炭酸で割ったもので、フルーツやハーブの風味を付けた飲み物を差すそうです
元のアルコールは蒸留はしてないらしい。
ただの「セルツァー」だとノンアル炭酸飲料を差すのに対して、「ハード(アルコールの事)」なのでお酒って事になります

流行っている理由に、
低アルコール(概ね5%程度)
低カロリー(デコイで1缶当たり80キロカロリー)
があるそうで、若者に人気なのはそういう理由も大きい様です

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HPより

デコイも、
グルテンフリー
糖分無添加

を謳ってます

アメリカの健康志向はアルコール販売にも大きな影響力を持ってるんですねぇ

手軽に飲めるので一度買ってみてちょ







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2022年05月13日

村ごとの独自性を生かすワイン


雨続きですね
やっぱり雨が降ってると静かだわ

色々とワイン入荷しています。

フランソワ・ミエ2019が再入荷しました

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各2本です(レジョナルだけ4本)。
フランソワ・ミエさんはヴォギュエの醸造長さんです、二人の息子さんと自宅の醸造設備でネゴシアンを始めました。

2019で3つ目のヴィンテージです

これまでの経験と人脈が活かされてるであろう、貴重なブルゴーニュです
てんちょ、まだ飲んだ事なくて(生産が元々少ない上に入荷も少ないので)、ヴォギュエと比べてどうでしょうか??


ミッシェル・グロ ヴォーヌロマネ1erクロ・デ・レア2019 160周年復刻ラベルも入荷しました ↓

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こちらは他の2019との5本セット販売のみ。
グロ家がクロ・デ・レアを取得した1859年から160年になるのを記念した特別ラベルです
かなり限定です
2009年の150周年を覚えてる方もいると思います



今日はこのワインを紹介します

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デヘサ・ガゴ2020

ホントはg(ガゴ)が買いたかったのですが、売り切れでこちらになった

今日のワインはスペイン、トロの赤ワインです
ブドウはティンタ・デ・トロ(テンプラニーリョ)100%

トロはここ ↓

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この縮尺で分からない人はないよね

…HPの住所にワイナリー表示がないねぇ


作っているのは、スペインの若手醸造家として活躍するテルモ・ロドリゲス氏です
この方、とても有名なので知ってる方も多いと思います。

てんちょは今日のガゴで初めて知ったかなぁ、20年以上前だね
その頃はシルシオンとか、アルバロ・パラシオスとか新しいワインの話題が次々出ていたスペイン。
輸出向けの世界標準で作られたレベルの高いモダンワインがどんどん出て流行ってました。

最近はスペインらしさを持ったワインがより尊重されるようになっています
固有の品種、土地のやり方、って言うのは大事ですね

で、テルモ・ロドリゲスさんは、
リオハの名門ワイナリーのレメリュリに生まれたおぼっちゃまです
若い頃は蔵を継ぐべく、ボルドー大の醸造学科を出てメドックのコスやローヌのシャ―ヴで修業。
1989年に実家に戻ったんですが、ワイン作りの意見が父親と対立して、彼は94年に家を出てしまいます

新しい世界を見てきた息子、これまでのやり方を変えない父親、二人が衝突するのはよくある話。

家を出た彼はボルドー大の同級生でやはり優れた醸造家のパブ・エクズギサ氏と一緒に自分のワイナリーを立ち上げます
こんなお二人 ↓

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HPより

その頃のスペインはカベルネやソーヴィニヨンブラン等国際品種を植えるのが流行していて、ブドウ畑ではスペイン固有の品種からそうした国際品種への植え替えが急速に進んでいました。
このままではスペインの伝統が潰えてしまうのを心配した彼らはナバーラ近郊で古木のガルナッチャの畑を見つけます。
この畑が最初のワインを生んだ場所になります

当時のスペインでは、安いワインはマズイ、と思われていて、値の張るカベルネやメルローを買うのが確実に美味しいワインを飲む秘訣だと考えられていました。
テンプラニーリョやガルナッチャの安価なワインでは美味しくならない、と言うのが市場の常識だったんです。

二人はそんな思い込みを払拭すべく、土着の品種で低価格でも美味しいワインが作れることを証明しようと、ガルナッチャで凝縮したワインを作って売り出すと、途端にワインは評判になり、スペイン国内よりも輸出市場で盛んに販売されるようになりました

この成功を弾みに、翌年の95年にはリベラ・デル・デュエロ、96年にはルエダとマラガ、更に98年に今日のトロへと進出します
(同年に故郷のリオハへも戻り、ワイナリーを作っています)
伝統品種を使い、細かな区画ごとの個性を生かしたワインを作るのには、当時のスペインのワイン法は対応できておらず、今になってようやく時代が追い付いてきた感があります。

トロでは樹齢が古いティンタ・デ・トロが残っており、接ぎ木なしの全て株仕立てと言う伝統的な畑を入手し、デヘサ・ガゴを作りました
今では8軒の栽培農家と協力してブドウを得ています。

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確かにかなり樹齢高そう

彼らは地元のブドウ農家と協力する事で、伝統を絶やさず地域が発展するようにワイン作りで貢献しているんですね。
こうした事が実際に出来る人ってそうはいない、行動力・センス・人的魅力、色んなものが備わってるんだろうな、ロドリゲスさん達

目を引くラベルのガゴはグラフィックデザイナーと共同で製作したそうです。
黒地にただ「g」と書いてあるだけのラベル、シンプルですがインパクトあっていいですね

アレハンドロ・フェルナンデス(ペスケラの生産者)にもデヘサ・ラ・グランハというワインがありますが、デヘサとは牧歌的なカスティーリャの田舎の風景を差すそうです
こんな風景かな ↓

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HPより、如何にもカスティーリャの乾燥した土地ですね


彼らの挑戦はずーっと続き、
今ではスペイン国内に合計80ha、335か所の区画を所有、43種の伝統品種を育てています

あちこちに…
地元の農家さんと共同でやってる畑も多いんだろうけど、それでもめっちゃ忙しいんじゃない??
これを「エキサイティングな旅の成果」とサラッと言えるのはかっこいいですね(HP)



今日のワインは、中々しっかり目のフルボディ、スペインらしいドライな香りが特徴的です
しっとりした感じよりも、さらっとごつっとしたイメージです。

緻密で細やかですが、全体としては骨太でアルコール度数はやっぱり14%もあります
飲んで胃
(醸造は樽なしなので、一層ブドウの凝縮感が伝わります)

岩塩をまぶした羊のアサード(炭焼き)にはとても良く合いそうです

価格も魅力的です
このリッチな内容で2200円税込

素晴らしい、試す価値ありあり
テンプラニーリョ好きな方には是非、甘い香りばかりが支配的とは言えませんがスペインの伝統を感じられる良いワインです

スペイン行きたくなってきた〜















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2022年05月11日

今週サボり


ちょっとだけ忙しくてブログは多分金曜まで休みます
ごめんなすって。

新しいワイン来た来た、ブルゴーニュと高額ワインはネットショップに載せました
それ以外の注目ワインはまた金曜に(予定だけ

明日からまた雨ですねぇ
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2022年05月07日

夏の午後にはこれだ


気温が上がった名古屋、昼間は半袖で十分な陽気です



カーヴミツクラは名古屋プレミアム付き商品券の利用可能店舗になっています

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公式HPより

10000円で13000円分の利用が出来ます
3000円もお得

名古屋市に在住の方が対象なので、市外の方には申し訳ありません。
ただ今申し込み受付中で、応募過多の場合は抽選になるそうです。
ご利用は6月23日から



ワインの木箱も残り少なくなってきました
やっぱり欲しいと言ってくれる方は多いですね
沢山売れました。



さて、今日はこのワインを紹介します

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リベルタス シュナンブラン2019

2年くらい前にこれの赤を紹介したはず
今日のは白ワインです。

シュナンブランと言うブドウがフランス、ロワール地方で広く栽培されている事はご存知の方が多いでしょうか

百面相ブドウ=シュナンブラン、と、てんちょは思ってます

エクストラブリュットのペティアン(クレマンよりもやや気圧が低い発泡ワイン)から、極甘口の貴腐ワインまで様々なワインがあるシュナンブラン
ロワール川の河口に近いアンジュー地区のサヴィニエール、トゥールの近郊=トゥーレーヌ地区ののヴーヴレイが代表的なAOCです。
(でも、多分全く同じシュナンブランじゃないはず、見た目も味も全然違うのです)

フランス以外の産地と言うと、最初に名前が挙がるのが南アフリカ共和国です

そうなんです、今日のワインは南アの辛口白ワインです

南アで栽培されてるブドウで最も多いのがシュナンブランで、その面積はロワール地方の2倍もあるんです
世界一の生産地なんです

有資格者は絶対覚えたであろうシノニム(同ブドウの異名)でもシュナンブランはお馴染みですね
南アでは古く、シュナンブランはスティーンと言う名前で通っていました
ですが、今では世界的に通用するシュナンブランと言う表記がほとんどです。

リベルタスを生産するディスティル社は老舗のワイナリーと酒造会社が合併してできた巨大企業です。
今日のリベルタスもそうですが、お手頃価格のネダバーグを作ってる会社です。

リベルタスのシュナンブラン、軽めの辛口で夏向けのいい感じだったんですが…

終売になっちゃいました

最後の在庫を超特価で仕入れましたので、
希望小売価格1078円税込のところ、店頭では2本で1200円税込で販売しています

(偶数買いが条件ですが)1本600円

休日のお昼から飲むのにぴったりです
良く冷やしてください

温度が高いと優しい甘さが感じられますが、酸味が控えめなのでこれからは特に冷えてた方が美味しいと思います
ソーヴィニヨンブランの青い味わいが苦手な方には是非

超お値打ちなので、あまり多くを求めないでね

シュナンブランの酸よりも柔らかさを感じられる辛口です
家飲みに是非〜
まだ30本くらいあります





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2022年05月06日

アルバイト募集


今日は仕事、と言う方も多いでしょうか?
でもまた明日お休みですもんね。

今年のGWはようやくお出かけが許されるようになって、久しぶりの海外旅行や帰省のニュースなど見てました
次は夏休みまで無事でいられますように。


イベントページにアルバイト募集の案内を載せました

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詳しくは面接で説明しますが、

週に1日でもOK(できれば日曜または月曜)
ワインの知識なくても全く構いません


車で配達してもらいますので普通免許は必要です

小さいお店ですし、個人の適性や相性もあるかと思いますので、試用期間は設けております(3ヶ月)
5月後半か6月から勤務開始していただければちょうどいいですが、多少は都合に合わせる事もできます。

ご紹介もお願いします
応募はメールで。
info@cave-mitsukura.com
まで。











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2022年05月04日

元は同じ 今は別


GW後半は快晴続きでお出かけ日和ですね

もう5月かぁ…
暑くなるのはもう少し先でいいんですけど

ここんとこブログ書いてませんでした
書こうと思う日(だけ)が忙しかったりして…



5月は新入荷もありますので、順次ご紹介していきます
今日はこちら。

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シャトー・レ・カルム・オーブリオン2019

このワイン、ご存知でしょうか?
アレと間違えてる方、多そうだな

今日のワインは、名前から想像できる通り、ボルドー、グラーヴ地区の赤ワインです
AOCはペサック・レオニャン

ペサック・レオニャンで最も著名&高額なワインと言えば、シャトー・オーブリオンですが
今日のワインは、オーブリオンの名前がついてるものの、別シャトーです

因みに、オーブリオンのセカンドワインは昔、バアン・オーブリオン、今、クラランス・ド・オーブリオンです。
今日のワインをオーブリオンのセカンドまたはサードだと思った方もいるかも
「あれ?、オーブリオンって新しくこんなの作り始めたんだ」みたいな ←違います

そうは言うものの、名前になっている通り、オーブリオンと全く無関係という訳でもないんです

このシャトーは先述のシャトー・オーブリオン、隣のラ・ミッション・オーブリオンの真向かいにあり、
大昔には畑の一部がオーブリオンの所有だった事もある由緒正しい一等地のシャトーです

フランス革命までは200年程の間、修道院の所有だった記録がありますが、これは1584年にシャトー・オーブリオンの領主だったジャン・ド・ポンタック氏がブドウ畑の一部を寄進した事によるものです。

フランス革命で市井に売りに出されたシャトーはレオン・コランが購入、その子孫が営むネゴシアンのシャンテカイユによって長らく所有されていましたが、2010年にボルドーで不動産業を営むパトリス・ピチェ氏が買収し、新しいオーナーとなり現在に至ります

ピチェ氏は元々、カルム・オーブリオンのご近所に住んでいて、いつも散歩しながらシャトーを眺めていたそうです
現在あるシャトーと呼ばれるシェは19世紀になってから建造されたもので、所有畑も10haととても小さなシャトーです。

こんな可愛らしいシャトーです ↓

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HPより、以下同様

ここのブドウ畑は、ペサック・レオニャンでも一番北にあり、一部がボルドー市にかかっているので、
「ボルドー市内にある唯一のブドウ畑」と言われることも多く、塀に囲まれた「クロ」として古くから評価されてきた上級区画です

場所はここ ↓

レ・カルム・オーブリオン.png
市街地だね

もう少し引くとこうです ↓

レ・カルム・オーブリオン1.png

分かりますか?

そして、潤沢な資本がある不動産業者さんだけあって、買ってからの改革がすごい
歴史に敬意を払いつつもレ・カルム・オーブリオンでは、ブドウ畑を整備し直し、醸造所も新しくしたり、巨額を投じて変革を進めています。
コンクリートタンクは1つ1つがアーティストの作品になっています(権利の関係で載せられませんが、なんかすごい)
3階構造の醸造所で、とっても近代的です

作付けは、カベルネフラン39%、カベルネソーヴィニョン20%は正面の区画で、少し離れた場所でメルロー41%となっています
2011年から今のラベルになっていますね。

今日の2019は、一部全房発酵で、コンクリート発酵槽と木製発酵槽、ステンレスタンクを併用、84%新樽で18〜24ヶ月熟成のフルボディです
ここも、コンサルタントはステファン・ドゥルノンクールさん。
(流石にお歳を召したかな、忙しいだろうなぁ、一体いくつのシャトーの面倒を見てるんだ)

見学ツアーもありますね、行ってみたい
メリニャック(空港があります)からも近いので、到着した翌日一番の訪問にも良いかも

てんちょ、まだこれ飲んだ事ありません。
フルボディだけにまだ早いでしょうけど、意外とそこまで待たずに早くから飲めたりするかも(最近はみんなそうだ)

5大シャトーみたいなお値段ではありませんが、希少ワインなので(10haで年産25000本程度、少ない)価格は少しお高めです
諭吉さんが2人。

カーヴミツクラのネットショップからも購入可能です ↓
https://cavemitsukura.com/product/%e3%82%b7%e3%83%a3%e3%83%88%e3%83%bc%e3%83%bb%e3%83%ac%e3%83%bb%e3%82%ab%e3%83%ab%e3%83%a0%e3%83%bb%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%96%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%b32019/

うちのネットショップ、あるって知らない方の方が多いと思うんですが
宣伝してないしね…しかも何回かサイト変えてるし

全てのワインが掲載されてる訳ではありませんが、在庫確認にも使えます
なるべくまめに更新していますけど、たまに売り切れを反映できてなかったりしますので、どうかお許しくだされ。

ペサック・レオニャンのワインだと白の方に目がいきますけど、オーブリオン関連ならば赤もいいですね
6本しかありませんが、興味ある方是非〜














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