2022年05月30日

グルナッシュの洗練赤ワイン


今日も暑い名古屋は真夏日ですか
夜が涼しいといいんですけど。

先週、金曜日のマッツェイセミナーは試飲ワインがとてもいい経験になりました
 
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(ワインの写真なくてすんません)

やはり一度に飲むと理解が深まります
林さんのお話しも流石でした、現地秘話などあって楽しかったです

赤は、キャンティのラインナップとシエピ(メルローが多いのでキャンティを名乗れませんが同じ産地)を同時に飲んだわけですが、どれもかなり洗練されていて驚きました
しかし、どれもアルコール度数がほぼ15度あるので、酔うし、ちと疲れますが

グランセレツィオーネで、サンジョベーゼの36種類のクローンが入った、ヴィコレジオ36が個人的には好きですね

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外見は透明度が高くて、向こうが透けて見えるくらいなのに、飲み応えと凝縮感はしっかり、ぎっしり。
まだ若いですが、焼肉屋さんで飲むと最高な感じです
羊のアサードもいいね。

また次回、何か開催できますように頑張ります

座ってるだけなので、興味ある方は是非お一人でもご参加、歓迎いたします




今日は、このワインを紹介します
以前にも紹介した事ありますが。

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サンタ・デュック ジゴンダス レ・オート・ギャリーグ2013

この前まで2012でしたが完売で13年に変わりました
輸入元には既に16年まで入荷してるんだったかな。

エッチングの凝ったボトルもいいですね(ラベルが中心からずれておるのが残念ではある

この蔵は個人的にとても好きですし、思い入れがあります
20年以上前に生産者が来日してのセミナーに参加して、とてもいい勉強になりました
誠実に質問に向き合ってくれる方だったなぁ〜

当時の蔵のご当主は、イヴ・グラさんと言う方で
ジゴンダスの名を世界に広めた人物、と言われる程の功績があります
こんな方 ↓

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HPより

ワイナリーの設立は1874年と古いのですが、イヴさんのお父さんの代までは大手ネゴシアンにワインをバルク売りしていたので自社のワイン等モノがありませんでした。
それをイヴさん(5代目です)が蔵を引き継いだ1985年から元詰めに全て変更、自社ワインの誕生となったんです
今は息子さんのヴァンジャマンマンさん(6代目)も蔵の仕事に加わっています。

蔵を継いだイヴさんは、すぐに栽培をオーガニックに切り替えました。
それがブドウの質を上げ、テロワールを表現する上で非常に重要な事だと最初から分かっていたそうです

勤勉な畑仕事を通して出来たブドウを慎重に選別、目を離すことなく醸造されたワインはジゴンダスというアペラシオンを越えて、南部ローヌ全体でも目を見張るような素晴らしいワインになっていました

彼のワインはすぐに評判になり、それによってジゴンダスと言う産地が注目され、見直されたのです。
それまで、シャトー・ヌフ・デュ・パプの影に隠れていた小さな産地くらいにしか思われていなかったジゴンダスですが、
パプにも劣らぬフルボディで凝縮し、洗練されたワインが登場した事で世間の目が一気に変わったのは面白いですね

と、ジゴンダスの知名度向上にめちゃめちゃ功績があるサンタデュックです。

ジゴンダスのワインを語る時に、サンタ・デュックの名前が出て来ない事は絶対にない、と言うくらいこのアペラシオンでは中心、かつ重要な生産者なんです

彼は更に、ジゴンダスの中でもクリュ、という概念を導入し、特定の優れた区画のブドウはブレンドせずに単独のキュヴェとして販売する事も始めました

今ではどのアペラシオンでもクリュの考えが広まっていますが、当時はそういう取り組みをするのは、どこかよその「特別な高級産地だけの事」と思われていたんです。
今では他のドメーヌも増えて色々な区画がワインラベルに記載されるようになりました。
先見の明があるイヴさん、そして真摯な取り組みに脱帽です


ここで、ちょっと話を戻して、
そもそもジゴンダスとはどのような産地かお判りでしょうか??

ジゴンダスはコート・デュ・ローヌ南部にある村(アペラシオン)で、ローヌ川の左岸に位置しています ↓

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毎度のローヌワイン委員会より

モンミライユと言う高い山の麓にあり、北風を山が遮ってくれるお陰で雨が少なく、温暖な気候になっています
素晴らしい眺め ↓

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サンタ・デュックHPより 奥の山がモンミライユ

ジゴンダスという名称は、元は、コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュだったんですが、1971年に単独のアペラシオンとして独立しました。
ジゴンダスの名前で生産できるのは赤とロゼのみ、白ワインはありません

ブドウは、グルナッシュを50%以上使用する事、それ以外にはシラーまたはムールヴェドルをブレンドする事が義務付けられています。
ロゼが認められているものの、現在はほとんどが赤の生産です。

では、今日のワインに再び戻りまして。

レ・オート・ギャリーグという区画は創業以前から所有する重要な畑で、1852年に町議会の共同所有だった畑からこの区画が競売に掛けられたのですが、それをサンタ・デュックが取得して以来、6代に渡って引き継がれています
面積は2.8ha
深層にはモンミライユ山由来の石灰質がありますが、表面は赤土と砂質に砂利の混ざる土壌で、とても水はけがいいそうです。

ワインのセパージュは、グルナッシュ65%、ムールヴェドル35%

残念ながら広域の写真がないですが、これがそうです ↓

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HPより、樹齢の高いムールヴェドル

蔵の周辺はこんな感じ ↓

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このジゴンダス、ものすごく美味しいのですよ
グルナッシュでもシラーに負けないパワフルさがあります。

真っ黒な外観のフルボディで、強ーい味なんですが、香りの複雑さは素晴らしい
味も果実味とタンニンと酸がとてもバランスいい

香りが完璧に変化するまでもう2,3年という感じですが、今でもゆっくり飲めば十分楽しめます

流石のワインなのでお値段は一葉さん一人では足りません(諭吉さんなら余裕)
サンタ・デュックには、このレ・オート・ギャリーグ以外のジゴンダスもあって、それだとかなりお得です
是非一度は飲んでみて欲しい。

これの縦飲みを画策中
早くても年末ですね。










posted by cave MITSUKURA at 17:44| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする