2022年06月03日

フェニキアのお酒と言えば


来週からは雨が続いて梅雨の気配になって来そうですね、今日の名古屋はまるで夏ですが


ヴァン・エ・ソフィー・モレの2020が2種類だけ入荷して来ました

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(2種類しか買わなかったんですが)
ブルゴーニュの白ワイン、シャルドネです。

この新しいドメーヌは高品質ですが、まだ低価格なので狙い目です

同じく最初はコスパ良しだったピエール・イヴ・コラン・モレ(ジョイントネームは長くてイカン)も、最近では全然買えなくなってますので、こちらも同じ様になるんじゃないかと。
早めの確保をお勧めします。

今回、たったの2本しか来ませんでしたが、
バタール・モンラッシェ2020
(写真右)
は、かなりお値打ちです

モンラッシェのグランクリュがこんな値段で買えることはまずない
他の人気ドメーヌではありえない

飲むのはずーっと先にした方がいいですが、買うのは今ですよ




今日は新入荷のちょっと珍しいワインを紹介します

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シャトー・ミュザール アナ2015

シャトー・ミュザールを飲んだ事ある方はどのくらいいらっしゃるでしょう?
ワイナリーは結構有名だと思いますが

今日のワインはレバノンの赤ワインです

レバノン、ご存知ですよね?
ゴーンが逃亡した国です

レバノンは地中海の東に面した国でイスラエルの北にあります。
首都はベイルート。

ワイナリーのシャトー・ミュザールは、首都から北へ10キロちょっとの場所にありますが、所有する畑はレバノン山脈の1000メートルを超える高地にあり、日較差の大きさがブドウの旨味を温存しています
この点は、イスラエルのゴランハイツワイナリーと同じですね。
(平地ではかなり気温が高く非常に乾燥した気候ですので、特に最近の温暖化が進む状況ではワイン用のブドウ栽培に適しているとは言えないでしょう)

ワイナリーはここです ↓

シャトー・ミュザール.png

イスラム教徒のイメージが強いかもしれませんが、国民の約半分強がイスラム教徒で4割程度がキリスト教徒です。
なのでワイン生産もOK

実はこのシャトー・ミュザール、ワイナリーのある場所とブドウ畑は車で2時間以上も離れた場所にあり、それは何故かと聞かれるそうですが、
それは、ワイナリーの創業時の1930年にはレバノンの国境が確定しておらず、創業者のガストン・ホシャール氏は確実に国内にワイナリーを建設したかったので、絶対安心の中心部でワイナリーを立てた、という、この地域特有の理由があります

ブドウの為でも、お金の為でもない、こういう理由は他では聞いた事ないですね。

ボルドー様式のワインは非常に質が高く、最初は一部のワインマニアにでしたが、着実にその知名度を上げていきました
第二次世界大戦中にはボルドーの、シャトー・ランゴアバルトンのオーナーのバートン少佐がこの地に赴任しており、ホシャール氏とも親交を深めたそうです。

1984年にはホシャール氏はデカンター誌が選ぶ、マン・オブ・ザ・イヤーにも選出されています
この頃、レバノンは内戦していましたので、そんな中でワイン作りを続けるのはさぞ大変だった事でしょう


ブドウ畑は標高の高いベッカーバレーにありますが、ここはおよそ6000年に渡ってブドウ栽培が行われている世界最古のブドウ畑でもあります
紀元前4500年頃にフェニキア人の拠点となった地域で、ブドウの起源の地でもあり、ローマ神話の酒の神であるバッカスは彼らの文化を取り込んで生まれたとされています。
こんな場所 ↓

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HPより、ブドウのみならず、中東の農業の中心地でもあるそうです

うーん、6000年、長すぎて全然ピンと来ない

シャトー・ミュザールでは現在全ての畑をオーガニック栽培にしています
2018年に新しく取得した畑 ↓

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標高400m

こちらの拘りは、出荷までの長さです
今では色んなレンジのワインを作っていますが、蔵のフラッグシップであるシャトー・ミュザールは収穫から出荷まで最低7年をかけています

今日のアナは、ベッカーバレーにあるアナという村の畑のブドウを使っていて、ワイン名はここから来ています。
セパージュは、サンソ―50%、グルナッシュ35%、カベルネソーヴィニョン15%
と、有名ブドウですがフランスでは見ないブレンドになっています
フレンチオークで9ヶ月熟成したフルボディです。
(シャトー・ミュザールではカベルネ主体でサンソ―とカリニャンが入っています)

…HPにはアナの情報がない

先日の業界向け試飲会で飲んでみてやっぱり美味しかったので、買ってみました
香りの複雑さや、余韻の長さがいいですね〜

これ、ブラインドで出てきたらボルドーのシャトーを一生懸命考えそうだなぁ…
古典的でもありますね、落ち着きがあって、いかにもニューワールド、と言うスタイルではありません
(レバノンはニューワールドではありませんが)
アルコール度数は13.5なので、最近では高い訳ではない。

シャトー・ミュザールだと結構立派なお値段ですが、アナなら野口君4人でおつりが来ます

ここは白の土着品種も面白いです。
オバイデ(シャルドネに似てるらしい)、メルワー(セミヨンの先祖らしい)と言う聞いた事ない未知のブドウで作られています


もうすぐワイナリー設立100年、戦火を何度もくぐって来た情熱のワインです
一度は飲んでみてください〜











posted by cave MITSUKURA at 17:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする