2022年06月26日

オパールの白ワイン


このところ県外からの営業さんの訪問が増えて、出張も解禁されてきたんだなぁと感じています
普段はメールやオンラインの発注で事足りるので、わざわざ出向いていただくことがかえって恐縮でもあります。

ですが
この前来た方、話の途中であくびしてまして… 驚愕
自分からアポ取って来たのに… マスクしてるからばれないと思ったんでしょうかね
(いや、分かるでしょ)
怒るというより、ただただ唖然。
…もう会う事ないと思います

この2年余りの自粛&出勤減少で社会全体の対人スキルは低下してると思います
私も偉そうに言えない事も多いですが、商談中に欠伸されたのは驚きましたね。



愚痴ってしまってすみません。
今日はになちゃった美味しいワインを紹介します
何故「幻」なのかは最後に説明しますね。

オパリー・ド・シャトー・クーテ.jpg

オパリー・ド・シャトー・クーテ2019

皆様、シャトー・クーテはご存知でしょうか?
フランス、ボルドーの左岸上流、ソーテルヌの貴腐ワインです
(シャトーはバルサックにあり、AOCバルサックを名乗ってます)
1855年、メドックの格付けと同時になされたソーテルヌ地区の格付けで11のシャトーが第1級=プルミエクリュに選出されており、クーテもその一つです
(因みに一番有名なイケムは唯一プルミエクリュ・シュペリュールという、さらに上級の格付けです)

バルサックのクーテはこれです ↓

クーテ.jpg

今日のオパリーはそのクーテが作る辛口の白ワインです

AOCソーテルヌ(とバルサック)は甘口の白でないといけませんので、オパリーはAOCボルドーとなっています。
セパージュは、セミヨン50%、ソーヴィニョンブラン50%


シャトー・クーテは中世の要塞が元になっているシャトーで、14世紀の建築様式に礼拝堂や塔を増築し17世紀に現在のシャトーの原型が出来上がりました
ワイナリーとしてもスタートは1643年とボルドーでもかなり古い記録がはっきり残るシャトーです。

長い歴史があるので色んな逸話があるんですが、フランス革命の直前にクーテを購入した(後の)サルース侯爵の一族により1920年まで所有されていましたが(サルース侯爵はイケムのオーナーでもあります)、その後2度オーナーが変わり現在に至ります。

こんなシャトーです ↓

クーテ4R8A1192.jpg
HPより、以下同様

クーテ4R8A1275.jpg

シャトー・クーテが辛口のオパリーをつくり出したのは2010年からです

どこもそうですが、辛口市場では貴腐ワインの需要が伸びない事に加えて、温暖化で霧の発生が減り、そのせいで貴腐が付きにくくなって来てるらしく、貴腐ワインを取り巻く市場と環境は良いとは言えません
それもあり、格付けに入っているような著名シャトーでもみーんな辛口ワインを作り始めています。

イケム → イグレック
クリマン → アスフォデル
リューセック → エール
スデュイロー → エス、ブラン・セック
ギロー → ル・ジェ
ドワジーデーヌ → セック

と、超簡単な書き方ですが、辛口を作っていない所ってあるんだろうか

辛口と言ってもスタイルは様々で、新樽を使ったこってりの物、ステンレスタンクだけのシンプルスッキリなもの、と色んなワインがあります。
以前に紹介しました、シャトー・クリマン・アスフォデルのセミヨン100%は、とても面白く貴重な存在だと思います ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/481595609.html

で、今日のオパリー・ド・シャトー・クーテ2019なんですが、輸入元で発見した時、既に在庫僅か4本だったんです
なので急いで4本買ってみました。

早速飲んだら、これがすごーく美味しい
暑いし冷え冷えにしてんですが、白桃や洋ナシの香り、青さは一切なし

樹齢40年以上のグランクリュの区画のブドウを使っています
資料に書いてるようなライムやスモーキーさは感じませんでした。
発酵後の熟成に樽を使用してるようですが、樽の印象はほとんどなし、洗練されて上品である事はすぐに分かるいい品質です

ブドウの質が高いであろう、非常に完成されてバランスの良い香りと味、欠点ゼロ、です
オパールの名前に恥じない出来栄えです。

お値段は流石に一葉さんでは足りませんが、飲む価値はある

と思っていたら、一緒に飲んでくれた知人が気に入って、残り3本をお買い上げいただき、めでたく完売しました。

と言う事で、せっかく紹介したのですが在庫がないという「幻のワイン」となってしまいました
ごめんなさい。

久しぶりにこれは、と思うワインでしたね
見かけたら買ってみる価値、大いにアリです。

再入荷待ってます









posted by cave MITSUKURA at 14:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする