2023年03月12日

春のピンク祭り


今日は名古屋ウィメンズマラソンです。
てんちょは一年に一度、歩道橋と地下道を使って出勤です(道路が渡れないので)

春というよりもう初夏
急に気温が上がって桜も咲き始めました


南半球では収穫が始まっています
フランスでも南から萌芽の時期ですね。
春の雹害や霜害がありませんように。



今日は、ロゼシャンパーニュをずらっと並べて説明します
(1だけスパークリングワインですが)

高額で生産が少ない事もあり、有名銘柄でもロゼを飲んだ事がある方は少ないかもしれません
皆様、どのくらい知ってますか?

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左から、
1.タルターニ ブリュット・タシェNV
2.ドラモット ロゼNV
3.ボランジェ スペシャル・ロゼNV
4.シャルル・エドシック ロゼ2005
5.アルフレッド・グラシアン キュヴェ・パラディ ロゼ2007
6.ローラン・ペリエ ロゼ ロ―ヴ・バタフライNV
7.フィリッポナ クロ・デ・ゴワス ジュスト・ロゼ2009
8.レア ロゼ2007
9.ローラン・ペリエ キュヴェ・アレクサンドラ ロゼ2004


1.タルターニ ブリュット・タシェNV

これはオーストラリアのスパークリングワインです、おまけ
ヴィクトリア州で1968年に創業した老舗で、ピレニーズ地区という場所で最も古いワイナリーの一つです。
カリフォルニアのクロ・デュ・ヴァル(こちらも老舗)の姉妹ワイナリーで、688haもの広大なブドウ畑を所有しています
このスパークリングは、瓶内二次発酵でシャルドネ53%、ピノノワール44%、ピノムニエ3%
ロゼの色はタスマニア産のピノノワールでドサージュの際に色付けしてます
瓶熟期間は不明ですが、細やかな泡がかなり本格的で美味しいです。
残念な事に生産終了だそうです。

2.ドラモット ロゼNV

この銘柄を知らないシャンパーニュ好きはいないでしょう
コート・デ・ブランの南端、メニル・シュル・オジェにありサロンの兄弟メゾンとしても有名です。
サロンの生産がない年はブドウはこのドラモットに運ばれます。
シャルドネが圧倒的に有名なんですが、ごく僅かだけロゼの生産もあるんです
ブージィ、アンボネイ、トゥール・シュール・マルヌなどモンターニュ・ド・ランス南部グランクリュのピノ・ノワール80%と、メニルのシャルドネを20%使用しており、今では少ないセニエ法によるロゼです。
セニエはタイユ(圧搾して搾る事)の規制を測りにくいと生産者が言ってました。
色づきを見極めるために一晩寝ずに見張ってるなど、他にも何かと面倒だそうで、やってる所はとても少ないんです
このロゼ、かなり繊細でいい香りです

3.ボランジェ スペシャル・ロゼNV

ボランジェも有名ですね。
007のシャンパーニュとして映画にも何度も登場してますが、ロゼの存在は意外と忘れられてるような…
ピノノワール62%、シャルドネ24%、ピノムニエ14%
2008年初リリースというこの新しいロゼは、コトーシャンプノワに使われていたコート・オーザンファンという区画とヴェルズネイの2つの区画のピノノワールを赤ワインとして使用しています。
NVながら3年以上の瓶熟を経ています、美しいピンク色です
値上がりが激しくて残念

4.シャルル・エドシック ロゼ2005

こちらはランスの老舗、3つのエドシックの一つでシャンパーニュ・チャーリーとしてアメリカで爆発的に人気になった銘柄です。
ピノノワール73%、シャルドネ23%
(なんだかみんな細かいね)
12の区画から選抜されたブドウを使用、瓶熟に10年以上かけた驚きのロゼ
貴重な05は欠点の無い華やかな香りと長い余韻が最高に美味しい。
お手頃価格だったのに、残念ながら既に完売してます

5.アルフレッド・グラシアン キュヴェ・パラディ ロゼ2007

こちらはエペルネのNM
その昔「貧乏人のクリュッグ」と言われ(個人的な意見であくまで賞賛です)、本格的な樽発酵の技術を評価していた愛好家が多い蔵です
かつては買いブドウ100%で自社畑0だったんですが、それでも醸造には細心の配慮と厳しい手順を遵守していました。
パラディは蔵のトップキュヴェです。
シャルドネ58%、ピノノワール42%
パラダイスの名前が付くこのキュヴェは、樽熟成中に失われる「天使の取り分」の代わりに送られる天国の味わいを表しています
瓶熟4年以上で、ロゼは年産僅か2万本です。

6.ローラン・ペリエ ロゼ ロ―ヴ・バタフライNV

ローラン・ペリエも有名なメゾンですね、所在地はトゥール・シュル・マルヌ。
このシャンパーニュは限定品です、以前2021年に紹介しました ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/archives/20211224-1.html
こちらはピノノワール100%、セニエで作られています
「赤い果実」とはこのシャンパーニュに使うべき言葉だと実感できる香りと味です
瓶熟が長くてもフレッシュさを失っておらず、複雑なのにフルーティなのがシャンパーニュの不思議な所。
奇跡のアンビバレンツ、それが良く分かるはずです。

7.フィリッポナ クロ・デ・ゴワス ジュスト・ロゼ2009

「元祖クロ」=シャンパーニュで公式に認定された二つのクロの内の一つです
(もう一つはクリュッグのクロ・デュ・メニル)
最近はクロ(区画名)を名乗るシャンパーニュが増えてますのでこれ以外にもあるのですが、やはり一目置かれる特別なシャンパーニュである事は変わりません
ゴワス(ゴワセと表記されている事もあり)とは、重労働を意味する単語で、マルヌ川に面した急斜面の畑にブドウが植えられています。
ホントに急です、斜度は45度、てっぺんからの眺めは最高ですが
カバークロップ(地表の草花)を生やさない時代には、雨の日になると土砂が下の県道に流れ出てたそうです。
ピノノワール48%、シャルドネ52%
2005年が初ヴィンテージだったような、まだ最近です。
09年は08よりも日照に恵まれ02に似たヴィンテージだそうです
こちらも2万本ちょっとしか生産がありません。

8.レア ロゼ2007

最初にレアを生産したパイパー・エドシックはマリリン・モンローのお気に入りのシャンパーニュとしてアメリカでは有名です
4のシャルル・エドシックと元は同じ蔵でしたが、3つに分かれて現在に至ります。
ですが、このレアはパイパー・エドシックから独立した単独のブランドとして登録されています。

レアはフランス革命以前に王妃マリーアントワネットに献上した歴史を表す、ティアラと指輪をあしらった素敵なボトルになっています
ロゼはこれまた貴重ですが生産数の記載がない。
セパージュは、シャルドネ60%、ピノノワール40%で瓶熟何と9年。
この07年が最初のロゼです
07年は気候の変動が激しく、生産者によって良し悪しが分かれたようですが、レアでは官能的なシャンパーニュが出来ました。
素晴らしいロゼです

9.ローラン・ペリエ キュヴェ・アレクサンドラ ロゼ2004

これは6と同じローラン・ペリエの上級限定のヴィンテージロゼです。
この特別な2004年のシャンパーニュは、ローラン・ペリエの前当主の故ドゥ ノナンクールの長女アレクサンドラの結婚式の際に、娘へのプレゼントとして作られた限定品です
父の愛が詰まった特別なキュヴェです
ピノノワール80%、シャルドネ20%ですが、セニエで作っています。
シャルドネを混ぜる事で長熟で骨格に強さが加わるそうです。
てんちょ、個人的にはこのシャンパーニュは経験したロゼの中で一番のロゼです

以上です。

しかし、7.8.9は値段が…
飲み物の値段か?っていうくらい
しかも、一回開けたらおしまいなんですよ

今後はお金持ちしかできないであろうラインナップ
てんちょの口に入る日は来るんだろうか…

因みにてんちょ、クロデゴワスのロゼは飲んだ事がありません
なので期待してます。


最後に今年発表になりました、世界で最も称賛されるシャンパーニュの一覧を載せておきます

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このランキングは、英国のアルコール飲料専門誌「ドリンクス・インターナショナル」が毎年選出しており、今年で10回目の発表になっています。
世界中の業界人300人以上が投票して決められています。

大体毎年同じ顔触れです
今年もトップはルイ・ロデレール
皆様、どれくらい知ってます?

28位のラリエ(アイのNMで1906年創業)が初ランクインですが、てんちょ知りません
ギ・ド・キュリアンにも載ってない。

ま、シャンパーニュは「浜の真砂」なので、全てを網羅するなんて至難の業です。
おすすめしませんが、ライフワークにしたい方はどうぞ頑張って














posted by cave MITSUKURA at 13:29| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする