じゃない方のピノノワール左から、
1.ビファー ゼクト・ブリュット ロゼNV
2.フォン・ウィニング ピノノワールT2014
3.ブリュンデルマイヤー ピノノワール2018
4.ハミルトンラッセル ピノノワール2021
5.オーボンクリマ イザベル2019
6.ピラミッドバレー グロワーズコレクション カルロージヴィンヤード2015
7.クスダ ピノノワール2020
8.ヴァインバック クロ・デ・カプサン ピノノワール2019
9.アンドレ・クルエ コトーシャンプノワ ヴェルサイユ・リュビNVタイトル通り、
ブルゴーニュじゃないピノノワールです。
ブルゴーニュのピノノワールはみんな大好きだと思います
が、この一年だけでも恐ろしく高騰してますし、同時に入手困難にもなってます
レジョナル(いわゆる、ただのブルゴーニュ)でも1万円しちゃうような人気ドメーヌも沢山あるし、
大手ネゴスで量産してるはずでもヴォーヌロマネで1万円以下なんてまずない、
うーん
これからどうしよう…
余談ですけど、
一昔前に、
サンテミリオンで
ガレージワイン(新しい小規模生産者)が持て囃された時があって、みんな自家醸造を始めた。
それまでブドウを売っていた大手のシャトーにはもう取引しないと強気で断ったのに、人気があんまり続かなくて結局ブドウ売りを再開せざるを得なかった、という事がありました
ローヌでもブドウではお金が稼げないからアプリコットを栽培していた農家がみんな、またブドウ栽培に転身したものの、全てが成功した訳じゃない、とか。
いい気になってたら一瞬で終わったという悲劇の話。
そういう事もあったんですよ
でも今ローヌはブドウでいいみたいですが。
シャンパーニュの小規模レコルタンはみんな潤っているんでしょうか
大規模MNがブドウの確保に四苦八苦してるようですし、これはブルゴーニュでも同じか。
お金になるからと安易に飛びついて失敗した人がいる一方で、誠実な仕事で着実に評価を挙げてる人もいる訳で。
流石にコートドールのワインはかつてのサンテミリオンみたいにはならないだろうなぁ…
もう増やす畑もないし。
生産者に苦労してほしい訳じゃないけど、もうちょっと買える値段にしてはくれんかのう話を戻して。
そんなブルゴーニュですが、やはりピノノワールはブルゴーニュが一等賞で他の追随を許さない、と言うのは正直な所です
ですが、そんな「他」にも優れたピノノワールは僅かながら存在してるのです。
今回はそういう、
ブルゴーニュ以外=じゃない方のピノノワールを集めて飲むことにしました
きっかけは
クスダのPNが手に入った事。
これがあったんで、ブルゴーニュじゃないPNのいいのを集めようと思ったんです
では、ワインの紹介します。
1.ビファー ゼクト・ブリュット ロゼNVピノノワール主体、瓶内二次発酵で瓶熟8年以上のロゼ。
ここはドイツのファルツ州、ダイデスハイムにある醸造所です、経営が変わって現在は日本人の徳岡史子さんが醸造を担当しています。
この長い瓶熟を経たゼクト、
いい香りです
外観はほぼ薄オレンジになってます、でも価格は野口君1.5人でお釣りがくるという非常に優れもの。
白もあります、
どちらも超オススメです。
2.フォン・ウィニング ピノノワールT2014これもドイツ、
ファルツです。ミッテルハートというベライヒ。
ドイツ高級ワインの意表となるVDPの創設メンバーであるフォン・ウィニング(フォンは爵位を表す)、18世紀から続くメーカーですが戦争とそれ以外でも紆余曲折がありました。
大量生産をせず、畑仕事を重視する優良生産者です。
このピノノワールは厳選ブドウだけを使い、樽発酵&樽熟成(MLFあり、70%新樽使用)のモダンな赤ワインです
フルボディって書いてます。
年産僅か4500本しかなく、お値段も税込8580円もするんです。
14年という熟成感も期待したいですね
3.ブリュンデルマイヤー ピノノワール2018中欧のワインプロフェッサーのワイン。
オーストリア、カンプタール産です。
てんちょ、ビリさん(ブリュンデルマイヤーの創始者でご当主)には2回現地で会った事ありますが、穏やかで優しい方です
ソムリエの世界大会に写真が出題されるような有名人です。
そしてゼクトも白も赤も、ワインが素晴らしく美味しい
食卓にあるべきワインと言うオーストリアの基本を備えた、
落ち着きのある洗練されたスタイルです。
4.ハミルトンラッセル ピノノワール2021こちらは
南アフリカ共和国、西ケープ州(南アのワイン産地はほとんどこの中にあります)のウォーカーベイにあります。
南アのピノノワールではいつも上位に名前が挙がる定評のある生産者です
23haしかないピノノワールの畑から
優雅な赤ワインを作っています。
ブルゴーニュ以外でピノノワールが成功している数少ない産地の一つだと思います
2019年は山火事で自社のピノノワールが使えなかったので買いブドウで作ったりと困難もありましたが、世界的に人気は挙がる一方で日本への割り当ても減っています
5.オーボンクリマ イザベル2019これは有名、カリフォルニア、セントラルコーストのサンタ・マリア・バレー産です
セントラルコーストで有名なカレラがあるマウントハーランからは、もっとずっと南のサンタバーバラカウンティにあります。
(南部ですが冷たい海風が吹き込むので南国ではありません)
冷涼な気候で優れたピノノワールが出来ると言われています。
オーボンクリマの創業者の
ジム・クレイデネン氏はアンリ・ジャイエに師事したという数少ないアメリカ人です(残念ながら21年に他界)
蔵の最高峰であるイザベルはお嬢さんの名前を冠し、単一畑でフレンチオーク熟成の拘りのワインです
サンタバーバラも甘いワインが多い中で、これは違って、綺麗だなーと感動した覚えがあります
ハニーサックル(スイカズラ)の香りがすると言われますが、どーでしょう?そっかなぁ…
現在の2020は諭吉さん一人じゃ買えません
なので貴重な19の最後の1本。
6.ピラミッドバレー グロワーズコレクション カルロージヴィンヤード2015クスダと被りますが、これもニュージーランドです。
南島の
カンタベリー(首都クライストチャートから一番近い産地)にあります。
1999年から始まった新しい蔵ですが、ブルゴーニュをお手本としてるだけあってその信条を表現した繊細なワインを作っています
今回の
グロワーズコレクションは、自社畑を持つ前に借りた畑で作ったワインです。
自社畑を2018年から持っていますが、しばらくこれも並行して作っていましたが、今ではこのシリーズの生産は無くなったみたいですね。
カルロージーは
2015年がファーストヴィンテージで、甘さと華やかさが混ざった素晴らしいピノノワールです
1本だけ売れずに店頭に残ってたので、少し前にてんちょがキープ。
15年はまだ買える値段でしたが、現在の上級畑はやっぱり諭吉間近になってます
7.クスダ ピノノワール2020一応、会の本命です
楠田さん、2001年にワイナリ創業ですがあっという間に人気ドメーヌになりました
今じゃ簡単に買えないリースリングも美味しいです。
5年以上前ですが、香りの複雑さに感動しました、今回にも期待してます
8.ヴァインバック クロ・デ・カプサン ピノノワール2019ここから2本はフランスです。
ヴァインバックは
アルザスの名門です、ここでも何度か紹介しました
カプサン修道会の畑を継承しているアルザスのど真ん中の蔵です、シュロスベルグの真正面にあります。
ここは最近、オレンジワインはナチュールワインを作り始めましたがこれが素晴らしい
そしてラインナップが多くてイマイチカテゴリーが良く分からない
クロ・デ・カプサンのシリーズが上級ワインのテロワールシリーズの畑名なしです(だと思う)
このピノノワール、1月に飲んでとても感動しました
ちょっと早い気もするけど、
非常に良いブケが出てました。
このボトルも同じだといいなぁ〜
現行は2020ですがこれも一葉さん一人と野口君4人。
9.アンドレ・クルエ コトーシャンプノワ ヴェルサイユ・リュビNV最後はアンドレ・クルエ。
素晴らしいシャンパーニュを作ってます、ここが好きな方は多い
てんちょも大好き。
コトーシャンプノワの
ブジー・ルージュは昔から作っていましたが日本へ輸出していませんでした。
2006年に行った時に1本くれましたが、これが非常に美味しかったです
そこから、名前を変えて
一層豪華になって日本でも買えるようになりました。
(が、値段も豪華になってるやん)
2015年ベースのピノノワール100%、ステンレスタンク発酵で樽熟成しています。
てんちょもこれは初めてです。
諭吉2人だもん、美味しくないと困る
と、こんなワイン達です。
カリフォルニアはカレラじゃなくてイザベルにしたかったのです。
ロワールや南米のピノノワールもアリですが、人数も限られていますのでこんなとこかな、と
お値段が多少違いますが、どれも一流のワインばっかり、と思います
楽しむぞ〜
【以下後日談】