2023年10月31日
2023年新酒 もう飲んだ?
10月最終日の今日。
2023年の新酒が入荷して来ました
その前に、皆様各国の新酒って何をご存知でしょうか?
世界中でその年のワインの販売が最も早いのは、チリ・アルゼンチン・ニュージーランド・オーストラリア・南アフリカです
そりゃー、南半球なので。
収穫が3月くらいなんです
ですが、これらの国では新酒というカテゴリーがちゃんと法整備されていません。
ニュージーランドは、ニュージー・ヌーボーという名前で新酒を販売してる所もありますが、独自の名称なんです
その点、ヨーロッパでは新酒の定義と法規制がちゃんとあります。
伝統に基づいた新酒を楽しむ習慣があったんです…
「あった」と過去形なのは、ヨーロッパでも新酒の販売は下火になってるから。
無くなった訳ではありませんけど。
オーストリアのホイリゲくらいでしょうか?、変わらず健在なのは。
最も有名な新酒はやっぱり、フランスのボジョレー・ヌーボーです
今年の解禁日は11月16日(毎年11月の第3木曜日)です。
フランスにはこれ以外にも、
マコン・ヌーボー
ミュスカデ・ヌーボーなど、色々あるんです。
法整備がされたのは1967年11月15日。
一度も見た事がありませんが、
タヴェル・ヌーボーや、
ガイヤック・ヌーボーなんてのも規定があります。
多分作ってない。
ガイヤック・ヌーボーなんて、赤はガメイのみになってる。
ガイヤックはシュッドウエストの甘口白ワインの産地です、ガメイなんて植えてないんじゃないの
そもそものガイヤックを飲んだ事ある人が少ないだろうし(美味しいですよ、歴史のある街なんです)
あと、意外ですけど、
ブルゴーニュ・ヌーボー(白のみ)という名称もあるにはある。
こういう「幽霊なヌーボー」、その後、見直されて今は違ってるかも
謎過ぎるな〜
次に有名な新酒はイタリアのノヴェッロでしょうか
何でもあり、売れれば勝ちのイタリア、販売日以外にこれと言った規制がないと言っても過言ではない。
(ちゃんとありますが)
解禁日は昨日、10月30日です
2011年までは11月6日だったんですが、一気に2週間以上も早まった。
ボジョレー・ヌーボーよりも早く売ろうという戦略でしょうねぇ…
収穫も早く出来るイタリアなら可能ですし。
新酒の生産と販売には届け出と承認が必要なんですが、確か販売開始の1分前まで(夜中だよ)受付してたんだよな…
イタリアらしい
更に、前出のオーストリアのホイリゲ
主にウィーン近郊で作られ、これを出す居酒屋もホイリゲと呼ばれています。
ドイツ語の、Der Heuriger Wein(デア・ホイリガー・ヴァイン)=今年のワイン、から来ています。
法規制ではないんですが、解禁日は伝統に則り、セント・マーティンの祭日である11月11日となっています。
産地や品種についても同じく法規定がないのは意外です
良心任せ。
ですから、産地表記が無くてヴィンテージのみ記載されていればOK.
赤も白もありますが、ゲミシュター・サッツ(混植)である事が多いでしょう
ドイツにも新酒はあって、ディア・ノイエって言いますが、ほとんど見ませんねー
スペインにも、ヌエボって新酒がありますけど、こちらも主流ではない。
こうした各国で新酒が下火になってる原因ですが、新酒は秋の収穫から数カ月で飲料になる訳で、
品質重視だとどうしても時間が足りません
熟成もしていない若いワインですし、味も軽やかで単調になりますので、成熟した現在のワインマーケットには向いていないのが大きな一因だと思われます
もうがぶ飲みの時代じゃない。
それでも、美味しい新酒はちゃんとあります
では、今年最初の新酒を紹介します
ファルネーゼ ファンティーニ ノヴェッロ2023
一日遅れて今日から販売してます
アドリア海に向かうアブルッツオ州から届いた新酒です。
ぶどうは、サンジョベーゼとモンテプルチャーノ 比率不明
テッリ・ディ・キエーティIGPです
キエーティなんて聞いた事ない方が多いのでは。
ここです ↓
このノヴェッロは、フランスのボジョレー・ヌーボーと同じ、マセラシオンカルボニックで作られています。
発酵は僅か4日という短期間ですが、毎年結構な濃厚さがあります。
エッジは紫ですが、いつも外観が黒い
更にフルーティさとまろやかさが同居しています
マセラシオンカルボニックなのにアルコール度数が13%もあるし
流石イタリア。
暑い夏が約束されてるお陰でブドウは完熟するし、早く収穫する事が可能なので、温暖化はノヴェッロにとっては良い事なんですが
色んなノヴェッロがありますけど、このファルネーゼは人気が高いです
ブドウの品質がいいのが良く分かりますよ。
毎年同じ、新聞のラベルです
さて、今年の味は?
2023年10月29日
木の名前が付いたワイン
もう10月も今日を入れて残り3日になりました
毎年思う事ですが、2023年もあっという間でした…
(まだ2ヶ月ありますけど)
今日はこのワインを紹介します
知ってる方、いますか?
リフ2013
フランス、ボルドーの右岸、ACサンテミリオンです
なので、赤ワインです
2013はメルロー70%、カベルネフラン30%
(作付けはメルロー91%、カベルネフラン9%)
このワインは2011年がファーストヴィンテージです
作っているのはポムロルで2番目に高額であろう、シャトー・ル・パンのオーナー、ティエンポン家です
ティエンポン家は1995年にウィングスという会社を設立、ボルドーグランヴァンを専売としており、リフも自社ワインの一つとなっています。
自社ワイナリー以外にも、格付けシャトーを扱う大きな商社です
ファミリーワインは沢山あって、
シャトー・ル・パン(ポムロル)
ヴュー・シャトー・セルタン(ポムロル)
シャトー・パヴィ・マッカン(サンテミリオン)
シャトー・ラルシ・デュカス(サンテミリオン)
その他、たくさん
自社ブランドのワインあり、チリのアキタニアあり、
…いつの間にこんなに増えたんだろう
ワイン業界に於けるこの一族は、1842年にカミーユ・ティエンポンがベルギー南部のアルデンヌでワイン商を始めた事が始まりです
その後、1921年に子孫がサンテミリオンのシャトー・トロロン・モンドを買収、これがボルドーワインの生産に携わる最初の1歩となりました。
(しかし、10年後の金融危機で手放してます)
更にその3年後の1924年にはヴュー・シャトー・セルタンを取得。
それからも、子孫が、ピュイグロー(1946)、ル・パン(1979)と次々に著名シャトーを傘下に収めて成長して来ました
現在のトップはフランソワ・ティエンポンさんを始め、4人の従弟たちが務めています。
こんな皆様 ↓
HPより
そのうち、相続でケンカしませんように
前回書いた、アルテミスグループと言い、LVMHやBDRなど、資本があるところはどんどん優良ワイナリーを取り込んで巨大化しています
売りに出されそうなところは、水面下でも激しい競争が繰り広げられているそうで
これって、いい事なんだろうか… どうだろう…
で、リフに戻って。
このサンテミリオンのシャトーは、トロロン・モンドの隣の6haの畑から始まりました
現在では区画を複数に分けているようです。
あんまり情報がありません。残念
ラベルから見るに、IF=イチイの事でしょう
西洋イチイ、こんな木です ↓
WIKIより
因みに、ル・パンが「松の木」だと言う事は良く知られていますね
このリフ、ル・パンの一族のワインだけあって、お値段も諭吉さんが4人は必要です
(お釣り出ますけどね)
うーん、流石。
右岸が好きなわたくしですが、簡単にお試し出来る価格ではないなぁ
誰か飲んで、味をおせーて
挑戦者モトム。
2023年10月27日
アンリオで乾杯
来週はもう11月ですね〜
店頭ではアンリオフェアを始めました
激安になってまっせ
写真が下手なのと、自分でやっておきながら、どうもレイアウトが気に入りません
修正するつもり。
お値段はどれもぐっとお値打ちになっていますので、是非店頭まで買いに来てください
高額なほど値引きも大きいので、エメラ2008が一番のおすすめです
てんちょももう一回、ジェロボアムが飲みたい
アンリオは長らくグループ会社として傘下にブルゴーニュのウィリアム・フェーブル(シャブリ)とブシャール・ペール・エ・フィス(ボーヌ)を持っていましたが、フランソワ・ピノー(シャトー・ラトゥールのオーナー)率いるアルテミスグループと合併して、その後ばらばらになってしまいました
合併のニュースはちょうど1年くらい前だったかな
更に今年に入ってアンリオを切り離した訳です。
あれま。
なので、昔はブシャール・ペール・エ・フィスの営業担当の西山さんが来店してのアンリオセミナーを開催してもらったりしたんですが、
今は別の会社なんです
アンバサダーの情野さんがいらっしゃるからいいですが
買収後、アルテミスにはジャクソンがあるので(前に書きましたね)アンリオが被るからか、なんとニコラ・フィアットに売却してしまうという、予想外の移籍ニュースにびっくりしました〜
更に、シャブリのウィリアム・フェーブルはボルドーのバロン・ド・ロートシルト(ラフィット)が買うとか、買わないとか。
そろそろ結論出そうかな。
日本国内の輸入元の変更はよくある事ですが、フランスでの最近の大きな買収・合併ニュースには驚かされます
お金を生むワイン産業、巨人は更に巨人になっていくんだなぁ。
美味しいワインには諸手を挙げて賛成ですが
2023年10月26日
シャルドネのおすすめ
秋の花粉症が増えてるそうですね…
なんだか、私も。
まさか。
いや、そんな
…喉がイガイガする
インフルエンザも依然、流行ってますし、皆様も体調にはお気をつけてください
この頃、ゆっくりブログを書く時間が取れませんでした
今日も超簡単です。
先日のセミナーのワインが入荷して来ました。
隠れた人気だったのがこちら ↓
エラスリス マックス・レゼルヴァ2020 シャルドネ 150周年ラベル
セミナーでは後半フルボディの赤が続きましたが、それとは真逆の、一番最初のこのシャルドネも非常に美味しかったです
今、セミナー特価になってます
このシャルドネは、アコンカグアバレーではなく、アコンカグアリージョンと表記されています。
(セミナーで配布した資料が間違ってます)
カサブランカバレーのシャルドネも使用しているためです。
エントリーレンジの手軽なワインですが、樽発酵しています。
凝ってますね。
そのまま30%だけMLFして、フレンチオーク熟成10ヶ月。
樽をそこそこ使用していますが、ブドウ由来のコクがある非常にバランスのいいワインです
コテコテ過ぎず、あっさり過ぎず、これはてんちょも個人的に好きですね
誰にでも分かってもらえる良さがありますよ
ラベルの上品なデザインも好きです。
ブラインドで飲んで「チリ」って言えますかね??
世界標準のシャルドネ、ついつい、ブルゴーニュばかりに目がいきますが、
これはレベルが高いです〜
是非、飲んでみて欲しいです
2023年10月21日
苦境と行動
今日からまた一段と気温が下がるようです
空気が冷たくなってきましたが、日差しは強め
昨日のフランスのニュースで、ラングドックの生産者がスペインワインの輸入に抗議して道路を封鎖した上に、タンクローリーのワインを路上に放出したり、トマトを焼いたり、と過激な行動に出たという報道がされていました。
(c)LIONEL BONAVENTURE / AFPより 以下の1枚も同様
もったいない…
トマトやペットボトルのお水は関係ないし
場所は、Le Boulou(ル・ブールー)、ルションですね。
ペルピニャンの南、地中海側ですぐスペインの国境です。
今、フランスでは、政府が売れないワインの生産を制限させようとしています。
余った在庫をブランデーに加工するのに補助が出たり、助成金を出して転作を推奨したり、ブドウ栽培は決して明るくないのです
シャンパーニュやブルゴーニュが世界中で需要が高まっていて、値段がアホみたいに上がってる事を思うと俄かには信じ難いのですが、
明暗がはっきり分かれているというフランスワインの現状です。
南仏の生産者は苦しいでしょう。
そこへ、更に安価なスペインのワインが入ってきたら、もっと売れなくなっちゃう訳で、これに抗議しての今回の破壊行動です
フランスの農民って結構過激です。
かつて、1911年にシャンパーニュでも大事件がありました。
この1911年はシャンパーニュでは歴史的な大豊作の最良年なんですが、オーブ県では他地域からの安価なブドウの搬入に怒った農民が暴徒と化し、役所を襲撃して借用書などを焼き捨てたんです。
この抗議行動は数日間続き、各地に飛び火したり大事件になりました。
WIKIより拝借
当時はまだ産地呼称などの法整備はされておらず、シャンパーニュの需要は増えつつあったので、メーカーはより安いブドウをロワールやシャブリ周辺から買っていました。
その値段に引っ張られて、オーブ県の栽培家は僅かな金額でしかブドウを売る事が出来ず、生活が苦しくなっていた農民が怒った訳です。
一揆ですな。
(因みにアジアでは辛亥革命の年です)
こういう一方的に値段を受け入れるしかない弱い立場の人達が、実力行使に出るのは理解できるような、でも食べ物は無駄にして欲しくないし。
イスラエルとガザの問題も、どっちの言い分もわかるような。
難しい
2023年10月19日
宴会報告
秋の陽気になって、赤ワインも美味しくなってきました
昨日は弊店15周年パーティでした
ご参加くださった皆様、ありがとうございました
残念ながらご一緒できなかった方も、また店頭でお待ちしております。
昨日はまず、昼間に業界向けの試飲会とシャンパーニュのアンリオセミナーに出席しました
デゴルジュマンが2016年のスーヴェラン、とっても美味しいです。
個人的にはブランドブランが好きかも(珍しく)
昼間の講師もアピシウスのシェフ・ソムリエの情野さんでした
お話がうまくて知識も豊富。
素晴らしい方です
夜はマリオットアソシアホテルへGO
宴会係の皆様には大変お世話になりました。
ここでも、情野さんの的確なサービスと話術でとても楽しい時間になりました
てんちょ、ほぼ何もしてません
役立たず〜
ワインは元より、お料理も美味しかったです
素晴らしい会になりました。
ファインズの協賛があったればこその会です。
ありがとうございました
写真がないけど、追加できたらします。
このような豪華な宴会は次回の20周年(があれば)になりますので
2028年まで頑張ります〜
2023年10月17日
2023年10月15日
ピノ・ビアンコってどんなイメージですか
秋らしくなって、食事もワインも楽しめるようになりました
常温の濃い目の赤ワインも美味しくなってきましたね〜
今日は冬でも楽しめる白ワインを紹介します
何気なく飲んでみた所、とても良い味だったんです
レ・モンデ ピノ・ビアンコ2020
イタリア、フリフリの辛口白ワインです
ピノ・ビアンコ100%
レ・モンデはフリフリ・ヴェネチア・ジューリア州の南部でヴェネト州との州境にあります。
そこの土地がレ・モンデという名前なので、それがそのままワイナリーの名前になりました。
輸入元HPより、以下同様
人口が80人ほどというかなり小さな集落です。
80人って…
何かやらかしたら、たちまち噂が広がりそうな田舎だろうなぁ…
フリフリのワイン産地は皆様どのくらいご存知でしょうか?
まず、フリウリ・ヴェネチエ・ジューリア州はイタリアの北東部にあります ↓
WIKIより
東はスロヴェニア。
北はオーストリアです。
この州は北のフリウリ地区と、南のトリエステを含むヴェネチア・ジューリア地区を統合して作られており、特に南部はハプスブルグの統治下にあった時期が長く、文化的には違いがあります。
生ハムの産地である、サンダニエーレも有名ですし、ここは聞いた事ある方が多いのではないでしょうか
ワイン的には、有名なDOPである、
DOCGコッリ・オリエンターリ・デル・フリウーリ・ピコリット
DOCコッリオ
の二つを知っていれば、十分だと思います
知ってますか?
ピコリットは収量が特に少ない品種で栽培が難しいので希少価値が高いのです。
この二つの産地は州の東中部にあり、あまり大きな産地ではないものの、優れたワインを産出する地域として称賛されています
こんな位置関係です ↓
イタリアワイン事典より
…詳しすぎて、かえって見づらいかも
今日のレ・モンデは、上記の著名産地(州都ウーディネの東)とは反対のヴェネト側にあります ↓
赤いピンの場所
てんちょ自身、フリフリには馴染みが薄いです
なので、自分で書いていてこう言ってはなんですが、あんまりピンと来ませんね
(こらこら)
レ・モンデは、元々あったワイナリーを、アレックス・マッカンさんという方が2008年に買収してリニューアルしたワイナリーです
真ん中の方 ↓
インテリア系の会社で財を成したとかなんとか。
2008年以降、このワイナリーは急速に成長し、二つの河に挟まれた堆積土壌の土地に108haもの畑を所有しています。
レ・モンデは、「Bevibilita’(飲み疲れしない飲みやすさ)」をモットーにワインを作っています
今日紹介するピノ・ビアンコがイタリアワイン評価本のガンベロ・ロッソで5年連続トレ・ビッキエーリを獲得しています
トレ・ビッキエーリ(=3グラスという意味で最高の評価です)を5年連続って、すごい快挙です
さらに、2021年まで通算8度の受賞を誇っています
それも納得。
過度な濃縮や、樽の使用がない自然体のワインで、これがすごく美味しかった
元のブドウがきっと素晴らしい状態なんでしょう
黄金色の外観は、ピノ・ビアンコ=ピノブランと思うようなフランスワインに慣れているてんちょみたいな飲み手からすれば、濃い目です。
香りはグレープフルーツに黄桃みたいなすっきりと甘さが半々なアロマかな。
口に入れると滑らかで厚みを感じます。
辛口で酸とコクのバランスが素晴らしく良いです
後味も心地よくて最高
いやー、美味しいですよ
ちょっとコクありなので、冷やしても冬向きだと思います。
クリームシチューやバター焼きなどのこってりしたお料理にも合います
フランスのピノブランとは全然違いますね〜
この美味しい白ワイン、税込3000円でおつりがくるお手頃価格です
2000円台でこれが買えるっていいですね
イタリアワインが苦手っていう方にも、おすすめですよ〜
買ってみてね。
2023年10月13日
古参日本ワイン
台風は東へ逸れて、名古屋には大きな影響はなさそうですね
18日の15周年パーティーを無事に終えられそうで、ほっとしています
一昨日の午前中に、マンズワインの試飲会に行ってきました
去年(だったかな)の試飲会でも、マンズワインの質の高さに驚きましたが、昨日も変わらず良かったです
単一畑のメルローやカベルネがとてもいいアロマでした。
そこまで高くないし、また店頭にも並べたいと思います
今は辛口の信濃リースリングがあるだけなので。
マンズワインはお醤油でお馴染みのキッコーマンが経営するワイナリーです
高度成長期の1962年、山梨県の勝沼に「勝沼洋酒株式会社」としてスタートしました
衣食住が西洋風に変化していく中で、甲州というブドウでワインを作る取り組みを始めました。
そののち、1964年に今のマンズワイン株式会社へと社名を変更しています。
マンズとは、キッコーマンの「マン」であり、聖書に記されたラテン語の「天から授かった食物マナ」に因んだ言葉でもあるそうです
そうなんだー
…てんちょは、ついつい、索子とか筒子とか考えちゃいます
↑ んな訳ない
1970年代になって長野県の小諸にもワイナリーを建設、現在山梨と長野の二か所でワインを作っています
山梨のワイナリーは国内最大だそう。
自社畑以外にも長年の契約農家さんがいます。
てんちょ、大昔に一度だけ小諸ワイナリー言った事ありますが、とにかく遠くて…
レインカット(雨を防ぐために垣根のブドウ樹に被せる長いカバーみたいなもの)を見学して、氷結(クリオ・エクストラクション)の甘口等を飲ませてもらいました
小諸のワイナリー ↓
HPより、以下同様
ソラリスの畑
試飲会には竜眼の古いオードヴィー(ブランデー)が出ていましたが、5万円は考えちゃうねぇ
試飲もしませんでしたが。
高いだけあって(22000円税抜き)、このマニフィカは香りも味も良かったです ↓
買おうか迷うね〜
2023年10月11日
おなじみの南半球ワインでスタイルの変遷を思う
こんばんは。
昨日はチリで最も古いワイナリーの一つである、エラスリスのセミナーでした
ご参加の皆様、ありがとうございました。
しかし、1時間半でお話を聞いて10種類のワインを飲む、って、無理だよぉ〜
って思ってましたが、何とかなった
講師として来店してくれた、ハイメ・リベーラさん、優しくて素敵な紳士でした ↓
貴重な高級ワインを含めて10種類も飲めたのはいい経験でした。
最後にいつもやるのですが、参加者の皆様に好きなワインを一つ選んで挙手してもらうのですが、やはりドン・マキシミアーノが一番人気だった
↑ 創業者の名前を関したワイナリーのフラッグシップですし。
かつては、評論家の100点を狙って、カベルネソーヴィニヨン100%でとにかくフルボディに作っていたそうですが、現在では、ほかの品種を複数ブレンドしてエレガントなスタイルにしているとのこと。
これのセカンドワインである「ヴィラ」は、もっといろんな品種をブレンドしていて、ボルドーでは不可能なシラーも入ってます。
チリならではの可能性や独自性に挑戦したいとのこと。
どのワインもアルコール度数を14%以下にしているそうで、そのせいか酸がはっきり感じられて、口の中がキューってなりますね
タンニンじゃなくて酸味が強い。
エッジは紫で濃く見えますが、そこまで濃厚じゃない、かな。
試飲は最新ヴィンテージなので、どれも若くて強いのは仕方なし。
10種類も飲み切るのは大変だったみたいで、皆さん、あんまり試飲が進んでなかったかなぁ…
ここも「優しく上品なワイン」というスタイルに舵を切ったんだな〜
元々、マイポよりも北のアコンカグアバレーにあるエラスリスは、温暖化が懸念される昨今にあって、より冷涼な気候を生かせる利点があります
このエレガント路線は今、世界のトレンドですね
ナパでもトスカーナでも、真っ黒で濃いワインは疲れるんでしょうか、敬遠されてきたみたいです
一部の需要はまだ健在ですが、そうかといってみーんなが同じエレガントワインの方向を向くのは個人的にはつまらん、と思う
メドックのタンニンバリバリの黒いカベルネが今は懐かしいくらい
もう一つ、昨日は話題になりませんでしたが、
チリのワイナリーは今、どこも安価なデイリーワインから高級路線へと変わっていこうとしています
もう世界ではワインが飽和状態で、低価格競争も限界です。
しかも若年層のワイン離れが進んでいて、低価格ワインはそこまで売れていません。
今後の活路は、より高品質のワインを高額でも作っていくこと、に求められています
話をセミナーに戻して。
そして、チリの固有品種と言えば、カルムネール。
昨日はいいワインとそのお話も出ましたよ
カルムネールの高級品「カイ」
ラベルの赤い葉は、カルムネールの収穫時の色なんだそうです。
メイプルリーフじゃない。
有名な話ですが、チリでは長い間メルローだと思われてきたカルムネールは、収穫時期になると葉っぱが赤くなるのですが、実はメルローではそのようなことはなく、葉っぱは緑色のままです。
黄色や褐色になるのはもっと後、冬が近づいてからの事です。
それが、「これはメルローじゃないんじゃないか」という再発見のきっかけになったそうです
なるほどね〜
さらに、カルムネールはスパイシーな品種だ、というお話でしたが、私はこれまでそう思った事ないんですよね…
そうかしら?
しかも、チリのメルローが一部スパイシーなのはテロワール(土壌)のせいだと考えられていたそうで、まさか品種が違うとはだれも思ってなかったと。
それも無理からぬことかも。
ジンファンデルの正体が長らく不明だった事とか、ちゃんと調査しないと分からないことってありますよね
シャルドネもリーズナブルで美味しかった
欲を言えば、もう少し資料とリンクして掘り下げた内容の話が聞きたかったですね
また、どなたかにご来店いただきたいです
2023年10月07日
マイナーブドウ、あなたはどっち派?
いきなり寒くなっちゃいました
暑いよりはいいんですけど、秋の気配くらいの涼しさをもう少し味わいたい
今年の店内24時間空調も終わりです。
今日は新入荷の超お手頃ワインを紹介します
プレーヌ・ソヴァージュ ペイ・ドック マルスラン セパージュ・ウーヴリエ2022
南仏の赤ワインです
マルスラン100%
セパージュ・ウーヴリエ=忘れられた品種、の名の通り、あんまり生産は多くないブドウです
カベルネソーヴィニョンとグルナッシュの交配で生まれた品種です。
別のワインですが、数年前に紹介しています、由来などはこちらをご覧ください ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/477708163.html
今日のワイン、生産者は、プレーヌ・ソヴァージュ、となってます…
ですが、情報が全くありません
名前も「荒野」とか「原野」とか、変な名前だし。
組合のブランドかなぁ…
ラベルに記載してある郵便番号(34070)からするとモンペリエで元詰めしてるようなんですが
おーい、誰が作ってるんですかー?
余談ですが、フランスの郵便番号は5桁。
小学校で全国の郵便番号を覚えるとかなんとかで、大抵の人は郵便番号を見るとどこら辺か分かるらしい。
本当かな
醸造の詳細はあります。
完全除梗で低温発酵させた後、ステンレスタンクで半年くらい熟成させています。
色が濃い紫色をしていますが、フレッシュでジューシーなミディアムボディです
見た目の印象よりも優しく、流れるようなワインです
このワイン、何が嬉しいって価格がとてもお手頃なんです
税込で1500円以下
中々、こういう価格で満足できる南仏って少ないですが、これはヒットかも
同じシリーズの「忘れられた品種」で、アリカンテ・ブーシェもあります ↓
こちらも優しいミディアムボディ、同じお値段です
アリカンテ・ブーシェは、グルナッシュとプティ・ブーシェの交配品種です。
一部の果汁はマセラシオン・ア・ショーと言って、タンクを熱して抽出を強める手法を用いています
この伝統的な手法は、ドイツのドルンフェルダー等にも使われており、よりタンニンや色素を多く抽出する目的で行われています。
ですが、やりすぎるとワインの品質が落ちるので、今では行う生産者はあまりいません(温暖化で完熟したブドウも取れるので尚更必要ないかも)
発酵が終わったら、こちらはフレンチオークで熟成しています。
マルスランよりもしっかりした骨格があり、ややシャープな印象です
てんちょはマルスランがいいですが、どちらが好きかは好みが分かれるところでしょう
両方買っても3000円以下
マイナーブドウを飲み比べるいい機会になるかも。
お試しくだされ〜
2023年10月05日
マジェコ行きたい
すっかり涼しくなって、夜は寒いくらい
寝やすくなりましたー
来週10日のエラスリスセミナーは満席になりました
ここでの告知が遅くなってすみません。
10種類、頑張って勉強しましょう〜
10月になって、色んなワインが入荷して来ましたので、順番に紹介したいです
人気ワインでは、
アラン・ユドロ・ノエラ
エグリ・ウーリエ
ジャクソン
が少しずつですが、入ってます
少ないし、高いし
詳細はネットショップをご覧ください
今日はこのワインから紹介します
ベティック ロス・パリエンティス シャルドネ2021
やっと買えました、シャルドネ。
以前はピノノワールを紹介しましたが、覚えてます??
チリのワインですよ〜
過去の記事はこちら ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/485445751.html
来週のセミナーのエラスリスの(元?)醸造長が作ってるワインです
オーナーのフランシスコ・ベティックさんは、長年エラスリスで醸造責任者として働き、最高峰のチャドウィック、セーニャを作っていた方です。
このワインでチリ最初の100点ワインとなった事や、2016年に世界最優秀醸造家にノミネートされる、等、話題が多かった
(やめてない?)
まぁ、わたくし、点数には興味全くないんですけど…ね
今日のはシャルドネ100%、辛口。
ベティックの白では2番目にお手頃な価格です。
過去の記事にも書きましたが(産地はそちらを参照ください)、チリ最南端のDOマジェコの中にあるサブリージョンのトライゲンという産地です
ロス・パリエンティスはそのトライゲンの、ロス・スイソスという単一の自社畑のブドウを使用しています。
樽発酵で10ヶ月の樽熟成(ですが、新樽はなし)、生産が7000本ちょっとというかなり希少なワインです
「ブルゴーニュのラモネ シャサーニュ・モンラッシェ1erレ・リュショットを思わせる」そうです
ほえー、さよか
飲んでみなくては。
これより上級のセレクション・デ・パルセラはもっと少ないですが、お値段もかなり立派になるので怖気づいて買えませんでした
買っておくべきだったのか。
あなたも挑戦してみませんか。
2023年10月02日
セミナー若干募集と新酒予約のおしらせ
やっと涼しくなりました
寝やすい夜が嬉しいです
10月10日火曜のエラスリスセミナー、1席空いております
高級ワインを含めて10種類も飲めますよ
誰かご参加いただけないでしょうか?
先着で受け付けますので、満席の場合にはご容赦くださいませ。
詳しくはこちらをご覧ください ↓
https://cave-mitsukura.com/news-detail.php?id=59
それから、
ボジョレー・ヌーボー&ホイリゲの予約受付を始めました
お馴染みの昨年と同じ生産者です。
ルロワ
マリー・ラピエール
ルー・デュモン
ルイ・テット
ツァーヘル
今年も(おそらく今後ずっと)、ルイジャド、パカレはありません
ノヴェッロは若干入荷すると思いますが、数量が確定せず、予約を承れません
今年の解禁日は、
ホイリゲ 11月11日(土曜)
ボジョレー・ヌーボー 11月16日(木曜)
です。
ヌーボーが発売になると、すぐにクリスマスで、本当に年の瀬が近くなった実感がわきます。
一年が早いなぁ〜