2023年12月04日
長ーいワイン
流石に朝晩の気温は下がって来ました
いつの間にか、もう12月。後4週で今年も終わりです
今日は新入荷の珍しいボトルを紹介します
マルセル・ダイス アルテンベルグ・ド・ベルクハイム グランクリュ2017 マグナム
1.5リットル=マグナムです
(右は比較用の同じアルテンベルグの750ミリのボトル)
長い
これねー、サービスする時にグラスが遠いんですよね
グラスとボトルを両手に持つとエキスパンダー状態だよ
(エキスパンダー、もしかして若い方には通じない??)
マグナムの語源はラテン語のMUGNUS=マグナス(大きい)です。
因みに、銃で言うマグナムは、このワインボトルの名前が語源です
薬莢の容量を増やしたり、火薬を増量して威力を増してる物を指します。
さて、肝心のワインですが。
ダイスは有名だし、人気があるのでご存知の方が多いはず
フランス、アルザスの自然派の作り手です
今日のは白ワインです。
ここの自然派は本気です
現在、蔵は息子のマチューさんも主力になって運営されていますが、先代であるお父様=マルセル・ダイスさんは創業当時(40年くらい前?)、ご近所ではかなりの変人扱いであったようです
まず、マルセルさんは本来のアルザスワインのブドウ畑の姿を考え、
大昔には色んなブドウを混ぜて植えていた事(混植)、
ブドウだけでなく畑には野菜や他の果樹も植えられていた事、
を知ると、それが土地の気候に合った無理のない姿と考え、自分の畑をそのように変えていきます。
元に戻すという意識だったそう。
これが周りには「なにやってんだ、あいつ」と映り、みんなと同じ事をやらない人=変人(田舎はどこも同じだ)となってました。
当時は畝を揃えて作業を楽にしたり、農薬を多用して病害に備えるのは当たり前だと思われていました。
戦後の50年代から70年初めまで、世界中がこうだったと思います、日本の農業もしかり
マチューさん ↓
SNSより
しかし、そんなマルセルさんのワインはめちゃくちゃ美味しい
すぐに世界中で大人気になって、もちろん良く売れる
世界中から買いたい人がやって来るようになりました。
それで、アルザスでも自然派に対する目が少しは和らいでいきます。
マルセル・ダイスが素晴らしいと思うのは、畑も醸造もなるべく人の手を加えないワイン作りをしてる分、サボらないで出来る事は全てやる、という姿勢、それからワインがとにかく美味しいって事です。
無農薬やSO2無添加を優先するあまり、美味しくないワインって巷に沢山あります
何故、わざわざ不味くしてるんだろう、と不思議でなりません
いいアロマが乏しくて、後味も悪い、腐ったシードルみたいなのが多すぎる(ごめんなすって)
ダイスのワインは、とにかくいい香り
フルーツや花、鉱物が混ざってて複雑。
畑毎の違いも分かるし、熟成するとブケになって行くのもとても喜ばしい変化です。
味わいは果実味多めでやや甘く感じる方が多いと思います(分類では辛口になりますが)
余韻の長さ、心地よさは流石です
自然派とか、ビオとか言わなくていい
今は(自称)1級畑のラベルデザインも新しくなっていて素敵です ↓
SNSより
2019年に訪問した時の記事はこちら ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/466528430.html
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/466543691.html
もう4年かー、また行きたいです
ダイスと天ぷら、いいマリアージュですよ
わたくし、今は名古屋で良さげな天ぷら屋さんを知らないので、誰か教えてください。
蔵のグランクリュは現在4つありますが、このアルテンベルグが一番最初に取得した畑(マルセルさんの父の代)で、蔵から一番近く、フラッグシップ的存在です。
セパージュは、13品種全部入ってるそうです。
前も書きましたけど、一応13品種書いておきます ↓
・リースリング
・ピノブラン
・ピノグリ
・ゲヴェルツトラミネール
・オーセロワ
・ミュスカ・オトネル
・ミュスカ・オトネル ロゼ
・ミュスカ・ダルザス
・ミュスカ・ダルザス ロゼ
・ピノノワール
・シルバネール
・シャスラ
・サヴァニャン(クレヴネール)ブレンド用のみ
順不同、マチュー談
(グリじゃなくてロゼって言ってましたね、ピノグリはグリなのに)
マグナムはレギュラーボトルの2倍のサイズですが、値段は2倍以上します。
グランクリュだし諭吉さん3人は必要です。
その分、価値が高くて味もいいし、寿命の長いからいいんです
貴重なボトルです〜