2024年01月29日

甘口修行・トカイ編


良く晴れた青空がきれいな名古屋です

東京でも地震があったようで、名古屋もそろそろ…
どうしようもない側面もありますが、心構えと準備はしておく必要があると思います。
災害も犯罪も「自分には関係ない事」と思ってるのが一番危険
ですが、大地震の際にはワインはもう諦めるしかなさそう



今日も備忘録です。
ワインは店頭にあるものも、取り寄せでも買えますので購入をご希望の方はお申し付け下さい

結構長いので拾い読みしてください。

オレムスワイン.jpg

オレムス
左から、
マンドラス2017
ペトラッチ2018
トカイ レイトハーヴェスト2019
トカイ・アスー5プットニョシュ
ラグジュアリーレジェンズセット
2013・ 2000・ 1972
トカイ・アスー エッセンシア2011


ハンガリーの白ワインです。

トカイ世界3大貴腐ワインの一つですので、知ってる方も多いと思います
(あとの二つはソーテルヌとドイツのTBA)

この3大貴腐ワインはどれも極甘口です、生産量がとても少なく貴重で、昔はとして珍重されていたくらいです
(トカイという名称のワインには辛口もあります)

オレムスはそのトカイの生産者の中でも最古のワイナリーで、この貴重なワインの発祥の地でもあります
前にも紹介していますが、一番最初のワイン(の命名)がはっきりしているって、とても珍しい事です


歴史はとても古く、17世紀の初めよりハンガリー王朝の歴史と重なってトカイワインは共に変遷、発展してきました。
徳川将軍家直轄の日本酒蔵が現在まで続く、みたいな感じ

現在のハンガリーという国は、西暦1000年にパノニア平原を中心に成立したマジャール人のハンガリー王朝がその基礎になっており、キリスト教国の東端であったために代々、宗教的な国境守備が宿命となっていました。
その後、東のオスマン帝国が10代皇帝のスレイマン1世の治世で全盛期を迎えると、1521年にはハンガリー領内に侵攻しベオグラードを陥落させます。
ここから第二次ウィーン包囲の失敗まで、150年ほどハンガリー王朝はオスマン帝国の半支配下にありながら、西のハプスブルグ家とも争っていて、あちこちからけちょんけっちょんで大変な時期を凌いでいきます

この戦乱の渦中の1630年、トカイの甘口ワインは誕生します

戦争で男手がなくなった農村ではブドウの収穫まで人手が回らず、ブドウは樹上で枯れるに任され、放置されていたそうです。

まずは避難など身の安全が第一、次に家畜など世話が必要なもの、最後に果樹、だったんでしょうね。
一年に一度しか収穫がないブドウにずっと目を配っていられるような状況ではなかった事は想像に難くないです

オレムスはこの時、王家のラーコーツィ家の所有ワイナリーでした。
王家のブドウ畑でもほっとかれてるくらいですから、長引く戦争で疲弊してるハンガリー国内はさぞ大変だっただろう…

この枯れかけたブドウを惜しんで、牧師(当時のハンガリーは30年戦争でプロテスタント側についてます)のセプシ=ラツコー・マテーがワインを作ったところ、それが非常に甘くて美味しいことに驚き、この「奇跡のワイン」は王家に献上されます
高貴な香りと味わいのこの甘口ワインはすぐに王侯貴族の間で大人気になり、フランス王のルイ14までもが絶賛、「王のワイン」と名付けたほど称賛されました

それから長らく、ハンガリーのトカイの名前は現在でも知られた高級甘口ワインのままでいます

実は当初、この貴腐ブドウには否定的な意見もありまして。
貴腐がついたブドウは、どう見てもカビが生えて茶色く腐敗したような見た目ですので、このような物を神にささげるワインとしていいのかどうか、宗教的な冒涜ではないか、という反対があったらしい

確かに、アレを最初に口に入れた人は度胸があった、かも。
いや、たとえ腐りかけのブドウでもお酒に執着する人の意地汚さ(失礼)が行動させた、という方が正しいような気もする
てんちょ、すっごく気持ちが分かります

こうして王家の甘口ワインを生み出すオレムスは一層の権威を纏って、後世に受け継がれることになりました。
ハンガリーの王家のラーコーツィ2世は、新しい特産品のトカイを保護するため、畑を格付けし、トカイの階級まで制定する先進的な取り組みをしています。


トカイワインの産地は、ハンガリーの東部、トカイ・ヘジャリア地方にあります。
オレムスはトレチヴァという小さな町にあります
ここ ↓

オレムス.png

ブダペストから車で2時間30分、簡単には行けないけど行ってみたい

ゼンプレーンという呼称にも使われている山の麓らしいです(標高200m)が、なだらかな丘が美しい風景です ↓

オレムスimage-moyen-view_from_budahazi_vineyard.jpg
HPより 以下同様

流石に冬景色は寒そうです ↓

オレムスimage-moyen-tolcsva_2.jpg

第二次大戦後、社会主義国となったハンガリーではオレムスは共同所有され畑は分割されて30もの所有者が名を連ねていたそうです。
1993年、社会主義が崩壊した3年後にスペインのベガ・シシリアを運営するアレバレス家が進出して、分割されたいた畑を再統合し、慎重な調査を行った上で伝統を尊重したワイナリーを再建、地下セラーも統合して再出発しています

オレムスimage-moyen-oremus_winery_old_cellars.jpg

iオレムスmage-moyen-img_9478_79_80.jpg
甘露がたくさん

所有畑は115ha、流石の一大ワイナリーですね
ベガ・シシリア万歳だわ


では、ワインの説明です。
ワインは全て白ワインのPDOトカイで、価格は税込み上代価格です。
表記のないものは750mlです

1.マンドラス2017 3500円
 辛口
 トカイの固有品種であるフルミント100%
 マンドラスとはアーモンドの事で、マンドラスという名のついた区画の樹齢60年以上のブドウから作られています。
 収量は僅か2500L/haという低収量でで、これはブルゴーニュのグランクリュにも匹敵する少なさです。
 発酵・熟成ともに樽を一部使用しています。
 もとはアスー(貴腐)の甘口を作る畑でしたが、オレムスが初めて辛口を作りました。
 柑橘の香りとナッツの風味を持つ、すっきりした辛口です。

2.ペトラッチ2018 16500円
 辛口
 フルミント100%
 かつての所有者でオーストリア・ハンガリー帝国で活躍したエルネスト フォン ペトラッチ男爵に名を由来する畑のブドウです。
 急斜面で平均樹齢60年のブドウを手摘み収穫。
 フレンチオークとハンガリアンオークの新樽で発酵、3ヶ月バトナージュを施し、その後さらに5ヶ月熟成。
 マンドラスの上級品的位置づけ、木箱入り

3.トカイ・レイトハーヴェスト2019 4950円
 500ml 甘口 
 フルミント80% 、ハーシュレヴェルー10% 、ゼータ5% 、シャールガ ムシュコター 5%
 …後半のブドウは未知すぎますが
 貴腐化が50%以上進んだブドウを手摘み収穫しています。
 ハンガリーオークの新樽(136Lと220L)で発酵、アルコールが12度程度になると自然と止まります。
 その後ハンガリーオークで6ヶ月熟成、さらに15ヶ月瓶熟。

4.トカイ・アスー5プットニョシュ ラグジュアリーレジェンズセット 82500円
 500ml 極甘口 
 1972年、2000年、2013年という伝説的なグレートヴィンテージをセレクトした限定セットです、木箱入り。
 セパージュは3と同じですが、比率が異なる年もあり。
 辛口のフルミントにアスー(貴腐ブドウ)をプットニュで5回加え、2日間マセレーションします。
 ハンガリーオークの新樽(136Lと220L)で約60日発酵、そのまま24から36ヶ月熟成。さらに12ヶ月以上瓶熟。
 色の違いに驚愕

5.トカイ・アスー エッセンシア2011 90800円
 375ml 極甘口
 セパージュは3と同じ
 収量はなんと1haあたりわずかハーフボトル9本分。
 アスーは一粒ずつ収穫され、貴腐ブドウのフリーラン果汁のみをガラス製容器に入れゆっくりと発酵させています
 2年後に68Lの樽に移してさらに熟成し、瓶熟を重ねてリリースされます。
 両年のみの生産、1本で木箱入り

古木のフルミント ↓

オレムスimage-moyen-_zmp1658.jpg

5の発酵のガラス容器はこんなです ↓

オレムスimage-moyen-eszencia.jpg

ワインはハーフサイズですが、9万円以上する超高級品です
値段もすごいですが、とにかく数が少ないので
これも跪いて飲むべし


最後に、トカイの法的呼称について少しだけ。
ちゃんと書くとものすごく長くなるので今日は割愛しますが。
トカイは2013年に法改正されまして、それまでの分類が細分化されて複雑になりました
スパークリングも入れて、辛口から甘口まで10種類もあります。
や、ややこし〜

13年以前は、どれだけの貴腐ブドウを加えたかを示す「プトニュス」という表記が使われていましたが、現在は3と4のプトニュスは廃止され、5と6の場合は義務ではなく任意表記となりました。
桶何杯分って分かりやすくてよかったんですけどね


…余談ですが、タイトルの「トカイ編」ですが、特に「TBA編」「ソーテルヌ編」とか続けようと思ってはおりません



以下は2月3日追記です。

IMG_3220.jpg

いやー、エッセンシア、良かったです
写真ではあの輝きは全然伝えられていませんが

グラスに注いでる時から、粘性が違う
普通の貴腐ワインと濃密さが全く別次元ですね。

5プットニュスのトカイが平凡に思えたりして…

辛口も甘口もフルミントのレモンの風味がよかったです

エッセンシアでさえ、しっかりした酸が感じられるのはすごい
糖度の高さは圧巻なのに(アルコール度数2.5%しかありません)

酸が強い品種は温暖化で一層重視されていますので、フルミントも西ヨーロッパで栽培が広がるかもしれませんね。
ハンガリー国内でも、フルミントの辛口白ワインがもっと増えるのではないでしょうか。

くー、やっぱりハンガリー行こうか

 



 
 







posted by cave MITSUKURA at 16:13| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月28日

月末感ひとしお


名古屋市の皆様へ。
名古屋プレミアム商品券・金シャチマネーの使用期限は1月31日です
もし、まだ使い切ってない方がいらっしゃいましたら、もうあと数日ですので早めに使ってくださいね。
カーヴミツクラでも使えます


今月はもう中身のあるブログは書きませーん

2月2日にデュジャックが入荷しますが、数量は極僅か
本当に少ししか来ません。
値段も高いです…
シャルム・シャンベルタンよりマルコンソールのほうが高い、いつからだっけ?

他のブルゴーニュでも、一時の品不足はやや解消されてますが、人気ワインの値段はおっそろしく高いまま

そして、まぁた、4月からワインの値上げラッシュです
この数年で何回目だろう…






posted by cave MITSUKURA at 16:53| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月27日

今度は山形


アンリ・グージュのグレゴリーさんが来日してますね
招聘したのがうちの取引先じゃないので残念ながら会えません、そもそも名古屋来ないみたいだし

今年もできるだけ沢山の試飲会やセミナーに参加して新しいワインを見つけたいです
2月は割と業界向けの会は多いので。

今日を入れてあと5日で1月も終わりですね^−
もう今月の新入荷はありません


てんちょがお休みの日に、山形県の高畠ワイナリーさんがご挨拶に来てくれたそうです
お会いできなくてこちらも残念。

今、店頭には1種類しかありませんが、春以降で少し増やしたいと思ってます。

2022上和田PB]_1692514769071.gif

高畠ワイナリー クラシック 上和田ピノブラン2019
(写真は22年)

現行が22年なので結構前のヴィンテージなんだな…
あと2本ですが。


すっきりしたピノブランスキンコンタクトで仕込んでいます。
樽なしですが、黄金色で美味しい辛口です

価格もお手頃なので気軽に試せますし、こういうワインは貴重です。
正直、お値段に見合ってない中身の日本ワインはまだまだ多い、と思いますので


高畠ワイナリーは、山形県南部の東置賜郡高畠町(ひがしおきたまぐん たかはたまち)にあります。
ここ ↓

高畠ワイナリー.png

米沢の北ですね、もう少し北上すると老舗のタケダワイナリーがあります
駅から徒歩10分というのはいいですね

山形新幹線が通ってますので東京からなら行きやすい、かな。
名古屋からはやはり大変
JR高畠駅には温泉があるそうで

ワイナリーは1990年設立、鹿児島の焼酎メーカーの田苑酒造さんなどが傘下にあるMCAホールディングスの一員です。
ワイナリーのロゴ(エンブレム?)がサッカーチームみたいですよね

醸造設備や畑の説明はHPにはありませんね…
残念
もう少し詳しく知りたいものですが。

ワインジュレが食べてみたい〜

今年は国内ワイナリーにどこか行けるかなぁ














posted by cave MITSUKURA at 17:30| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月23日

ダイス備忘録


今日の夜から急激に冷え込んで、名古屋でも明日の午前中には雪は必至のようですね
すでに風が冷たい



今日は備忘録です。

ワインは1本ずつ飲むよりも、まとめて飲むとより理解が深くなって、いい経験になると思います
しつこい会=修行と称して、今年も飲んで勉強します。

ダイス.jpg

マルセル・ダイス 
左から、
アルザス・コンプランタシオン2021
アルザス・ルージュ2019
ビュルグ2015
グランクリュ・シュロスベルグ2019
グランクリュ・マンブール2019
グランクリュ・シュネンブルグ2016
グランクリュ・アルテンベルグ・ド・ベルクハイム2016
グランクリュ・アルテンベルグ・ド・ベルクハイム2017 マグナム

グランクリュを中心に8本。
ダイス自称1級のビュルグだけ旧ラベルです、今はもっとアートなラベルになってます。

マルセル・ダイスはここでも何回も紹介してますので、もう読み飽きた方もいるかも
フランス、アルザスのドメーヌです。

現在はマルセルさんの孫のマチューさんもワインづくりをしており、彼独自のブランドも持っています
ダイスの2代目、ジャン・ミッシェルさんは、戦後当たり前のようにブドウ畑が単一品種で、植えられているのはクローンのブドウばかり、それは本来のアルザスワインの姿ではない、と考え、そもそものアルザスワインとは何かを一生をかけて表現しようとしている生産者です

元々混植だったアルザスの畑には、様々な品種とともに野菜やリンゴなどが一緒に植えられており、ダイスはそれを再現。
農薬も使わず、ブドウ樹の生命力を高める農業を実践しました。

が、最初はやっぱり周りからは変人扱いだったみたい
今となっては笑い話ですが、当時の農村(田舎はどこも同じ)の様子を考えると…怖いなぁ


ワインの説明しまーす。

1.アルザス・コンプランタシオン2021
 白ワインです。辛口。
 認定13品種の混植・混醸です。所有畑のブドウを混ぜてます
 3000リットルのフードル(大樽)で発酵、そのまま12か月澱とともに熟成しています

*コンプランタシオンとは「混植」という意味でダイスの哲学を表す重要な言葉です ↓

23-vendanges-dans-berckem.png
HPより、いろんなブドウの色がきれいです

2.アルザス・ルージュ2019
 ベルグハイム、サン・イポリット、ベブランハイム各村産のピノ・ノワールが50%と1級ビュルランベルグの若木のピノ・ノワールが50%。
 木製開放発酵槽で発酵後、228リットルの樽で12ヶ澱とともに熟成。

3.ビュルグ2015
 白ワイン、辛口
 日当たりが良い南向きの畑で、ダイスが名乗る1級の内で最も重く凝縮したワインになります、13品種混植・混醸
 ダイスではデキャンタージュして飲むことを推奨しています

4.グランクリュ・シュロスベルグ2019
 白ワイン、辛口 (*アルザス・グランクリュには白ワインしかありませんので以下同様)
 2017年に購入した一番新しい畑、アルザス・グランクリュで最も先に認定された歴史の古い畑です
 リースリングが主体で他数品種の混植
 4つのグランクリュの中で最も辛口

5.グランクリュ・マンブール2019
 シュロスベルグと同じ峰の南に続く斜面にある区画。
 ピノグリ、ピノノワール、ピノムニエ、ピノブラン、ピノブーロの混植
 区画は標高はそこまで高くありませんが(270m)、風が強いので貴腐がつきません。
 4つのグランクリュの中で最も重厚な味わいです

6.グランクリュ・シュネンブルグ2016
 リースリング(80%)、ミュスカ、ピノ・グリ、シルヴァネール、シャスラ等の混植。貴腐が混ざることもある。
 石膏中に硫黄分が多く含まれていることで有名な伝説的な畑で、ワインにもマッチを擦ったような香りが感じられます。
 「10年間は開かない」という厳格で荘厳なスタイル。
 マンブールのような重さより、ソリッドなシャープさがあります。

7.グランクリュ・アルテンベルグ・ド・ベルクハイム2016
 ダイスが一番最初の取得したグランクリュで、ドメーヌがあるアルテンベルグの町を見渡せる斜面にあります。
 13品種の混植・混醸
 古代アルザスワインの復活を目指すフラッグシップ的ワイン、10月の収穫で貴腐がついて深く複雑な味わい

8.グランクリュ・アルテンベルグ・ド・ベルクハイム2017 マグナム
 7と同じ。
 ただし、マグナムで1年若い分、固く若々しい。
 ヴィンテージの差と熟成の可能性を体験できれば。

本当はマンブールはアルテンベルグの前に飲むべきかもしれません。
ですがヴィンテージを考慮してこんな感じ。


グランクリュの地図を載せたかったのですが、良さげなものがなくて断念

あと、天ぷら屋さんを探したい












posted by cave MITSUKURA at 18:47| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月22日

200年の秘伝・最新版の泡


昨日と今日はとても暖かい名古屋なんですが
水曜の朝はは急に気温低下でになるかも、と天気予報が言ってます

皆様、風邪ひきませんように。
名古屋は雪に慣れてないので、ちょっと積もっただけでも大騒ぎになりそうです




もう来週は2月。
今日はこのワインを紹介します

100157JacquessonCuvee741Tardif-166x600.png

ジャクソン キュヴェ741NV デゴルジュマン・タルディフ

シャンパーニュです
すっかり値上がりしてますが、普通のキュヴェ746も再入荷してます。

ジャクソンは老舗のシャンパーニュメゾンでもあり、かなり有名ですね
サロン、クリュッグ、ジャック・セロス、エグリ・ウーリエなどと並んで高評価&人気のシャンパーニュでトップの生産者です

シェはグランクリュ・アイの隣のディジーにあります。
(ディジーは1級畑です)
大きな敷地で壁に大きくJacquessonの文字が見られます。


ジャクソンは、製品以外の歴史的側面でも言及されることが多いでしょう。
1978年設立で後には皇帝になったナポレオンが好んでいたメゾンです

宣伝としては、
独立前のクリュッグが働いていた
が一番よく聞くフレーズでしょうか

また、功績としては、
保存や輸送を可能にした、ミュズレの発明もジャクソンです

それまで麻布とロウで栓がされていましたが、液漏れや変質で機能としてはイマイチよろしくなかったのです。

それを、コルク栓にして、さらにワイヤーで止めることにより、これまでの問題を一気に解決することが出来ました
後にワイヤー(銅線)を撚って強度を増し、密栓を可能にしました。

2代目当主のアドルフ・ジャクソンはこの時、特許を申請したものの、他社がこれを使用することには特に何も言わなかったようで。
昔、セミナーで「特許は申請せず、品質の向上に貢献した」って聞きましたけど、特許は受領されてるようです(1844年)
その時の書類のコピーが載った本に、コルクの上部に十字に切り込みを入れ、ワイヤーが外れない工夫がされてる図があります。


ちょっと脱線して。
このミュズレ発明の話は有名なので、ご存じの方も多いと思います

で、ミュズレって何?

IMG_3208.jpg

↑ ミュズレは、正しくはこのワイヤーのことです


皆様、これをミュズレだと思ってますよね? ↓

IMG_3210.jpg

てんちょもそうでした

この丸いのは、最初はplat(プラ)と呼ばれていました。
お皿、平らなもの、という意味です。
(今ではplaqueと言いますが、capsule de champagne、plaque de museletと言えばより伝わると思います)

まぁ、ミュズレが蓋(栓)をするという意味なので、日本ではこの王冠もミュズレと呼ばれるようになって定着したようです


話をジャクソンに戻します。

ジャクソンはアドルフの死後、経済的に困窮しまして売却されてしまい、しばらく低迷していました
1974年に現在の経営者であるシケ家の所有となり、復活を遂げています。

2000年以降に始まった改革で、単独区画のワインはヴィンテージに特化することとなり、それまでのブレンドが大きく減ります。
それに伴い、ロゼの生産の中止、シナチュールの廃止(むっちゃ残念)、と大きくフィロソフィーチェンジしたジャクソンです。

実は、てんちょは個人的には昔のほうがいいなと思う
ロゼもシナチュールももう一度飲みたい



今日のデゴルジュマン・タルディフは前から生産がありましたが、今はラベルがこんななのね
80年代の司教の赤い法衣のラベルが懐かしい。

これはジャクソンにおけるブレンドの最高峰です

2013年をベースに、アヴィーズなどグランクリュのシャルドネが中心。
94か月の瓶熟を経て、2022年4月にデゴルジュマンされました
tardif=遅い、の文字通りの長い熟成を経ています
(名づけとしては、ボランジェのRDと同じ意味)

14609本のみの生産、半端な数字ですが超少ない

ミツクラにデゴルジュマン・タルディフが入荷したの、多分初めてです。
違ったかな…
どっちにしても、限定の割り当てでまず買えません

お値段は諭吉2人と一葉さん一人。
自分で飲みたいくらいです。












posted by cave MITSUKURA at 17:37| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月20日

ブルゴーニュ赤の福袋、再スタートします


福袋、シャンパーニュも終了しました。
お買い上げいただき、ありがとうございます

ブルゴーニュ赤はまだ3万円以上のワインが残っておりましたので、グランクリュなどを追加して25本で仕切り直ししました

福袋 その2.jpg

グランクリュ1本、プルミエクリュ3本あります
是非ご来店ください











posted by cave MITSUKURA at 15:03| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月19日

せっかち返上だ


唐突ですが、てんちょ、2024年今年のテーマは「熟成」にします

昨日、ピエール・モレの会をひっそりやりまして ↓

unnamed (1).jpg

unnamed.jpg

特級どころか1級もない飲み比べでしたが、状態は非常に良かったです
香りや余韻が心地よくてツルツル飲んじゃいました

やはり10年かそれ以上の熟成で、ブルゴーニュのシャルドネは真価が出るのだなと再認識した次第です。

話の中で、いたく後悔した過去のワインがありまして。

その前に、最近のブルゴーニュの傾向について。
2000年以降のブルゴーニュの赤はリリースしたばかりでも、結構おいしく飲めちゃうのです。
多くのブルゴーニュファンが知ってると思います。

最初はこうしたワインに少し戸惑いました
「こんなに早く飲んでいいのかな(だって飲めちゃうし)」と。

90年代の若いブルゴーニュのピノノワールと言えば、薄い色で酸が強くて(タンニンもまぁある)、口の中がシカシカする「飲みづらい」ワインで、「なぜあんなシャビシャビのワインが高いのが理解できない」という声をよく業界の試飲会でも聞いた気がします。
(90年代前半は特に濃い赤ワインが持て囃されたので、余計にピノノワールは人気がなかったんです)

しかし、それは飲み頃よりはるか前だからです。
あの酸がアルコールと結びついて新しい香りになり、強い酸があるから長く熟成が可能だった訳です。

だから、熟成のピークになったピノノワールの香り、味わい、余韻の素晴らしさは一度経験したら忘れられないものになったはずです
全然、別物に化けることに感動&驚愕ですよ。
最初のあの「美味しくないワイン」から年数を経て変化するので、待つ必要がありました。

ところが、2000年以降のワインは待つ必要がなくなって、早くからチャーミングな香りとふくよかな味わい、優しい酸味でエレガントな印象になったんです。
濃くて渋いワインに飽きた人や、強烈なワインが苦手な人にはこのエレガントさが受けた。
早くから飲みやすい、疲れない、と。

これは悪いことではありませんが、熟成しないと出ないブケや、官能の残り方(余韻が喉の奥に残る)とはやはり無縁で、若いワインらしい味わいなんです。
それだけを経験して、どこの作り手がどうのこうの、畑の良し悪しを語るのはちと性急ではないかと思います

本当にワインの価値が分かるには熟成の頂点を経験する必要がある、のは間違いない

これは特にブルゴーニュの白ワインに言えることで、白の高級品は早く開けても良さがあまりわからないはずです
香りがあまりしない
変化しない(開かない)
固い
など、こういう状態を私は、うんともすんとも言わない、と言ってます

そういう経験、何度もあります
ここで、ようやく最初の話題に戻って。
過去に早く開けて後悔ひとしおだったワイン。

unnamed (3).jpg

ポンソ モレサンドニ1er クロ・デ・モンリュイザン・ブラン2011 マグナム
植樹100周年記念ボトル


unnamed (2).jpg

アンリ・ボワイヨ ピュリニー・モンラッシェ1erクロ・ド・ラ・ムーシェール2013 マグナム

どっちもマグナム。
てんちょ、でっかいボトルが大好きなので、ついつい買っっちゃいます

どちらも2022年に開けましたが、全然熟成してなくて、若い、固い、すすまない、三重苦だった
11年と9年経ってれば少しは若くともピークに近づているのでは、と思った自分が愚かだった
バカバカバカ、勿体ない〜

優良生産者のマグナムを甘く見てはいけません。
レギュラーボトルの倍くらいは待っても平気かも

今思えば、2022年はこれ以外にも「早く開けて失敗した」ワインがいくつかあったような
若いのを承知で経験したいのとは別で、残念なことをしてしまいました。

と言う事で、
2024年は熟成をテーマに、なるべく円熟したワインを飲む機会を設けたいと思うのであります

ところで、熟成はどんなワインにも訪れます。

980円のチリワインにも、極甘口のアイスワインにも、それぞれ、若い時期・熟成のピーク・枯れていく時期、があります。
上り坂・頂上・下り坂、です。

値段の差はその山の規模に比例していると思ってください。
お手頃なワインは早めにピークが来て数年で落ちて行きますが、高額なワインはピーク迄が長く、ピークも長く続き、ゆっくりと下って行くものなんです。

今、目の前のワインがどの状態にあるか、は、経験を積まないと分からないでしょう。
お金も時間もかかりますね
ですが、一度でも良い熟成のワインに出会えたらすぐに分かるほどの違いがありますので、あきらめないで挑戦してみてください

ワイン通を目指す皆様は、飲んでいるワインが熟成過程のどの位置にいるか考えてみて下さいね
ワイン通を目指さなくて、ただ美味しく飲めればいいっていうのも大賛成

わたくし、せっかちなので待つのが苦手です。
でも、ワインとなれば話は別だ

今年も修行するぞ〜












posted by cave MITSUKURA at 15:15| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月18日

コーヒー音痴でも美味しく飲めます


福袋、白ワインは完売いたしました

昨日、最後の10本に1等バタール・モンラッシェが残っていたので、気づいたお客様が大人買いしてくれました
6万円払っても十分価値ありますので、賢明な判断かと。
ありがとうございました

赤とシャンパーニュはまだ20枚くらいあります
赤の1等は出ましたので何か追加して仕切りなおそうかな。
シャンパーニュはまだ出ていません。

残り福を狙ってる皆様、ぼちぼちご来店ください




今日はワインじゃないお酒を紹介します
美味しいので飲みすぎ注意です

ベルタ ディ・ネーロ.jpg

ベルタ ディ・ネーロ クレマ アル・カッフェ

かっこいいボトルです

甘口のコーヒーリキュールです
でもアルコール度数は25%もありますので要注意です。

リキュールはお酒の分類では混成酒と言われるカテゴリーに入ります。
中世ヨーロッパの錬金術で作られるようになった蒸留酒をベースに、フルーツや香辛料、ハーブなどで味と香りを付けた物を指します。
(日本の酒税法ではこの範疇に該当しないものがあります)

因みに、ワインをベースにしたベルモット(イタリアのチンザノが有名)や、瓶詰のグリューヴァイン、サングリアは果実酒の仲間とされます。

有名なリキュールでは、

クレーム・ドカシス:フランスのブルゴーニュの名産品、アリゴテの白ワインで割ってキールになります

アブサン:アニスの風味が独特、水で割ると白濁します。ペルノやパスティスも同類

カンパリ:イタリアの赤いリキュール、甘くてフルーツジュースで割ると美味しい

コアントロー:ホワイトキュラソーと呼ばれるオレンジ風味のリキュールの代表的銘柄、製菓にもよく使われます

↑ このくらいは知ってる方が多いのでは。

てんちょ、ドランブイが好きです

今日のコーヒーリキュールも色んな会社が作ってますので、沢山の種類が巷には出回っていますが、一番有名なのは、
カルーアでしょうね ↓

bottle_std.png

今、こんなラベルなんですね。
なんか画像がぼやけててすみません…
牛乳で割ったカルーア・ミルク、まるでお酒とは思えませんが、カルーア自体はアルコール度数20%なんですよ。


今日のコーヒーリキュールは、イタリアのベルタが作っています

ベルタと言えば、高級グラッパの作り手として日本でもとても人気があります
お手頃価格の物から諭吉さん5人以上の限定品まで、幅広く生産しています。
もうね、限定品の美味しさが忘れられませんね

そんなベルタがリキュールも生産してることは知ってましたが、ふと目に留まったクレマ・アル・カッフェの文字。
ベルタのコーヒーリキュールなら、さぞ美味しいのではと思って買ってみました

これねー、ものすごく美味しいです

焙煎の香りがしっかりしてて(こういう燻した香りをワインでは、焦焙性=アンピルマティックと言います)、おおっコーヒーだわ、とすぐ分かる
甘く味付けされていますので、このままストレートでも飲めます。

戦時下のイタリアでは兵士の疲れを癒すために飲まれていたとか。

ロックグラスに注いで、氷を1個だけ入れて少しクリームを垂らすのがいいかなぁ
いかん、めちゃくちゃ飲んでしまいそうだ。

実はてんちょ、コーヒーが苦手で味が全然わかりません
蕎麦と同じくらい音痴なんだな、これが
しかし、これは美味しい。
お手頃価格とは言えないかもしれませんが、価値が高い

これだけでデザートと食後酒を兼ねてます

たまにはこういうお酒もアリですよ〜





















posted by cave MITSUKURA at 17:06| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月15日

2024年最強運の方


1月も半分過ぎましたね、2024年もあっという間に過ぎて行くんだろうなぁ

明日から今期いちばんの冷え込みになるそうです。
やだなー
ま、いつも店内は寒いんだけど。


福袋、順調に開封されております
が、
まだちゃんと?大当たりは残ってます
バタールチャーチルエシェゾーもありまっせ




大当たりのバタールを簡単に解説します〜

ガニャール.jfif

ジャン・ノエル・ガニャール バタール・モンラッシェ2020

ブルゴーニュの白ワイン、シャルドネ100%です。
グランクリュです

辛口ですが、それはそれは深い味わいがする… はずです


てんちょ、ガニャール1級のカイユレまでしか飲んだことがない
余談ですが、実はすっごいカイユレを隠し持ってるんで、そのうちイベントやりたい

ガニャールは名門の一族でシャサーニュ・モンラッシェを中心にいくつかの家系に分かれています。

ジャン・ノエル・ガニャール
ブラン・ガニャール
ガニャール・ド・ラグランジュ
フォンテーヌ・ガニャール


だっけ?

みんな親戚です。
ジャン・ノエル氏は、ガニャール・ド・ラグランジュの当主になったジャック氏の弟です。
なので、現在の4つの蔵は姉妹(とその伴侶)同士、いとこ同士ということになります。

もうね、モレ、コランも然り、更に近しい人で結婚してるので余計にややこしい
息子さんや娘さんが独立してドメーヌが増えたり


ジャン・ノエル・ガニャールは1960年に始まる蔵ですが、うーん、あんまり情報がありません

HPがなくなってますね
前はあったのに。
シャサーーニュ・モンラッシェの南側にドメーヌがありますが、周りはラモネ、アミオと名だたる蔵ばかり

ブラン・ガニャールのようにモンラッシェは所有していませんが、バタールに0.4ha持っています
(1級カイユレは1.1haも所有しています)


蔵は現在、レスティメさんという御嬢さんが継いでいます。
2代目なのね。
彼女の作るピノノワールもすごくチャーミングでおすすめです

シャサーニュやピュリニーでは白のイメージが強いですが、極わずかな生産ですが優れたピノノワールもあるんです。

今日のバタールには、特に言うことないですね
いいに決まってます

天然酵母使用、もちろんMLFあり。

ただし
まだ飲んではいけませんよ

2030年まで、できればそれ以降まで待ったほうがいいです
あと6から8年は我慢です
赤は早くから飲めますが、白は待たないとだめですよ。
早く開けるときっとと後悔します。

当たった方は、セラーにある事をひとまず忘れて、ほかのワインを楽しんでいてください。


モンラッシェの畑を見てると、どうしても西(斜面の上)に目が向いてモンラッシェしか見てなかった気がします
斜面といってもそんなに傾斜はありませんが、ちょうどいい具合の車道がモンラッシェとバタールの間に通ってるので、後ろを振り向かないという。
後ろもお高い畑なのに、モンラッシェの緩やかな斜面に比べると、バタールは(中央部は特に)傾斜がない平地のように見えるので、余計に「普通の畑」な感じがするかも。

バタール・モンラッシェ、これも十分、「跪いて飲むべき」ワインです

ちなみに、このバタール・モンラッシェは参考上代価格で198000円税込みもします
6000円で当てるのは誰だ










posted by cave MITSUKURA at 18:34| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月14日

極楽白ワインだ


風が冷たくて冷えますね

ブルゴーニュでも雪景色です ↓

SNS ルイ・ラトゥール.jpg
ルイ・ラトゥールSNSより、コルトンですね

モンジャール・ミュニュレでは雪の中で剪定作業をしています↓

SNS モンジャール・ミュニュレ.jpg

寒そうだー
今の時期はブドウ樹は寝てますので、気温低下や大雪でも全く問題ありません




さて、今日から福袋、販売しております〜

福袋.jpg

早速ご来店いただきました皆様、ありがとうございます
まだ、たーくさん残っております

大当たりは現時点でどれも未出現。
そんなすぐにはなくならないと思いますが、あまりに早く当たりがなくなったら、何か追加しようかな




福袋とは無関係ですが、今日はこのワインを紹介します

安心院.jpg

安心院 極果 アルバリーニョ2022

箱入り、豪華バージョン。

安心院は有名だと思います
初見ではなかなか、あじむとは読めないですが

大分県宇佐市安心院町(うさし、あじむちょう)にあります。

ここ ↓

安心院.png

焼酎のいいちこを作ってる、三和酒類さんの経営です。

大分県のこの地域は、先日紹介しました都農ワインさんとは違って、雨の少ない瀬戸内気候です。

これは日本古来の農業を考えると干ばつの心配が多く、稲作には不向きの土地でした。
そこで果樹栽培が奨励されたわけです
1960年代の開発でブドウ畑ができ、71年に酒造免許を取得してワイナリーがスタートしています。

安心院国内では珍しいアルバリーニョを栽培しています。
これがとても繊細で、ふくよかな味わいなんです。
美味しいです ↓

安心院21_1_original.png


アルバリーニョは、本来、酸味が強い品種できりっと爽やかな風味になるんですが、安心院のアルバリーニョは優しい印象です。
日本らしい、というべき?

このラベルのアルバリーニョは2022年はすでに完売しています。
23年の発売を待ってます。


今日のワインは、そのアルバリーニョでも良質のブドウだけを選別した、極果(ごっか)という上級シリーズです

ごくか、かと思ったんですが、アルファベットでGOKKAとあるのでごっか、なんでしょうね

HPには、

極果とは
果実、果実酒を極めた時にたどりつく究極の安心院ワインシリーズ。

商品名の「極果」は、仏教用語で「最高・無上の悟り。究極の証果(修行により悟りの果を得る こと。また、その得た悟り。」のこと。
これに由来し、果実(ぶどう)や果実酒(ワイン)を最高に極めたことを表現しています。


とあります

仏教用語かぁ…
深い意味があるんですね

アルバリーニョの極果は2022年が初めてのリリースです
特別な白ワインになってるでしょうか。

この極果、てんちょはまだ飲んでおりません
12本ありますが、悟りが開けるでしょうか

価格は一葉さん以上しますので、まぁまぁ高級品ですよ






posted by cave MITSUKURA at 17:51| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月12日

福袋は14日から、待ってます


やーっと福袋の準備が終わりました
ちょっと疲れた。
やっぱり早めに準備しておかないとだめですね

福袋シャンパーニュ.jpg

IMG_3192.jpg

IMG_3190.jpg

ブルゴーニュの赤・白は写真以外にも1級畑のいいワインが色々入ってますので

どれも6000円税込
大損はしません(が、5000円台のワインは入ってます)

運試しにどうぞ〜






posted by cave MITSUKURA at 18:28| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月09日

福袋 思案困惑迷走困窮中


福袋の中身が全然決まらないー

採算度外視なんですけど、かなり厳しい
特にブルゴーニュの白が

市場も、赤より白が不足してるといわれいる通り、白のちょうどいい価格の物ってないんです…

詳細発表は12日(金)ぎりぎりになりそうです。
ちゃんとやりますので、待っててください

posted by cave MITSUKURA at 14:45| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月08日

成人おめでとう


今日も晴天の名古屋ですが、強風で寒いですね
それでも、やはりいつもよりはかなり暖かい冬です。


今日は成人の日
名古屋市は昨日、20歳を祝う式典が行われたようです(よく知らない)

法改正により、現在18歳で成人となりますが、
飲酒や喫煙は20歳になるまで、これまで同様に禁じられていますので、勘違いされませんように気を付けてください

18歳の新成人に生まれ年のワインをプレゼントして一緒に飲むのは、あと2年待ってくださいね〜
(あげるだけで取っておくのはいいですけど)
20歳未満には売っても、飲ませてもダメです。
↑ これね、酒販講習でめちゃくちゃ言われます


2004年生まれの方が今年の20歳ですね。
04年はフランスでは収穫があまり多くないので、探してもなかなかありません。
最近の値上がりも含めて、古いワインが市場から消えてます。

2004年はシャンパーニュのシャルドネが当たり年です
あったら是非買うべきですが、もう見つからないだろうなぁ

店頭には、去年のセミナーで大変好評だったこれがあります ↓

フリーマークアビー.jfif

フリーマークアビー シカモアヴィンヤード カベルネソーヴィニョン2004

カリフォルニア、ナパバレーのカベルネです。
産地的にはAVAラザフォードと、ど真ん中のアメリカワインですが、とてもエレガントなんです

よくあるカリフォルニアのカベルネではない

諭吉さん3人越えの高級ワインですが、貴重な蔵出しのバックヴィンテージです
市場で熟成したのではなく、ワイナリーで熟成されたのが最近出荷されたものなので品質も安心です

今日はこれにて、さらば












posted by cave MITSUKURA at 17:21| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月07日

蟹爪ワインだ


明日も祝日で2024年の本格始動は9日火曜からですね

年初に工事を行って、ミツクラの店頭とセラーに防犯カメラを増やしました。
警備システムも一新して、センサーも増設。

特に何があった訳ではありませんが、ずっと気になってたことがあったので心配が減るのいい事だと思いまして

北陸の地震で被災地に泥棒や詐欺が横行してるとの報道を見て、嫌な世の中だと気が沈みますね
罰当たりの人非人
ここで書けないような罵詈雑言で呪っておきます。




では、今日はこれを紹介します

クレブス.jfif

クレブス ヴァイスブルグンダー トロッケン2021

今日のワインはドイツ、ファルツの白ワインです。
トロッケン=辛口です

トロッケン・ベーレン・アウスレーゼはごく甘口なのに、なぜトロッケンは辛口なのか、不思議に思ってる方、いませんか?

トロッケンは英語でいうところのドライ、です。
干しブドウのようにカラカラになって水分がない状態のブドウなので、トロッケンベーレン(Trocken=乾いた、beeren=果実)と言ってます。
また、そういうカラカラのブドウをゆっくり潰すことで、非常に糖分の高い甘い果汁が得られるのです。
そしてアウスレーゼは選ぶ、という意味で、選別したブドウで作った特別なワインのことを言います。

なんて、偉そうに書いてますけど、てんちょ、ドイツ語全くできません
ドイツもオーストリアの方も非常に英語がお上手なので、ドイツ語を勉強しなくて済むんです。



皆様、ファルツがどこかお判りでしょうか?

昔の日本語のワイン関連本にはよく「プファルツ」と書かれてましたが、今はドイツ語の発音に倣ってファルツと書いてます
(プファルツは英語読みしてます、ほかもレイムスとかジョージファイブがいい例です ←わかります?)

ドイツワイン事典.gif
ドイツワイン事典より

地図中の青い地域がpfalz=ファルツです。

北に位置する地図上の黄色い地域がドイツの最大産地であるラインヘッセンです、ファルツはこれに続きドイツ2番目の産地なのです

ドイツのブドウ産地では南部に位置することもあり、暖かく良質のブドウが産出される地域として知られていました。
ヴァインシュトラッセ=ワイン街道の名前が付いた二つのベライヒ(サブリージョン)を持っています。

が、正直、あんまし分かりません
細かい地名がフランスと違って全然ぴんと来ない。
知らない地名が多くて…

ラインヘッセンの西のナーエやこのファルツ、今ドイツで成長著しい地域です
これから赤の生産も増えるでしょうし、温暖化の恩恵が最も表れています。

以前に紹介しました、ベルンハルト・コッホもファルツにあります ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/499629783.html


クレブスは1982年設立の新しい蔵ですが、現当主のユルゲン・クレブスさんの父は元々、協同組合の一員としてワインを作っていました。
82年に現在のフラインスハイムへ移住して、ワイナリーを建てました
2008年からユルゲンさんも事業に参加、家族経営でワインを作っています。

ユルゲンさん ↓

クレブス team-juergen.jpg
HPより、以下同様

フラインスハイムはここです ↓

クレブス.png

マンハイムの西20キロくらい、縮尺を小さくすると消えちゃう

美しいところですね ↓

krebs-musikantenbuckel-2.jpg

クレブスはここに6区画、15haを所有しており、ちょうど半分すつ黒ブドウと白ブドウを栽培しています。

今日のバイスブルグンダーはフランスで言うところのピノブランです。
他にもリースリング、シュペートブルグンダー、メルローやカベルネまで栽培していて、赤白ロゼ、ゼクトとたくさんのワインを生産しています

この前のコッホもですが、家族経営なのにいろんな種類のワインを作るって、器用ですね〜
やはり平地の畑が多く、区画を区切っていろんな種類のブドウを植えることが出来るのも、そうした多種類生産のアドバンテージになってるでしょう
畑がパッチワークのようだ、と言われてます


ところで、名字のクレブスとはカニを意味してます

だからラベルにデザインされているのは蟹の爪なんです。
稲妻みたいなの、蟹の爪だよ
日本なら、蟹江さんとか、蟹田さんとか、かな
分かりやすくていいですね


今日のバイスブルグンダーは酸味のある辛口です
香りは洋ナシの様に甘さを感じさせるものもありますが、味わいは軽めのすっきりした辛口ですね。
舌に酸が残るようなタイプではありませんので、和食に合わせても邪魔をしません

冷やすと結構ドライなので、本当は夏のほうがいいかもしれません
暖かい部屋ではもちろん冷えてたほうがいいんですが、冷やしすぎないほうがおすすめです。

ドイツワインを食卓に是非、お試しいただきたい



店頭でももっとドイツワイン増やしたいと思いますが、そうすると何かを削らないといけないので悩むところ
今年はドイツの勉強ももっとしたいです〜











posted by cave MITSUKURA at 15:48| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月06日

新春割り当てアミオ


2024年のワイン福袋は1月14日(日)から販売開始します

今年は、
シャンパーニュ 50本
ブルゴーニュ赤 50本
ブルゴーニュ白 50本

で、合計150本用意します。

大当たりを何にするかまだ決めておりませんので、
決め次第、イベントページに載せますね。
ちょっと待っててください

6000円以下のワインも少し入ります、リスクをご了承の上でご購入をお願いいたします。

クレジットカードや交通系電子マネー、IDなどでもお支払いは可能です
ビール券も使えます

袋は有料(レジ袋2円、紙袋150円)になりますのでご持参いただく事をお勧めいたします。
何卒よろしく。



さて、年初の入荷ですが、割り当てのブルゴーニュが入ってきました

アミオ.jpg

アミオ 2021
コトー・ブルギニョン 赤
ブルゴーニュ・ピノノワール
モレサンドニ
ジュヴレイ・シャンベルタン1erレ・コンボット
クロ・ド・ラ・ロッシュ


5種類、全部で35本

1年分でたったの35本です
クロ・ド・ラ・ロッシュは2本のみ、白ワインは0

分かってはいたものの、不作の2021年、やっぱりか…

2021年はフランス全体で収穫が激減してますので、21年が記念の年の方は早く買わないとだめですよ。

春の大規模の霜害で、新芽が枯れてしまい、初っ端から不作が決まったという2021年。
霜に当たった新芽 ↓

霜害.jpg
2021年4月9日のどなたかのSNS(誰か忘れちゃって…拝借します)

枝に新芽が2つついてます。
赤い書き込みにあるように、
左が、gele(寒さでだめになった)の芽
右が、sain(健康)な芽

左は、こうなるともう復活しません
さらに初夏も雨が続いたりと、産地によっては夏中いまいちなお天気のところもあり

ですが、すべての生産者でワインの質が良くない訳ではありません
昨年訪問したドメーヌはどこも非常に美味しい2021を作ってました

てんちょ、古典的な2021年がすごく好きです

最近はブルゴーニュでもハイアルコールで濃いワインが増えてます。
黒くて濃いピノノワール、なんだか、それってブルゴーニュ本来の魅力じゃないと思うので

ルネ・ブヴィエやラペの繊細な21年は果実味も豊富で痩せたワインじゃないし、食卓で何を合わせようか考えるのが楽しみになるようなワインでした
こういうのがいいんだよ〜

「21年が好きな人は本当のブルゴーニュ好きだ」
とらぺさんも言ってました(大賛成)


話をアミオに戻して。
このドメーヌはモレサンドニで有名なドメーヌで、2019年まではピエール・アミオ・エ・フィスと名乗っていました。

モレサンドニで5代にわたって続くドメーヌで、ピエール・アミオは先代(お父さん)のお名前です。
長男のジャン・ルイ・アミオさんが弟さんと一緒にドメーヌを継承したのが1992年です。
その後、弟さんは離れたので20年からはドメーヌ・アミオ・エ・フィスと改名しました
(ミツクラではネットショップ、ブログともに「ドメーヌ」の表記を省略しています、長くなるんで)

ピエール・アミオのワインは美味しくてコスパも良いので過去には何回か紹介したことがあります。
覚えてますか?

って、過去の記事が見つけられない

過去(5年は経ってると思う)に奥様と来日した際のセミナーでは、寡黙な方であまりお話が弾まず、
たまらず奥様が「主人は真面目な農民なので皆様の前でお話するようなことに慣れていなくて」と助け舟を出すほど

ですが、よいお話でした。
ワインがとにかく良くて、寡黙でも無問題です

当時はまだそこまでの価格ではなくて、隠れた名品だったんですが、すぐに大人気で全然買えなくなってしまいました
現在ブルゴーニュ人気に加え、21年の不作の煽りもあって、さらに高騰しています。
白も素晴らしいのですが、やはりニュイなんで生産がとても少なくて余計に入手困難です

5本飲み比べしたいなぁ〜
いや、販売するべきか。

買いに来てちょ













posted by cave MITSUKURA at 16:40| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月04日

2024年今年もどうぞよろしくお願いいたします


カーヴミツクラは今日から営業初めです
今年もどうぞよろしくお願いいたします。


昨年最後の挨拶を載せないままでおりました
ちょっとパタパタして失礼しました。

2024年は元日から地震があったり、航空機の大事故が起きたりとショックの大きい年初になってしまいました。
被災された方にはお見舞い申し上げます
名古屋も地震の心配では他人事とは思えません。


今日は入荷もなく、静かなスタートです。
また一年、おいしいワインをご紹介していけるように頑張ります〜

posted by cave MITSUKURA at 13:25| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする