2024年02月23日
2024年02月20日
春が早い 本日中身なし
2024年02月18日
大西洋の風を感じますか
これからしばらく雨続きになるようですね
昨日の夜も雨が降るとは全く思っていませんでした… 傘なしで急いでる人もたくさん見ました
一雨ごとに暖かくなる季節、にはちょっと早くないか
2月中旬なのに。
今日のワインを紹介します
てんちょ、個人的に大好きな地域なんです
ワインは違えど、紹介するのは何回目だろう。
レクトラル・ド・ウミア ペドラ・ダ・アウガ2022
名前だけ聞いてどこのワインか分かったら神です
が、業界関係者でもまずいないでしょうね。
因みに、てんちょはもちろん分かりませんでした
今日のワインは、スペインのガリシア地方、リアス・バイシャスの白ワインです
アルバリーニョ100%
リアス・バイシャスのアルバリーニョは今、世界でとても注目されています
華やかな香りがあり、強い酸が特徴です
温暖化で酸が長く保たれることが以前より断然重視されるようになってきたためでもあります。
白ワインを作るにあたり同じような品種で見直されているのが、
アリゴテ
です
後、メジャーとは言えないかもしれませんが、
サヴァニャン(フランス、ジュラ)
フルミント(ハンガリー、トカイ)
も再び脚光を浴びています
逆に、酸が少なくて収穫時期の調整が難しくなってきているのが、
ゲヴェルツトラミネール
フィアーノやグレーコなどイタリア南部の土着品種
などです。
↑ これらのブドウは芳香高く、非常に香しいのですが、いかんせん元々酸が弱い
なので、暑さですぐに失われてしまいます。
アルコール度数や香りはいいんですが、どうも輪郭のないぼやっとしたワインになってしまいがちなんですよねぇ
同じように思われがちなヴィオニエですが、産地がごく限られてることもあり、上記の限りではありません。
ヴィオニエも大好きですが、病害に弱くて低収量という手間のかかる「お嬢さんブドウ」なんで、あんまり手を出す人がいませんね。
一時期栽培が増えたラングドックでは今後は厳しいかもしれません
ということで、只今絶賛売り出し中のリアス・バイシャスのアルバリーニョ
リアス・バイシャスがイベリア半島の北西端にあるのはご存じでしょうか??
ここ ↓
毎度の縮尺
リアス・バイシャスは海岸線が複雑に入り組んでいます。
地理で習ったリアス式海岸の語源になった場所でもあります
今って、「式」ってもう言わないんですね、知らなかったー
(スペイン語で入江のことをリアと言い、その複数形がリアスです)
海に臨む産地で、ここの白ワインは海のワインと呼ばれています
DOリアス・バイシャスにはサブリージョンは5つ
北から、
リヴェイラ・ド・ウリャ
ヴァル・ド・サルネス
ソウトマイオール
コンダード・ド・テア
オ・ロサル
です。
DOリアス・バイシャスは、96%がアルバリーニョという圧倒的な白の産地なのですが、法的には赤とスパークリングも生産可能です。
アルバリーニョとラベルに表記する場合はブレンドは不可、100%でなければなりません。
マイノリティでは、この地域で最も多く栽培される黒ブドウにカイニョ・ティントってあるんですが、てんちょにはまったく未知の存在です
全ブドウ畑の中で僅か4%未満の赤ワイン、そりゃ見ないはずですよね…
現在、急成長中のこの地域、ワイナリーは170越えまで増えました
ほとんどが家族経営の小規模な生産者ですが、投資も増えてるようですので今後は大規模企業も増えるかもしれません。
アルバリーニョは日本と同じように棚仕立てで栽培されています ↓
リアス・バイシャス原産地呼称委員会SNSより
海が近く湿度が高くなるので、風通しの良い棚仕立てにしてるそうですが、最近では垣根にする人も増えています。
修道士がドイツから運んできたといわれていますが(諸説あり)、ガリシアでしっかり定着しています
さて、具体的に今日のワインについて。
生産者のレクトラル・ド・ウミア、2009年設立の新しい会社です
所在地は海岸の主要都市のポンテヴェドラにあります、その南に位置するサブゾーンのヴァル・ド・サルネスに3か所の畑を所有しています。
(以前に紹介した、マル・デ・フラデスも近くにあります)
ラベルがいかにも海のワイン、って感じなのかいいな
ガリシア最大のネゴシアンのガジェーゴスの傘下に入っています。
写真が載せられませんが、結構モダンな構えのボデガです
ステンレスタンクなど最近の設備を備えています。
今日のアルバリーニョはアルコール度数12.5%、安心して飲めますね
発酵後にそのままタンクで熟成、その間にバトナージュしていますが、そこまで濃い印象ではありませんね。
やっぱり、くちなしの花や甘い蜜っぽい香りがします
しかし、その一方でグレープフルーツもあって、ちゃんと引き締まってます。
味わいは爽やか、キレのある辛口で酸味がすがすがしいです
アルバリーニョの良さが分かる美味しさです
良く冷やす方がいいでしょう
後味も綺麗です、魚介やオリーヴオイルを使ったイタリアンでもよく合うでしょう。
個人的には四川料理や、エスニック料理に良さそうな気がする
価格はお手頃、すっごくお勧めです〜
…余談ですが、ガリシアには是非行きたいと思ってるんですが、未だロシア上空が飛行できない現在、どうしてもうまく接続できなくて日程的に難しいので断念。
いつか近いうちに行きたい
2024年02月17日
ブルーボトルのシャンパーニュ
今日も暖かい名古屋、曇ってますが風は止んでます
2月ってすっごく冷え込むイメージですが、今年は全く違いますね
今日も再入荷のワインを紹介します、今日はシャンパーニュです
ダンテニー・マンジャン サフィール・ブリュットNV
青いボトルがかっこいいですね
だからサフィール(サファイヤ)っていう名前なんでしょう。
作っているのはマレウイユ・シュル・アイのレコルタン、ダンテニー・マンジャン
Mangin、マンガンじゃないのね…
マレウイユはマルヌ川添いの高評価1級畑です、かつての格付けは99%クリュです
並びにグランクリュのアイがあります。
(グランクリュが100%、1級は99〜90%で格付けされていました、なので99%は1級の最高峰でグランクリュともほぼ違わないのです)
有名なメゾンでは、ビルカール・サルモンやフィリッポナがマレウイユにあります
ここです ↓
周りの地名が大体わかる方はシャンパーニュ通ですね
マルヌ川に傾斜するブドウ畑の眺めが美しいです
HPより 白鳥いますね
ダンテニー・マンジャンは家族経営のレコルタン・マニュピュランですが、詳しいことが分かりません
独立栽培家協会に所属してます。
今日のサフィールは、蔵でも上級キュヴェに当たります
ピノノワール60%、シャルドネ40%
瓶熟48か月
一次発酵を古樽のバリックで行っています
てんちょ、あんまり樽発酵には拘りませんが、手間の多さはそれはひとしおですので、その苦労を負ってまでやりたいだけのメリットがあるんだろうなぁ…
前回入荷した時にはすぐに売り切れて、飲むことが出来ませんでした
それからしばらく欠品してまして、ようやく再入荷です。
まだ飲んでおりませんので香りも味も不明ですが
しかも、普段なら12100円のところ、税込みでも諭吉で余裕で買えまっせ
このかっこいいボトルを持って行けば、注目されること間違いなし(ほんとか)
2024年02月16日
スペインも優れたロゼあります
気温が高いようですが、風が強い
これも春の陽気なんでしょうか
業界向けのセミナーや試飲会が増えてきました
しかし、同日に開催されていると行けるものと行けないものが出てきたり…残念です
先日の試飲会で、前から扱っているワインの新しいヴィンテージを飲んだので紹介します
早速仕入しましたよ。
ヒル・ファミリー オノロ・ベラ ロサド2022
欠品していましたが2022年の新ヴィンテージが入荷しました。
女性の横顔なの、分かりますか?
これの赤もあって、ラベルが黒いのですが、そちらは結構迫力あるんです
さらに白もあります、同じラベルデザインですが、赤はカラタユド産で、白はルエダ産と産地が異なっています。
不思議。
このワインは、スペインのロゼワインです、辛口。
テンプラニーリョとシラーが50%ずつ。
産地はフミージャです
ヒル・ファミリーのワインはいくつも紹介していますが、覚えてる方いますかね??
元々フミージャのワイナリーで今4代目ですが、2000年以降に大発展を遂げていまして、どんどん各地にワイナリーを増やして拡大しています
リアス・バイシャスやプリオラートでもワイン作ってますねー
どのワインもコスパが良くて品質の高いワインなので、売れるのも納得です
フミージャはここです、ムルシア州 ↓
フミーリャとも言われます
HPより
乾燥してそうな土地ですね。
フランスやイタリアとも全然違います。
ワイナリーの詳しい情報がありませんが、毎年とても美味しいロゼを作っています
テンプラニーリョとシラーはブラッシュとセニエの両方の果汁で作られています
つまり、
ゆっくり圧搾することで果皮から色素が移った薄い色のロゼ【ブラッシュ】
と、
赤ワインを作るように果皮を漬け込んだ果汁で、程よく色が付いたところで果皮を引く(あるいは果汁を抜く)【セニエ】
の、
二つの方法で作られたロゼをブレンドしています。
手間をかけてますね〜
しかも、果汁が酸化しないように果汁を完全に空気から遮断した状態で発酵を始めるそうです。
タンク内に窒素を充てんする方法を使っています。
こうすることで、ブドウの持つ香りを失わず、フルーティなアロマがどっさり残ったワインになるんだそうです
実際、このロゼワインは非常にいい香りがします
花や果実が混ざったような香り、バラとサクランボですよ
香りは多少の甘さを連想させますが、味はしっかりした辛口です
生き生きした酸があって、これからの季節には冷やして飲めば絶対美味しいこと間違いなし
しかも価格も控えめ、野口君2人で余裕でOKなのも嬉しい
気軽に飲んでみてください
2024年02月13日
ラングドック広し、おすすめワイン
急に暖かくなって、春の気温になってるようですが、まだ相変わらず店内は寒い
あんまり早く気温が上がっても、花粉の飛散も早まるようですし、それは困る
今日はお手頃、南仏ワインを紹介します
オーシェール シャルドネ2021 & セレクション2021
フランス、ラングドックの白と赤。
両方ともIGPペイ・ドックです。
このワインは昔からあるのでご存じの方も多いと思います
ラベルデザインが少し変わってます、確か赤ワインは前はボルドータイプのボトルだったような。
今日のワインは、ボルドーの大手バロン・ド・ロートシルトが手掛けています
バロン・ド・ロートシルト、略してBDRは傘下に多くのワイナリーを置く巨大企業です。
最近では、シャブリのウィリアム・フェーブルを新しいメンバーに加えています
アンリオ帝国も解体されちゃいましたねー
このBDRグループはフランス、ボルドーのメドック1級シャトーであるラフィットを取得したことに始まります
誰もが崇めるラフィット、飲み頃をいただくのがかなり難しいですが、くじけずにチャレンジしてほしい。
ところで、ラフィットグループ以外にもロスチャイルドのワイナリーはいくつかありますが、同じ一族でも同じ会社ではありません。
みんな親類なので少しややこしいかもしれません
まず、ロスチャイルドは元はドイツの一族です。
1800年代の後半に貸金業で財を成してます(所謂高級金貸し、ユダヤ人には職業選択の自由がなかったためでもあります)
ロートシルトと言われるのはドイツ風の呼び名で、赤い表札(ロート=赤、シルト=板)がかかっていたから、らしい。
(実際の表札は緑色だったらしいですが)
その後5人の息子がヨーロッパ各地へ進出します。
これがロスチャイルドのワインに5本の矢が描かれている所以です
長男は実家のフランクフルト
次男はウィーン
三男はロンドン
四男はナポリ
五男はパリ
今でも残っているのは、ロンドン系とパリ系です
この二つの家系のうち、1853年にロンドン系の息子ナサニエル氏がムートンを取得したのち、20世紀になってひ孫がシャトー・ムートン・ロートシルトを中心としたバロン・フィリップ・・ド・ロスチャイルドというグループを作りました。
こちらは、
カリフォルニアのオーパスワン
チリのアルマヴィーヴァ
など、有名なコラボレーションワインを生産しています
今日のBDRはパリ系です
ムートンから遅れて1858年、すでに格付け1級となっていたラフィットをジェームス男爵が買収します。
その後、
1962年 デュアール・ミロン
1984年 パラディ・カスイユ、リューセック
1988年 ロスヴァスコス(チリ)
1990年 レヴァンジル(ポムロル)
1999年 オーシェール ← 今日のワイナリー
同年 カロ(アルゼンチン)、サガ
2008年 ロンダイ(中国)
と、
グループを拡大しています
いっぱいありますね、全部分かりますか?
上記の二つ以外にも、エドモン・ロスチャイルドのグループもあるので余計にややこしいかも
↑ スペインのマカンとか。
で、今日のワインに話を戻して。
オーシェールというのは土地の名前です
ラングドックは広いので、オーシェールがどこにあるか、はっきりわかっている方は稀だと思います
ここです ↓
ナルボンヌの近く、ほとんどルションですね。
今日のワインはIGPペイ・ドックですが、ラインナップの多くはACコルビエールとなっています。
…うーん、どっちから行っても遠い場所だ
ほんと、ラングドックは広すぎます。
ニームからカルカソンヌって結構距離あるしなー
この地でのワインづくりはかなり長い歴史があります。
記録では最古のものは西暦97年のローマ時代、皇帝ドミティウスの勅令でブドウ樹を伐採(引き抜く)ことになった受難の記録です。
この勅令はワインの歴史上では有名で、ローマ(イタリア)産のブドウを保護するために、他地域=主にフランスのブドウ栽培を禁じたものです。
しかし、それは一時的なもので、すぐにブドウ栽培は復活しその後2000年近くも続くことになります
ドメーヌ・オーシェールのブドウ畑は160haにも及びます
(ドメーヌの所有する土地は600haもあるそうです)
斜面のACコルビエールを作る畑には黒ブドウの、シラー、ムールヴェードル、グルナッシュ、カリニャン、サンソーが植えられており、
平地でペイ・ドックを作る畑には、シャルドネ、メルロ、カベルネ ソーヴィニヨン、カベルネ フラン、プティ ヴェルドが植えられています。
赤はステンレスタンク発酵ののち、大樽で熟成しています。
白もステンレスタンク発酵・熟成、樽なしですが、澱引きせずに旨味を引き出すようにしています。
白は特に収穫のタイミングが重要で細心の注意を払って、気温の低い早朝などに行われます
なぜプロヴァンスやラングドックには白がなくてロゼが多いのか、はここに理由があります。
これからもっとその傾向は強まっていくでしょう。
今や貴重なラングドックの白と言ってもいいかも
今日の赤白はどちらも野口君2人で余裕でおつりが来ますので、気軽に飲むことが出来ます
まろやかで果実味豊かな赤、ミディアムボディでバランスがいいです
品種を考えるとどれもが支配的でなく、補完的な役割を果たしているせいか、1種類の香りだけがするわけじゃないのがいいですね
若々しい香りですが、飲むには全く問題ありません。
白も綺麗なレモンイエローで、香ばしさを感じるフルーツの香りがします
樽がなくてもブドウの完熟感がよく分かります、冷やしても沈まない香りと芯の通った酸味が生き生きしています。
…載せられるような畑やシャトーの写真が全然ない、残念
ラベルが変わって今のほうが好きです
是非飲んでみてください〜
2024年02月11日
試飲会という名の飲み会かも
多くの方は3連休ですか
と言うことは、水曜までワインが届かないんだなぁ…
以下の記載で、イベントページに日付を誤って載せておりました。
2月21日水曜日が正しいです
訂正いたします。
イベントページに2月21日水曜日試飲会の開催案内を載せました
コロナでほぼ3年、休んでいましたが1回だけ復活開催します。
もう流石に3000円は無理ですし、少しはいいワインも紹介したいので会費5000円にしました
参加人数くらいの本数は出しますので、飲み足りないことはないと思います
写真は一部です。
立ち飲みのフリーテイスティングです。
めちゃくちゃ気楽な会なので、真面目に勉強したい方にはあんまりお勧めしないかなー
多分、ただの飲み会になってると思いますので
直近ですが、久しぶりにお会いできる方がいれば嬉しいです。
初めての方も歓迎します〜
2024年02月09日
ブルゴーニュセミナー行ってきました
先日、ブルゴーニュの生産者がプロモーション来日して開催されていましたセミナーに参加してきました
来てたのはムルソーのドメーヌ、ジェノ・ブーランジェールから4代目当主のギョーム・ラヴォレさん ↓
SNSより
優しい物腰の聡明な方だった
このドメーヌ、飲んだことある方どのくらいいるでしょう?
まだ日本ではそこまで知られていないのでは。
ジェノ・ブーランジェールのドメーヌはムルソーにありますが、作っているワインはシャンボル・ミュジニーからメルキュレまで30種類もあります
さらにマールまで作っています。
セミナーでも2種類のムルソーが試飲出来ましたが、2020年までの白ワインは全て売り切れ
もうすぐ21年が発売になるそうですが、値上がり&品薄は決定事項です
てんちょ、こちらのドメーヌは一度も扱ったことがなく、飲むのもこれが初めてでした。
取引先の扱いも最近なので余計に機会がありませんでした。
ジェノ・ブーランジェールは、初代のご夫妻の苗字を合わせてできた名前です
パリで薬局を経営していた夫妻が、ブルゴーニュでブドウ畑を手に入れてワインを作り、それを子や孫、その先の世代に残したいという思いで1974年にムルソーにやってきました。
SNSより かっこいいシェ
初代のシャルル・アンリ・ジェノ氏と奥様のマリー・ブーランジェールさんはその時点で既にそこそこの年齢でしたので、10年余りで息子に代を譲っています。
2代目の息子さんも3代目のお孫さんも10年ほどで次に事業を渡していますので、創業50年ですでに4代目なのです。
4代目のギョームさんの境遇は、周りにある何代目かのドメーヌとは少し違っています
彼は蔵の3代目の娘さんと結婚した婿なんですが、それまでワインに関連した仕事は一切しておらず、ブドウ栽培もワイン醸造も全くの素人でした。
義父に夫婦で蔵を次いで欲しいと言われた彼は、ドメーヌを継ぐ決心をします。
ギョームさんはドメーヌでそれまで働いていた人と一緒に仕事をする傍らで、醸造学校へ通い、学問と実践を同時に進めたそうです。
この時、ギョームさんははっきりと、
それまでやってきた伝統を踏襲するのではなく、自分が理想とするワインを作ろう
と、まったくの0から新しくスタートしたそうです。
セミナー中にも「よく義父がそれを許してくれたと思う」という話がありましたが、フランス人は特に伝統にこだわりがあって、昔からやってることは変えたくない、という人が多いので、この発言はさもありなん、というところです
環境的にはヴォーヌ・ロマネのロベール・アルヌー(現アルヌー・ラショー)にも似ていますが、ラショーでも名称変更や栽培の転換はずっと後になってからの事ですので、いきなり「新しいことやりたい」←大賛成、とは中々ならないものなんでしょう
そして、それまで奥様もドメーヌにいるにはいたんですが、ほとんどワイン作りには関わっておらず、ギョームさんと一緒に0から始めたそうです。
若いうちからバランスが取れているが長熟できるワイン
を理想のワインとして、それを目指して畑は全てビオに転換。
2018年にはすべての畑、22haでBIOの認証を取得しています
余談ですが、…この理想って、言うほど簡単じゃない
コートドールのドメーヌで22haを所有しているのは、家族経営ではかなり大きな規模になります
初代の目の付け所が良かったんでしょうし、歴代の当主が畑の拡大に尽力したんでしょうね
所有畑の拡大に関連しまして。
今現在、これだけワインの値段が上がった要因の一つに畑の高騰があります
コートドールのグランクリュはまず売りに出ませんし、出たとしても途方もない値段になるはずで、それが1級畑にも波及しています。
そのせいで税金も上がり、ドメーヌ経営にコスト増のマイナスをもたらしてる訳です
だから今、特級コルトン・シャルルマーニュや1級ムルソーなどをちゃんと持っているというのは、ドメーヌとって大きな強みになっています
(クロ・ド・ド・ヴージョやコルトンの赤もあります)
ジェノ・ブーランジェールには他と違うところがもう一つあります
それはムソーに在りながら、前述したとおりニュイからシャロネーズまで30ものアペラシオンを所有しているため、シャルドネとピノノワールが半分ずつある、というところです。
ですから、シャルドネだけ、ピノノワールだけに注力する訳にはいかず、どちらも同じようにスペシャリストである必要がある、という大変な-環境にあるんです
広く畑を管理することは、かなり大変で労力も気力も必要とされることです。
収穫のタイミングや、醸造の順番など効率よく作業を行うのは、誇張でなく神経をすり減らすことになるでしょう。
さて、試飲ワイン5つです
いやー、白も赤も素晴らしいです
残念ながら白はもう買えませんが
マールも飲んでみたいわー
詳しい醸造については飛ばしますが、白も赤も新樽は10〜15%程度。
天然酵母で自然に任せた醸造をしています。
でも白の1級は樽の香りがすぐに分かりますね。
どちらの白ワインもボリュームのあるアロマが「おおっ」とすぐに感動できます
いい酸味があります、まだ若いですが今飲んでも辛(つら)くはない。
そこがコンセプトの「早くからバランスが取れている」って言うことでしょうか
赤ももう既に美味しい
めちゃくちゃいいアロマがあります
甘さが重なっているけど透明感があって重くない、こういうピノノワールはやっぱりブルゴーニュじゃないとできないかもしれません。
これが熟成してブケになったら、さぞ良い香りがするんでしょう
因みに、ジェノ・ブーランジェールではすべてのブドウを完全除梗しています
全房発酵もやってみたそうなんですが、思ったワインとは違ったのでやめたそうです。
そのせいかい、赤のジューシーさ、ピュアさは素晴らしい
除梗賛成、除梗万歳だわ〜
えー、ボーヌやヴォルネイ、ポマールといった赤ワインは今、人気の的とは言えません
こういうワインを飲みもしないで、ニュイのなんちゃらばっかりに目を向けてる、似非ブルゴーニュファンが多いからだろうなー
名前だけじゃなくて中身を吟味する飲み手になってほしいですね
特筆すべきことに、ここはヨンヌ県とオード県に森を所有していて、2022年からそこの樫材で作った樽を使用しています。
森があるんだー
(樽の製作は樽会社に依頼しています)
「樽材の産地としては有名な場所ではない」とおっしゃるものの、自社で森を持ってる家族経営のドメーヌなんて聞いたことない
先見の明か、財力のなせる業か、どっちにしてもすごい
今、購入可能か赤ワインもごく僅か
21年も少ないので(値段も上がるだろうし)、購入するか迷うところ。
既にたーくさん、在庫あるし。
皆様にはとてもおすすめします
ジェノ・ブーランジェール、見ることあればぜひ挑戦してください〜
他にも、
22,23年の作柄について、これまで会った他社ドメーヌとは多少違う見解だった
温暖化について
など、いいお話が色々ありましたが、すんごく長くなるので割愛します。
いつかどこかでご紹介できれば。
2024年02月05日
ムサってください
久しぶりに雨ですね
今年は息が白くなることが少ないですが、今日は珍しく吐息が白かった
長年、ワインの仕事をして来ましたが、こんなにワインの資産的価値が上がるとは思ってもみませんでした
特にブルゴーニュ
この30年くらいの事でしょうか。
それまでは高級ワインと言えば断然ボルドーだったのに
最近はボルドーワインを探しに来るお客様は少ないですね。
格付け銘柄でさえ、そこまで注目されていない、ような
ボルドーは生産量も多いので、何かしら探せるから「有り難味が少ない」というか。
ブルゴーニュが品薄すぎて、余計にそう感じるんでしょうけど。
と言うことで、今日は初心に帰ってボルドーワインを紹介します
シャトー・ランシュ・ムサス2015
うーん、地味なラベル
こう見えても(失礼)、メドック5級格付けシャトーです
しかも、出来が最高の2015年です
皆様はきっと、「ランシュ…」と聞けば、同じポイヤックでの、
シャトー・ランシュ・バージュ
を連想すると思います
元々一つのシャトーでしたが、1838年に相続によって分割されて現在のようになりました。
正当なシャトーはムサスに継承されましたので、当時のバージュは畑だけを持っていた事になります。
17世紀まで遡ることが出来る古いシャトーで、代々ボルドー市の名士が所有してきました
ランシュ・バージュは1970年代以降、ジャン・ミッシェル・カーズ氏の尽力もあって、5級シャトーですが下手な3級よりも高くて有名ですし、今やメドック屈指の大手シャトーになってます
今日のランシュ・ムサスは、ランシュ・ムーサと表記されることも多いと思います。
最後のSは発音するのか??
現在、シャトーを運営するのは、ボルドーでネゴシアンも営むカスティージャ一族です。
1919年の取得から100年以上も所有を続けています
しかし、やはり紆余曲折はありまして、当初は広大な面積があった敷地は繰り返す相続で分割されていき、次第に減少します。
1970年代にはワイン作りにはあまり注力されておらず、ブドウ畑もごく小さなものになっていたようです
その後のワインブームでシャトーは再建、復活しています。
お金になるからねー
シャトーはポイヤックの真ん中にあって、周りは著名シャトーばかりです
HPより、隣に豪華な新シャトーがあります
現在のブドウ畑は62ha、カベルネソーヴィニョン75%、メルロー25%を植えています。
カベルネフランやプティヴェルドは植えてないのですね。
へー
整然とした良い畑
2015年はカベルネソーヴィニョン79%、メルロー21%となっています。
熟成18か月で、新樽50%
外観は黒いですが、そこまでのフルボディではありません
優しい口当たりでタンニンはもう気にならないくらいです。
カリフォルニアやトスカーナの濃くて甘いカベルネに慣れすぎてるからでしょうか
これでも十分フルボディだ、という方と、全然優しい味だ、という方に分かれそう。
それはそれとして。
こういうポイヤックの良さは、飲んでる最中に確実に変化することですね
2杯目、3杯目、と新しい香りが湧き出て、味の構造も違ってくるのは分かるはずです
やっぱりボトムは格別です
カリフォルニアではそういう経験はあまり出来ないので。
しかし、これだけいいワインなのに、どうも人気がないような…
見た目で損してるかなぁ…
貴重な2015年が諭吉で余裕で買える
こういうワインを経験してほしいですね〜
2024年02月03日
こってりの頂点
昼間が暖かくて上着が要らない日もあれば、夜風が冷たくて凍えるような日もあり、寒暖差についていけない
月初は色々やることが多くて、ゆっくりブログを書く時間がありません
春の割り当てワインの案内ももらいましたが、入荷は3月でいいかと考えてます。
店頭にはこれが来ました
コングスガード
左から、
シャルドネ2015
シャルドネ2014
メルロー2019
シラー2004
シラー2013
アメリカ、カリフォルニアの高級ワインです
ナパバレーの人気ワイナリー
今回は珍しく蔵出しバックヴィンテージです
お値段が大変ご立派ですが、飲んでみたーい
04年のシラーなんて、どうなっているのか?
全然変化してなかったりして(ありそう)
独特のラベル、一度見たら忘れられないインパクトがありますね
担いでいるのはブドウだとずっと思ってましたが、違うの???
誰かおせーて