2024年02月05日

ムサってください


久しぶりにですね
今年は息が白くなることが少ないですが、今日は珍しく吐息が白かった


長年、ワインの仕事をして来ましたが、こんなにワインの資産的価値が上がるとは思ってもみませんでした

特にブルゴーニュ
この30年くらいの事でしょうか。
それまでは高級ワインと言えば断然ボルドーだったのに

最近はボルドーワインを探しに来るお客様は少ないですね。
格付け銘柄でさえ、そこまで注目されていない、ような
ボルドーは生産量も多いので、何かしら探せるから「有り難味が少ない」というか。

ブルゴーニュが品薄すぎて、余計にそう感じるんでしょうけど。



と言うことで、今日は初心に帰ってボルドーワインを紹介します

ランシュ・ムサス.jpg

シャトー・ランシュ・ムサス2015

うーん、地味なラベル

こう見えても(失礼)、メドック5級格付けシャトーです
しかも、出来が最高の2015年です

皆様はきっと、「ランシュ…」と聞けば、同じポイヤックでの、
シャトー・ランシュ・バージュ
を連想すると思います

元々一つのシャトーでしたが、1838年に相続によって分割されて現在のようになりました。
正当なシャトーはムサスに継承されましたので、当時のバージュは畑だけを持っていた事になります。
17世紀まで遡ることが出来る古いシャトーで、代々ボルドー市の名士が所有してきました

ランシュ・バージュは1970年代以降、ジャン・ミッシェル・カーズ氏の尽力もあって、5級シャトーですが下手な3級よりも高くて有名ですし、今やメドック屈指の大手シャトーになってます

今日のランシュ・ムサスは、ランシュ・ムーサと表記されることも多いと思います。
最後のSは発音するのか??

現在、シャトーを運営するのは、ボルドーでネゴシアンも営むカスティージャ一族です。
1919年の取得から100年以上も所有を続けています

しかし、やはり紆余曲折はありまして、当初は広大な面積があった敷地は繰り返す相続で分割されていき、次第に減少します。
1970年代にはワイン作りにはあまり注力されておらず、ブドウ畑もごく小さなものになっていたようです

その後のワインブームでシャトーは再建、復活しています。
お金になるからねー


シャトーはポイヤックの真ん中にあって、周りは著名シャトーばかりです

ランシュ・ムサス7H0A0406-3.jpg
HPより、隣に豪華な新シャトーがあります

現在のブドウ畑は62haカベルネソーヴィニョン75%、メルロー25%を植えています。
カベルネフランやプティヴェルドは植えてないのですね。
へー

ランシュ・ムサス7H0A0462-3-1.jpg
整然とした良い畑

2015年はカベルネソーヴィニョン79%、メルロー21%となっています。
熟成18か月で、新樽50%

外観は黒いですが、そこまでのフルボディではありません
優しい口当たりでタンニンはもう気にならないくらいです。

カリフォルニアやトスカーナの濃くて甘いカベルネに慣れすぎてるからでしょうか
これでも十分フルボディだ、という方と、全然優しい味だ、という方に分かれそう。

それはそれとして。
こういうポイヤックの良さは、飲んでる最中に確実に変化することですね

2杯目、3杯目、と新しい香りが湧き出て、味の構造も違ってくるのは分かるはずです
やっぱりボトムは格別です
カリフォルニアではそういう経験はあまり出来ないので。

しかし、これだけいいワインなのに、どうも人気がないような…
見た目で損してるかなぁ…


貴重な2015年が諭吉で余裕で買える
こういうワインを経験してほしいですね〜















posted by cave MITSUKURA at 16:50| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする