2024年02月18日

大西洋の風を感じますか


これからしばらく雨続きになるようですね
昨日の夜も雨が降るとは全く思っていませんでした… 傘なしで急いでる人もたくさん見ました

一雨ごとに暖かくなる季節、にはちょっと早くないか
2月中旬なのに。



今日のワインを紹介します
てんちょ、個人的に大好きな地域なんです
ワインは違えど、紹介するのは何回目だろう。

pedra-da-auga-albarino-1-1.png

レクトラル・ド・ウミア ペドラ・ダ・アウガ2022

名前だけ聞いてどこのワインか分かったら神です
が、業界関係者でもまずいないでしょうね。
因みに、てんちょはもちろん分かりませんでした

今日のワインは、スペインのガリシア地方リアス・バイシャスの白ワインです
アルバリーニョ100%

リアス・バイシャスのアルバリーニョは今、世界でとても注目されています

華やかな香りがあり、強い酸が特徴です
温暖化で酸が長く保たれることが以前より断然重視されるようになってきたためでもあります。

白ワインを作るにあたり同じような品種で見直されているのが、
アリゴテ
です

後、メジャーとは言えないかもしれませんが、
サヴァニャン(フランス、ジュラ)
フルミント(ハンガリー、トカイ)
も再び脚光を浴びています

逆に、酸が少なくて収穫時期の調整が難しくなってきているのが、
ゲヴェルツトラミネール
フィアーノグレーコなどイタリア南部の土着品種
などです。

↑ これらのブドウは芳香高く、非常に香しいのですが、いかんせん元々酸が弱い
なので、暑さですぐに失われてしまいます。
アルコール度数や香りはいいんですが、どうも輪郭のないぼやっとしたワインになってしまいがちなんですよねぇ

同じように思われがちなヴィオニエですが、産地がごく限られてることもあり、上記の限りではありません。
ヴィオニエも大好きですが、病害に弱くて低収量という手間のかかる「お嬢さんブドウ」なんで、あんまり手を出す人がいませんね。
一時期栽培が増えたラングドックでは今後は厳しいかもしれません



ということで、只今絶賛売り出し中のリアス・バイシャスアルバリーニョ

リアス・バイシャスがイベリア半島の北西端にあるのはご存じでしょうか??

ここ ↓

リアス・バイシャス.jpg
毎度の縮尺

リアス・バイシャスは海岸線が複雑に入り組んでいます。

地理で習ったリアス式海岸の語源になった場所でもあります
今って、「式」ってもう言わないんですね、知らなかったー
(スペイン語で入江のことをリアと言い、その複数形がリアスです)

海に臨む産地で、ここの白ワインは海のワインと呼ばれています

DOリアス・バイシャスにはサブリージョンは5つ
北から、

リヴェイラ・ド・ウリャ
ヴァル・ド・サルネス
ソウトマイオール
コンダード・ド・テア
オ・ロサル


です。

DOリアス・バイシャスは、96%がアルバリーニョという圧倒的な白の産地なのですが、法的には赤とスパークリングも生産可能です。
アルバリーニョとラベルに表記する場合はブレンドは不可、100%でなければなりません。

マイノリティでは、この地域で最も多く栽培される黒ブドウにカイニョ・ティントってあるんですが、てんちょにはまったく未知の存在です
全ブドウ畑の中で僅か4%未満の赤ワイン、そりゃ見ないはずですよね…

現在、急成長中のこの地域、ワイナリーは170越えまで増えました
ほとんどが家族経営の小規模な生産者ですが、投資も増えてるようですので今後は大規模企業も増えるかもしれません。

アルバリーニョは日本と同じように棚仕立てで栽培されています ↓

DOリアス・バイシャスより.jpg
リアス・バイシャス原産地呼称委員会SNSより

海が近く湿度が高くなるので、風通しの良い棚仕立てにしてるそうですが、最近では垣根にする人も増えています。
修道士がドイツから運んできたといわれていますが(諸説あり)、ガリシアでしっかり定着しています


さて、具体的に今日のワインについて。

生産者のレクトラル・ド・ウミア、2009年設立の新しい会社です
所在地は海岸の主要都市のポンテヴェドラにあります、その南に位置するサブゾーンのヴァル・ド・サルネスに3か所の畑を所有しています。
(以前に紹介した、マル・デ・フラデスも近くにあります)

ラベルがいかにも海のワイン、って感じなのかいいな

ガリシア最大のネゴシアンのガジェーゴスの傘下に入っています。

写真が載せられませんが、結構モダンな構えのボデガです
ステンレスタンクなど最近の設備を備えています。

今日のアルバリーニョはアルコール度数12.5%、安心して飲めますね

発酵後にそのままタンクで熟成、その間にバトナージュしていますが、そこまで濃い印象ではありませんね。

やっぱり、くちなしの花や甘い蜜っぽい香りがします
しかし、その一方でグレープフルーツもあって、ちゃんと引き締まってます。
味わいは爽やか、キレのある辛口で酸味がすがすがしいです

アルバリーニョの良さが分かる美味しさです

良く冷やす方がいいでしょう

後味も綺麗です、魚介やオリーヴオイルを使ったイタリアンでもよく合うでしょう。
個人的には四川料理や、エスニック料理に良さそうな気がする

価格はお手頃、すっごくお勧めです〜



…余談ですが、ガリシアには是非行きたいと思ってるんですが、未だロシア上空が飛行できない現在、どうしてもうまく接続できなくて日程的に難しいので断念。
いつか近いうちに行きたい














posted by cave MITSUKURA at 17:57| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする