夕方から雨になる予報の名古屋

今は曇っていますが、そのせいかやや蒸し暑い。
ようやく花粉が終わってくれて嬉しいです

今日は「どうしてこれが売れないんだろうシリーズ」第2弾で、このワインを紹介します

やっぱりブルゴーニュです。

シモン・ビーズ サヴィニー・レ・ボーヌ1erレ・マルコネ2017

赤ワインです、ピノノワール100%
ブルゴーニュの赤ワインは圧倒的にニュイの有名どころが人気で、誰もが
シャンベルタン
ミュジニー
ヴォーヌ・ロマネ
といった銘柄を無条件に崇めてる半面、
ボーヌ
ポマール
ヴォルネイ
という歴史のある銘醸畑には見向きもしない傾向があります

これって日本だけの事ではなくて、世界どこでも同じらしい

コート・ド・ボーヌにはコルトンという唯一赤のグランクリュもあるんですが、あんまり売れていない…
という現状ブルゴーニュですが、それでもコート・ド・ボーヌの赤に優れたワインがあるのは間違いありません

今日のシモン・ビーズもコスパ良しの非常におすすめです。
シモン・ビーズがあるサヴィニー・レ・ボーヌは、コート・ド・ボーヌの北側、コルトンの丘からボーヌへ続く丘陵の間で、ペルナン・ヴェルジュレスとアロース・コルトンの南に位置しています。
村の真ん中に谷があって、ちょうど二つ折りの往復はがきみたいにV字の構造になっています ↓

ブルゴーニュワイン委員会より
中世から修道院、マルタ騎士団など由緒正しい所有者によって管理されてきた畑が多くあります

特級はありませんが、1級の区画が22もあるんです。
サヴィニー・レ・ボーヌのブドウ畑は355haもあります、そのうち90%ほどが赤ワインです。
確かにサヴィニー・レ・ボーヌの白ってほとんど見たことがないかも

シモン・ビーズは1880年創業の老舗です

最初は小さな自社畑のワインをネゴシアンに売っていました。
この当時はワインを作る人とボトルに詰めて販売する人は分業制で、こうしたことは当たり前の事でした。
その後の3代目の孫も同名のシモンさんといい、優れた醸造家だった彼は1950年代にドメーヌ元詰めを始め、愛好家やレストランで人気になりました

その息子さんのパトリックさんが1970年代にドメーヌに入ると、さらに評判が上がり、畑を拡大しグランクリュも手に入れることが出来ました


HPより、故パトリックさんとブドウ畑
彼の奥様は日本人の千砂さんで、ご主人亡き後の蔵を義妹さんと仕切っています。
ご主人が突然鬼籍に入ってしまい、小さなお子さんを抱えて、それは大変だったと思います。
7年くらい前でしょうか…
確かNHKの番組でシモン・ビーズが取り上げられたんですが、そうしたら結構な反響があってシモン・ビーズの問い合わせをたくさんいただいた記憶があります

それもあって、シモン・ビーズをご存知の方は多いのではないでしょうか。
こちらのワインは繊細でエレガント、ピノノワールの理想的な姿です

どのワインにも通じるこのスタイル、人気の訳も納得です。
今日のマルコネは1級畑で、谷の南のボーヌに近い方にあります ↓

HPより、下の青い丸がマルコネ
余談ですが、ボーヌにもここと元々地続きの畑で同名のマルコネという1級畑がありますが、その間には現在、高速道路が走ってます

あんまり意識されていないかもしれませんが、マルコネからヴォルネイのカイユレ、シャン・フリオまでずーっと1級畑が続いています。
シモン・ビーズではマルコネ以外にも
オー・ヴェルジュレス
オー・ゲット
オー・フルノー
レ・セルパンティエール
の1級を所有しています。
マルコネは砂質の土壌で、粘土質に比べて香りが特徴的な軽やかなワインになっています

フローラルでありながら根菜の様なアクセントがある香り、フルーツいっぱいの甘いスタイルとは少し違います。
(そうは言っても2009年や2015年どっしり濃厚でしたが)
が、てんちょが飲んだのはもう何年も前の事なので、今飲むともっと複雑で調和した香りになってると思います

7年目の熟成、もう少し待つべきか、悩ましいところ。
中々、2017年のブルゴーニュを飲む機会もありませんので、是非お勧めします。
このシモン・ビーズは昔の価格なので、諭吉さん一人で余裕で買えちゃいます

ミツクラのショップはこちら ↓
https://cavemitsukura.com/product/%e3%82%b7%e3%83%a2%e3%83%b3%e3%83%bb%e3%83%93%e3%83%bc%e3%82%ba%e3%80%80%e3%82%b5%e3%83%b4%e3%82%a3%e3%83%8b%e3%83%bc%e3%83%bb%e3%83%ac%e3%83%bb%e3%83%9c%e3%83%bc%e3%83%8c1er%e3%83%9e%e3%83%ab/
因みに2019年で13200円税込みです。
しかし、輸入元では今、全てのワインが完売していますし、残念ながらもう簡単に買えるワインではなくなってます

何故、これが未だに9本も残ってるのか不思議なんですが…
ちゃんとした正規品で、来歴・保管共に心配ありません

誰か買ってくれません???