2024年05月11日

緑のワインの季節が来た


今日も眩しいくらいに晴れてます

6月上旬にブルゴーニュのセミナーを開催することになりました
只今、詳細を詰めておりますので告知までお待ちください



今日はちゃんとワインの紹介をします
時間いっぱいある。

夏に美味しい爽やか白ワインです

シュロス・ゴベルスブルグ 5d00.png

シュロス・ゴベルスブルグ グリューナー・ヴェルトリナー2022

オーストリアの辛口白ワインです

コアラやカンガルーのオーストラリアじゃなくて、ウィーンの方です
お間違いなきよう。

シュロス・ゴベルスブルグニーダーエステライヒ(オーストリアの北西地方、ワイン作りの主要産地)でも老舗の名門です

ニコライホフ
ドメーヌ・ワッハウ

などと並んで、歴史の長い蔵として有名です

シュロス・ゴベルスブルグ(シュロスは城の意味です)は、ワイナリーと城の両方の顔をもっています。

元は城の近くにあったシトー派の修道院がワイン作りの起源となっています。
このワイン作りはとても古く、1171年から記録が残っていて、それを根拠に現在のワインのラベルにも1171年創業と記載されています ↓

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日本だと平安時代末期、鎌倉時代に入る直前です。

お城は、ウィーンから北に車で30分くらいのカンプタールにあります

Schloss-2020-c-Moosbrugger-320x202.jpg
HPより、以下同様
観光もできます

ランゲンロイスのすぐ南 ↓

シュロス・ゴベルスブルグ.png
この地図でウィーン以外の地名が分かる方、まずいないだろうなぁ

余談ですが、ドナウ川添いには多くの有名な修道院や古城があります。
もう少し上流にはメルク修道院があり、ウンベルト・エーコのバラの名前の主人公のアドソが若き日をつづるのがメルクです。
城壁に囲まれた要塞みたいな建物で、観光客にも開放されています。
レッヒの帰りに寄りました ↓

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2013年、もう閉館間際だったのでちらっとだけ


ゴベルスブルグのご近所の修道院のワイン作りが始まってから600年余りのち、1740年に城は持ち主の貴族が経済的困難に陥って修道院の所有となります。
そこで、修道院はこの城をワイン醸造の拠点として使い始め、そのまま今に至ります。
元々はお城と修道院のワインは別物だったのが、ここで合流することになりました

その間には、2度の大戦やソ連の支配下時代など、困難な時代も多いのですが、ゴベルスブルグ城のワインは確かな品質でその名を広めています

城は現在も所有は修道院なのですが、1996年に長年醸造長を務めた修道院長が引退するに至り、民間人のモースブルッカーさんに長期賃貸契約という形で醸造を委託しています。

このモースブルッカーさんは、チロル地方のレッヒの出身です

Michael-Moosbrugger-c-Regina-Huegli-1-320x202.jpg

レッヒはオーストリアの東端の雪深いリゾート地で、今でも上級スキーヤーの間では人気の高級スキー宿が沢山あります。

てんちょ、1回だけレッヒ行きましたが、周辺の町や山が全部リフトやスキールートで繋がっています。
すぐ隣がリヒテンシュタインです。
最短の周遊が4時間だったかな、とても広いし、急斜面だし、これは上級者向けだわって思いました

もちろん、てんちょはスキーはやっていません。
ゴンドラで中腹まで行ってビール飲んで帰ってきました

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これ、普通に携帯で撮ったんですが360度スキー場でどっちを見てもポスターみたいでした


話をワインに戻しまして。
モースブルッカーさんは、城と修道院の醸造の歴史を継承することを第一に考え、伝統を踏まえてそのスタイルを変えることなくワインを作っています
既にいい畑があり、特別な改革は必要なかったんでしょう

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整然とした畑、リラ仕立て(枝をY字に伸ばし日照を調整するやり方)になってます

1000年以上も前の建物で作るワインって、ロマンがありますねー
地震大国の日本では難しい…

Gobelsburg-Kreuzgang-Keller-c-Michael-Moosbrugger-4-320x202.jpg
出そう、夜一人で見回りするの嫌だなぁ


今日のワインは、ドメーヌの最も基本のワインです
発酵も熟成もステンレスタンクで行っており、樽は使っていません。

オーストリアのワインは元々熟成させず、1年以内に飲み切るのが普通でした。
新酒を待ちわびてお祭りがあるくらいです
よりフレッシュな物をすぐに飲むことが出来たから、恵まれたワイン産地だから可能な事ですね

グリューナー・ヴェルトリナーはそうした飲み方にうってつけの品種です
綺麗な酸があって、果実味と良いバランス、香りも豊かで青リンゴや白桃、洋ナシの様です
ワインによっては微発泡してることもあり、清涼感は格別です。

とにかく冷やしてください
ぬるいと魅力が半減です。
アルコール度数は12.5%、もっと軽く感じますが。

軽やかで余韻は短め、酸はしっかりありますが和食でも無理なく合わせられると思います
価格も非常にお手頃なので安心して挑戦できますよ。

この品種、フェルトリーナーと書く事もありますが、本来はアルファベットの表記通りにヴェルトリナーだったらしい。
どっちでもいいみたい

そろそろ、こういうワインが恋しくなって来ました
アウトドアでも是非、お試しください〜








posted by cave MITSUKURA at 17:39| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする