2024年08月30日

さいなら8月


今日もこれと言って内容のないブログです。


台風10号ゆっくり過ぎて、今週の予定がガタガタです…
大雨や竜巻の被害があったり、早く通り過ぎて欲しいです


28日の試飲会は無事に開催できました
24名参加で25本、結構飲みましたね。
ヴィオニエのスパークリングや、クレレットの辛口、ガメイのロゼスパークリングが人気があったように思います

そして、ヴァインバックのピノノワールSはやっぱり非常に美味しかったです

次回は10月23日(水)の予定です
またちゃんと案内いたします。


もう8月も終わり。
夏休み最後の日曜が台風で残念に思ってる人が多いかな
また9月にワインの紹介します〜














posted by cave MITSUKURA at 15:23| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月25日

たまには甘口でホッとしよう


良く晴れて蒸し暑い、今日の名古屋
台風10号が近づいてる気配は、今だけなら全く感じません…

ですが、明日以降には要注意ですね
数日前の予報よりも西へ進路が変わってるようで、進度も遅くなってるようですが、
名古屋はどうなんでしょう?


何度も書いていますが、
28日の試飲会は予定通り開催いたします

名古屋市内でもお住いの地域によって違うと思いますので、
「早めにキャンセルしたけれど、やっぱり参加します」でもOKです。
まずは皆様の安全第一です

良く降ってるね〜、くらいで済めばいいんですが
風にも注意ですね。




8月も終わりですね、今日はこのワインを紹介します
今日も簡単に。

N3980_G08.jpg

ブラウン・ブラザーズ オレンジマスカット&フローラ2022 ハーフ

オーストラリアの甘口白ワインです
375mlのハーフサイズ

今日のはオセアニア、カンガルーの方です
ミツクラにはオセアニアワインが少ないのですが、ブラウン・ブラザーズは赤も白の辛口も扱っています。
お手頃価格で美味しいので人気があります

この蔵はヴィクトリア州で1989年に設立されました。
創業以来家族経営を続けていて、130年以上の歴史を持つオージー屈指の老舗ワイナリーです
現在、女性当主のキャサリンさんで4代目。

ワイナリーがあるのはヴィクトリア州のミラワ
ここです ↓

BB.png

…縮尺がこれくらいじゃないと感覚がつかめないかも。
てんちょ、オージーワインに全く詳しくないので、未だにヴィクトリア州の産地とサウスオーストラリア州の産地を混同してしまうことがあります
いつまで経っても変わらず、扱わないので余計にそうかも

メルボルンから車で3時間
目の前が飛行場ですね。
詳しくないけど1度は行ってみたい。


BB1.jpg
SNSより 以下同様

BB2.jpg
広々しててオージーらしい


ブラウン・ブラザーズは長い歴史がある大規模ワイナリーで、レストランや結婚式場も備えています
流石の老舗。

大きなワイナリーですが、作っているワインがどれも安価で高品質と嬉しいのです
現地でも人気が高く、オーストラリア・ドリンク・アワードで「最も愛されるブランド」に選ばれるほどです


今日のワインは2つのブドウのブレンドです。

オレンジマスカットはイタリアのモスカートの同類で、華やかな香りと繊細な酸があります。
誰もが好きなあの甘い香りがスパークリングにも向いています

もう一つのフローラとは、ブラウン・ブラザーズの独自のぶどうで、ゲヴェルツトラミネールとセミヨンの交配品種です

…ですが、HPには載っていませんね
日本向けオンリー??

甘い香りの甘口、酸味もあるのでべたっとしておらず、とてもフルーティです
アルコール度数9.5%と低いので、すいすい飲めます

良く冷やして食前酒にしてもいいですし、食後に飲んでデザートワインとしても使えます
難しいワインではありませんので、誰でも気軽に飲めます
(味は甘口ですが)

甘いワインは、沢山飲むよりは少しずつ楽しみたい方が多いのではないでしょうか?
日持ちもするので安心です。
お値段も気軽、税込みで2000円以下です

夏バテ気味の方にもオススメです
甘いの飲んで癒されてください〜



















posted by cave MITSUKURA at 16:19| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月23日

爬虫類はアリですか


台風10号の進路によっては、来週の営業など考えないといけないかもしれません

ですが、今のところは、水曜の試飲会も、毎日の営業もそのまま、変更ありません。
日曜にならないとはっきりしなさそうです




今日はワインの話はありませんー


名古屋の東山動物園で初公開のコモドドラゴンに、沢山の人が出かけているようですが、
オオトカゲって、そんなに見たいもの??
しかも名前が「タロウ」って… もう少し何かなかったんでしょうか


ミツクラにも先日、同類?の珍客がいましたよ ↓

IMG_3977.jpg

分かりますか? パイプ椅子の足元
拡大して ↓

IMG_3977ー1.jpg

とかげ??
やもり、でしょうか?

何年ぶりに見たんでしょう
しっぽまで入れても5センチくらいしかない子供です。

どっから来たの? ちょっとびっくり。
誰かにくっついて来ちゃったんでしょうか…
バイト君が捕まえて外に放してあげました











posted by cave MITSUKURA at 16:49| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月22日

メドック生まれの白ワイン


台風10号が来週の火曜くらいに名古屋にも影響がありそうですね

28日水曜の試飲会につきましては、もう少し近くなってから判断します
今の予報ならおそらく普通に開催できると思いますが


もう8月も後半、台風の過ぎた後は涼しくなっていて欲しい(そして無事に通過してほしい)



今日は参考ワインとして、これを紹介します
簡単に。

デュルフォール・ヴィヴァン 白.jfif

ディルフォール・ヴィヴァン ブラン・ド・ノワール2022

かっこいいラベルです

シャトー・デュルフォール・ヴィヴァンは、ボルドーのメドック格付け2級、ACマルゴーの赤ワインです

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HPより

オーナーはボルドー名門のリュルトン一族
他にも沢山のシャトーを所有する名門一家。

12年も前ですが、オーナーのゴンザック氏がミツクラに来てセミナーを開催してくれました ↓

IMG_0488.JPG

とてもいい内容と、彼の穏やかな人柄に大変感動しました
それ以来、デュルフォール・ヴィヴァンを贔屓に思ってます


そのデュルフォール・ヴィヴァンが、新しく白ワインを作りました。
それが、今日のワインです

ブラン・ド・ノワールの名前の通り、一部黒ブドウで白ワインを作ってます
セパージュは、カベルネフラン70%ミュスカデル30%

ですから、ACボルドーですらなく、ヴァン・ド・フランスの表記です

今、ボルドーでは、
ソーテルヌの生産者の辛口ワインや、
サンテミリオンのシャトーの白ワインなど、
各生産者はアペラシオンの枠に囚われない新しいワインを作ろうとしてるところが増えています。

従来の法規制の中のワインではこれ以上拡売が難しいアペラシオンがあったり、温暖化の影響で昔は無理だった品種の栽培が可能になって来たり、と、色々な事情があると思います

「ソーテルヌの辛口」
「マルゴーの白」
と、簡単に言ってしまうと矛盾をはらんだ表現になるのでご注意ください
「シャブリの赤」みたいな。



デュルフォール・ヴィヴァンでは2021年からこの白ワインを作っています
ファーストの赤ワインは、カベルネソーヴィニョン90%と昔ながらのメドックなんですが。

地元で昔はGUESPEY(ゲスペイ?)と呼ばれていたミュスカデルとカベルネフランを合わせて、芳香豊かで甘い香りのワインにしているそうです。

てんちょ、まだ飲んでおりませんので実際のところは不明。
ですが、とてもいい黄金色ですので、味の深みが魅力だろうと思われます
「シャンパーニュの様に白ブドウと黒ブドウのブレンド」が、複雑で調和のとれたワインになっているようです。

ブドウはカントナックとソーサンのどちらもACマルゴー内の区画で栽培されています。
区画ごとに発酵、MLFあり。

お値段はやや高めでしょうか。
津田さん一人と、北里君2人ですね

飲んでみたいと思って、買ってみました〜
取り寄せ可能ですので、興味ある方店頭でお申し付けください










posted by cave MITSUKURA at 16:05| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月20日

特価と言えども大金は大金



今日はごく短く。

夏は暇ですし、高額ワインをネットショップ限定でセールしようかな、と思案中です

…しかしですね、
12万円のワインが10万円になったからと言って買いますか???
18万円が14万円とか…
お値打ちにはなっても、金額は大きい。


1800円のワインが1400円で売ってたら、買ってもいいかなと言う方は沢山いるでしょうけど
そもそも1800円を迷わない人のほうが多いでしょうか。
これって、自分の財布の感覚の問題なんでしょうけど。



期間限定でやるだけやってみよかな
未定ですが、やるならちゃんと事前告知しますので。




posted by cave MITSUKURA at 14:03| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月19日

イニシャルが物語る出自


お盆休みも終わったのに、いつまでも暑い名古屋
曇っていても熱中症アラートは危険レベルです


来週、8月28日水曜の試飲会はまだ受付可能です

あと数名。
参加者20名前後で、参加人数の本数のワインを最低でも出しますので
25名なら最低でも25本は出します。

今回は、スパークリングが12本くらい、白と赤で8本くらいで調整中です。
価格は3000円以下から1万円越えまで、様々です



今日はその中から1本を紹介します

IMG_3976.jpg

ヴァインバック ピノノワール・エス 2019

泡を紹介すべきだったでしょうか

今日のワインは、フランス、アルザスの名門ヴァインバックの赤です。
ここでも何度か紹介しています。


アルザスは歴史的には白ワインの地域です。
グランクリュに白しかなかったことが示すように、かつては寒冷地で黒ブドウが十分に色づかないことが多かったのです。
だから白ワインに特化して生産していたのです。

しかし、最近ではそのような心配は皆無。
めっちゃくちゃ暑いし、日照も有り余るほどあります

こうなると俄然、赤ワインの可能性が高まってくる訳です
(それでも夜の気温が下がるので、名古屋みたいなことはないのが幸いです)
糖度も熟度も色づきも十分なピノノワールがさほど難しくなく収穫できるようになって、どの生産者も赤の取り組みを増やそうとしています。

その内、赤のグランクリュも登場するのでは、と思っていたら、
2つのグランクリュに限ってではありますが、2022年に認定がおりまして2022年ヴィンテージから赤のグランクリュも作ることが可能になっています

日本ではまだ見かけませんが(入荷ありますかね)、認定の畑もこれから少しずつ増えていきそうです


今日のワインを作るヴァインバックはアルザスで最初にグランクリュの認定を受けたシュロスベルグを継承する名門です
中世のカプチン修道会が開墾した畑で、ドメーヌはこの畑の真正面にあり、1898年に現在の所有者のファレール家がオーナーになっています。
100年以上も同じ一族の経営ですね。

ヴァインバックgrand-cru-schlossberg-jpg.jpg
HPより、グランクリュ・シュロスベルグ

グランクリュの赤が公式に登場する前でも、良いピノノワールが栽培できる区画がある事は生産者にはよく知られた事実でした。
もちろんラベルにはグランクリュと記載することも、畑名を記載することもできませんので、みんな匂わせ表記?をしていました

ポール・ブランクのFが有名ですね
知ってる方が多いでしょうが、これはグランクリュのフルシュテンタムの区画に植えられたピノノワールで出来たワインで、区画名の頭文字をとってFと名乗っています

今日のワインもこれと同じ法則です
ラベルのSはシュロスベルグのSなのです
生産は19年が最初でしょうか、はっきり記載がありません。

ピノノワール100%
斜面の中ほどの古木のピノノワールを使用
醸造や熟成の情報なし

シュロスベルグの畑を上から見るとこんな風です ↓

ヴァインバックschlossberg-chemin.jpg
HPより

「熟成により真価を発揮」とあるので、まだ飲んではダメかもしれませんが、一度口に入れてみたいのです

定価16500円税込みの高級品です
生産量が少ないので、余計に高額になってしまうんでしょう

味と香りにご期待ください〜

店頭在庫もあります












posted by cave MITSUKURA at 13:47| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月15日

メルローの香りはこれだ


まだ世間は
お休みモード
でしょうか

明日は新幹線や飛行機が運休になるようで、帰省や旅行の方には災難ですね
台風が大したことなく過ぎてくれればいいんですが。

名古屋はロクに雨も降らなさそうです
少しは降って気温が下がってくれるといいのに。




今日はこのワインを紹介します

IMG_3972.jpg

シャトー・ヴュー・ムーラン・ノワール2019

フランス、ボルドーの右岸、リュサック・サンテミリオンの赤ワインです

リュサック・サンテミリオンってご存知でしょうか?
サンテミリオン衛星地区と呼ばれる産地の一つで、サンテミリオンに隣接したAOCです
ドルドーニュ川の主要都市リブルヌの少し上流にサンテミリオンがありますが、衛星地区はその内陸側に並んでいます。

衛星地区は4つ
サンジョルジュ・サンテミリオン
モンターニュ・サンテミリオン
リュサック・サンテミリオン
ピュイスガン・サンテミリオン


こんな位置関係です ↓

サンテミリオン.png
サンジョルジュは小さな町なのでこの縮尺だと出てきませんが、モンターニュのすぐ南にあります


今日のワインは、AOCはリュサック・サンテミリオンなのですが、作っているシャトーはピュイスガン・サンテミリオンにあります
この場所では代表的なシャトーを経営している、デュピュイ家。

シャトー・ボーセジュールと言うワインがメインの家族経営のアルチザンです ↓

ボーセジュール デュピュイ1.jpg
SNSより

ボーセジュール デュピュイ.jpg
素敵なシャトー

シャトーの創業は1864年、1935年に現在のデュピュイ家の所有になっています。
もうすぐ100年。

今日のワインは、ピュイスガンとリュサックの境界にある2haの区画のブドウから作られています
メルロー70%、カベルネフラン30%

ムーラン・ノワールという事で、黒い風車があるんでしょうか
見つけられません。
近所にムーラン・ブランもあるなぁ…


ワインは、ビオロジック栽培(AB認証取得)のぶどうで自然酵母での発酵です、醸造はボーセジュールのピュイスガンで行っています。
バリックで15か月熟成していますが、新樽はそこまで使っていないと思います。
どちらかと言うと、紫色の強い、ピュアなスタイルです

メルローの良い香りがします
カベルネの青い如何にもな香りも今はあんまり感じられないワインが多いので、それはそれでいいんですが、
個人的にはやはりメルローのほうが好きです

果実以外の、土やキノコが混ざってる香りがするのが右岸のいいところです
複雑さがあります
新世界みたいに果実味一辺倒ではない、ところ。
まだ若いワインですが、熟成させても香りが一層よくなりそうです。

勉強にもなりますよ



…今年4月には霜害があって一部のブドウがだめになってます
うどん粉病への警戒を怠らないように、と言及されています。

ボーセジュール デュピュイ2.jpg

難しい2024年、残ったブドウで良いワインが作れますように








posted by cave MITSUKURA at 14:43| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月12日

グランクリュ制覇してますか


今日はワインの話です
シャンパーニュ。

すごく美味しい、珍しい特級シャンパーニュです
個人的に大好き。


PUISIEULXsite.png

フランソワ・スゴンデ ピュイジュー・グランクリュ レ・プティ・ヴィーニュNV

随分前にも紹介しました。
その時から特に変化してはいない(はず)ですが。

前のブログは7年も前でした ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/455037506.html

このシャンパーニュ、飲んだことある方ってどのくらいいらっしゃるでしょうか??
生産者は有名だと思いますので、ご存知の方が多いかも

フランソワ・スゴンデは、グランクリュ・シルリーのレコルタンです

シルリーはランスの南から始まるグランクリュ街道で、マイイの東にあるグランクリュの村です。
モンターニュ・ド・ランスで北に位置するこのグランクリュはとても小さな集落で、車で通過するとあっという間です

しかし、歴史的にはとても古い起源を持っています



シルリーの話の前に、ちょっと、シャンパーニュの誕生の歴史を簡単におさらい。

皆様、ご存知のようにシャンパーニュ地方がスパークリングワインの一大産地になったのは、ほんの300年ほど前の事です。
それまでは他の産地と同じく、普通のワイン(スティルワイン)を作っていました。

紀元前のローマ時代に始まったブドウ栽培は1世紀にはランス周辺にまで広がり、その後のフランク王国時代にランスの大聖堂戴冠式の場となったことで一層都市として発展していきます

初代フランク王国の王様クローヴィスの戴冠、これが496年、5世紀です。
(日本だと古墳時代、「倭の五王」の最後、「武」の時代くらいです)
その後もキリスト教の広まりと共にワイン作りは盛んになっていきます。

中世の宮廷では、南のブルゴーニュとライバル関係にあり、どちらか王(または王妃)に気に入られるか、を競って熾烈な争いがあったようです
この辺の逸話は結構面白くて、「如何に相手を蹴落とすか」でお互い頑張ってます。

この時代のシャンパーニュでは、いいワインを作る村としてアイの名前が残っています
現在でも優れたピノノワールを生み出すグランクリュとして君臨してますね。
この地にはゴッセが古くからあります。

そんな普通のワイン産地のシャンパーニュに一大変化をもたらしたのが、ワインが発泡するという現象です

発泡性のワイン=シャンパーニュは修道士のドンペリニヨンが発明した、ように言われてることがありますが、これは正しくありません

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シャンパーニュ委員会より

ドンペリニョンは、区画ごとにできるワインの差がある事に気が付いて、栽培や醸造に改良を施したのは間違いなさそうです。
またワインをブレンドすることで均質でバランスの取れた良質のワインにする事も行っていました。
ですが、この時代の修道院には発泡性のワインの在庫は記録にないようです。

そう言えば、この質素で無私無欲の(はずの)修道僧ドンペリニヨンと、当時世界で最も贅沢な生活をしていた太陽王ルイ14世は、生年も没年も同じです
1638年生ー1715年没
今なら同級生〜、ルイ君&ピエール君
この対照的な有名人二人が同時期にフランス(パリとシャンパーニュ)にいた、って非常に興味深い偶然?です。
ある意味驚き。

話が逸れましたが、シャンパーニュが発泡するのは、発酵が瓶内で完了するからです

秋に収穫したブドウでワインを作りますが、発酵が完全に終わる前に気温が下がると酵母が働かなくなり、ワインがさも出来上がったように見えます。
シュワシュワが収まるので、そう思うのも無理はない。
そこで、それを瓶詰するのですが、春になって気温が上がってくると瓶内にワインと共に残っていた酵母が再び活動を始め、発酵が続きます。
瓶内の糖分を使って発酵が再開するのです。
その時に発生した二酸化炭素が瓶内に残って、開けたらシュワシュワする、という訳です。

発酵の仕組みが分かってなかった当時は、最初、発泡するワインは「失敗作」だと思われていましたが、次第にそれが魅力となって唯一無二のワインになっていきました

こうしてシャンパーニュが誕生した、という訳です
(今では完全瓶内二次発酵なので、季節で発酵が中断したり再開したりはしません)

ちょうどこの時期(18世紀前半)がドンペリニヨン修道士のいた時代に重なるので、発明者と言われたのでしょう。
昔は細かいことは気にしないコマーシャルやマーケティングが多くて、結構「公式」にも適当な事が言われていたりして…

おしまい。


と、こんな発泡ワインの誕生過程ですが、そもそもワイン産地として人気だったシャンパーニュでは、アイと並んでシルリーの名前も登場しているんです

これには政治的な理由もあって。
アンリ4世(ブルボン朝の初代でルイ14世の祖父)の側近だったニコラ・ビュイラールは、このシルリーを居城にしていて、領地の赤ワインを王と近しい人で楽しんでいたそうです。
ビュイラール一族は宮廷では有名な権力者で、シルリーの赤は優れたワインとして人気があり、名声を確立できたのです。

その後ビュイラールの一族は絶えてしまいますが、代わって登場するのが18世紀のシルリー伯爵なる人です。
この方が発泡ワインを発売するとすぐさま大当たり、シルリー・ムスーとしてシルリーの名前は一躍有名になります
この方の事ですが、あんまり詳しく分かりません…

まぁ、そういう経緯でシルリーはとても有名になったという訳です。

現在、
シルリーには5軒のレコルタンがあると記録されていますが、

フランソワ・スゴンデ
デュバル・シャルパンティエ
コラン・ギョーム(1級Ludeの組合)

あと2軒が分からない…

5軒しかない、そのくらい小さいのです
(因みに全体で94haある畑の大部分は大手リュイナールとモエが持ってます)

とても小さなグランクリュですが、フランソワ・スゴンデはそのシルリーを代表する生産者です

フランソワ・スゴンデFB.jpg
HPより

畑は全部で5.5ha、シルリー以外に、マイイ、ヴェルズネイ、ピュイジューのグランクリュも所有しています。
初代フランソワ氏は14歳で学校をやめて働きだした方で、畑を購入して1972年に独立、自分のドメーヌを立ち上げました。
この時23歳という若さ、すごい

フランソワ・スゴンデportrat-FS.png
HPより

↑ 彼は2018年に急逝しています、とても残念
蔵は息子さんが続けていますので、それは良かったですが。
SCONDEですが、スゴンデと「ご」が濁るのか正しいそうです。


さて、ようやく今日のシャンパーニュ。
このシャンパーニュ、特級ピュイジューの名が書かれている数少ないボトルです
かつては唯一だったんですが、今は別の生産者もいるようです。

ピュイジューはグランクリュニなった経緯がちょっと不透明?で、当時の村長に政治力があったからじゃないか、という生産者もいます
高速道路を挟んでシルリーの南西にある村で、こちらも大変こじんまりした集落です。

シルリー.png

グランクリュにも関わらず、他の生産者のシャンパーニュがないのは、大半をリュイナールが所有しているからです。
単体での生産がありません。
リュイナールはここのおかげで「グランクリュをたくさんブレンドしてます」と言えるのです

ブドウはもちろんピュイジュー産100%(でないと名前書けません)
シャルドネピノノワールが半分づつ。
ソレラシステムで保存してるリザーヴワインをブレンド、最古で2009年
瓶熟は24か月、ドサージュは6g

ブドウの供給量が少ないこともあり、生産は年間でわずかに500〜600本しかありません

北の産地らしい、繊細な構造です。
香りは豊かで、後味も長い、十分満足なバランスの良い味わいです

このシャンパーニュ、ミュズレが非常に変わっています
羽がついてる、というか。

今シャンパーニュは何でも高いですね、このボトルも例外ではありませんが飲む価値があります
シャンパーニュ通なら一度は飲むべき。



…と、ここまで書いていたら最後の1本が売れました 15:00
只今在庫なしですみません。
お買い上げはありがたい事ですので、また仕入れておきます(値上がりしてるかも)































posted by cave MITSUKURA at 14:55| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月11日

1週間は入荷なし


皆様、本格的なお盆休みに入ってますか?
地震警戒のせいで、予定を変更した方もいるでしょうか。

カーヴミツクラはお休みなく、毎日営業しております

それにしても、名古屋は全然が降りません
週間天気予報はずーっと真っ赤な太陽マークが並んでます
17日ごろに傘マークがついていますけど、大雨はやめて欲しい。

反対にフランス北部(特にシャンパーニュやシャブリ)では、雨続きです
今年は平年の2倍の雨量にもなっており、oidium=オイディウム(うどん粉病)が発生して、各生産者は対応に忙しくしてます

うどん粉病はバラによく発生する病気でもあります。
ガーデニングでバラを育てている方は、バラが病気になりやすいことをご存知だと思いますが、うどん粉病は非常におなじみの病気です。
小麦粉をまぶしたように白い斑点ができるので、この呼び名が付きました。
英語だとミルデュと言います。

対処法は、カビが原因なので風通しを良くして、殺菌剤を散布します。
6月くらいに葉を落とすのはこのためでもあります



今年の作柄が危ぶまれるシャンパーニュですが、既に価格高騰で一部の銘柄を除いて売れ行きがよろしくないようです
ボルドーも同じ。
ブルゴーニュは未だ好調ですが、いずれ追随するでしょう。

人気で価格が上がる一方の銘柄と、値下げしても売れない銘柄と、今後は一層明暗が分かれて行きそうです

「あなた誰?」っていう銘柄を発掘していきたいです













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2024年08月09日

地震にどう備えればいいのか


昨日の宮崎周辺の地震にはびっくりしました
しかも、これからしばらく東南海地震に備えるように、って

どうしよう…
自宅でお水買っておく、くらいしかできない。
家具の転倒防止もそこまでやれてないし…

店頭のワインもこれ以上どうしようもないよー

皆様、ワインセラーの扉の鍵はかけておいてください
揺れると開いて中身が飛び出してしまうので、閉めておく方がいいです。



来週1週間は取引先がみーんなお休みで、入荷がありません。
今月は、ほぼ新しい仕入れはせずに耐えるのみ

まぁた、中身のないブログを書いてしまった












posted by cave MITSUKURA at 17:21| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月06日

1本いくらまで?


来週はもうお盆ですね
9連休の方も多いでしょうか。

暑さのせいか、歩いてる人も少ないような…
ニュースで「できるだけ外出は控えて」って言ってました




店頭に、サロン2013がまた入荷してきました。

IMG_3957.jpg

ですが、相変わらず税込176000円って、これは飲み物の値段なのか…
ま、それを言えば、ブルゴーニュ・グランクリュの方が高いんですけど…


サロンは完全に「高値の花」を地で行くように方針転換しています

多くの人に親しんでもらいたい、ではなくて
買える人だけに分かってもらえばいい世界、を目指してます

ですから、生産も限定的で増やす気がない
より良いブドウを手間暇かけて、少しでもいいシャンパーニュを作りたい、って事なんでしょうけど。

単純な計算として、価格を倍に出来たら生産は半分でも収入は同じ、ですもんね
(コストは違うでしょうが)

MLFしていないブラン・ド・ブランなので、かっちんこっちんだと思います
クリーミーになるには最低10年かも(どうでしょう?)


ニュースのポータルサイトに、
「コーヒーに出せる値段は550円まで」
という記事がありましたが、
皆様ワインならいくらまで出せますか??

ロマネコンティなら、モンラッシェなら、と条件もあるでしょうが。

お金持ち&シャンパーニュマニア、お待ちしてます。







posted by cave MITSUKURA at 14:07| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月03日

1本常備したい


今年は「10年に1度の猛暑」だそうですね
日傘を差していても照り返しがまぶしい。



今日はワインじゃないお酒を紹介します

IMG_3954.jpg

ジャン・マルク・ルーロ 
ラブリコ・デュ・ルーロ
ル・シトロン・デュ・ルーロ


アプリコットレモンリキュールです
(写真は左がレモンですが)
知ってる方いますか?

てんちょ、先月とあるフレンチでこれを飲ませてもらって、ものすごく美味しかったので買ってみました
あまり生産は多くないので、簡単に買えるとは思っていませんでしたが、タイミングが良かったみたい。
ラッキー

このリキュール、作っているのはフランス、ブルゴーニュ、ムルソーの大人気ドメーヌのルーロです

ルーロ.png

現在、ルーロのワインは国内のレストランを中心に販売されており、弊店には残念ながら入荷がなくなりました
ネット販売、転売の問題などがあり、ルーロ側の意向でそうなったそうです。
並行品はこの限りではありませんが、ミツクラでは並行品は扱っていません

…あーあ、残念

今日のリキュールですが、いつから作ってるんでしょうね??
最近には違いないのですが、知りませんでした。

アプリコットの産地と言えばローヌです

かつて中部ローヌの農家ではブドウよりもアプリコット栽培を主に手掛けるところが多かったのですが、90年代のワインブームでブドウに転換する農家が急増。
しかしその後、品質が重視されるようになって、ブドウが思うように売れなくて再びアプリコットに戻す農家も出てきています

アプリコットはこのローヌのローラン・コロンビエ農園でオーガニック栽培で作られたものを使用しています。
コロンビエと言えば、エルミタージュ作ってるドメーヌもありますね、一族でしょうか。

ローヌで広く栽培されているペルジュロン種という杏は、色が濃く濃厚な味わいが特徴です
100%ジュースやジャムなど、いろんな製品を見かけます。

リキュールの製法は、この杏をアルコールに付け込んで作った液体に砂糖とスピリッツを添加するというものです。
梅酒の製法に似てます

杏なんですが、青りんごみたいな香りです
程よい甘さで飲みづらさはありません。
ストレートでいいですが、ロックやソーダ割でも美味しいでしょう

アルコール度数は25%、ですから飲みすぎ注意。


てんちょ、レモンは飲んでおりませんが、杏があれだけ美味しいのですからレモンが美味しくないはずはなかろう

レモンはシチリア産の同じくオーガニックレモンを使用しています
こちらはアルコール度数35%
「オー・ド・ヴィー・ド・フリュイとリキュールの中間」のスタイルって書いてありますが、製法には言及がありません。

どちらも500mlです、お値段は諭吉以上なので高級品です
(他に1リットルもあります)
ルーロの名前もありますし、味は確かなので人気があっても当然でしょう。

これを個人バーキャビネットに追加したら、充実間違いなし
ですが、この暑さですし、開封後は冷蔵庫がいいかなぁ

一度飲んでみることをお勧めします〜








posted by cave MITSUKURA at 13:01| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月01日

8月試飲会やります


8月ですね

海にも花火にもご縁がないてんちょですが、冷えたビールとシャンパーニュにはいつも親しんでおります



イベントページに8月試飲会の案内を載せました
今月はシャンパーニュやスパークリングワイン、冷やして美味しい白ワインを中心に、おすすめの赤もお出しします〜

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写真は参考ですが、おそらく全て出すと思います

毎回同じこと書いてますが、立ち飲みのフリーテイスティングなので、気楽この上ないです
真面目に飲みたい方は、早く来てさっさと帰るのがいいと思います。

ソムリエ試験のテイスティングでは、特に時間をかけないことが重要です
何度も飲んでると味覚がぶれるだけ、やめた方がいい。
短時間で次々を回答を進める訓練をしてくださいね

そういう意味では、弊店の試飲会は真逆のところにあります
だはっ
てんちょは、それも本来のワインの楽しみ方の一つだと思っています。
ただ、周りへの気遣いは忘れちゃいけない ←大事な事だよね


月末には少しは暑さが和らいでいてほしいですが、きっと変わらず暑いんでしょうね…
お申し込み、お待ちしております


posted by cave MITSUKURA at 15:57| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする