今週末に雨が降って、気温が一段落する…らしいですね

本当だろうか

フランスでは各地で本格的な
収穫が始まっています。

Domaine Leflaive SNSより
今年は遅目です、このところ早いと8月の末に始まった年も結構ありますので、9月中旬は遅い方になります。
温暖化が顕著になってからこの20年では、2024年は特に雨が多い、
昔の気候みたいでした

霜害は少なかったですが、21年に似た傾向です。
4の年って、大成功になってる年が少ないんですよね…
例外的に2004年のシャンパーニュはシャルドネが特にいいようですが、ブルゴーニュではイマイチです。
ニュイよりはボーヌの方が良いようです(北は雨が多かったので)
90年代までと違って、2000年以降はシャンパーニュとブルゴーニュの様な近い地域でも、作柄がリンクしない年が出てくるようになってます

因みに来年の
「5」は当たりが多い年です

早くも来年に期待?
という事で、店頭にある「4」のワインを探してみました

14は少ないながらも少しはありますが、04は2つ、3つしかありませんでした…
ロッシュ・ド・ベレーヌ コレクション・ベルナム ポマール2004
店頭、
最後の1本
フランス、ブルゴーニュの赤ワインです。
ロッシュ・ド・ベレーヌの名前はどのくらい知られているでしょうか??
有名だと思います

今日のワインは旧ラベルになります、現在はデザインが変わっていますね

ロッシュ・ド・ベレーヌは複数の生産者が集まって出来た蔵で、自社畑のドメーヌ物と、買いブドウのメゾン物を生産しています。
ですから、ワインのラベルには、
ドメーヌ・ド・ベレーヌ
メソン・ロッシュ・ド・ベレーヌと二つの表記があります。
そして、今日のワインはメソン・ロッシュ・ド・ベレーヌの中でも(ネゴシアン物)、ブルゴーニュのドメーヌに眠っている古酒を買い付けて販売する
「コレクション・ベルナム」と言うシリーズです。
審美眼が確かなニコラ・ポテル(とその仲間)だからできる、信頼のおけるワインです

ベレーヌの創業は2005年とまだとても新しいのです

2006年にボーヌの中心からすぐの場所の歴史のある建物を購入し、そこを改装して現在も本拠地としています。
前を何回も通ってるのに、看板もないからか全く気が付きませんでした…


HPより、奥にこんな場所があったとは
因みに、蔵の名前のベレーヌとは、ボーヌの町の古い名前に由来しています。
元々ボーヌは、1世紀の頃、
ケルト神話の神ベレヌスに因んでベレーナと呼ばれていたそうで、それが変化して現在のボーヌとなったようです。
ブルゴーニュのワインを世に送り出すことを志す集団として、この名前を使うことにしたそうです

蔵の中心は、先述の
ニコラ・ポテル氏です ↓

HPより、左の方です
この方は、1969年ヴォルネイ生まれで、
名門プス・ドールの所有者となるはずでした。
父親が当時のオーナー、ジェラール・ポテル氏です。
今でも有名なプス・ドールですが、名門の名にふさわしい長い歴史があります。
ドメーヌがあるヴォルネイの畑は、4世紀の昔から良いワインができる銘醸畑として知られており、中世の
宮廷では
高級ワインと言えばヴォルネイとされ、王を始め貴族の注文が沢山ありました。
歴代ブルゴーニュ公はヴォルネイを嗜んでいた訳です

プス・ドールは、フランス革命前から記録がありますが、今よく知られているのは、19世紀にロマネ・コンティも所有していた
デュヴォー・ブロシェがオーナーになったことが大きいと思います

彼の死後100年弱、所有者があちこちしたりバラバラだったようですが、1964年に資金援助を得て再建されたときに醸造長となったのが、ニコラ・ポテル氏の父親でした。
父親の跡を継ぐべく、ニコラ氏も醸造学校を卒業後、ブルゴーニュの著名ドメーヌで修行し、その後オーストラリア、カリフォルニアと研鑽を積んで父の元に戻ってきました。
一緒に働くこと僅か5年、なんと1996年に
父が急逝してしまい、ニコラ氏は
プス・ドールを売却して自分のネゴシアンを始めました。
…きっと投資家がうるさかったんだろうなぁ

1997年に最初のヴィンテージを発売してから高評価を得て、順調に事業を拡大してたはず…なんですが、
この
メゾン・ニコラ・ポテルも2004年に売却してしまいました。
何があったんでしょうね…
親会社がうるさい?とか。
理想のワイン作り、ブドウ栽培とは違うことをやらされそうになったのかもしれません

そして、ベレーヌを興したのです

(←今ここ)
自分の名前を前のネゴシアンに付けちゃったせいで、商標登録されてる権利の関係から自身の名前は使えない、と言う
変な状況になっています

ニコラさーん、って会いに行っても本人は既にいない、っていう。
プス・ドール → ニコラ・ポテル → ベレーヌ と言う遍歴。
今日の1本は、ブルゴーニュの熟成したワインが全然手に入らない昨今では
貴重なワインです

蔵出しでずーっと弊店セラー保管の来歴100点のワインです

ポマールらしい色の濃い、ジューシーなワインですが、てんちょが飲んだのはもう5年は昔ですので。
今はどんな風に変化してるでしょう??
きっとようやく熟成のピークで、非常に良い香りがするのではないかと期待しています

今見てもいい色ですので、心配ないでしょう。
売れなかったら飲んじゃお
posted by cave MITSUKURA at 15:57|
日記
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