2024年12月01日
ギリシャワインと言えば
良く晴れてる名古屋ですが、流石に風は冷たいです
店頭にはホットワインも入荷しています
去年も扱った銘柄です。
ジ・アグリー・グリューワイン
「おばあちゃん編んだダサいセーターみたいな柄」と言う自虐的な名前のホットワインです
いや、おばあちゃんが編んでくれたセーターは全然ダサくないでしょ
意外なことにスペイン産です
ほんのり甘口で、寒い夜には嬉しい美味しさ
今日は珍しいこのワインを紹介します
アオトン レッツィーナ2022
レッツィーナの名前を知ってる方はどのくらいいるでしょう?
さらに飲んだことがある方は…??
今日のワインはギリシャの白ワインです
土着品種のサヴァティアーノ100%
このワインが珍しいのは、松脂風味だからです
マツヤニ、って食べられるんですか
って思っている方、私も全く同感です。
その前に、軽くギリシャワインの概要を書いておきます
ギリシャはご存知の通り、紀元前より文明が栄えており、ローマ帝国よりも古く繁栄の歴史があります。
近年のニュースでは財政危機に陥ってるのにみんなビーチでのんびりしてる国民性が印象に残っていますが
失業率が高い上に公務員だらけで、そりゃ経済が上向かないよね・・・・って思いました。
そんな4000年の歴史があるギリシャワインですが、1981年にEUに加盟したことにより、EUの基準に合わせた法整備が進められました。
(その後の法改正もありまして、てんちょが一番最初に勉強したワインたちは名称が無くなっています)
それでもギリシャは独自のブドウがかなり多いので(それしかない)、イタリアもびっくりな土着品種王国になってます
これはこれであり、独自性って強みだと思います。
WIKIより
ギリシャはヨーロッパ大陸の東南端にあり、多くの島も国土に含まれています。
ワインは4ランクに分類され、一番上はフランスのAOCに相当する産地呼称をPDOと言い(意味は同じ)、主な産地として7地域に分かれています。
マケドニア(北端にあり、主要都市のテッサロニキはギリシャ2番目の規模)
トラキア(東端の地域でトルコをブルガリアの国境地帯)
イピロス(最も小さい地域でイオニア海に面する、イタリア側に向かった地域)
テッサリア(ギリシャ本土の中央にある)
イオニア(イオニア諸島=そのまんまです、小さな島々)
ペロポネソス(同名の半島、ネメア、パトラスが有名)
クレタ(ミノタウロスの伝説の島)
あとはエーゲ諸島にもPODがあります。
なお、首都のアテネがあるアッティカとその西の中央ギリシャ地域にはPODに認定された産地がありません。
そして地名がかなり謎です。
やはりギリシャの地理には詳しくないので地名が全然分かりません
歴史に登場するような都市はまだ分かるんですが…
ワイン全体では、白ワインの方が生産が多く、白の筆頭品種はサヴァティアーノ(今日の品種)で黒ブドウではアギオルギティコとなっています。
クシノマブロじゃないんだ… ←4位でした
さて、今日のワインに戻りまして。
ギリシャののワイン法は西ヨーロッパと同じように4ランクに分類されて、それぞれ認定地域があるのは前述のとおりですが、
ギリシャではこれ以外にTraditional Designation=トラディショナル・デジグネーションと言う伝統ワインの認定があります
この伝統ワインは2つのワインだけに限られていまして、
一つは今日のレッツィーナ、
もう一つはヴェルディアと言うイオニア海のザキントス島(どこ?)だけで作られるシェリーの様な酸化した風味のワインです。
…ヴェルディアって、見たことないなぁ…
レッツィーナとは。
前述したように、松脂の香りの付いたワインで、これはギリシャを象徴するワインなのです
古代ギリシャでは土器のアンフォラにワインを詰めて保管・移動させていたのですが、もちろん当時はコルク栓はなく、土器や木製の蓋を松脂で固めて密閉していました。
松脂の香りが隙間からワインに移り、独特のあの風味をもたらしたのですが、それが今でもギリシャのワインを象徴するテイストとなってる訳です。
とても風変わりなワインでもありますが、ギリシャ伝統の味でもあります
伝統的にはサヴァティアーノ100%ですが、現在では産地がギリシャ全土に広がったこともあり他品種も認められています。
この松脂風味ですが…
やはり独特、です。
(形容するに、うがい薬、とか、湿布とか、どうもいい表現が浮かびません)
見た目は黄色めの白ワインですが、香りも味もこれまで飲んだどのワインとも似ていません
多分、お一人で1本飲む感じでは辛いかも
料理も一体何を合わせたらいいんだろう…
生産者のアオトンはナチュラルワインの作り手として他のワインも作っています
暑すぎる夏が問題になっているギリシャでは納得のいくブドウにならないこともあるそうで、生産をやめて組合に売却することも考えるほどだそうです。
レッツィーナにも良質の松脂を仕入れて香りがきつすぎないように工夫しているらしい(それでもあの風味ははっきり感じますが)
名前は知っていても飲んだことのないワインって色々あるかもしれませんが。
ヴァン・ジョーヌ
ミード
キナート
レッツィーナ
経験としてみんなで1本どうでしょうか?