2025年02月24日

フェニキア人も飲んだか


寒さは今日まででしょうか…
桜島が冠雪したとのニュースに驚くばかりですが、快晴続きの名古屋は本当に平和でありがたい事です



今日はこのワインについて書きます

IMG_4253.jpeg

セッラ&モスカ テッレ・ビアンケ トルバート・アルゲーロ2022

ラベルが変わりました。

イタリア、サルデーニャ島の白ワインです
土着品種のトルバート100%の辛口です

DOCアルゲーロです(お恥ずかしながら、よく知りません

サルデーニャ島は南のシチリア島と並んで地中海の主要な島の一つです。
大きさはあんまり変わらないのですが、地中海ではシチリア島が最大で、サルデーニャ島が2番目に大きな島なのです。

イワシのオイル漬けのサーディンはこのサルデーニャが語源になってます


セッラ&モスカはこの島で1899年に設立されました

エンジニアのセッラ氏と弁護士のモスカ氏が共同で始めた蔵です。
彼らはサルデーニャのアルゲーロという地区の手つかずの土地に魅せられ、最初はブドウの苗木を販売する業者としてスタートしました。

セッラ&モスカ480525432_1035803925243596_6128092737215037841_n.jpg
生産者SNSより、こんなに発展してます

サルデーニャ島の主要な都市は南端のカリアリで、ここはフェニキア人の植民都市があったほど古い町です。
サルデーニャ島には石器時代の遺跡=ヌラーゲが沢山あって研究が進んでいると、この前TVの世界遺産で見ました。

アルゲーロは反対の、北西にあります ↓

セッラ&モスカ.png

大戦後にはワイン作りも始め、1989年に初めてカベルネソーヴィニョン100%のワインを作り、それが大変な評判になりました
セッラ&モスカは土着のブドウを大事にするワイナリーですが、同時に国際市場でも競争できる可能性のある作りにも挑戦しており、それがカベルネ100%の成功につながっています。
(2013年にはガンベロ・ロッソ社が刊行する「イタリアワインガイド」で“ワイナリー・オブ・ザ・イヤー”も受賞しています)

このカベルネの赤ワインは非常に多くの受賞歴があり、セッラ&モスカのワインでは今日のトルバートと並んで有名です ↓

セッラ&モスカ280323-093306-sellamoscamarchesedivillamarinasa075lthr.png
飲んだことある方いますか?


と書いておきながら…
…ですが、わたくし、この赤ワインは飲んだことがありません
どっかイタリアンで飲ませてくんないかな



海から近い場所にあるアルゲーロの畑で今日のトルバートは栽培されています
この地ではお馴染みの古い品種です。

セッラ&モスカ63886c5a09f192a3b604b5c64079511e.jpg
輸入元HPより

黄色いなぁ、晩熟って感じです。

元はスペイン原産のブドウです。
しかしながら、トルバートは病気になりやすい上に果汁が少なく、さらには晩熟で収穫が遅いという欠点がありました
良くない要素だらけかも…
秋から冬に近づくと、雨や嵐が増えますので(日本の台風と同じ)、果実の収穫は遅すぎない方がいいのです。

こういう点では、お利口さんのシャルドネを植える人が増えても仕方ないと言えます。
リスクが大きいので、敢えて労力と時間をかけた上に最後は神頼み(自然相手)というのは、収入を考えたら積極的にやる人が減るのも当然です。

それをセッラ&モスカは根気強く頑張ったんです
すごい
手を加え、丁寧に世話をして、人でもお金もかけました〜

その結果、トルバートは再びサルデーニャ島の固有品種としての地位を取り戻した訳です
気を抜くと平凡でつまらないワインになってしまうこの品種、扱いが大変そうです。

そこにしかない品種が大好きなわたくしとしては、これは応援せねばなりません


今日の白ワインは、そういう心配は一切ありません
非常にレベルの高い良いワインです。

黄金色の外観からも分かるように十分な日照がある場所で育っています
黄色いブドウですが、うまくコントロールされていい酸も持っています。
この酸味がなかったら、寿命が短く、メリハリのないワインになってしまうところです。

香りは柑橘系でちょっと磯の塩っぽさも感じられます。
流石、島のワインです

清涼感のある辛口で、魚介には非常にいい相性です

牡蠣やアサリのワイン蒸し(是非このワインで作ってください)
タコのトマト煮
ペスカトーレ
イカのフリッター(レモンかけて)
アンチョビやサーディン

うー、お腹空いてきますね

冬でも冷やして飲んでください。
この酸味は冷たくないと美味しくないので
暖かくなったら是非お試しいただきたいです。


セッラ&モスカではトルバートのスプマンテも作っていて、それも美味しいのです
夏になったらまた仕入れようかな。











posted by cave MITSUKURA at 15:09| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月23日

花のロゼ


寒さもあと数日でしょうか。
昨日は岐阜市内でも結構な積雪になったようですね、名古屋市内は全くなかったのでニュースを見てびっくりしました

今日も快晴の名古屋です
3連休の中日としてはお出かけにもいいのでは。

週末は3月ですね



今日はこのワインを紹介します
春っぽいロゼです

フィストニッチ・ファミリーPSLC_2673.png

フィストニッチ・ファミリー フォレストフラワーコレクション ロゼ2022


ニュージーランド、北島のホークスベイのロゼワインです

マルベック55%、シラー45%
アルコール度数11.5%の辛口です

ラベルのイメージ通りのフラワリーな香りと果実味のある辛口で、酸味が穏やかなのでワインだけで飲んでも楽しめます

甘口ではありませんが、ほのかな甘みがあるので和食やお刺身にも合わせられます。
サーモンやマグロの赤身、ちらし寿司は合いそうです

ワインを作っているのは、ニュージーランドでは超有名なサー・ジョージ・フィストニッチ
ナイトの称号を持つ彼は、60年以上に渡りニュージーランドのマルボロのソーヴィニョンブランの発展に尽力してきた功労者です。
マルボロ最大のヴィラ・マリアを作った人です。
メリット勲章の称号もその功績によって授与されたのでしょう。

こんな方 ↓

フィストニッチ・ファミリーSirGeorge_vineyard_01.jpg
HPより、以下同様

そんな彼は、ヴィラ・マリアは引退して後進に道を譲ったのですが、2021年に新しくフィストニッチ・ファミリーというワイナリーを立ち上げ、ホークスベイのネイピアの醸造所で、オブリックスフォレストフラワーという二つのブランドでワイン作りを始めました。

次なる野望に向けて、やっぱり隠居なんてしていられなかったんでしょうね

ネイピアはここです ↓

フィストニッチ・ファミリー場所.png

フィストニッチ・ファミリーBallochdale_02.jpg
海の近くですが、自然豊かな場所です

新しいワインといっても、人脈やノウハウには事欠かない訳ですから、レベルが高く、納得の味です
今後、さらに高レベルのブランドを発売する予定だそうです。


今日のフォレストフラワーは、ニュージーランド原産の花にインスピレーションを得て作られました
ラベルに描かれているのは、Ngaio(マウスホールツリー)の花です。

このナイオという花(ナイオって発音できませんね)、光沢(クチクラ)のある細長い葉を持った樹木に咲く花です。
海の近くで自生しています。

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New Zealand Plant Conservation Networkより

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New Zealand Plant Conservation Networkより

夾竹桃に似てますね


今日のロゼは見た目も綺麗な、はっきりした濃いピンク色です
華やかなバラの様な香りと少しの甘いフルーツ、味わいは酸味が隠れた甘さの丸みがあります。
酸っぱくないので、つるつる飲めます。

お花見に持って行って、昼から飲むのもいいですね
ほんと、ちらし寿司と合わせてみたい

アルコール度数が高くないのも嬉しいです。
飲み疲れません。

お値段も3000円以下とお手頃価格です
是非お試しください〜








posted by cave MITSUKURA at 14:07| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月21日

アイスヴァイン飲んだことありますか?


快晴で綺麗な青空の名古屋ですが、寒い〜
どこを触っても冷たい〜

3連休が終わったら、すぐに3月ですね
今年も早く終わりそうだ。



今日はこのワインを紹介します

グリューバー.jpg

グリューバー リースリング アイスヴァイン2021 ハーフ

オーストリアの甘口白ワインです。
(ウィーンの北です、カンガルーじゃない方ね)

375ml、ハーフサイズです。

皆さま、アイスワイン(ドイツ語ではアイスヴァイン)ってご存知ですか?

「氷ワイン」の言葉通り、凍ったブドウから作られる非常に甘いワインです

通常の収穫時期を過ぎて、気温が氷点下になるまで待って作られる、とても貴重なワインです。
沢山作れませんので、今日のボトルの様にハーフサイズが普通です

凍結したブドウは、水分が固形(氷)になっているので、ゆっくり圧搾すると凍らなかった糖分だけがじわっと流れ出てきます
この濃厚な液体には水分が少ないので、糖度がものすごく高いのです。

それを時間をかけて発酵させて作るのがアイスヴァインです
糖度が高すぎて発酵も非常にゆっくりしか進みません。

寒冷地のドイツでよく生産されていましたが、オーストリアでも同様に生産があります。

しかし、最近は温暖化の影響で冬でも氷点下にならない産地が増えています
天気予報と温度計を見ながら、何日か徹夜しても結局収穫できなかった、という事が多いようです
生産者の忍耐が報われなくなってきています…

何年か前にはドイツで僅か1軒しかアイスヴァインを生産できなかったというニュースもあったりと、今後は特に貴重なワインになっていくこと必至です

日本では人工的に凍らせたブドウで作るクリオエクストラクションという方法がありますが、もちろんドイツ・オーストリアのアイスヴァインにはそういう人工的な行為は禁止されています


カナダでもヴィダルという交配品種でアイスワインを作っていますね。
5大湖周辺で作られていて、ナイアガラ観光のお土産としてもとても人気があります
てんちょもいただいたことあります、気品があって美味しかったです


今は甘いものが溢れていますので、ことさら甘いワインを飲もうという人は少なくなっていますが、
やはり高貴な甘口
ナイトキャップに良し
マリアージュに良し
なのです

店頭でも甘口ワインは販売の主流という訳ではありませんが、それでもガストロノミーの世界には欠かせない、大事なワインなのです
フォアグラのテリーヌとアイスヴァインなんて最高にいい相性です



今日のワインを作っているのは、オーストリア、ニーダーエステライヒのヴァインフィアテルにあるドメーヌです
家族経営で、兄弟姉妹3人がそれぞれ役割分担しています。

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HPより、以下同様

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新しいテイスティングルーム&ショップ

…このワイナリー、以前にもブログで紹介してるのに、その記事が見つけられません
誰か見つけたら、おせーて。

と思っていたら、お客様が「これかな?」と、教えてくれました ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/archives/20230804-1.html

過去ブログに更に飛んでますので、入子になっちゃってますが。
教えてくれてありがとうございます(追記)



ラベルのかわいくユーモラスなイラストは妹のマリアさんのデザインです
どのワインラベルも個性的で素敵です

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さて、今日のワインはてんちょはまだ飲んでおりません(ごめんなすって

アルコール度数9.5%の極甘口です。
発酵に60日もかけています、樽の使用はありません。
リースリングの洗練されたフルーティさに甘さが加わって、非常に余韻の長いワインになっているでしょう
(HPにも糖度の記載がありませんね)

たまに飲むとホッとするようないいワインだと思います

このワイン、買おうと思っていたトロッケンベーレンアウスレーゼが恐ろしく値上がりましたので、その代わりに仕入れました
在庫があるうちにもう少し買って置こうかな。

ボトルが少しずんぐりしてるのも、かわいいですね








posted by cave MITSUKURA at 15:18| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月18日

ランソンセミナー行ったんだった


良く晴れている名古屋ですが、風が強くて寒いです
只今13時、外は日が差してますがも降ってます(すぐ止むでしょうけど驚き)

もう1週間も我慢したら寒さも終わりでしょうか、その後は花粉がわんさか来るんでしょうけど



今日はシャンパーニュのランソンをもう一度紹介します

ランソン1.png

2週間ほど前にセミナーに行ってきましたので、個別のキュヴェ等の解説も兼ねて。

歴史と余談は前回のブログで ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/archives/20250107-1.html

セミナーはアジアマネージャーのマリアン・ジョフロワ氏が初来日で講師を務めてくれました。
ランソンには11年務めているそうで、ランソンの革新を進めた醸造家のエルヴェ・ダンタン氏と同じ時2013年の入社です。

セミナーでは、転売&転売の黒歴史には一切言及がありませんでしたが(そりゃそうだ)、今年英国ロイヤルワラントを外れたことには軽く触れていました

新生ランソンを率いるダンタン氏ですが、ランソン入社に当たって様々な要求をしたそうです
「これとこれはこうしないと自分はランソンでは働かない」
くらいの意思があったそうで、やはり改革を進めるにはかなりの覚悟が必要なんでしょう。

醸造家やCEOが頻繁に転職するシャンパーニュの業界では、引き抜き合戦も盛んに行われいますので、条件や環境の交渉は至極まっとうな事です


そのランソンの改革ですが、代表的な物が二つあります

1.単一区画ごとの醸造

 ランソンでは自社畑を含めて100ものクリュからブドウの供給を受けています。
 シャンパーニュ全体の3分の1の種類のブドウが集まってくるのですが、その膨大なブドウを全てクリュごとに別々に醸造しています。
 そのためにサイズの異なる55ものステンレスタンクを誂え、個別の個性を持ったバリエーション豊かなヴァン・クレール(2次発酵前のワイン)を生んでいます。

 ランソンは歴史が長い分、栽培家との付き合いは深く、いい信頼関係を構築できているそうです。
 100のクリュの内、50%がプルミエクリュとグランクリュで、ベースワインのレベルの高さを誇っています

 さらにランソンの特徴で有名なのが、ノンマロラクティック製法です
 MLFを行わない事で、酸の豊かで長熟可能なシャンパーニュになってます。
 ただ、全てのMLFをブロックしているのではなく、NVでは最大で25%程度は行うことがあるそうです。
 ヴィンテージシャンパーニュは一切行っていません

2.シェ・ボワ(木樽貯蔵庫)

 2014年から導入された新しい施設で、ヴェルズネイのプレスハウスと共に刷新されています。
 ここでは、リザーヴワインを木樽で保管し、パーペチュアルレゼルヴとして各キュヴェにブレンドされています

 このリザーヴワインですが、ランソンでは3種類のリザーヴを持っています。
 一つはステンレスタンクで熟成されたものでヴィンテージ・区画ごとに保管されています。
 二つ目は、ステンレスタンクで俯瞰されたパーペチュアルレゼルヴで、様々なキュヴェがブレンドされています。
 三つ目が木樽のパーペチュアルレゼルヴで、二つ目と同じようにヴィンテージや区画のブレンドワインが毎年注ぎ足されています。

こういうブレンドのリザーヴワインは、シェリーのソレラシステムに倣っているメゾンも多く、より複雑な風味を生む手法として近年採用する蔵が増えています


ランソンでは瓶熟の期間も法定よりずっと長く、NVで4〜5年、ヴィンテージでは最低9年、プレステージでは15年という長さです
トップキュヴェのノーブルシャンパーニュでは、現行ヴィンテージが2005年という古さです

また、ランソンでは情報の透明性にも誠実です

全てのシャンパーニュの裏ラベルにはQRコードが付いていて、
蔵のスタイル
セパージュ
ブドウ収穫区画
ベースワインの特徴
収穫年とリザーヴワインの比率
MLFの割合
熟成期間
ドサージュの量

について詳細な情報を知ることが可能です

デゴルジュマンの日付やブレンドの割合などを表記する蔵は増えていますが、ここまでの情報を載せているシャンパーニュは他にありません
ランソンを手元にすることがあったら是非ご覧ください。


現在、生産されているシャンパーニュは7種類です。

ランソン.jpg

1.ブラック・クリエイションNV

 以前のブラックラベルです。
 ラベルに小さく258の文字が書かれていますが、これは創業の1760年から数えて258番目のヴィンテージが主体であることを示しています。
 258番目は2018年です。
 ランソンの味であるピノノワールのフレッシュさがとてもよく出ています

a fresh touch of love これがランソンのモットーです。
(正直ちょっと??かも
loveは置いといても、フレッシュさというキーワードが新生ランソンには重要なのは理解できます

2.ロゼ・クリエイションNV67

 ランソンでは1833年に初めてロゼを作っています、これはかなり早いですね。
 それから67番目の2019年がベースになっています。
 1と同様にかなり繊細で、余韻が非常にいい感じです

新しいランソンはどれも、瓶熟の長さからくるオートリーゼの香ばしさがあまりありません
やはりMLFをしてない分、酸が若く豊かだからでしょう。
フレッシュさが長く保たれる秘密でもありますね

こういうシャンパーニュが今後のトレンドになってくかも。
よりフレッシュ、繊細で軽やかだけど複雑で余韻が長い、という

スティルもですが、現在のワインのキーワードはエレガンスです。
30年前なら凝縮感だったんですが。

3.ホワイトラベル・セックNV

 セック=辛口なんですが、ブリュットよりも甘いシャンパーニュです。
 ドサージュが28gあるので、やや辛口〜やや甘口といった味わい。
 酸が穏やかなので、和食に合わせてもいいですね

 しかし、これは試飲がなかったので実際の味は不明(すんません)

4.ブラン・ド・ブランNV
 フレッシュさを掲げるランソンの本領発揮といったキュヴェです
 プルミエクリュとグランクリュが70%以上も入っています。
 クリュも15区画使用しており、コートデブランとモンターニュドランスの両方のシャルドネの良さを持ち合わせているそうです。
 
5.ヴィンテージ2013

 卓越した年のみ、生産されるヴィンテージシャンパーニュで、ランソンでは1874年から僅か12ヴィンテージしか作られていません。
 2013年は地域によっては雨の多い年なのですが、日照には恵まれており、9月後半から10月と過去30年では最も遅い収穫ですが、ブドウの熟度も十分だったようです
 酸の高さが特徴とされていますが、飲んでみるとそうは思えません。
 まだとても若い印象で香りもフレッシュで、ややアニスの様なニュアンスがあります。

6.ノーブル・シャンパーニュ2005

 プレステージシャンパーニュで100%グランクリュで1979年に初めて作られたノーブルキュヴェの後継です。
 ピノノワールがメインのランソンですが、シャルドネでも質の高いシャンパーニュが出来ることを証明するべく生まれたキュヴェです
 70%がシャルドネですが、17年熟成とは思えない新鮮な印象です
 コーヒーやモカの様な香り、という説明がありましたが、確かに少しあるかも
 存在感があり、さらに成長の余地がある、いいシャンパーニュです

7.ノーブル・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2005

 こちらはシャルドネ100%のプレステージキュヴェです。
 さすがのレベル、これが一番酸がはっきりしています。
 これもまだまだ変化の可能性がある「上り坂」の途中です。


 


 
 


posted by cave MITSUKURA at 15:16| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月13日

ラペって知ってますか?


朝から風が強くて寒いです
来週、もう一度寒波が襲来するとか…



今日は備忘録的に。

店頭では最後の古酒でもあります。
販売してるのは、3と5だけですが。

ラペ.jpg

ラペ
左から、
1.サヴィニー・レ・ボーヌ1erオー・フルノー2021
2.ボーヌ1erグレーヴ2010
3.ペルナン・ヴェルジュレス1erイル・デ・ヴェルジュレス2005
4.ペルナン・ヴェルジュレス1erレ・ヴェルジュレス1999 マグナム
5.コルトン・グランクリュ1988
6.ペルナン・ヴェルジュレス レ・コンボット ブラン2017
7.コルトン・シャルルマーニュ グランクリュ2015 マグナム


フランス、ブルゴーニュです

6と7は白ワイン(シャルドネ)、あとは赤ワイン(ピノノワール)です。

ラペペルナン・ヴェルジュレス1765年からワインを造っている大変古い家系です

特級コルトン・シャルルマーニュを持っているので、白ワインが良く注目されていますが、赤ワインも美味しいのです

てんちょ、2023年に訪問しました

訪問記はこちら ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/500074617.html

現当主(何代目だ?)のヴァンサンさんとシルヴィーさんご夫妻 ↓

ラペvincentsylvette.jpg
HPより

てんちょが行った時もヴァンサンさんがお相手してくれました。

ふくよかな赤ワインと、芯の通った白ワイン、どちらも非常に美味しいです

こちらは長い歴史があるドメーヌらしく、
サヴィニー・レ・ボーヌ
ペルナン・ヴェルジュレス
ショレイ・レ・ボーヌ
アロース・コルトン
ボーヌ
と広範囲に畑を所有しており、2012年からHVE(環境価値重視認定、フランス農業省が管轄)の最高ランクの認定を受けています

ペルナンという名前は、ラテン語のペトラ(石)に続き、ガリア語のナント(小川、谷)、そしてガリア語のペトル(4)に由来しています。

ペルナンは四方を丘に囲まれているので、様々な斜面があり、土壌も入り組んでいます。

多様性に富んでいる反面、理解するのは難しいと言われた通り、畑の位置を良く頭に入れて飲んだ方がいいかもしれません
これが全然簡単ではないのですが。

また、ラベルに描かれてる聖人像は、コルトンシャルルマーニュの畑に置かれている聖メダール

ラペcorton-charlemagne-statue.png
HPより、以下同様

カール大帝が寄進したシャルドネの畑=コルトン・シャルルマーニュのグランクリュをフランス革命まで1000年以上も所有していたソリュのカトリック教会に祀られています

…(首から上が)スフィンクスに見えるのは私だけかしら



では、具体的にワインの情報を。

全てのワインに共通することですが、発酵には350リットルの樽を、1級以上の熟成には新樽を30%程度使用しています。
ブドウに負荷をかけ過ぎない工夫がされています。

1.これは日本未発売です。

ラペ イル・デ・ヴェルジュレス.png

 遺跡の「炉」に由来する名前らしいです、同名の村名区画もあり、1級はより上部にあります。
 1956年植樹のピノが中心です。

 粒の小さなピノノワールが特徴の区画で、21年は特に白が少ないヴィンテージなりました。
 古典的な酸があって食事のお供に最適なスタイルです。
 ヴァンサンさん曰く「21年が好きな人は本当のブルゴーニュファンだ」とのこと

2.いきなりヴィンテージが飛んじゃってますが。
 ボーヌの町から西へまっすぐ上った日当たりのいい区画です。
 他の生産者でも同様に、1級の多いボーヌの中でも特筆すべき畑です

3.ペルナンとサヴィニーの丘に挟まれたこの区画は、正にの様な場所で石灰質に鉄分を含んだピノノワールに最適な土壌を持っています。
 
ラペ オーフルノー.png

優雅なスタイルの1級です。

4.1級イル・デ・ヴェルジュレスのやや下の斜面にある、こちらも1級です。
 コルトンの麓にあり、4つの村の交差点に当たる場所です。
 ヴェルジュレスとは細長い区画を意味する古代語が由来になっていて土壌の構成は3と同じです。
 マグナムなのでより長く熟成可能で、レギュラーの倍以上の寿命を持ってるでしょう

5.コート・ド・ボーヌで唯一の赤のグランクリュ
 ラペでは単独区画のコルトン・プジェも生産していますが、このグランクリュにはプジェの近隣の区画をブレンドしています。
 コルトンは、コルトン・コンブ(谷)、コルトン・レ・ショーム(石の多い台地)とヴォワ・ロス(おそらく鉄分の多い土地を連想させる「rousse」の古い形)の 2 つの気候で生産されているそうで、これは二つの間にあります。

6.村名区画入りの白ワインです。
 谷を意味するコンブに由来しており、急斜面の区画です。
 2000年代当初に植え替えられたばかりのシャルドネで、長めのバトナージュを行っています。
 
いつも白ワインはMLFを行っても酸が強く、かなり長熟タイプになるそうです。
 2017年は白ワインの当たり年でもあり、良い飲み頃の入り口になっているはず

7.現行ヴィンテージではマグナムは125400円もします。
 恐ろしい値上がりです。

 カール大帝の名前をいただくこのワインは、775年に大帝が教会に寄進した事に由来しています。
 石の多い痩せた土地で、南西向きの軽い土壌になっています。
 土壌下の岩の影響でフリンティな香りがあるとも言われいます。
 2015年のマグナムでは、さて、まだ飲むには早いでしょうか

以上です。






posted by cave MITSUKURA at 17:50| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月09日

古典回帰のおすすめ


気温は低め(7度、低くない?)ですが、お日様燦燦の名古屋です

ところで、「燦燦(さんさん)」って、絶対書けないわ…

元々、漢字に弱いてんちょ。
高校で社会科目の選択の際、日本史の漢字が嫌で世界史に逃げたら、世界史には中国史があった、という墓穴を掘ってしまったことがありました
「劉邦」とか書くのなら「中大兄皇子」の方が良かった…

まぁ、世界史を選択したことは今となっては当たりでしたが
ワインの柔軟な知識には地理と歴史の裏付けが欠かせません



最近、古いボルドーを飲む機会に恵まれたのですが、状態が健全だと30年、50年経っているとは思えないような香りと味で、熟成ってすごいなと思いました

グラスの中でも変化するけれど枯れたりしない、香りの複雑さは特筆すべき程、次から次へと湧き出るブケ、余韻の長さも文句なし
やっぱりワインは熟成のピークを待つべきですね〜

今の22年や23年が飲み頃になるのはとても待てそうにありませんが

古いワインを飲んだことがない方が最近は多いですが、値上がりや人気で品薄などの背景が昔とは違いますので仕方ない事かもしれません。
それでも、是非、熟成というキーワードを念頭に置いておいて欲しいです




という事で、今日はこのボルドーを紹介します

プージェ.jpg

シャトー・プージェ1996

このワインを飲んだことある方は意外に少ないかも。
今日のワインは、フランス、ボルドーの左岸、メドック4級の赤ワインです
ACマルゴーです

1855年のパリ万博の為に制定されたメドックワインの序列、1級5シャトーに始まり、全部で61の蔵が5級まで格付けされています。
オーブリオンだけはメドックじゃありませんが、評価が高く著名であったので仲間入りしてることは有名ですね。

ワイン通の登竜門ともいうべきこの制度、日本ソムリエ協会のワインエキスパートの1次試験ではまずこれを覚えることから始める人も多いと思います。
中には「メドックの格付けは捨てる」なんて言う呆れた人もいますが、これが覚えられないようなら受験しても意味ないのでは

話が逸れました。

この61の格付けシャトーの中で、一番小さいのが今日のプージェです

プージェemotionheader_8.jpg
HPより 以下同様

この醸造所はボイド・カントナックにも使われているらしい。

カントナック村で畑が10haしかありません
植樹はカベルネソーヴィニョン60%、メルロー30%、カベルネフラン10%

プージェemotionheader_5.jpg

2015年にこのワインをここでも取り上げています、詳しい事はここを参照していただけましたら ↓
https://cave-mitsukura.seesaa.net/article/420613638.html

10年も前かぁ…
この2010はとっくに売り切れてまして、その後は仕入れの機会がないまま今日に至ってます

年産2万本前後と言われるこのシャトー、販売経路の関係もあって日本ではほとんどお目にかかれませんでした。
最近はネットで買えるところが増えてるようですが


1996年は当たり年です
HPにもポテンシャルの高さが保証されています ↓

例外的な暑さと乾燥(6 月 15 日から 18 日の間に 34 °C まで上昇)という条件下で開花が起こり、1995 年より 1 週間遅かったにもかかわらず、このヴィンテージは最高の状態になりました。
涼しい 8 月(平均してこの季節の標準より 2 °C 低い)で、特に雨が多く、成熟が遅​​れたため、収穫時に完熟した健康なブドウが期待できない状況でした。8 月の終わりから 9 月の初めは涼しく乾燥した天候で有望でした。
良い土地にあり、水はけがよく、収量が少ないブドウ畑は、最適な状態で収穫できました。
シャトー プージェでは、収穫は 9 月 26 日から 10 月 15 日まで行われ、ブドウはヴィンテージの潜在能力をすべて引き出すことができました。ワインは非常に濃く、しなやかで、噛みごたえがあり、上質で力強いタンニンが確実に長期熟成を保証します。
(以上HPより)

そろそろ30年、まだ渋沢君一人とちょっとで買えますので狙い目かも。
自分が飲みたい〜












posted by cave MITSUKURA at 15:20| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月08日

冷やさずそのまま


雪は大したことなくてよかったです
寒いですが

IMG_4227.jpg

一部、植え込みや塀の上には残っていますが、道路も歩道も問題なし



今日もブルゴーニュの新入荷を紹介します
品薄で困ってる白です。

IMG_4228.jpg

メゾン・シャルル・ノエラ プイイ・ヴァンゼル2014

産地が正確に分かりますか??
分かる方は知識が整理されていますね、素晴らしい

今日のワインは、フランス、ブルゴーニュのマコネー地区の白ワインです。
シャルドネ100%

マコネーはコート・シャロネーズの南に続く広い産地で、ボジョレーの北に位置しています。
南北に35キロ、幅10キロのこの地域では白ワインの方が圧倒的に多く、赤とロゼは僅かな生産に過ぎません。

今では、「お手頃シャルドネの産地」くらいにしか思われていない節がありますが、クリュニュー修道院がすぐそばにあり、中世には高品質の白ワインを生む地域として重要視されており、ローマ時代から続く長い歴史があります


一番大きなAOCはマコンで、この名称なら赤白ロゼの生産が可能ですが、マコン・ヴィラージュとなると白のみに許された名称なのです。
地区の真ん中にヴィレ・クレッセという名称があります(てんちょ大好きなボングランがここです)
残りのAOCは全て地区の南端、ボジョレーとの境界付近に固まっています。

マコネー.png
ブルゴーニュワイン委員会より

細かいのでよく見ないとどこが何だかはっきり分からないかも
ちゃんと見たい方はHPを参照してください ↓
https://www.bourgogne-wines.jp/our-wines-our-terroir/our-winegrowing-area/the-maconnais/gallery_files/site/12881/12882/30312.pdf

南端に固まってるAOCでは、2020年ヴィンテージから1級に昇格したプイイ・ヒュイッセが一番有名でしょう
22の区画が1級畑として認定されています。
もちろん、ただの村名もあります。

物凄く言いづらい名前ですけど
プイイって何だよ、ロワールでも同じですが、宣統帝か。


そのプイイ・ヒュイッセにくっついてるのが、今日のプイイ・ヴァンゼルです
ヴァンゼル村を中心にした産地呼称で、シャルドネ100%の白ワインだけに許された名称です。

プイイ・ヒュイッセの1級があるシャントレの北隣で、面積は全部で60haほどしかありません。
東向きの急斜面もあり、日照に恵まれた好立地です。
(すぐ南はボジョレーのサンタムールです)
隣のロッシェ村にもプイイ・ロッシェという単独のAOCが認められていますが、ここはヴァンゼルを名乗ることも許されているので、もっと見かけない名称になってます

今日のワインはそんな、あまり見かけない名称なんです


ワイン名のメゾン・シャルル・ノエラは、かつての大ドメーヌシャルル・ノエラの傍系末裔のモロー親子が2013年に名称を引き継いで再興したメゾンです。
ブランドを買ったんですね。
シャルル・ノエラの名前を使うワインは他にもあり、今日のワインはエリタージュ(遺産)を名乗っています。

ルロワを偉大にした数々の畑を持っていたノエラですが、もう所有畑は散逸してしまっています
メゾンの名前の通り、現在ここは買いブドウでワインを造っているネゴシアンです。


醸造などの詳しい情報がありませんが、10年熟成の貴重なワインです
枯れた感じは全くなく、若々しいくらいの溌溂とした酸味があります。
色もまだ若さを連想するようなペールイエローをしています

状態は問題なし、バランスが良くて、ゆっくり飲むと変化が楽しめる、とても美味しいワインです
これはいいですよ。
今の季節にピッタリです。

ブルゴーニュの白って物凄く高くなっていて、しかも品薄なので、こういうワインを今飲めるのはラッキーだと思います
価格もお手頃、津田女史でおつりが来ます



因みに、16年もムルソーもあります ↓

IMG_4230.jpg

1万円台半ば、1級シャルムでこの価格はもうないでしょう〜











posted by cave MITSUKURA at 14:27| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月07日

ストーブの前を死守


寒い〜
店内は風が吹いてないだけで、外と同じ気温らしい。

1月ってかなり暖かったんですよね
空気の冷え具合が全然違います。

そして、店内の瓶の冷たさも段違い
ボトルを触りたくない


明日は名古屋市内でも積雪かも、って
いやーん

きっと明日は暇でしょうから、ワインの話はまた明日


posted by cave MITSUKURA at 15:53| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月03日

伝統に挑戦せよ


明日から一層寒くなるようで
流石にマイナス&最高気温一桁は嫌ですねぇ


未だに各輸入元から「3月より値上げのお知らせ」「4月1日以降価格改定について」っていう、連絡が来ています
値上げ自体を責めるつもりはありませんが…

何もかもが値上がりしていて、これから日本はどうなるんだ
小手先のチョロッと減税したところで、すぐに厚生年金や保険料を値上げするんだろうし。

暗い
CRY CRY




気を取り直りして、このワインを見てください

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モンジャール・ミュニュレ ヴォーヌ・ロマネ キュヴェ・ドリア2022 マグナム

フランス、ブルゴーニュの赤ワインです。
ヴォーヌ・ロマネは赤ワインのみ、ピノノワール100%です

ロウキャップ、木箱入りのマグナムボトル(1.5リットル)

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モンジャール・ミュニュレを知らないブルゴーニュファンはいないでしょう
ヴォーヌ・ロマネの地主、名門ドメーヌです。
ホテル・リシュブールも醸造所の隣で経営しています。

現在は8代目のヴァンサン・モンジャールさんがご当主です ↓

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てんちょ、2023年7月に訪問したのですが、21年の不作が理由で、販売可能ワインゼロ、という異常事態でした
なのでショップは閉まってました。
この時、2022年はもちろんまだ醸造中で来週、21年のレジョナルを瓶詰めするって言っていたかなぁ。
残念でした

このドメーヌもものすごく値上がりしておりまして、2022のリシュブールが今や297000円です
(輸入元で現時点であと1本在庫ありになってます、買いたい方早めに連絡ください)


ヴァンサンさんは、アルゼンチンを訪問してマルベックのポテンシャルに気が付き、レジョナルのピノノワールの区画をマルベックに植え替えたというチャレンジャーです
ヴァン・ド・フランスとして販売されているこちらのマルベック、アルゼンチンとはかなり違った個性です。
個人的にもマルベックがお好きらしい。
将来が楽しみ

普通にピノノワールを作っている方が高く売れるんですが、気候変動やブルゴーニュの将来を考えた、新しい取り組みを始めています。


今日のドリアもそのような新しい取り組みのワインです

ドリアって、グラタンにご飯が入ってるアレ・・・・
ではなくて(当たり前
日本生まれのお料理のドリアはDoria
今日のワインはDolia
違います(が、単語の意味が分かりません)


今日のワインは、モンジャール・ミュニュレ初のワインで、600リットルのセラミックのジャーで熟成を行ったキュヴェです

セラミックっていうとつるつるした物を思い浮かべそうな日本人ですが、今流行りのテラコッタのでかい壺です。
よく見かけると思います、最近みんなこれを導入していますねぇ


ワインと一緒に入ってるパンフレットには、
「樫から粘土へ」の記載があります ↓

ドリア2.jpg

裏面には、

父から子へ、ドメーヌのワインは常にオーク樽で熟成されてきました。
この高貴な素材には深い情熱を傾け、いつも最高の効果を引き出すべく努力しています。

セラマスターのマチューと数年働き、我々はドメーヌの慣習に挑戦する試みを始めました。
粘土と耐火煉瓦を使って、600リットルの卵型のジャーで実験的にワインを熟成させてみることにしました。
15か月の熟成の結果を喜んで体験してもらえたら嬉しいです。


ってな感じの事が書いてあります


この壺、形に秘密がありまして。
卵型である事で上下に対流が起きて、攪拌せずとも混ざってくれるらしいのです
熟成なら白ワインに必要な手法かもしれませんね。

他の産地やドメーヌでよくある壺は、発酵に使用されており、ルモンタージュなどを行わなくても自然にワインが果皮と混ざるという利点を生かしています。

てんちょ、これを「ニコちゃん大王」って呼んでます(若い方には分からないかしら)
↑ どうでもいい事でした

モンジャール・ミュニュレではこの作用を熟成に使ったようです。
600リットルでは発酵に使うとかなり小さなものになりますし。

こういう慣習に甘んじることなく新たな挑戦をする、っていう姿勢こそが老舗を存続させているんだろうな、と思います。


さて、決して安くはないこのヴォーヌ・ロマネ。

ネットショップからお値段見てください ↓
https://cavemitsukura.com/product/%e3%83%a2%e3%83%b3%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%bb%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%ac%e3%80%80%e3%83%b4%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%83%8c%e3%83%bb%e3%83%ad%e3%83%9e%e3%83%8d%e3%80%80/

しかし、生産本数は400本のボトルと200本のマグナムのみの限定品でもあります

まだ飲んではいけませんね。
10年は置いておくべき、出来れば30年。

飲んでみたい〜


…で、ドリアって何だろう??








posted by cave MITSUKURA at 15:01| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月02日

中国ワインの未来は明るいか


昨夜からの雨で乾燥対策になった名古屋
じゃなくてよかった

今日は節分なんですね、今年は3日じゃないそうで
てんちょ、恵方巻にも豆まきにも無縁ですが。



今日は個人的な知識整理のために書かせていただきます
先日、中国ワインを飲む機会がありまして、その中のツートップについて書いておきます。
(以前にも書いたことありますが)

現在、中国寧夏省ではワイナリーが続々と作られています

中国のナパバレーと呼ばれるこの寧夏(ニンシャーと発音します)、広大な自然が残る内陸です ↓

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WIKIより

13世紀に西夏文字を作った西夏があったことに由来して、寧夏の名前が付けられているそうです。
昔「敦煌」って映画を見たなぁ、西田敏行さんが出ていた

国際市場をターゲットに質の高いワインが多く、向上著しい中国ワイン
ヨーロッパからも資本と技術者の両方が流入しています。

その2代巨頭が、
ロン・ダイ
アオ・ユン

です

どちらも寧夏省ではありません(違うんかい!)が、非常にレベルの高いワインなんです。


まずはロン・ダイ。

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ロン・ダイは、ボルドーのラフィットが手がけるワインで、山東省で2008年にスタートしたプロジェクトです

ロン・ダイ4.png
HPより、以下同様

この辺り ↓

ロン・ダイ1.png

これで、ドメーヌ・ロン・ダイ です ↓

ロン・ダイ.png
箱は布張り

海がすぐそばの丘の上にあるようです。
「黄海から500フィートの高地」との記載があります。
山東省の伝統農法に従い、600段のテラス(段々畑)でブドウを栽培しています。

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気候は温暖でしょうが、雨が多そうですが違うんでしょうか??

ブドウは、ラフィットの代表的なブドウに倣い、
カベルネ・ソーヴィニヨン (39%)
マルスラン (27%)
カベルネ・フラン (19%)
メルロー (9%) が栽培されています。
そして、プティ・ヴェルドとアリカンテも少量植えられています
現在ブドウ畑は38ha

ロン・ダイの漢字のロン=龍は、農民が豊作を祈願する翡翠の石板から来ており、ダイ=戴は山の意味ですが、山東省にある神聖な山、泰山へのオマージュを表しています
持続可能な農業を中国でも実践中です

収穫は全て手摘み、醸造には区画に合わせた様々なサイズのタンクを使い、区画ごとに発酵を行います。
ポイヤックで培われた醸造のノウハウを用いて、フレンチオークで熟成させています。
かなりの低収量です。

初ヴィンテージは2017年です
てんちょが飲んだのはその翌年の2018でした。
2018年は、カベルネソーヴィニヨン 75%、マルスラン17%、カベルネフラン 8%

このワイン、めっちゃくちゃ美味しいです

カチコチかと思いきや、非常に複雑で高貴な香り、甘さとアルコールのとろみがいい感じです
ただ、開けたてよりは時間をおいて、デキャンタージュ等した方がいいでしょう。

余韻こそ、戻ってくるような官能はありませんが(まだ若いので)今でも十分に美味しくて、ハイレベルな出来です。
流石はラフィット

まー、そりゃ、88000円もするので
そして、2018年は既に完売しています。
(2019年は11万円ですが、こちらも完売)
2020年からはセカンドのフー・ユエも作っています、見たことありませんが。

感動的ないいワインでした、また飲む機会があるだろうか… 



では二つ目のアオ・ユン。

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アオ・ユンはこちらもフランス出資で、LVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)が作っています

こちらは雲南省にあります ↓

アオ・ユン.png

ベトナムを流れるメコン川の上流にありますが、かなり山深い土地の様です。

アオ・ユン1.png
HPより、以下同様

ボルドーに似た気候の土地を4年かけて探した結果、この地域にブドウ畑を作ることにしたそうです
ヒマラヤ山脈の麓で、畑は4つの村にありすべてが標高2200メートルから2600メートルの高地にあります。

アオ・ユン2.png

全部で28haの畑ですが、区画は314にも分かれています。
初ヴィンテージは2013年。

アオ ユンとは「雲の上の飛翔」を意味しており、周囲の山々の頂にかかる雲から名付けられました。

てんちょが飲んだのはこちらも2018で、
カベルネソーヴィニヨン 60% 、カベルネフラン 19% 、メルロ 10% 、シラー 7% 、プティ ヴェルド 4%

こちらも非常に洗練されたフルボディ、細やかで複雑、いいワインがどれも備えている要素があります
とてもいい香り、まだピークは先ですが今でも十分楽しめます。

こちらもすっごく美味しいです。

因みに2018年で60500円【完売】、2019年は71500円でこちらはまだ購入可能です。
取り寄せしますので、ご注文ください



この二つのワイン、生まれる場所が違いますので同じではありませんが、どちらも甲乙つけがたい素晴らしいワインです

値段を考えるとびっくりですが、中国の富裕層には自国の高級ワインが出来たことは喜ばしいに違いないでしょう

チャンスがあれば是非飲んでみてください。








posted by cave MITSUKURA at 17:10| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月01日

福袋完売です


今日から2月ですね
早くも花粉が飛散してるらしく、先が思いやられます


書き忘れておりましたが、
福袋は完売いたしました
今年も沢山のお買い上げをいただきありがとうございました

また来年やるかどうかは、10か月後くらいに考えることにします




posted by cave MITSUKURA at 14:09| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする