昨日はクロ・デ・フの無料試飲会でした
いやー、よかったですよ
正直、これまで「チリの素晴らしいピノノワール」と聞いて本当にそう思った事は一度もありませんでした
お金出して飲みたいワインじゃないねーってのばっかりで
しかし、クロ・デ・フは違うね
ここのワインは美味しいわ
ピノノワールも良かったです、皆さんにも飲んでもらいたいです
てんちょ、初めて飲むワインばかりでしたし、オーナーのペドロ・パッラさんに会うのも初めてでした
パッラさんはチリ生まれですが、ディジョン大学を卒業後、地質学者としてあらゆるブドウ畑を掘り返してきました、掘った穴は2000か所以上(本人談)
そして、ヨーロッパでも超有名なワイナリーのコンサルタントを務めてきた経歴を持つ方です
ブルゴーニュでは6年滞在し、ブシャールやリジェ・ベレールで仕事してたそうです。
が、人物はいたって気さく。
ポロシャツだし、テロワールの概念を説明してくださる時も平易な表現で、決して「学者」ではなかったです。
彼はチリでワイン作りを始めるにあたって、実に4年もかけて最良の畑を捜し歩いたそうです
(ワイナリーは4人で経営されています、クロデフとは「4人のクレージー達」と言う意味)
畑は1か所ではありませんが、最も注目されているのがチリ南部のDOビオビオやDOイタタの古木のマルベックやカリニャンの畑とDOマジェコのピノノワールです
特にマルベックの畑は非常に小さい区画ながら、フィロキセラ前の樹もあり、非常に貴重です
輸入元資料より、以下同様
この畑からアルゼンチンへマルベックがもたらされたそうです
今やアルゼンチンのの固有品とも言えるマルベック、元の起源はここらしい。
その昔、修道僧が開いた畑です。
しかし、こうした畑は長らく見捨てられていて、貧しい南部にあって所有者は農薬も最新の農機具も買う事ができず、かえってそれが自然な状態を残してくれたという皮肉な背景があります。
そして、前にヴェンティスケーロの紹介で、チリはフンボルト海流の影響で寒暖の差があり南国ではないと書きましたが、これらの南部のDO(ワイン産地)は南半球にありながら霧が多く曇りがちで、まるでスコットランドみたいな気候です
しかし、こうした気候により、日差しがガンガン照り付けてすぐに完熟してしまう赤道付近の畑とは違い、
酸やミネラルを上手く温存しつつ、ゆっくりと完熟を待つことができるのです
濃いけど単純なチリワインは、1杯は楽しく飲めても何杯も飲むには辛く飽きてきます
これはそうしたバランスの悪さ、要素の偏りも原因の一つです。
パッラさんが一番大事にしているのは「ミネラルとテロワールの反映」です
ミネラルとは微量な金属元素などを指しますが、実際にそうした物を知覚(味覚)する事が出来ている訳ではありません。
彼の表現ではミネラルとは「口中に電気ショックが走るようなビリビリした(僅かな)刺激」で、口蓋や上唇の裏に感じることができるそうです
なるほど。
そして、そのミネラル感を大事にするのに重要なのが、テロワール(土壌)です
「いつ飲んでも、そのブドウが育った土地の岩や土を感じられるワイン」
を理想として作られた彼のワイン達は、非常に繊細ですがバランスがよく香りも味も複雑で、余韻まで崩れる事無く心地よさが続きます。
濃いワインではありませんが、十分な果実味があって欠点がないですね
若いうちからもこうしたバランスを持っているのには驚きました
果実を連想させるとしても「黒」ではなく「赤い」果実でなければならない
これまでウケてきたチリワインに一石を投じる存在です。
どのワインも樽は全くなし、または使っても僅か、です。
過剰な抽出や樽の多過ぎる使用は彼らの理想のワインとは違い過ぎますね。
とは言え、クーパー(樽職人)も抱えてるみたいですが。流石。
ボトルにサインもしていただきましたが、テロワールの文字が
このシャルドネ、一番人気でした
樽を一切使用しておらず、シャブリの様なミネラルがあるという説明でしたが、もう少しお酒に厚みがありますね。非常に美味しいですよ
あとは、ピノノワール3種も良かったです
ホント、チリのピノノワールで初めて美味しいと思いました
マジェコの土壌は火山岩で鉄を含む赤い岩の層になっています。
ここのピノは柔らかいのに、複雑な重なりがあって「おっ」と思わされます
しかし、生産量は本当に僅かです。
えーっていうくらい少ない💦
名古屋のワインショップカーヴミツクラの店長のブログです


