今年の大雪は大変なことになってますね…
名古屋は快晴ですが気温が低くて寒いです

花粉も飛び始めてるこの頃

昨日は業界向けの試飲会と生産者のセミナーへ行ってきました

とってもゆっくりじっくり勉強できました


彼のワインは非常にコスパに優れ、なおかつ洗練されていますので是非飲んでみてください

日本でもファンが多いと思います。
これです ↓

輸入元HPより
で、皆様、コスティエール・ド・ニームというAOCをご存知でしょうか??
ちょっとマイナーかもしれません。
行政区分としてはガール県に属し、ラングドック・ルション地区のワイン産地に分類されるんですが、
実際はアヴィニョン周辺の南ローヌと同じ土壌です

地図を見れば一目瞭然 ↓

マス・デ・ブレサドはニーム近郊のベルガルドという町から北へ行ったところにあります。
赤い印の場所がドメーヌ。
ニームの街はローマ時代から歴史のある結構大きな町です。
黒い矢印の場所がニームね。
(AOCが地名に基づいてるのはご存知ですよね)
すぐそばに大都市アヴィニョンがあります

そのすぐ北がシャトー・ヌフ・デュ・パプの産地(赤い丸)で、すぐ南西がロゼのタヴェル(ピンクの丸)です。
近いでしょ

そして、距離だけでなく、非常に重要なのが土壌の共通性です

マス・デ・ブレサドの畑はガレと呼ばれる丸い石がたくさん転がってる数少ない土壌です



輸入元HPより
この大きな丸石は元はアルプスの氷河に削られた岩がローヌ川によってここまで運ばれてきたものですが、現在ガレが地表に見られる場所は非常に少なく、ヌフ・デュ・パプとタヴェルの一部のみ、あとはごくわずかな場所だけになっています。
丸い石が太陽の熱を蓄え、ブドウの成熟を助けます。土が赤いです。
景観はパプと全く同じですよ

(しかし、こんな石がごろごろしているせいで農作業は大変

機械はすぐに痛むし、歩くだけでもねん挫しそうです💦)
ですから、マス・デ・ブレサドのワインが「ローヌのワインだと思って欲しい」というシリル氏の考えは、こうした如実な事実によっています

シリル氏はドメーヌ当主としては2代目ですが、一族にはワインと深いかかわりのある古い歴史があります。
ドメーヌを開いたのはお父さんのロジェ氏で、ボルドーのピュイ・カステラを所有していましたが、新しい可能性を求めて南仏に移住しました

なので、南仏なのにマス・デ・ブレサドのワインにはカベルネがあるんです

19世紀の先祖、アンリ・マレス氏はモンペリエの政治家で研究者でもあり、うどん粉病に硫黄が有効であることを発見した人です。
彼はまたフィロキセラ対策の研究もしていて、パスツールの友人でもあり書簡が残されています。
曾祖父のアンリ・マレス氏は南仏のブドウ品種に関する著書があります。
(モンペリエは国立ブドウ研究所があり、昔からブドウ栽培や品種の研究の第一線の研究者がいます)
少なくとも1760年にはマルセイユ近郊でブドウ栽培にかかわっていたことが証明できるそうです。
名門一族ですね〜

ここで、ちょっと、脱線して

大事な事、ドメーヌと彼らの苗字ですが。
ドメーヌ名はMas des Bressades マス・デ・ブレサドです。
Masはプロヴァンスの方言でドメーヌを意味する言葉ですが、「マス」とSを発音します

シリル氏はCyril Marès シリル・マレスで、「マレス」と、こちらも最後のSを発音します

フランス語は最後の子音を読まないので、「マ」「マレ」と書かれている資料をよく目にしますが、これは間違い

昨日直接本人に確認したから間違いない

外国語のカタカナ表記は難しいですが、固有名詞は特に間違えやすいのでご注意。
(余談ですが、Fixenを「フィサン」とするか「フィクサン」とするか、てんちょどっちの生産者にも会ったことがあります💦ブルゴーニュ委員会は「フィサン」としていますね)
で、話をドメーヌに戻して。
ガレの土壌と並んでもう一つ重要な要素がミストラルです

ミストラルは南仏特有の気象現象で、陸から海に向かって吹く強い風の事です。
とても乾燥していて冷たく、一年を通じてゴーゴー吹いています。
前にミネルヴォアのアンヌ・グロさんのお話では、「一年のうち360日は風が強い」ってのがありましたけど、まさにそれがミストラルです

すごいんですねぇ
町に住む人には寒くて嫌われがちなこの風ですが、ブドウ栽培では湿気を払うので病気の蔓延を防ぎ、害虫の繁殖も防ぐことができると恩恵がたくさんあります

さらに、太陽がさんさんと照りつけるブドウ畑に、この冷たく乾燥した風が吹く事で、ブドウが焼けるのを防ぎ、上品な酸味を温存できるという訳です

(もう一つ、夕方から夜には海から吹く風もあるので、この地方は風の影響を特に受けています)
実際に2003年の猛暑の年には、ブルゴーニュよりも気温が低かったそうで

へー
蔵には、
キュヴェ・トラディション
キュヴェ・エクセレンス
という二つのレンジの他に、特別なワインとして、
レ・ヴィーニュ・ド・モン・ペール(お父さんのブドウ畑という意味)というカベルネとシラーの赤ワインと、
カンテサンスという、古木のブドウから作る少量生産の赤ワインがあります

17年にはビオの公式な認定を取得したそうです。
すっと前からビオですけど。
どのレンジのワインも同じように大事に作る、という言葉通り、品種の特徴やアロマがよく出ている美味しいワインです

樽を使用したワインでも、ほとんど樽の主張を感じません

バリック使ってるのに、これは意外。
非常に上品です

赤も白もいいですね〜
これで2000円程度ならめっちゃいーやん

高いものでも4000円以下

素晴らしい〜

実は蔵には一時生産をやめてたロゼもある

この話、面白いですが長くなるので割愛。
シリル氏の誠実な人柄が伺えるエピソード、知りたいです??
もし、写真が追加できそうなら、その話書きましょうか

他にもいい話がいっぱいだった。
余談ですが、ここでもやっぱり一部アンフォラ使ってたよ

下のレンジは買って、一年くらい置けば完ぺきになるでしょう

買おうかな、熟成のために。
早速注文だ

お土産ワインもらいました、質問したかっただけどサインしてもらえました


最後に、タイトルですが、意味不明、不思議でしょ??
これはキュヴェ・エクセレンスのボトルに入っているエッチングです ↓

見られますか?
ローマ時代にエジプトを征服した事に由来するらしい…
なのでエジプトを象徴するヤシの木とワニなんだって

うーん??
何はともあれ、入荷したらお知らせしますので、あなたにも是非飲んでもらいたい
