2018年08月13日

愛国心か恨み節か


昨日の雨でも、あまり気温が下がりませんねぇ

暑いとアイスやかき氷が美味しそうなんですが…

アイスならストロベリー
かき氷なら宇治金時ミルク

が、いいなぁ
しかしながら、てんちょ、一口食べたらもういらないので買えません。買いません。
なので、今年も一度も食べてないですねー



イベントページにもう一つ、生産者セミナーのご案内を載せました

9月は2週連続で生産者セミナーです
9月5日ラポストール&カテナのセミナー(まだ2席空いてます)に続いて、12日はイタリアです。

今年で3回目になるイタリアワインの大会社、GIVからブランドアンバサダーのマウリツィオ・ベルタッキーニさんが今年も来店

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日本も4年目(かな)で、きっと日本語が一層お上手になってるのではないでしょうか??

今回のテーマは「マキャヴェッリ&メリーニ キャンティの神髄」です

キャンティとその生産者、メリーニの説明の前に。

マキャヴェッリのワインがなぜあるのか、マキャヴェッリの生涯と彼のワインの関係についてお話しまーす

マキャヴェッリはご存知ですよね?

ニコロ・マキャヴェッリはフィレンツェ生まれ、15−16世紀の政治家、外交官で、著書「君主論」が特に有名です

てんちょ、君主論はちゃんと読んだことがありません


マキャヴェッリ一族はフィレンツェの要人を何人か輩出している名門ですが、ニコロはそこまで裕福な育ちとは言えなかったようです。
政治の表舞台に出るまでの20代には、フランス王ルイ12世に攻められてメディチ家が市民の信頼を損ないフィレンツェから追放され、
メディチ家の銀行は破綻、その後、修道士サヴォナローラの貞潔の指導時代が来ますが、急反動でこれまた市民の支持が得られず。
などたくさんの事件がフィレンツェでは起こっています。

因みにサヴォナローラは清貧を厳しく説いて教皇を批判したため、ボルジア教皇(アレクサンドル6世)から破門されちゃっています
(マキャヴェッリが絶賛してるチェーザレ・ボルジアの父親です、まるで江戸時代の田沼と白川のようだ)

この時期はルネサンスで、ボッティチェリやミケランジェロが活躍した時代でもあります
歴史上の有名イタリア人がたくさん登場します。

で、良い子、いい事、綺麗事だけのサヴォナローラさんはあっさり失脚(処刑)しちゃいまして、その後メディチ家のジョバンニ(教皇レオ10世)がスペイン軍の助力で再びフィレンツェを支配するまでの25年余りがニコロが活躍する時代です。

書記官と統領秘書官の肩書で、軍事作戦の立案から、実際の侵攻の指揮と従軍、外交活動など多忙に活動しますが、最重要課題のピサの支配は結局叶いませんでした

フランス王は金だけ取って積極的には協力しないし、傭兵は略奪や自己中心的な振る舞いが多く命令無視だし…
そりゃ、イカンわね

この頃の失敗が後の君主論で強硬な極論を説くに至った理由であると、大抵の歴史家は分析していますね

戦役では功労のなかったニコロですが、一層最悪の事態がやってきます。
44歳の時にメディチ家要人暗殺の容疑で指名手配され逮捕されてしまいます
恩赦で短期間で釈放されていますが、フィレンツェにはもういられず、郊外の別荘に家族と共に引っ越し、隠遁生活に入らざるを得なくなります

その別荘が、現在マキャヴェッリのキャンティを作るブドウ畑のある荘園です

ここ ↓

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この場所は現在も残されていて、マキャヴェッリが君主論を執筆した部屋と机などが残され、マキャヴェッリ博物館となっています

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政治的は不安定な立場であったニコロは、フィレンツェへの愛国心と猜疑心、恨み節がないまぜになって晩年を過ごしたのかもしれません。
建物の地下には隣へ抜けられる地下道がひそかに作られていて、万一フィレンツェからの追手が来るようなことがあればいつでも逃げられるように備えていたと言われています

今、この地下道を通ると隣のレストランへ直接行けるんですが、ニコロが知ったらどんな顔するでしょうね

てんちょ、通らせてもらいましたが、真っ暗なこの道を逃げるとしたら不安だろうなぁ ↓

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地下には醸造所があり、(今は使用されていませんが最近まで現役でした)発酵タンクや樽が展示されています ↓

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もちろん、マキャヴェッリの時代にはワインの販売はしていませんが、この荘園を相続した後の子孫がマキャヴェッリの横顔をラベルにしてキャンティワインを販売するようになったのです
1639年創業なので、かなり古いです。

こういう訳でした、お分かりいただけましたか??

これが、今でも手に入るマキャヴェッリ(の名前)のキャンティ2種類です
二銘柄だけしかありません。

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マキャヴェッリ “ソラティオ・デル・ターニ” キアンティ・クラッシコ


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マキャヴェッリ “フォンタッレ” キアンティ・クラッシコ・リゼルヴァ

どちらもサンジョベーゼにグロッソなどが使われています。

醸造・熟成を担っているのはメリーニ社、こちらも1705年創業の古いワイナリーです
最近では当たり前になった、斜面を掘りぬいたカーヴや、単一畑のワイン作りなど、かなり早い時期から革新的なことに取り組んできた溢流生産者です

メリーニの紹介は次回にします

セミナー、是非来てください
お申し込みをお待ちしております〜














posted by cave MITSUKURA at 19:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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