前回のブログで情野さんのお名前の漢字を間違ておりました。
訂正してお詫びいたします。
ようやく梅雨明けでしょうか

暑いですねー
明日の試飲会、何故かキャンセルが相次いでおりまして…




まだ、結構余裕でご参加いただけます

当日飛び込みもアリですので、お時間のある方は是非ご検討ください。
20種類以上はありますので。
人数増えたらワインも増やします

お待ちしております

さて、昨日は大変いい経験となるワインセミナーに行ってきました

生憎の雨でしたが、出かける価値は大いにありました

セミナーは、フランス、ジュランソンのドメーヌ・コアペ


ジュランソンと聞いて、場所やワインの種類が分かる方ってどのくらいいらっしゃるでしょうか??
この地区はボルドーの南にありまして、南西地方(シュッド・ウエスト)と呼ばれる産地に属しています。
ポーのすぐ隣ですが、近郊の大都市だとトゥールーズが一番有名です。
(あんまし近くないけど)
もうすぐそこにピレネー山脈が迫っていて、まさに畑は山の麓にあります。
ここ ↓

いつも通り広範囲縮尺
余談ですけど、「奇跡の泉」で知られるルルドも近郊です。
ベルナドットの遺骸ってまだ健在なんでしょうか…
(ずーっと昔、聖母マリアが出現し、お告げに従い泉の水で顔を洗ったところ、悪性の腫瘍が治ったという奇跡。
その後ベルナドットは修道女となり、今でも多くの巡礼が奇跡を求めてここに訪れています)
で、
ジュランソン(AOC)はワインで言いますと、南西地方5つのカテゴリーの内のピレネー地区に属します

後の4つは、
ベルジュラック(ここは一番ボルドーに近い)
ガロンヌ(デュラスやマルマンデがありますが、マイナーでしょう)
トゥールーズ・アヴェイロネ(ガイヤックやカオールはここです)
リムーザン(ここが一番見ません、コレーズというワインがありますが、てんちょ一度も扱ったことがない)
南西地方自体がマイナーな地域なので、聞いた事もないワインが結構多いと思います

致し方なし

フランスの果て、ですね

名称としては、ACジュランソンと言うと必ず甘口の白ワインです

赤やロゼはありません、また辛口でもダメなんです。
辛口にはジュランソン・セックという別のAOCがあります、セック=辛口なのです。
産地や品種の規定はジュランソンに準じます。
品種は、プティ・マンサンまたはグロ・マンサンを50%以上使用する義務があります。
補助品種だけではジュランソンは(セックも)名乗れません

ほーんと、AOCって厳密でやたら細かい


勉強する人泣かせですね

この地区でしか聞かないこの二つのブドウ、てんちょも名前だけしか知りませんでした

しかし、昨日のセミナーでは全然違うブドウだということが分かりました

まず、プティ・マンサンは粒が小さく酸が非常に強い

そして晩熟の品種です。
それ故、遅摘みに向いていて、甘口になっても酸が残り、ワインにいい後味とバランスをもたらします。
葉が大きく丸いです、あんまり風が吹かないのかな。
ジュランソン(甘口)と言えばこのプティ・マンサンが圧倒的に多く使用されています
コアペでも甘口ワインは全てプティ・マンサンから作られています。
反対にグロ・マンサンは粒が大きく、辛口ワインに使用されています。
コアぺでは、ジュランソンという名前=甘口だけのイメージを覆すべく、ジュランソン・セックの生産にも力を入れていて、
プティ・マンサン、グロ・マンサン、カマラレという3つの品種を軸に、ロゼ(lauzet)、コルビュという古代品種も栽培しています
知らない―…
特にプティ・マンサンから辛口を作るというのは、この地区では非常に稀なことだそうです。
そして、ジュランソンの甘口は遅摘みの甘口であり、貴腐ワインではありません
品種や気候のせいなんでしょうけど、この地区のブドウには貴腐が付かないそうです。
従いまして、収穫を待って、10月、11月、12月と遅く摘んだブドウから作られています。
アルザスと同じ、ヴァンダンジュ・タルティヴです。
どうしても甘口のワインとなると、ボルドーのソーテルヌと比較されちゃうのですが、それをしてもコアぺは素晴らしいワインですよ


フランス国内ではエリゼ宮でも採用されていますし、パリの星付きフレンチには大抵あります。
このフランスの果てにあって、コアぺが成功している訳が少し分かりました
コアぺは家族経営のワイナリーで、設立が1980年と最近です。
オーナーは1代目のアンリ・ラモントゥ氏、彼は父から農場や牧畜業を継承しますが、特にブドウ栽培=ワイン作りに魅了されて、それを主軸の本業としました
コアぺとはこの辺りの土地の名前で、古く1588年にブドウが植えられた地域の名前を採っています。
彼は、独学でブドウ栽培を学び、自分が良いと思うワインを作るとこへ教えを請いに出かけ、独自の栽培や醸造を確立していきました
ですから、彼はいわゆる学校へは行っていません。
昨日のお話も丁寧で、少しでも多くの人に自分のワインを知ってほしいという情熱が溢れていました
こういう方のお話は聞いていて大変いい気分ですね、熱心さというかひたむきさが伝わってきます。

HPより、以下同様
現在70歳過ぎですが、全然そんな風に見えません
息子さんが二人、長男さんはNZで修業中、次男さんはワイナリーを手伝っているそうです。
「私もこうして世界も回っているけど、それもあと数年だろう」と。
後継者がいるのは頼もしいですね

畝の向きも仕立ても一般的な周辺のブドウ畑とは全く違う独自の方法を採用
アンリさん、満足しない挑戦者で常に新しいステージを目指して毎日、毎年新しい事に取り組んでいるそうです
甘口一辺倒のジュランソンの印象を変えたくて、辛口に取り組んだり。
しかしながら、赤ワインは何年かやってみたそうですが、全く良い物が出来なくて断念。
放棄したとの事。
温暖化が進んで今後は変わるかもしれない、ともおっしゃってました。
彼の辛口は大変複雑な香りです
口中と後味と印象が変わっていく面白いワインですね〜
流石の固有品種です、他のヴァラエタルとは全然違う、まったく似ていない
グロ・マンサンとカマラレの辛口は、琵琶の様な香りに、柑橘のアクセントがちょっと、スパイシーさもあり、後味はレモンカスタードみたい
上記の品種にロゼとクルビュが加わると、ボリュームが出てマリアージュの幅も広がりそうです。
そして、やっぱりジュランソンの甘口は美味しかった
試飲はハーフの、ノブレス・デュ・タン2015です
ジュランソン(甘口)と言えばこのプティ・マンサンが圧倒的に多く使用されています

コアペでも甘口ワインは全てプティ・マンサンから作られています。
反対にグロ・マンサンは粒が大きく、辛口ワインに使用されています。
コアぺでは、ジュランソンという名前=甘口だけのイメージを覆すべく、ジュランソン・セックの生産にも力を入れていて、
プティ・マンサン、グロ・マンサン、カマラレという3つの品種を軸に、ロゼ(lauzet)、コルビュという古代品種も栽培しています

知らない―…
特にプティ・マンサンから辛口を作るというのは、この地区では非常に稀なことだそうです。
そして、ジュランソンの甘口は遅摘みの甘口であり、貴腐ワインではありません

品種や気候のせいなんでしょうけど、この地区のブドウには貴腐が付かないそうです。
従いまして、収穫を待って、10月、11月、12月と遅く摘んだブドウから作られています。
アルザスと同じ、ヴァンダンジュ・タルティヴです。
どうしても甘口のワインとなると、ボルドーのソーテルヌと比較されちゃうのですが、それをしてもコアぺは素晴らしいワインですよ



フランス国内ではエリゼ宮でも採用されていますし、パリの星付きフレンチには大抵あります。
このフランスの果てにあって、コアぺが成功している訳が少し分かりました

コアぺは家族経営のワイナリーで、設立が1980年と最近です。
オーナーは1代目のアンリ・ラモントゥ氏、彼は父から農場や牧畜業を継承しますが、特にブドウ栽培=ワイン作りに魅了されて、それを主軸の本業としました

コアぺとはこの辺りの土地の名前で、古く1588年にブドウが植えられた地域の名前を採っています。
彼は、独学でブドウ栽培を学び、自分が良いと思うワインを作るとこへ教えを請いに出かけ、独自の栽培や醸造を確立していきました

ですから、彼はいわゆる学校へは行っていません。
昨日のお話も丁寧で、少しでも多くの人に自分のワインを知ってほしいという情熱が溢れていました

こういう方のお話は聞いていて大変いい気分ですね、熱心さというかひたむきさが伝わってきます。

HPより、以下同様
現在70歳過ぎですが、全然そんな風に見えません

息子さんが二人、長男さんはNZで修業中、次男さんはワイナリーを手伝っているそうです。
「私もこうして世界も回っているけど、それもあと数年だろう」と。
後継者がいるのは頼もしいですね


畝の向きも仕立ても一般的な周辺のブドウ畑とは全く違う独自の方法を採用
アンリさん、満足しない挑戦者で常に新しいステージを目指して毎日、毎年新しい事に取り組んでいるそうです

甘口一辺倒のジュランソンの印象を変えたくて、辛口に取り組んだり。
しかしながら、赤ワインは何年かやってみたそうですが、全く良い物が出来なくて断念。
放棄したとの事。
温暖化が進んで今後は変わるかもしれない、ともおっしゃってました。
彼の辛口は大変複雑な香りです

口中と後味と印象が変わっていく面白いワインですね〜
流石の固有品種です、他のヴァラエタルとは全然違う、まったく似ていない

グロ・マンサンとカマラレの辛口は、琵琶の様な香りに、柑橘のアクセントがちょっと、スパイシーさもあり、後味はレモンカスタードみたい

上記の品種にロゼとクルビュが加わると、ボリュームが出てマリアージュの幅も広がりそうです。
そして、やっぱりジュランソンの甘口は美味しかった

試飲はハーフの、ノブレス・デュ・タン2015です


収穫を12月まで待つという驚異の遅摘みです

ピレネーの麓と聞くとすんごく寒そうですが、山が南や西から来る冷気を遮ってくれるのでほとんど雪は降らず、氷点下になる事も少ない層です。
雨が少ない事も貴腐が付かない要因なのでしょう。
コアペの遅摘みはただ単に収穫が遅いだけではありません

彼は樹上でパスリヤージュするという非常に変わった独特の手法を用いてブドウの糖度を上げていました。
パスリヤージュという言葉はご存知でしょうか?
イタリアではパッシートと言われます、一般的には収穫したブドウをすのこやゴザの上に並べて陰干し、水分を蒸発させる事でブドウの糖度を上げるやり方を指します。
フランスではローヌのエルミタージュで極僅かに行われているくらいです。
この陰干をブドウが樹に実ったまま行っているのがコアペです。
コアペでは、ブドウの成熟が進んだら、ブドウの房が付いている茎を特殊な器具で挟んで、水の通り道を遮断し、ブドウを採る事なくそのまま乾燥させていきます。
こんなことしてる人は非常に少ないですよ〜
コアペのロゴでブドウの茎をつまんでいるのはそれです ↓

↑ これで12月24日の収穫風景です。
クリスマスも仕事〜

網をかけて猪や鹿に食べられないようにしています

収穫は房でなく粒、その為に畑には何度も入って、その都度キュベを別々に仕込んでいます。
むっちゃ面倒やん

残糖100g/Lの極甘口ですが、プティ・マンサン特有の酸がちゃんと残っています。
アカシアやクローバ―の蜂蜜みたいです

どれも美味しかった

蔵で最高の甘口カンテサンスは2万円はるかに超えてますが、昨日は出なかったなぁ(当たり前)
最後にこの素敵なラベルはアンリさんが自らデザインしてるそうです。
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