2020年02月22日

クリュ・ブルジョワというワイン


三連休の初日は雨の名古屋です
もう来週で2月も終わりなんて信じられない


ボルドー、メドックのクリュ・ブルジョワが正式に格付けとして決定されたそうです

また、ですけど。

もー、ブルジョワってばここ15年くらいずーっと揉めてましたよね
変えては揉め、改めては大揉め、サンテミリオンと同じ

クリュ・ブルジョワという認定は、元々メドック5段階の格付け(クリュ・クラッセ)の下に位置する格付けとして、1932年に444のシャトーを選抜して始まりました
ただし、AOCを管轄するINAOとは別の組織であったので「公式の格付け」ではなく「任意団体による認定」という位置づけでした。

メドックワインのみ、なので赤ワインしかありません
因みにさらにこの下に「クリュ・アルチザン」というのがあります。

クリュ・ブルジョワは、最初はエクセプショネル、スペリュール、ただのクリュ・ブルジョワ3段階に分かれていましたが、いつからか単にクリュ・ブルジョワとだけ名乗るように変更されました(いつからだっけ)
この当時、70年代から90年代には5級シャトーよりも高額で取引される人気のブルジョワワインがいくつもありました
てんちょ、ちょうどこんな感じの頃の後半にワイン業界に入りました。

その後、組合がクリュ・ブルジョワという名前を法的に認められた公式の格付けにしようと働きかけ、公式に法規制されるようになったのが2003年です
まだ最近。
490シャトーの応募の中から、先の3段階に分けられ再格付けされたブルジョワクラス、発表には世界中が注目していました
一度は発表された格付けですが、トップのエクセプショネルになれなかったシャトーや自社の格付けに不満があるシャトーたちから提訴

こっから泥沼&低迷の始まり

結局、2003年の格付けは無効という判決が出て、組合は再び格付けを模索して協議し2009年からは申請性のただのブルジョワという名称に戻って、毎年各シャトーからブルジョワ名称への申請を受ける形で復活しました。
ただし審査はあり。

これが2009年ヴィンテージにおける格付け ↓

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246シャトーもあるなぁ、知らないシャトーも多い

でもねー、
この申請制度には2003年でエクセプショネルに選ばれたトップ9シャトーは参加せず
認証をもらうための手続きも、今後また揉めたとしたら裁判に使うお金も時間も勿体ないので、名声が確立されてるシャトーは手を引いちゃったんですね

2010年から再出発したはずのクリュ・ブルジョワ制度ですが、トップシャトーはいないし、ブルジョワってなんやねん、とイマイチ魅力がなかったのは事実…

これが16年の発表 ↓

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もうこの頃はチェックすらしてなかったなー

と、存在感が薄れまくっていたブルジョワという呼称、
「cru bourgeois」という文字がラベルについていても有り難くない
文字が無いワインと比べて権威があるとか、魅力が増える、と言う事がなく空虚な称号だった(と私は思う)

そこで今回もう一度、法的な根拠のある格付けとして復活したのです

が、しかし。
トップシャトーの不在、それは今回も同じ

ソシアンド・マレ
シャス・スプリーン
グロリア
ポタンサック
プージョー
オルム・ド・ペズ
フェラン・セギュール
シラン

ん? あと一つはどこだ??
ゼデ?
(思い付きでブログを書くから良くこうなります、すんません)

上記シャトーがどのAOCにあるかお判りでしょうか??

ただ、ブルジョワ同盟会のオリヴィエ・キュヴリエ会長は「このままでいいとは思っていない」と明言していますので、
上記のトップシャトーとどう折り合いをつけるかは注目したいところです

オーストリアのDACの様に、ワッハウが認定されてない(参加してない)事で制度の存在感が薄まり、重要性が低くなっています
重要産地が例外扱いされてると、そもそも制度に意味がないように思われるのは事実。
やるなら全てを網羅しないとね。

今回の最新制度では、

14 Cru Bourgeois Exceptionnel
56 Cru Bourgeois Supérieur
179 Cru Bourgeois


と、249シャトーが認定されています

んー、ちょっと多すぎませんか??
これだけあると特に3つ目のブルジョワにはあんまり意味がないような…

この格付けは2018〜2022まで維持されるそうです。
今後に期待





うちの店頭にもクリュ・ブルジョワありますよ
これは本当に美味しくてオススメです

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シャトー・パヴェイユ・ド・リューズ2015

ラベルにクリュ・ブルジョワのの字があるの読めますか?
AOCはマルゴー、シトランが近くにあります、スーサン村です。

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HPより、かっこいいシャトー

ブドウは、カベルネソーヴィニョン80%、メルロー20%

1862年にリューズ男爵が取得してからずーっと同じオーナーで、現在で6代目だそうです
御貴族様なんですね。

畑はシャトーの前に広がる32ha。

フランも栽培してるようですが、15年16年にはブレンドされていません。
コンサルタントはあの有名なデュルノンクールさん。

このワイン、フルボディですが大変シルキーで美味しいですよ
繊細でエレガント、誰にでも分かる柔らかさ。
めちゃ美味しいです、嫌いっていう方はまずいないだろう

15年はもう輸入元で終売です、今後は16年になっていきます。
あと2本だけ、15年ありますよ〜








posted by cave MITSUKURA at 19:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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