2020年09月27日

血抜きワインとは


今日は風が強い、ビル風が非常に激しい箇所があると怖い。

山口達也容疑者のせいで飲酒が一気に悪者になってしまった感がありますが
飲酒が全て悪ではないはずです。

まぁ、てんちょは二つに分けたら確実にアル中組ですけどね
いつからでしょう、アル中って言わずに依存症なんて優しい言葉になったのは。



もう今年も後3ヶ月とちょっとですね
早い、2020年は予想だにしなかった年になりました




先日、お客様からジゴンダスの問い合わせをいただきましたが、今店頭になかった
南部ローヌ赤ワインは、パプヴァケラス、あとは広域ローヌがあるだけ。

毎日のワインに最適な南部ローヌですが、最近はラングドックや南半球ワインに押され気味かもしれません…

押され気味のローヌと言えばこれもかも


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ファミーユ・ペラン タヴェル2017

店頭が暗いのでHPから写真を拝借、店頭には17年があります。

昔からフランスワインを飲んでる方にはお馴染みでしょう
古典的なガストロノミック・ロゼです

ロゼのグランクリュと言ってもいいでしょう

タヴェルは過去にも何度か紹介してると思います。
モルドレ、など。

タヴェルの場所はお判りですか??
ここ ↓

tavel_carte.png

ワイン産地だとピンと来ない方にはこちら ↓

タヴェル.png
縮尺違いますが


南部ローヌの中心地であるアヴィニョンからすぐの場所にあるタヴェル。
ローヌと言っても県はガール、行政区としてはラングドック・ルションなのですが。


タヴェルの歴史をおさらいしましょう

ローマ以前の先史からブドウ栽培が行われてきたこの地域では、中世になってもニームロックモールを中心にワイン作りが盛んでしたが、教皇庁がアヴィニョンに遷移した事でその名前が広く知られるところとなります。

教皇がローマへ戻った後も、ワイン産地の中心の一つであったタヴェルはイタリアへ長らくワインを輸出してたそうです。

その品質を守り類似品から名前を守るため、1902年にタヴェルの生産者は組合を作りました。
第一次大戦後の1927年、ボワソマリー男爵の助言に従い、この組合はガール当局にタヴェルの正式な定義を申請し、1937年にロゼの名称としてAOCに認定されました。めでたし。

と言うのが、簡単なタヴェル(周辺)のワインの歴史なんですが、最後に登場するボワソマリー男爵は「AOCの生みの親」と呼ばれる重要人物です

彼には自分のワイナリー、シャトー・フォルティアがありまして、ACシャトー・ヌフ・デュ・パプを作ってます
アヴィニョンの城壁前に畑があるそうですが、そう言えばフォルティアのワインって最近見ませんね

男爵は第一次大戦後、名前をかたる偽物が市場に出回る事に危機感を覚え、名称を守る制度を作る事を提唱します。
これが産地呼称=AOCの始まりです

悪質な類似品や、明らかな偽物など、いつの時代も同じですねぇ


タヴェルはフランスでも特異なAOCです
認可されたのは辛口でスティルのロゼだけ
グルナッシュが40%以上ブレンドされなければなりません

グルナッシュはスペイン原産のブドウで現地ではガルナッチャと呼ばれています。
ローヌで最も栽培される品種で、暖かさと丸さを持った魅力的な品種です
こんなの ↓

grenache_noir_une.jpg
ローヌワイン委員会より

上の写真はグルナッシュ・ノワールですが、グレイ・グルナッシュというグリ(薄い紫、デラウエアみたいな色)の品種もあるんです
なんですけど…
はっきり言って、カリニャンの写真でも区別できません

タヴェルAOCでは904haの畑が認可され、年間約3700hlが作られています。
(750ミリで500万本弱)
輸出は35%、やっぱり国内消費がメインです

タヴェルに限らず、南部ローヌワインはフランス人の食卓の定番です
この「南部ローヌワイン」にはコスティエール・ド・ニームやオックも同義で含まれています。

今でこそ、フランスは空前のロゼブームですが、正真正銘のロゼと言えばタヴェルで間違いないでしょう。
熟成する複雑なロゼ、食前から食後までをカバーしてくれる見事なピンクの液体です

良いグルナッシュが作れるなら、当然赤ワインの生産も可能なのですが、敢えてタヴェルの名前はロゼの為だけに使用する事にした先人の考えには感嘆させられますね
もちろん、生産者の多くは他のAOCで赤の生産をしています。


今日のワインは南部の巨人、ペランが作っています

ベランはシャトー・ボーカステルの所有者として有名ですし、ブラピのワイナリー、ミラヴァルの栽培・醸造も行っている事でも知られています
安価なヴィエイユ・フェルムなど、多くのブランドを展開しています。

ブドウは、グルナッシュ、サンソ―、ムールヴェードル、ブレンドが書いてない。
ステンレスタンクで12時間マセラシオンの後に発酵、熟成もタンクで、翌年の2月に瓶詰めするフレッシュな辛口です

バラやラズベリーの華やかな香りがします
香りのボリュームがあるのでお料理ならソースやスパイスには気を使いたいところ。
少し甘さを感じさせる香りですが、味はしっかり辛口です。
酸味もあるので良く冷やした方が良いでしょうが、冬ならそこまで低い温度でなくても楽しめます。

セニエで作られているので色がはっきりしていますね。

セニエとはフランス語で瀉血の事です
しゃけつ、血を抜くこと、ですね

何か物騒な名前ですが、赤ワインを作る途中で一部の果汁をを抜くことから名付けられたようです。
元は濃い赤ワインを作るための手法なんですが、抜いたほうの果汁もロゼとして発酵させてワインにできる事から、赤を作る過程の副産物的な扱いでした。

(なんと1回の行程で2種類のワインが出来る
錬金術〜と言いたいところですが、量は増えませんので違います

分かりますか?

皮を漬け込んでる果汁は液体が少ない方がより濃い色素が貯められる訳です
これ以上濃くて強いワインは要らない今のご時世では全く必要のないメソッドですが、かつては凝縮した濃い赤ワインをいかに作るかに苦心してたんです。
今では抜いた果汁の方に価値があるという事ですね。

タヴェルでは全部がロゼになるので、果汁を抜くというよりは果皮を取り除くという方が意味としては正しいかしれません

良い色合いになってきたら果汁を別のタンクに移して、それから発酵です。

毎年のブドウの出来によって色の移る速さが違うので、生産者は何時間も非常に気をつけて見張ってる必要があるそうです
寝ないでタンクの見張り番です。

セニエはシャンパーニュでも許された方法ですが、面倒なのでやってる所はかなり少ないです
ミラヴァルのシャンパーニュもセニエらしいですが、3万円もすればそりゃそのくらいの手間は惜しまないでしょう

ところで、瀉血って医学的には何の効果もないんでしょうけど、大昔にはそれくらいしかやれることがないという…


赤いロゼ、タヴェルってグリになるんだろうか…
30年くらい待てば変わるのかな。
古いタヴェルは飲んだ事ないですね…

話があちこち行ってしまいましたが、
フルーティでしっかりしたタヴェル、とても美味しいので見かけたら飲んでみてくださいね〜
















posted by cave MITSUKURA at 19:33| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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