お店で顔を蚊に刺された

今年は暑かったので今頃蚊が活動していますね

もう10月、今年もあと少しです

今くらいの陽気が一番いいなぁ、四季があるっていい事なんだろうけど最近は暑すぎ&たまの大雪で嬉しくない

新しいワインを紹介します

新しモン好き、珍しモン好きには是非。
ヴィルペイルー・フォレス ヴァン・ド・ペイ・ドック マルセラン2016

南仏の赤ワインです

ヴァン・ド・ペイ・ドックは、オック(ラングドックの語源でもあるオック地方)の広域ワインです。
AOCの下位ランクになるヴァン・ド・ペイというクラスのワイン、フランス全土でいくつもありますが、このオックが最大の銘柄です

一体いくつの生産者がどのくらい作っているのか、っていうくらい多いのです。
今日の生産者、ヴィルペイルー・フォレス、初めてなので何にも知りません

HPありますけどフランス語だけですね。
ドメーヌはラングドックのミネルヴォワにあります、オード県です。
ここ ↓

ラングドックはAOCが多いので位置関係が混乱しやすいのですが、大都市と一緒に覚えると良いかも。
畑は18年にエコセール(有機栽培)の認証を取得しています。
カルカソンヌ近郊だけあって、古い遺跡や城塞の跡があり、のどかな自然豊かな場所でもあります。

HPより、以下同様


12年にセラーを新調したそうです、近代的で清潔な設備です。
さて、
今日のワインは何と言っても、その品種が注目すべき点です

マルセラン、という品種をご存知でしょうか?
てんちょ、マルスランって覚えましたけど

輸入元の表記がマルセランなのでそれに倣う事にします。現地での発音がマルセランなのかな。
この品種はモンペリエの国立ブドウ研究所で1961年に交配された品種です

カベルネソーヴィニヨンとグルナッシュ・ノワールを掛け合わせて出来たブドウですが、モンペリエから海岸沿いを南へ20キロほどのマルセイランで最初に栽培されています。
(マルセイユじゃありません)
その地の名前を取ってマルスラン(マルセラン)と名付けられました

余談ですが、マルセライランはベルモットのノイリープラットが生まれた町です

ベルモットはイタリアのチンザノが圧倒的に有名ですが、フレンチベルモットでバーテンダーの圧倒的な支持があるのがノイリーです。
てんちょはシャンベリーも好きです。
この街にはノイリープラット博物館がありますねー、行ってみたい。
でも、ベルモットの話は立ち入るとかなり長くなるので今日は止めます

マルセランはこんなブドウです ↓

wikiより
写真を載せておきながらなんですけど…
いつも思う、外観だけでは品種の特定は難しいです

例えば、ボルドー右岸でメルローかカベルネフランか、はっきり見分けられません。
カベルネは房が長くて葉が切れ込んでるので区別しやすいんですけど

マルセランは病気、特にカビに強いんですが、粒が小さくて歩留まりが非常に悪いのでワイン生産量が一般的なヴィニフェラと比べて大変少ない品種です

一杯作っても大した量のワインにならない、という皮肉な品種…

上掲の写真だと、粒が小さそうは見えませんが、そうらしい

粒と粒の間が空いてますかね、カベルネやピノノワールはもっとぎゅっと詰まっていますので。
生産者の写真もないわー
しかし、マルセランは病害に強い事と霜への耐性があり、暑さにも強いので、温暖化で生育サイクルが変わって来たボルドーで新しく認可された7つの品種の一つに挙げられています

(補助品種としてボルドー、ボルドーシュペリュールなどの広域ワインのみ、植樹も今年以降)
カベルネとグルナッシュの交配ですし、南仏に向いてるに違いありません

更にマルセランは熟成の可能性もあるそうで、これからが楽しみです。
今日のワインは外観はやや濃い紫で、凝縮した印象を与えますがそこまでのフルボディではありません。
もっと強いのかと思って身構えてたら、それほどではありませんので安心した。
ミディアムボディですよ

こう言う品種はあまり濃く作らない方が良いと思いますので、大成功です

歩留まりが良くない分、栄養が実に詰まっていて旨みをストレートに感じられて美味しいですね

コクがあるけれどエレガントです。
もう少し熟成すると香りも一層良くなりそうです。
まだとても若々しいです。
カベルネとグルナッシュのいい所を合わせた品種、これからもっと増えて
このワイン、価格的にはとってもお手頃なんです

気軽にお試しいただけますので是非飲んでみてください。