2020年12月04日

アーモンドの辛口白ワイン


今日もいい天気の名古屋紫外線が強いのが難です。

皆様の周りは12月っぽいでしょうか?
てんちょの周りはまだですねぇ


今日のワインを紹介します

10BE2B85-70A3-4BB9-A5BB-E03313A188B2.jpg

オレムス マンドラス・トカイ2016

白ワインです。
ハンガリー産、フルミント100%

トカイの名前は知名度高そうですね

やっぱり甘口ワインとしては非常に長い歴史がありますし、中世では病を治すエリクサーだったくらいですから。
ただ、トカイワインの詳細をご存知の方は少ないでしょうね


今日のワインの詳しい話の前に、トカイというワインを復習しましょう

トカイは中央ヨーロッパのハンガリーの地方名です
首都ブダペストから東へ200キロくらい。

ここです ↓

トカイ.png

ハンガリーはドナウ川が国の真ん中を縦に流れているのが特徴です。
ホントに真っ二つ。

紀元前にローマ人がこの地を征服するずっと前からブドウ栽培が行われていたパノニア平原では、独自のブドウ品種や呼び名があります。
2000年以上の歴史に渡って、その時々の支配者によってワイン作りも奨励されたり、禁止されたりと翻弄されてきました

現在、ハンガリーでも産地呼称制度が取り入れらていますが、うーん、はっきり言ってほとんど知りません
独特の音を持った単語や地名に馴染みがないので余計覚えづらいかも。

ちょっと話が逸れますけど、
マジャール語と日本語の共通点について昔、お客様が教えてくれたんですが
ハンガリーで酔っ払いの事を「ヨッパライ」、塩が足りない事を「シオッタラン」というらしい。
調べても出て来ないけど…
本当なんだろうか。


で、話を戻しまして、
ハンガリーワインではトカイが圧倒的に有名なんですが、もちろん他にもワインはありますよ

次に有名なのは、多分エグリ・ビカヴェールでしょう
トカイの西隣の産地の赤ワインです。
ワイン名の意味は雄牛の血、スペインのトレースが作ってるサングレ・デ・トロと同じですね。
国の西側には細長く広大なバラトン湖があり、この周辺でもワイン作りは行われています
上掲の地図見てちょ

さて、トカイですが、元はトカイ・ヘジャリアと呼ばれる地域でのみ生産されてきました。
現在この名前は単にトカイと改正されておりますが、産地保護の名称としては1737年に既に確立していたほどの重要産地です

トカイの名前をかたる偽物が多かったんでしょうね
混ぜ物をした偽物は本家トカイの品質を疑わせるものであり、絶対に排除しないといけない訳です。
これには王侯貴族の保護があった事も重要な一面です。

トカイはフルミントと言う品種が主要なブドウですが、この貴腐はそれはそれは甘露なワインとなり、中世の王侯貴族に非常に持て囃されました
砂糖が新大陸から入る前、甘いものは非常に貴重だったんです。

ルイ14世が「王のワイン」と呼び(バローロじゃないわよ)、マリア・テレジアやピョートル大帝にも献上されていた甘いトカイは、庶民の口には決して入らないとっても高価な「薬」でもあったのです

まぁ、そりゃーそうでしょう
甘いと言っても薄い甘さの物が多かった中世で、あの極甘口の貴腐ワインが登場すれば、それは群を抜いた甘さだったに違いありません
みんなが飛びつくのも納得。


2002年に世界遺産に指定されたトカイは、法的には現在、辛口から極甘口まで、スパークリングを合わせると9種類に分類されており、それぞれに収量やアルコール度数、製法など規定されています

そんなにあるんだー(呆然)

甘口の最高峰であるエッセンシア
次に甘いアスー
辛口のサモロドニ(サラーズ)、などは聞き覚えがありますが、
見た事ないワインもあるなー

マーシュラーシュ:トカイの搾りかすにワインまたは果汁を加えて発酵させたもの、澱の再利用だね
フォルディターシュ:こちらも同様に澱の再利用ワイン、アスーの搾りかすを使用、イタリアのリパッソみたいな感じです
ペジュグー:スパークリングです

なんか、どれも魔法使いの名前みたいだわ
これらのワインが流通してるのに逢った事がない私、あんまりトカイを扱ってこなかったしなー

今では、桶で貴腐ブドウを追加するプトニュス(2杯入れると2プトニュス、6杯入れると6プトニュス、1から6まであった)の規定も変わって、記載義務が無くなったようです。

知らなかったー
すっかり浦島太郎になってるわ


はい、お待たせいたしました。
ようやく今日のワインです

オレムスはトカイでも指折りの老舗です

オレムスimage-moyen-oremus_winery_old_cellars.jpg
HPより、以下同様

17世紀にはトランシツヴァニア公のラコッシュ1世に献上された記録があり、その所有する畑オレムスを受け継いでいるのが現在のワイナリーです
牧師の記録によれば、1630年にこの畑のブドウで作った甘口ワインを「トカイ・アスー」と呼んだ事から、アスーの名前があるそうです。
へー、江戸時代の初めですね。

その後オスマン帝国との戦いや、
ハプスブルグ家の支配、
第一次世界大戦による帝国の消滅、
社会主義による産業の不振など色んな事がありました。

1993年にこのワイナリーはスペインのベガ・シシリアに買収され、今に至っています。

前回のブログに登場したベガ・シシリアですが、なんでまた、トカイを買ったんでしょう???
歴史上、重要なワイナリーだから??
謎だなぁ


緯度はそんなに高くないのですが冬にはマイナスにもなるこの地で、ベガ・シシリアはサステイナブル農法を取り入れています。
耕作も馬を使っています。

蔵の様子は見ごたえがありますねー
このストックの色を見よ

オレムスimage-moyen-img_9478_79_80.jpg

オレムスimage-moyen-library.jpg

甘露だー、飲む飴だね。
紅茶キャンディたくさん

貴腐ワインが並んでるとすごい色ですね

現在蔵では甘口以外にもワインを作っていますが、 ↓

オレムスimage-moyen-oremus_32.jpg

今日のワインは辛口です(写真の一番左)

ブドウは甘口と同じフルミント100%
マンドラスとはアーモンドの事で区画の名前でもあります。
それでラベルがアーモンドグリーンなのかしら。

タンクと樽を併用して発酵、6ヶ月バトナ―ジュしながら熟成させた若いワインです。

スッキリフルーティ、柑橘系の香りとバトナ―ジュによるコクがあります

バトナ―ジュ、分かりますか?

樽やタンクの中で澱をかき回す事です、白ワインに行う手法で澱からコクや旨味を抽出するのが目的です
でも、やりすぎるとワインの酸化が進み過ぎて寿命が極端に短くなるので要注意です。
(ブルゴーニュはこれのせいでプレモックス=熟成前酸化が起こり、今では多くの蔵が止めています)

トカイの固有品種であるフルミントは、元々は甘口用のブドウだったのをオレムスが初めて辛口として発売したのですが、今ではみんなが作ってます
酸がちゃんとあるブドウなので、辛口にしても香りよし味よしです

その背景には甘口の需要低下もありますが…
今、極甘口のワインはフランスのソーテルヌでさえもそうなんですが、そこまで売れないというのが正直な所です
(甘いものが溢れている現在、そこまで有難みが無くなって来たというのもありますし、糖分が悪者になってる側面もありますね)

固有品種の良さが伝わると思います

甘口でなくてもいいワインです、もちろん甘口も素敵だけど
たまにはシャルドネやソーヴィニヨンブランなどのメジャーなブドウじゃない物に挑戦してみませんか??
世界中どこにでもあるってのも、つまらんでしょ

お手頃価格なんで気軽にお試しいただけますよ〜










posted by cave MITSUKURA at 18:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。