肌寒い、雨の名古屋です

明日の方が激しく降るとか。
昨日のプイイヒュイッセのセミナーは大変勉強になりました

これまで表面をなぞるくらいしか勉強してなかったので、新鮮でした

ちょっとおさらいしましょう

プイイヒュイッセはフランス、ブルゴーニュ南部のワイン産地で、マコネ―の一部です。
マコネは北のコート・シャロネーズ、南のボジョレーに挟まれた場所で、ブドウ畑は7000haもある広大な産地です

(因みにブルゴーニュ全体では28000ha)
生産の8割が白です。
中心都市のマコンはマコネ―の南部にありますが、その周辺がプイイヒュイッセの産地でもあります

マコネはAOCがちょっと複雑かもしれませんね

重複してるアペラシオンがあるのはどこの産地も同じですが(ボルドーの中にメドック、更にその中にポイヤックがあるように)、
馴染みがない銘柄が多いと産地がピンと来ないでしょうし

AOCを簡単に解説します

まず、大きな名前から。


マコン・ヴェルゼ、マコンマンセ等がそれです。

以上の3つがマコン全体に適応されるAOCとなります。
そして、マコンに内包される名前は5つ。

これはマコネ中部にあるヴィレとクレッセ村の周辺で作られるワインが名乗れる名称です。
元はマコン・ヴィラージュだったんですが、特に質の高いワインが出来る事から99年に独立してこの名称が認められるようになりました。
ボングランはここにあります。
今日のプイイヒュイッセとは離れてます。
ここからが今日の本題。




上記4つのアペラシオンは全てマコン南部の村の名前ですが、


サン・ヴェランは北と南に分かれていて、かつては南の物はボジョレー・ブラン、北の物はマコン・ヴィラージュとして販売されていました。
それを71年に新たにサン・ヴェランというAOCを作って統一したんですが、今でも過去の名称を名乗る事も可能、という全くもって「コウモリ」なワインです

なら、前のままでえーやん。
離れてるのに北と南を統合したのも謎だ。
そして、プイイ・ロシェとプイイ・ヴァンゼルはプイイ・フュイッセのおまけみたいな名称で規模は小さいです(作ってる人ごめんね)
核心のプイイ・フュイッセですが、このアペラシオンは800haもあり、ブルゴーニュの村名AOCではシャブリに次いで2番目に大きな面積を持っています

ワインはシャルドネの白のみ。
プイイ・フュイッセは一続きの4つの村のブドウで出来るワインに与えられた名称です。
AOC認定は早く、1936年です。
村は北から、
ヴェルジッソン
ソリュトレ・プイイ
フュイッセ
シャントレ
(また謎なんですけど、ソリュトレとプイイの村は統合されて、ソリュトレ・プイイとなっています。
ワインの名称も変えなくていんだろうか)
余談ですが、このヴェルジッソンとソリュトレには、トレッキングやクライミングで人気の巨岩があります


ロッシュ・ド・ソリュトレ wikiより

ロッシュ・ド・ヴェルジッソン L’ascension de la Roche de Vergissonより
バジョシアンの崖と呼ばれています(ジュラ紀バショシアン階)
アルプスが隆起した時に東に押されて出来たそうで、2億年前の古い土壌もあるとか。
ブドウ栽培もローマ以前から始まっていました。
ブドウ畑が広がっていますね、いい眺め

この美しいブドウ畑、ヴェルジッソンからシャントレまでつながった畑の下は非常に複雑な土壌なんです


昨日のこの地図、色ごとに土壌が違うんですが、すごく入り混じってるなぁ…
このPDFを見られる方はどうぞ ↓
https://www.pouilly-fuisse.net/wp-content/uploads/carte-terroirs-pouilly-fuisse.pdf
拡大しないと読めないくらい細かい字ですが、15もの土壌区分があります

赤い枠で囲まれているのが1級に認定された22の区画です。
2009年に大規模な地質調査を行ったそうで、その際700ものボーリングをして土壌を採取して出来たのが上記の地図です。
この調査に携わった地質学の権威、イザベル・レテシエさん曰く、
「ブルゴーニュの全てのアペラシオンの中でプイイ・フュイッセは間違いなく、その地質の面で最も変化に富んでいます」
だそうで。
確かに複雑そうだ

それに土壌用語がよく分かりません

全ての畑は東、または南東を向いていてとても日当たりがいいです

できるワインが美味しいの分かるわ〜
そして、JAフェレがプイイ・フュイッセで筆頭の作り手であるのは間違いないでしょう

このドメーヌの紹介はまた次回以降にします。
めちゃくちゃ美味しいんです

とりあえず、マコネ―のAOCは理解してもらえたでしょうか
