2021年05月24日

オクシタニアの泡


19日にシャンパーニュでが積もったらしい
5月なのに
1級トレパイユ(モンターニュドランス)の周辺限定みたいですが…

アンボネイのエリック・ロデスさんの写真を見てびっくり

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Eric Rodez facebookより拝借

春が早いと霜害があるし、夏の暑さも過剰なら完熟を通り越してブドウが焼けるし
自然は思い通りにならないものですが、極端なのは困ったもんだ。



ワイン業界ではこのところ、多くの訃報が続いてます
また一人、スペインワインの巨匠が逝った。

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スペイン大好き、彼のワインも大好き

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過去にやったワイン会、レストランのお陰もあって最高だった(もう4年も前だ)
RIP





では、今日のワインを紹介します

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ロジェ クレマン・ド・リムー テール・ド・ヴィルロング2018


リムーの名前は聞いた事ありますか?

クレマンなんちゃらで、フランスに8つあるクレマンの生産地域の一つですが、リムーはラングドック・ルションです
(他の7つのクレマンの産地を言えますかね

ここです ↓

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カルカソンヌの南ですね。
ラングドック・ルションのオード県で、この辺りはオクシタニアとも言います
(ラングドック・ルションは現在行政区としては統合されています)

テンプル騎士団の財宝が隠されたらしい?レンヌ・ル・シャトーも近い(余談)


リムーでの発泡ワインの歴史は非常に古く、16世紀にはその記述があるとしてシャンパーニュよりも早く発泡ワインを作っていた、という主張があります。
当時の記録に「ブランケット・ド・リムー」の記述があるからです
シャンパーニュ委員会は公式にはこれを否定しておりますが、どちらも最古の論争は譲れなさそうです。

こうした論争の元には、発泡ワインのでき方(作り方というよりは何故発泡ワインになるのかという過程)に大きな理由があります

当たり前ですが、世界中どこの産地でも秋に収穫したブドウを発酵させてワインを作り、瓶に詰めて出荷します。
昔は貯蔵設備が整ってなかったので時間を経るとワインは劣化していきました。
その為、熟成期間をさほどおかずに出来たらなるべく早く出荷しており、新酒=出来立てのワインが一番だったのです
ヌーボーやホイリゲなど、今でも新酒を祝うそうした習慣は残っていますよね。

ブドウは自然の物ですので年によって出来が違います
いいブドウは糖分が多く、発酵にも時間がかかりますが、秋の発酵時に途中で気温が下がると酵母は活動を停止して休眠してしまいます。
これはアルコール度数が十分上がって酵母が働きを終え死ぬのとは違い、冬眠するんですね

そうすると桶の中での見た目はシュワシュワしなくなって、発酵が終わった様に見えます。
そのワインを瓶に詰めておくと、翌年の春になって気温が上がり、寝ていた酵母が再び瓶の中で活動(=発酵)を始めます。
ワイン中に残った糖分をアルコールに変える過程で二酸化炭素が発生し、瓶に居られらたワインはシュワシュワしてくるという訳です

これがシャンパーニュの起源で、所謂、瓶内二次醗酵の発見なんですが、昔はワインが泡立つのは劣化の証拠とされ、嫌われていたんです
糖分が減って酸っぱくなりますし、泡は要らん、と言う事ですね

ただし、この現象は毎年起こる訳ではなく、糖度の高いブドウが採れ、なおかつ冬が早まった年にだけ起こったので、なぜそうなるのかは長らく謎だったんです。

ですから、発酵のメカニズムがパスツールによって解明されるまでは、どこのワインでも暖かくなって開けたらシュワシュワしてた、という事態はあり得たのです。
臨まぬ変貌ではありますけど。

このような理由から、中世でも僅かではありますが、「泡の出るワイン」の存在は知られていたようです。

リムーでは昔からモーザックと言う品種を用いてワインを作っておりましたが、この品種は葉の裏が毛におおわれていて毛布みたいなんで、ブランケット・ド・リムーと呼ばれていました
リムーの毛布、っていう通称だったんです。

それが1930年代にAOC認定される際に、発泡ワインに限った名前になった事で、16世紀の記述も発泡ワインであったかのように考える事もできそうで、そのことがリムーが最古の発泡ワインであるという主張の根拠なのすが、当時はやはり普通の白ワインを作っていたのだろうというのがシャンパーニュ員会の見解です

まぁ、どちらにせよ消費者としては、瓶内二次醗酵の技術が確立されてフランス全土に広まった後では、優れた発泡ワインが各地にあってあって喜ばしい事です


リムーには現在、非発泡ワイン(スティル)として赤と白が、
発泡ワインでは、瓶内二次醗酵のブランケット・ド・リムー(白だけ)とクレマン・ド・リムーがあり(クレマンはロゼもOK)、
さらにアンセストラル方式のリムー・メトー・ド・・アンセストラルがあります。

*アンセストラル方式とは、メトード・リュラル Methode rurale(ruraleは田園の意味です)=田舎方式とも呼ばれますが、
Ancestrale=先祖伝来の、という意味で昔ながらの方式をこう呼びます。
その方式は、一次発酵で発酵中のワインをそのまま瓶詰めし、残りの発酵を瓶内で行う方法で、その結果、弱い発泡が得られます。
春になって酵母が活動を再開仕手いた昔のワインを再現した手法です。



話を今日のワインに戻しまして、生産者のミッシェル・ロジェ氏は元々シャンパーニュ出身です
家業はワイン関連ではありませんが、1982年にリムー近郊へ移住し、奥様と一緒にワイン作りを始めました。

現在は年間65万本を生産する大ドメーヌに成長、世界16か国へ輸出するまでになっています

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HPより、以下同様

今日のクレマン・ド・リムーはシャルドネ80%、シュナンブラン10%、ピノノワール10%
瓶内二次醗酵で、瓶熟は12ヶ月

ヴィルロングはリムーの近所にある村の名前で、ロジェさんが移住の際に最初に住んだ場所です。
リムー以上に何にもない田舎で、ブドウ栽培にはぴったしかも
で、そこが手狭になったのでリムーへ移転したんです

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遠くには雪を被ったピレネー山脈が見られます。

今日のワインには土着品種のモーザックは入っていませんが、ブランケット・ド・リムーに使用されています。
そ知らもとても美味しい泡ですよ

ロジェのワインはどれもコスパに優れたものばかりです
お手頃価格ですが、納得の味わいです。

今日のクレマンも勢いよく細やかな泡立ち、香ばしい香りで良く、冷やしてこれからの季節には大いに楽しめそうです
さらにお値段も手頃なのが嬉しい

色んな泡を試してみたい方、是非一度飲んでみてください〜








posted by cave MITSUKURA at 18:02| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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